自称エアコンマニア エアコンの機能の進化は正しいか?

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エアコンは、今や快適な生活を送る上での必需品です。夏は湿度をとり温度を下げ、冬は温度を上げ暖かくします。エアコンが世の中に出てきたのは1952年。この頃は冷房しかできないためクーラーと呼ばれていました。だからエアコンをクーラーと呼ぶ人は45才以上です

13年以上故障なしで事務所で稼働中のRAS-255SD東芝(8帖用)稼働率は年間50%くらいになる。

1961年に暖房機能が追加され、またヒートポンプ式エアコンも同時に発売され、エアコンという名称になりました。更に1970年から壁掛け式の現在あるエアコンになりました(余談ですが、車のエアコンはクーラーですね。ほとんどの車種が暖房はエンジン余熱によるものです。電気自動車はこのエンジン余熱がないので、エアコンをONすると暖房もエアコンですので極端に航続距離が下がります)
ここから既に約半世紀が経ち、当時のエアコンの性能はCOPで2くらいでしょうか?そこから現在は6.7くらいまで3倍以上も性能が上がりました。
私がエアコンを新潟県の暖房器具として使い始めたのは、17年くらい前の以前の職場です。ちょうど高気密高断熱住宅の新しい仕様がほぼ完成し、IBECの気密住宅の評価申請を終えたころです。当時標準で取り付けていたFF式の石油暖房器具(出力6KW)で、40坪位の家が丸ごと暖房できるのがわかってました。そんな中、冷房器具としてのエアコンを考えて調べていたとき、東芝のRAS-255SDという機種が暖房COP4.6を既に出しており衝撃を受けました。
私の学生時代に友人の卒研発表で「理想COP10以上」だったようなヒートポンプに関する発表があり今でも記憶に残っているくらいヒートポンプについては興味がありました。
そんな学生のころ、エネルギー保存の法則で、『ある閉じたの中のエネルギーの総量は変化しない』と習ってましたから、ヒートポンプを1のエネルギーで10のエネルギーを得ると解釈した私は、凄い機械があるものだと勝手に思ってました。実は閉じた系でなないことがわかったのが相当後になってからです。
熱をある系から系へ移動している機械がヒートポンプエアコンですね。生み出しているわけではありませんし(ここがエコの所以なのです)、環境規模から見ればエネルギー保存の法則のとおりです。お馬鹿でした。ただ、低い温度から高い熱をくみ上げることについては、理屈はわかっていても今でも驚きです。

ということで、COPが4.6ということがわかって、当時東芝さんからいろいろ資料をもらいました。気温別COPや、出力別COP(インバーターだったので)などのグラフももらい、新潟でも充分暖房機として使えることがわかり早速各地域の住宅に取り付けました。
思っていたとおり充分暖房可能でまったく問題ありませんでした。だた当時は灯油が安価でランニングコストが灯油を使うより少し高いことだけでした。

当時のエアコン暖房の利点は、いくつかありましたが、その中でもサーキュレーターの役目も兼用できたことが非常に大きい利点です。この利点が今のエアコンにはなくなってしまいました。これは、最近のエアコンが出力応じて勝手に風量を下げ、コンプレッサーが動いてないときは、室内送風機の風量が限りなく0になるからです。すると高気密高断熱住宅では、数台で少ない出力で運転している時があり、その時サーキュレーター代わりとして使えなくなるのです。こればかりか最近は、機械が人を見つけそこに向かって暖かい風を吹き付ける機種まであり、正しい機能の進化とはいえない気がします。エアコン暖房が嫌いな人は、あのなま温かい風が吹き付けられるのが嫌いという人多いはずです。そのためわざわざ当事務所のエアコン暖房マニュアル(こんなもの渡しているのは当事務所だけかな?)には、
「エアコンの風は、人に向けないように設定してください。」と書かれています。また、説明に当たっては、「エアコン風は窓下に向けると快適性がまします。」と言います。

窓周りの断熱性が壁より大幅に低いので、やはりコールドドラフトは発生し不快になりますが、このようにエアコンを使うと、不快感が軽減されることを経験上わかっていましたので、サーキュレーターとしての機能も期待してました。それが今の機種では不可能になりました。残念です。下の写真の機種は最近の製品ですが、これもサーキュレーター機器となりません。その点上の写真の13年前の255SDはサーキュレーターとなり事務所のような低断熱建物では大変重宝します。今後メーカーには、風量を人が調整できるようにして頂きたいと願っております。
2007年に事務所に追加した設置フリータイプの三洋製エアコン約COP6.4(10帖用)年間稼働率60%以上と大忙し。

デザインも重視する設計事務所なのにビルトインのエアコンにまったく興味がないのは、ただたんにビルトインエアコンや天井カセットエアコンはCOPが低いからです。私が最初に入社した設計事務所では、ビルトインエアコンを多用してましたが、ショートサーキットによく悩まされました。今後も暖房は床下エアコン暖房で、冷房は目立たないところに1台設置だけですから、住宅でビルトインの必要性は今後もないでしょう。

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