新潟の家 秋の長雨 除湿器使う?使わない?

これから秋の長雨の季節。洗濯物を乾かす事に苦労しますよね。乾くのに時間が掛かると菌が増殖するようで洗濯物の半乾きの臭いは細菌によるものだと考えると、出来るだけ早く乾かす事を考えます。そこで普通思い浮かぶのが「除湿器」!しかしエアコンマニアの私は除湿器を購入したことはありませんし、実はどうしても買えない感情があるのです・・・。

写真は最近の除湿器でデシカント方式。ゼオライト等の吸湿剤に湿気を吸わせ、熱を加えて吐き出させる方式。

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木の魅力 古い建物と木のキッチン

この写真はnative dimensionsさんのSさんの撮影です。

築72年で解体が決定した新関小学校(旧新津市)の扉です。

何とも言えない木の表情です。角がとれ丸くなって皺があるご老人の優しさを感じます。木の表面は当初ペンキ塗装がされていたのでしょう。当初は塗り直したのでしょうが、もう数十年くらい塗装はされず時のたつまま。木の魅力はつきない・・・ですね。

そして木の最終段階の色・・・シルバーグレー色。とても落ち着きます。取っ手の真鍮ととても仲の良い感じです。  最近削られた部分は新品色ですね。校長室に入る前にその扉枠に擦るような情景を想像し思わずにんまり。

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新潟の家 エコポイントなんて目じゃない。補助金と減税、フラット35Sで570万以上!

2010年3月13日緑字加筆修正

今年の国の住宅施策は異常です。かつてこれほど大盤振る舞いの補助金と減税のオンパレードはありません。下の説明パンフでは少なめにみて記載してますが、それでも570万の補助。これに太陽光発電設置3kwをした場合の補助を受けると、600万を超えそうな・・・。あり得ない・・・、信じられない金額です。

今回のエコポイントの30万は補助金・減税全体の中の一割一部でしかありません。まず昨年同様「長期優良住宅」の認定と申請→「木のまち・木の家整備促進事業」を行うだけで100万の補助。それよりも凄いのは、2,000万の仮入れ金額でフラット35の「S」の利用すると普通のフラット35より200万も支払う金額が10年だけで低くなります。借入金額が増えればそのまま比例してもっと節約金額が増えます。さらに長期優良住宅認定を受ければ10年後の金利も0.3低くなります。すると太陽光発電の補助を入れてないでも総額約600万の大バーゲンです。流行の言葉でいうと「家のアウトレット」くらいのインパクトです。

これを見ると私が建築した頃の金利5%、補助金一切なしという20年前は一体何だったのか?という感じです。

いつかは家をと思っていた人は今年に限りますね。来年から国の財政が相当悪いのでこれほどのバーゲンはもう望めないでしょう。因みに各補助金は予算なくなり次第打ち切りが殆どですので早めに!

最後に宣伝ですが、「緑の家」は標準仕様で上の全てを余裕で満たしてます(太陽光のみ別)。是非ご相談ください。特に超高断熱SSプランはお勧めです。

昨日の記事にエコポイントと「木のまち・木の家整備促進事業」の補助金が重複できるような記載になっておりました。まだ22年度予算が国会通過をしていないのではっきりと重複できるかどうかわかりませんが誤解を与える表現で申し訳ありません。
仮に重複できなくても大型の補助金570万(各種条件がありますが)には変わりありませんので、少々興奮して第一報をお伝えしました。


カメラ・・・

当事務所で使っているメインカメラはシグマ社のSD14(SD10)と言う事は以前のブログでお伝えしました。 完成時の写真などはこのカメラで撮ります。画角は35mm換算で17mm~34mmのレンズを取り付けています。一眼レフカメラでは本体よりレンズの価格が高くても普通です。17mm位(本当は12mmくらいほしい)でないと室内の全体イメージが写せないので多少お金は掛かりましたがこの本体より高いレンズが常時装着されています。

 カメラの上部に出っぱっているのものはアングルファインダーです。上や横から覗いて撮影するためのものです。

 上の写真のとおり、首から提げるのが嫌いなのでハンドストラップを取り付けてあります(これは結構便利で落とした事はありません)。 ブログ用写真のメイン機は上の写真の右「ニコン クールピクス950」です。 なんともうクラッシックデジタルカメラの部類に入ると思います。発売は1999年。当時希望小売価格128,000円。実売9万くらいだったと思います。ニコンが本気で造ったデジタルカメラがここからスタートしました。ボディーはマグネシウム製で最近の安価なデジイチよりも高価な素材です。スイバル機構のカメラでアングルフリーです。画素は200万程度ですがブログではちょうど良い画素数です。

左は動画専用(一応静止画もとれる)で購入した超小型軽量デジタルビデオカメラ「AIPTEK」 です。重さは電池込みでわずか130gと携帯電話とほぼ同じ。こちらもバリアングルというアングルフリーです。どうも最初のデジカメがアングルフリーでとても便利だったので、この機能は譲れない癖がついたのでしょう。価格は2万でしたが、故障が一年で2度もありこの機は3代目です。やはり日本メーカーではない機器の品質管理には問題があります。この機器は基礎のコンクリート打ち込み撮影用として購入しました。
おもちゃみたいな軽さですが、真っ白くほとんどスクエアー形状はデザイン的にとても好きです。

 AIPTEKのバリアングルを開くとこんな感じです。

またニコンのクールピクス950の標準画角が38mmだったので高価な純正ワイドコンバージョンレンズを購入しております。こちらを装着すると24mm相当です。ただレンズがカメラに対し「超デカ」なので不思議な造詣のカメラになりますね。

このほか個人(家庭)で使っているのがパナソニックのDMC-FZ1(これも既にクラッシックデジタルカメラ2002年)とパナソニックのDMC-TZ5(2008年)というコンパクト超望遠カメラです。

クールピクス950といい、FZ1といいこれらの名機と呼ばれる古デジカメ初期の機器はタフで一度も壊れません。多少スイッチの接触に難がありますが、基本的に撮る動作では故障無く既に1万枚近くではないでしょうか?それに比べ最近の普及価格体のデジカメ機は機能的にはすばらしいのですが1、2年でおかしくなる事が多いで質実剛健でないところがちょっと残念かな。


長く愛する住宅を作る為 ④ 新潟の家で阪神淡路大震災から学ぶもの。

 新潟ではこの6年間で大きな地震が2度あり数十名の方が亡くなっています。しかし都市直下型地震である1995年の1月17日におこった阪神淡路大地震では、その100倍の6000人以上の人が亡くなりました。あれから15年経ち、被災者以外の人の脳裏からから少しづつ記憶が薄れてきております。

我々建築士は、この阪神淡路大地震を教訓にいろいろ学び、改善策を実施してきたと思います。が、今でも一般の木造住宅の4号建築物特例という法律が改善されないままです。4号建築物特例とは、普通の規模の木造2階建ての構造の安全チェックはその設計者が建築士の場合は、その建築士に一任し行政ではチェックしませんと言うものです。
この法律を建て主さんは知らないと思います。家を作るときは行政に確認申請を行い、この時点で行政(国)が構造も大丈夫かどうか見てくれると思っている人がほとんどでしょう。
しかし行政は一般の木造住宅の構造にはタッチしません(長期優良認定取得住宅等を除く)。その家の構造は設計者(法人を含む)が全て責任を持ち、行政は関与しません。
行政チェックやダブルチェックと言われる機能は、ここではありませんし、もしかしたら設計者のシングルチェックさえも「感」によってしかされていない場合が多くあるのではないかと考えます。

さて、この構造チェックをしていない設計者もいまだにおり、それを確認するには、プランが決まった基本設計時点で

「構造計算書」か

「壁量計算書」を

見せてください。
とお願いすればよいのです。

「構造計算」は専門知識が多少要るので少ないでしょうが、壁量計算は建築士であれば誰でもできるくらいもので、逆にこの壁量計算(四則演算程度)ができない人は建築士になれません。この壁量計算は安全性を確認する一番簡単な根拠(私は雪国の家では甘いと思いますが、法律ではOK)です。
基本設計終了時点でこれらの構造チェック(ラフでも)が終了していなければ、そのプランは絵に描いた餅(安全性が確認できない建物は家ではない)と同じで、きっとこの後も構造の安全確認はしないでしょう。

「構造確認は後で行います」
といっている設計者は多分こういうでしょう。
「今までの経験で大丈夫」
こういう人(会社)が一番危ないですね。

また、「4号建築物特例は住宅程度の小物件には必要だ!」
という業界関係者がいらっしゃいますが、私もそう感じます。
が、問題はその特例をいい事に構造の安全確認を設計者が決められた手順で行わないと言う事があるので、性善説が成り立たなくなっている事です。だから行政チェックによって法律が守られ建て主さんを保護しなければならなくなってきている状況であるという認識です。そうなるとまた確認申請料が上がり、建て主さんの負担が増え、また行政の肥大化を招きます。本来なら法律を守らない設計者が悪いので、4号特例を廃止するより
「法律を守らない設計者を一時免許停止のように厳罰に処す」と決めるとすぐに改善されるはずです。このほうが建て主さんにずっとメリットがあります。

最近は小屋裏収納のロフトや中間収納、太陽光発電パネル設置など、家がどんどん重くなってます。重くなると言う事は耐震性を増さないと家が壊れやすくなります。またその耐震性アップの方法は法律で決まってます。姉歯事件がきっかけで行った国の調査で、これを知らなかった設計者が関与した建物が100棟以上が法律違反となった関東の大手建設会社があり、きっと調べると全国的に相当多数の家が安全性に疑義がありそうだと言う事で4号特例が廃止される議論になったのです。
怖いですね。スキップフロアーや組み込み駐車場による大開口など、アクロバット的な家も多いですね。日本の諺の「のど元過ぎれば・・・」となってはいけませんね。

さて、阪神大震災の亡くなった人のうち5000人は木造住宅での圧死です。倒壊した木造住宅の大部分が古い法律時の耐震性しかない建物や腐朽した建物でした。現在の法律に沿って安全確認をし、上のようなアクロバット的(一般的でない)な事をしなければ倒壊等が起きる可能性が極めて低いと国はアナウンスしております。
因みに新潟でおこった地震の被害は地盤が原因である場合が多くあり、まずはがけ地や埋立地(過去に潟だったところ)の場合は、上物構造の安全確認ができたとしても家が傾くリスクがあると思ってください。この場合は、簡単に傾きが修繕可能かどうかが重要ですし、家具の倒壊防止も重要です。

過去の教訓を活かしたいといつもこの時期に思い出します。


広告は本当か?自然素材の家ほど断熱性能が必要と考えるが・・・

「超高断熱」という表示って・・・。

その断熱材でそれはないでしょう?

ある建設会社さんの広告で「超高断熱」が標準仕様とありました。
「超」が付く断熱なら、法律で定めた次世代断熱基準の倍くらいの
性能はほしいと思います。その次世代断熱基準は今や当たり前の
断熱性能で、これ以下の性能を国は求めていませんから・・・。

ところが、その広告では、次世代断熱基準をようやくクリヤーする
程度の基準しかありません。

悲しいですね。何も専門用語を知らない素人さんの建て主さんには、
住宅の内容を説明する広告に、
「超高断熱」とあれば、「相当すごい断熱なんだな」と思います。
実際はそうではなく、国の推奨する最低基準の断熱性能です。
その広告にある内容は、言葉遊びのような誇大広告が多く、
びっくりします。

例えば雨水を地下に20度で2000L(リットル)ためておき、
それを室内に取り入れて冷房除湿に利用するとあります。
そんな少しの冷熱で夏の冷房除湿はできません。
技術者なら30秒の計算でわかります。

計算すると
仮に室温28度にしたい場合、その水をどんなに
温度変換効率がよくても25度くらいまでしか利用できないでしょう。
25-20度×2000=10000Kcal =11.2KWの冷熱
通常6畳用のエアコンの定格出力2.2KWであるため
11.2/2.2=5時間分(6畳用エアコン)
雨が降らなければ(水が入れ替わらなければ)、
たった5時間分です。真夏に2000Lの豪雨が何回あるのでしょう。
こんな雨水設備を使わなくとも
エアコンなら5時間でCOP6の消費電力は
366W×5=1.83KW=電気代50円弱でしかありません。仮に
5回雨が相当降って入れ替わったとして年間250円分の節約です。
この節約料金で特別冷房設備10万円を払う意味はありませんね。

つまりこの企業は科学的(技術的)裏付けがない提案で、
自然エネルギー利用という麗句による
意味のない設備をすごい環境を考えた設備と宣伝しています。
雨水は庭の散布や、トイレに使うと
非常に有効です。
雨水をエアコン室外機に直接噴霧し、水の持つ大きな潜熱を使う
エアコンシステムは有効ですが、冷房用の冷水として10万も
設備費を払うのはもったいない事です。
こんな非科学的な設備を薦めるところは、他の部分も全て
胡散臭く感じるのは私だけでしょうか?

詳しくはしくは当HPのコラムに載せました。興味があればご覧ください。いつもの「階段に手すりのない」違法建築のところです。

でも本当にその広告でジャロに何も言われないのかな?
それともどうでもいいことなのかな?県内では相当数建てていると思いますが、とても不思議です。


新潟で南雄三講師の勉強会「長期高価値住宅」とは?

2009.09.18加筆
2009.09.27赤字修正

 

昨日住宅評論家として有名な「南雄三」講師による講演というか勉強会に出席させて頂きました。
主催は上野住宅建材(見附市)です。この会社は県内にR2000を紹介した由緒正しい高気密高断熱建材及び輸入会社です。
さて内容は、南講師が力をこめる「長期高価値住宅とは」です。
皆様ご存知のとおり、最近は長期優良住宅が推進されてます。これは他の先進諸国と比べ日本の家の建て替え寿命が著しく短い「短命住宅」であるからです。ちなみに日本が30年に対し最長のイギリスが80年以上、米国等でも60年以上だそうです。これでは一向に家が社会資産とはなりません。返済が終わると同時にとりこわしですね。

まずジャブとして日本の抱える欠陥(世界との比較)ということで、
日本では先進国の中で特殊な高齢者高貯蓄国家。老後における国の施策が不安なので老人の貯蓄が世界一。この不安(恐怖)がある限り、お金が回らない内政状況・・・。
そのとおりですね。老後の恐怖がなくなれば、もっと心が豊かになりますよね。あの高福祉国家スエーデン?(だったと思う)は、100年位前に「姥捨て谷」があったらしいとの事です。それが今は世界一の高福祉高負担国家で、経済も住まい豊かといわれてます。老人は不安なく日々過ごせるそうです。日本には姥捨て山があったのですが、姥捨て谷とは・・・高齢者を突き落とす谷の事です(絶句)。

次に・・・この本は、南講師が「絶対買いなさい」に脅された(笑)本です。昨日早速アマゾンで中古を購入しました。

さて、日本の住宅はなぜ30年で取り壊されるのか?日本は家を買ったらその家は死ぬまで住む(借金返済)という前提。だから自分だけの家を建てるし、老後不安だからその家でお金のかかるメンテナンスなどしないでお金をためる→その建てた住人が死んだら誰もその痛んだ家には魅力がない→流通に乗らない→売れないで壊される。そして政府の持ち家政策が推奨され、自分だけの家となり、短命ということらしいです。

いつも賛同する南講師のご意見ですが今回は・・・実は私はそう単純ではないと思います。

ここから拙者の主観で書きますので興味のある方だけお読みください。

日本には長い寿命の住宅も多くあります。例えば新潟県の農家の家は、50年以上は当たり前に建っていることが多いです。一方新潟県でも市街地に建てられる家の多くが短命です。また、日本は他の先進国と違い大部分が亜熱帯地方に属するような気候があります。その亜熱帯地方の建物は比較的短命です。

さて、農家の家がどうして長命だったか?それはまず戦後すぐでも家にお金をかけられた。つまりお金もちだったからからです。そして農家には家を継ぐ(あと取り)という習慣があり、農地とともに家ごと引き継いできました。農地は移転はできませんから、家もその周囲になければなりません。ところが農家以外の職種では、この「あと取り」という習慣が薄く、家を引き継ぐ理由がなかったのです。そして戦後お金があった(食料が一番お金になったころ)農家は立派な家(広くて庭がなどしっかりある)が建てることができました。
一方農家以外の家は小さく、家があれば良いという程度の家(国もそう推進していた)なのでどちらかといえば粗末な家が造られました。実は亜熱帯地方の気候である日本は、粗末な家でも耐えられる気候だったのです。ここが他の先進国と違います。亜熱帯地方の普通の家は、ほとんど薄い壁、雨がしのげればよい程度の屋根だけです。一方日本の中でも寒い気候に属する北海道ではそれではなかなかつらい気候ですが、これはほんの日本の一部でしかなので、国の施策は、とにかく安い家でいいからたくさん建てて、人を増やすことに力を注いだのではないでしょうか?日本の人口密度を他の先進諸国と比べると高い事がわかります。人口密度高い国は、気候が亜熱帯以上の国がほとんどです。韓国が日本より高い人口密度ですが、森林を占める面積が多い日本では、実質同じぐらいでしょうか。

そしてこの亜熱帯気候。これがやはり住宅の寿命を大きく左右しているのではないかと思います。
それはカビと腐朽菌です。日本の気候では、家は放って置くだけでカビが蔓延します。特に有機天然素材で作られた家は必ずカビが生えます。一方住宅長寿先進国は気候が北海道並で梅雨などないところがほとんどで、カビが勝手に増殖する気候ではありません。
よく「取り壊された家は構造的に寿命でだめという理由はほとんどない(構造が腐って勝手に家が倒れた)」と言われます。そのとおりですね。でも古い家はほとんどといってよいほどカビ臭がします。また手入れを怠った家も独特のにおいがします。この匂いは、簡単に取れませんし、日本人は強い匂いを生理的に嫌う傾向があります。特にこの匂いはその家々で違うようで、自分の住んでいる家の匂いは問題ないでしょうが、他の家の匂いは受付にくいですよね(体臭でもそうですよね)。ですので真新しい木の匂いにとても価値を感じるのでしょう。
一方カビの生える気候は悪いことばかりではありません。木が生長しやすい気候であるため、木造住宅を50年持たせれば、木の循環が可能となります。だから50年で壊しても良いことにはなりませんが、木材が比較的手に入りやすいので、壊しやすかったともいえます(今は北米、北欧の輸入木材が安価なので大半を占め、少し矛盾してますが)。

さて短命の理由は、好き勝手に建てられる家のため売れない→流通が育たない→取り壊される
ということも無論ありますが、私はこの日本の気候と戦後の貧しさと国の政策の問題が大きいと思います(一極集中施策、非木造推進施策※を含む)。好き勝手に作るのは、そうしないと造れない地代の高さと制限があり、またその制限が町並みに対する制限をまったく含んでいなかったせいでしょう。いろいろなデザイン、新建材が横行したのは、貧しさゆえの表面のごまかし(建材含む)だと思います。お金をかけられた家は、古くてもデザイン的に今も問題ない家が多いですから・・・。
また歴史的背景もありそうです。江戸の庶民の家は火災が多く、結構頻繁に建て替えがあったとされてます。庶民の家(大きな武家や地主の家は別)は、短命でも仕方ないと思って歴史が長かったのでしょうか?

勉強会で賛同する部分というか、「そうか!!」という部分は、「モーゲージ・ローン」と「ノン・リコース・ローン」でした。このローンで「貧しさ=家にお金がかけられない」という部分が解消されるきっかけになりそうです。
米国では、住宅の融資の基本はこのモーゲージ・ローン(且つノン・リコース・ローン)だそうです。これは、家、土地だけの担保でお金を借りれ、もし払えなくなったときはその家と土地を手放せば、それ以上責任を取らなくても良いというローンだそうです。日本では、人にお金を貸しますので、仮に家と土地を手放しても、借金が残っていれば払い続ける必要がありますが、モーゲージノン・リコース・ローンでは、手放せばローンは一切チャラとなり、また出直せるということです。これはすごいシステムで中古住宅が流通に乗る基盤になります。人にお金を貸した場合は、その人が今後稼ぐ以上に融資は無理ですが、このローンなら関係ありません。その人の収入がどうであれ家が社会的資産になりますから・・・。是非このシステムが日本にも定着することを願います。

さて、私の結論ですが、今までの短命住宅は仕方ないというより感謝です。これだけ経済が成長できた政策優先は支持しますし、それを行って頂いた諸先輩には感謝申し上げます。
今後はやはり長期高価値住宅は、子供たちに残す財産として必要です。もっと心が豊かになるように、家の借金が終わった途端壊されるというローン地獄の連鎖を断ち切る必要があります。その長期価値住宅の目標とする対応年数は、木造で平均60~80年くらいではないかと思います。これで地方では約3世代が引き継ぎます。一方都市部ではコンクリートの寿命となる80~100年くらいで、10から20サイクル(転勤や転属で4~8年)の入れ代わりが相応という気がします。
地球環境が激変する可能性の高い今世紀。手塚治氏のような想像力があれば別でしょうが、我々技術者ではどうがんばっても60~80年の目標をたてるだけでも精一杯です。

最後にいろいろなことを考えれる時間があった、講師の南様は無論、このような講演を主宰された上野様にも感謝申し上げます。

※・・・日本建築学会が木造住宅推進だった昭和34年からの20年間は、木造住宅の構造的進歩が止まりました。このころ建てられた多くの家には耐震性や断熱、耐久性などはまったくといってよいほど考えられてません。このような基本的性能がない家だから取り壊すしかないと考えます。


三条で地鎮祭。お気に入りの日本酒を!キムラ屋酒店オリジナル

2013年緑字更新

この日本酒は当事務所の定番。というか私の定番酒(7年くらい浮気なし)。地鎮祭や上棟式があるときに80%くらい指名するお酒(2012年~2013年まで酒元の都合により休止。残念)。販売元は三条のキムラ屋酒店で、ここのご亭主のこだわりでオリジナル。ここでしか手に入りません。吟醸酒なので香りがとてもよい。口ざわりはきりっととして味があるタイプのお酒。最近は端麗辛口が多いが、端麗でも味がしっかりある日本酒。価格も2342円でお手頃。ご興味のある方は一度ご賞味を。無論常温で一番おいしい!!

三条でまた工事が始まった。今回の家は、茶室のある家。凝ったアプローチとシックで飽きのこない外観、そして高性能木製サッシを提案。暖房は床下暖房と薪ストーブを併用したあったかい家。竣工は8月乞うご期待。Q値はただいま計算中。たぶん1.6Wくらい。


新潟の住まい 性能表示とメンテナンス性 高気密高断熱の緑の家

先日S邸の「住宅性能評価書」をERIさんから頂いた。 設計性能どおり建設も同じ評価を頂いた。

評価は10項目あるが、「緑の家」が大切にする評価は1.耐震性、2.温熱環境(所謂高気密高断熱)、3劣化防止性、4.維持管理の4つである。この4つ以外は光や音、防犯性、バリアフリー等がある。

耐震性を除く等級はすべてトップ等級であり、耐震性は上から2番目の等級2である。耐震性をトップの等級3にすることは経済的にも技術的にも簡単であるが、あえて基本は等級2である。この等級は地震時の避難施設にも求められる性能で、必要且つ充分と見ている。等級3になると、吹き抜けや窓の大きさが制限されやすい。無論等級3にこしたことはないが、後はバランスの問題である。ちなみに耐震性最低評価の等級1は、評価機関で基礎の構造チェックをしないので、果たして基準法を守っているかどうかは、その設計者しか知らないブラックボックスとになり、これが問題である。

さて、超寿命住宅はどなたでも求めているものであるが、そのとき大事な性能が「メンテナンスのし易さ」だと私どもは考えている。例えば配管設備類。配管は長くても20年くらいで掃除やチェックが必要になるといわれている。その時、下写真のように最近流行のべた基礎の基礎スラブ内に配管されていたら、これではメンテナンスし難い。もちろん性能評価でも配管類をスラブ下に埋め込むと維持管理のしやすさの評価は低い。加えて床下にあるので、歩腹全身でしかメンテナンスできない。メンテナンス性がよいとはおせいじにもいえない。

中越地震のとき、被害地には「緑の家」があり、ある程度被災地が落ち着いてから被害状況確認と修繕のつもりで点検に伺った。内一軒で、床下内の排水管接合部のずれが見つかった。大きく漏水はしていないものの、ぽた、ぽたとしずくが落ちているのが確認できたので、早速修繕した。普通の家ではこのような発見は難しい。大きく漏水するまで発見はできないだろう。普通の家では、歩腹前進と真っ暗な床下は誰も入ることを躊躇するから・・・。

緑の家では11年間このように簡単にメンテナンスできる床下をほぼ100%提供し続けている。これが自慢である。

「緑の家」のお風呂の床下配管メンテナンス写真。配管は基礎立ち上がりから屋外に貫通し、スラブに埋め込まれていない。普通お風呂の配管は一番見にくい場所と構造になり、こんなにオープンに見えることはありえない。


ようやくWindowsのVISTAにしました。

事務所にはWindows系8台のパソコンがあるが、内2台がXP、2000が5台、98(なんと古い)が1台。私のCAD用パソコンは2000であり、数年間もよく働いてくれている。しかし1カ月まえからフリーズをよく起こし始めた1日何度も立ち上げなおし、だましだまし使っていた。

もう一度OSからクリーンインストールすれば直る可能はある。けれど、トリプル画面のドライバーがうまく入らないと、ブルーバックや、真っ黒な画面となる。(2000ではまだマルチディスプレイが安定していない)4、5年前なら何とかセットアップしたが、その気力はもうない。そこで新しくPCの新調となる。通常はメーカー製パソコンを購入したほうが、安く、安定し、サポートもある。しかし私はどうしても自分用にカスタマイズしたい(一応デザイナーですから・・・)ので久しぶりに新しいパソコンをセットアップした。

CPUは数年前はAMD系が性能が優れていたのでAthionだった。今回は消費電力が少なく性能の高いINTELにした。最近の流行はQuad(4個のコアで構成されるCPU)だけれども、私のCADソフトはシングルコアのCPUでしか使ってくれないので、Duo(デュアルコアのCPU)で周波数の高いもの(3.2GHzをチョイス・・・ってどんな周波数?)をチョイスした。 ビデオカードはチップセット内蔵は使用せず、PCI-Eカードを2枚新たに購入し使いトリプルディスプレイとした。そのディスプレイは、数年前から使っているナナオの17インチIPSの液晶。やはり古くてもナナオの発色、見え方に慣れているため。ナナオは高くてもよいディスプレイと改めて感じる。

さて、肝心のOSだが、これは互換性においてXP-Proが評判よいのだが、まあ新しい物好きなので、やはりVISTAの64ビット版とした。なんといってもエアロや4G以上のメモリー(同時にCADや、フォトショップ、IEなどを使うとすぐに2G使用する。ここにエアロを使うとあっという間意32ビット上限の3.5GMAX状態)を乗せたかったので、だめもとで購入した。皆様ご指摘のとおり、半分くらいのソフトは×。またプリンターも半分くらいはドライバーがVISTAや64ビットに対応しておらずだめ。・・・残念。まあしかしCADは何とか動くみたい(サポートはない)だし、構造ソフト、メイル、IEや画像ソフトは動くのでよしとしよう。動かないソフトは「アクロバット」、「B’sレコーダー8」、「TV視聴ソフト」、と後はユーティリティーソフト全部(引越しソフトや、バックアップソフト)。ユーティリティーソフトは痛い。

HPの大型A1プリンターはVISTA未対応で動かない。(HPさん何とかしてよ。25万もするプリンターはそうそう買い替えできないよ)が、A2プリンターは64ビットのドライバーをサポートしているので(エプソンさん偉い)何とか業務に支障は出ないだろう。・・・と思う。しかし事務所の本命はこれからもVISTAではなく互換性が高いXPでしょうな。


「節水」は環境に良いか?

環境にやさしい行為を考えた場合、「節水」はその代表格のような感覚であるというような人がが多いと感じる。しかし節水は思ったほど環境にやさしい行為ではないとおっしゃるサイトがある。

これについては私も同意。新潟県に住んでいるせいか、夏の水不足にほとんどお目にかかれないため、生活水の心配をする事が少ない。確かに4年前に三条市で水害があり、断水に近い状態を経験したが、これも普段の水を少なくする事が環境に良いと考えるに至らない。(上水は貴重であり感謝している事は間違いない)しかし環境保全に対し効果が少ない事に一生懸命するより、正しい情報で効果のある環境に対してやさしい行為を一生懸命行う方が、より良いはず・・・。

そのサイトから引用すると

「水は再生可能資源なので、その持続可能性を支配している環境問題の原理原則は、再生速度を上回る資源を使ってはいけない、というものでしかない。」

「36Lの水をお風呂程度まで温める熱量で、1000Lの水の上水供給と下水処理ができる。お湯と水では、30倍近くもCO2発生量が違う。もしも、努力して1日、30Lの水を節約するのであれば、1Lのお湯を使わないことで、同じ効果がでる。」

「水に限らないが、水を大切にしようという心が、環境を守る心である。」には同意。

等である。特にお湯の1Lが水の30Lの節約になるというのは、CO2削減からするとすごい事。そう考えると食器洗い機はなかなか優秀品と思う。まあ両方いっしょに節水すれば完璧であるが、とりあえず効果が高い方を削減する事は、環境問題解決の鉄則。

勘違いしないでほしいのは、水を汚す事と節水は別物。水は汚さないように使えば、再生速度上回ることがどんどん少なくなる。水は極力汚さない努力は大切。拙宅では使ったテッシュで皿をふき取ってから洗う。昔は理解できなかったが、今はこれをしないと気持ち悪い。


色々な話題から エアコン、エコキュート、シートベルト

家造りをお手伝いしている建て主さんのほとんどの方は、この冬灯油暖房からエアコン暖房に切り替えた。特に共同住宅にお住まいの方も備え付けエアコンでも充分効果(暖かく、電気代も少ない)が期待できたようだ。

東北電力さんでは電気温水器の入ったオール電化住宅であると、チラシを配布する場合協賛していただけたのであるが、本年から電気温水器では協賛不可で、エコキュートによる温水システムでないとだめになった。本当は電気温水器の方が電気代が3倍上がり、経営的には有利であるはず。なのにエコキュートとなったのは、やはり温暖化防止の政府の方針である。

環境税導入が政府関係者から聞かれるようになった。この環境税には賛成である。例えばCO2を多量に排出する車。同じ用途の自家用車の中でも燃費のよい車から悪い車までの差は5倍にも達する。(5km/Lから25km/Lくらい)当然燃費の悪い車は、重い大きな車で「ハマー」とか「USA RV車」などである。これらの車が一概に悪いのとうよりも、環境税という形で燃費がわる事で環境に負荷を掛けた分だけ税金を高くし、その税金で木を植えるとかすればよい。車は趣意も兼ねているので、燃費の悪い車を選ぶ自由もあってしかるべき。但し、その分環境を修正する分税金をかけることは合理的だし平等である。それが道路特定財源税に換わりガソリンに負荷されることになってもよいと感じる。

今年の6月からシートベルトが後部座席でも義務化される。高速道路では罰則があるが、一般道ではないことでスタートを切る。という事は、携帯電話規制の時のようにしばらくは有形無実である。いま普通に走っていても、随分前に義務化された罰則のついた助手席でさえも、シートベルトのしていない子供達を多くみる。中にはダッシュボードに座る子供もみたことがある。何とか未来を担う全ての子供達には安全であってほしいと思う。


オーブルデザインの家の写真のこだわり。SD10

当ホームページでご紹介している完成した家の写真は、シグマ社の一眼レフSD10で撮影しております。SD10は2005年の夏頃購入したので、それ以前の写真はニコン製クールピクス950です。ニコンは皆さんよくご存知だと思いますが、「シグマ」??だと思います。シグマ社は、主な売上は一眼レフレンズだと思います。年間売上は362億円ですので、世界一のカメラメーカーキャノンの4兆円の1%くらいです。ニコンでも8000億ですからとても小さいカメラメーカーです。ですが、このSD10には、2つの大手カメラメーカーにはない特徴があります。それは光を受け止めるセンサーが垂直RGB受光方式のフォビオンセンサーを使っている事です(他メーカーは水平受光方式ベイヤーセンサー)。この垂直受光センサー詳細は色々検索して頂ければわかりますので省きます。この小さなカメラメーカーの大事にしている事が、「解像感」や「フィルムかめらのような自然画像」です。つまりカメラが一番大事にしなければならない事のためあえて垂直RGB受光センサーを選んだといえます。私は写真は解像力と色が重要で他はその次というこの点でシグマのSD10に共感し購入しました。なんか「緑の家」のコンセプトとダブると勝手に思いました。当時SD10は本体だけで18万ぐらいで安価なカメラではなく、EOS_kissなど既に9万以下で一眼デジカメが買える時代でした。しかしこの小さなメーカーのカメラを迷わずに購入しました。確かに解像力はパソコンの当倍表示では、トップクラスの解像感(当時の価格40万のニコンのD1に勝っていた)があります。またその自然な立体感はどの高級デジカメにも負けていないと思います。いつものブログ画像は安いデジカメで写しておりますが、今回の写真はSD10の高解像画像です。写真をクリックすると大きなります(3.6Mとても重いです)ので、その木の枝や、銅版屋根細部のディティールの自然な立体感に驚いてください。。。


JTフーズと販売会社の責任は?

最近世間を騒がせている「中国産冷凍餃子が原因と疑われる健康被害事」については、数年前の建築耐震偽装事件の歪んだ報道システムを思わせる。

この問題は本来輸入業者(=製造物責任者)であるJTフーズが健康被害にあった方への責任と規定以上の薬物混入による販売店が受けた責任をまず全て引き受けなければならない。ところが、厚生省のHPでは、まず「中国産・・・」と消費者から見れば原産国でしかない「中国」という言葉を連呼している。「製造物責任法」によれば、輸入者が自らの意思に基づいて輸入し、国内市場に引き渡した場合、輸入者が製造物責任を負うことになる。

http://www.jetro.go.jp/jpn/regulations/import_09/04A-000917

つまり輸入者が単なる輸入手続代行者でない場合は、自己判断に基づいて輸入し、その結果利益を得ているのだから、自己固有の責任は必ずある。だから製造者となりうるJTフーズは、まずもって中国産だからと言ってはいけない。あくまでも自社の製造した物として考える必要があると感じる。耐震偽装の時も同じであった。ほとんどの物件で姉歯容疑者は、下請けの構造だけの設計担当であった。従って偽装された建物の設計者である元請設計事務所がその責任をまず受け、その後その元請会社と下請け会社で更に責任追及する事が、エンドユーザーに対する責任といえる。ところが全て姉歯容疑者一人の責任であるような言動が報道された。今回も同じように、全て「中国」に問題あるような報道発表資料となっている。厚労省のHPでもひっくるめて「中国産冷凍餃子が原因と疑われる健康被害事例の発生について」となり、法律上の生産者となるJTフーズの名は、印象に残らない。JTフーズは日本たばこ株式会社(JT)という巨大会社の子会社であり、政府もある程度その「JT株」を保有しているし、コネクションも多い。そうした関係上「JTフーズ」の名を薄めるような報道操作をしているのではないかと疑わせる。

http://www-bm.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/china-gyoza/houdou.html

例えばあなたが大手スーパーAで原産国が「インド」で製造者(輸入者)が日本の「あいうえお株式会社」の紅茶のテーパックを買ったとしよう。その紅茶に食べ物でない異物が入っていて、それが元で病気になった場合、その原産国である「インド」が悪いと考えるだろうか?もしインドの小さな工場でティーパック加工されていても、やはり責任の所在は、Aスーパーであり、製造者となる「あいうえお株式会社」であると考えるのが自然だろう。ところが今回の事件は、この道理が通らないらしい。不思議な国である。


エネループ完全移行計画

いまや家電製品を始め至るところに使われている電池。特にリモコンの多機能化により消費電力も多くなりあっというまに電池切れ交換と言う事も多い。特に事務所で使用しているエアコンは、リモコンと本体とで常に通信をして温度監理をしているらしく、直ぐに電池切れになる。(事務所では今年から灯油を使うFFストーブの稼働率を落としてエアコン暖房を多く使うようにしている。理由は灯油が高騰しかつエアコンのCOPが高い機種を昨年から使っているから)テレビ、AVなどリモコンだけでも10個以上有るので電池は数多くいる。使い終わると市の再資源ごみに出すのであるが、市で回収をおこなっている電池のリサイクル率はおもったよりも多くない。(個人的にゴミの収集方法から感じるし、電池工業会HPにも充電式小型電池をのぞく乾電池はリサイクルの必要性があまりないように感じる。)そういった背景があるのでエネループと言う充電式電池(ニッケル水素電池の一種でサンヨーさんから発売)に全面移行計画である。繰り返して使える電池は私が子供の頃から発売されており、今の主流は大容量が比較的安価で可能なニッケル水素電池である。(プリウスのバッテリーもニッケル水素)ノートパソコンやデジタルカメラはリチウムイオン電池が主流であるが、高価である事と、電圧制御が複雑なため汎用品の電池はニッケル水素電池である。ところがこのニッケル水素電池は、充電してから直ぐに使う用途には問題ないのだが、時計や目覚まし、リモコン等の長期間に渡って使う用途には不向きである。それはニッケル水素電池の特徴が、高容量ではあるが、自己放電が多いからである。ところが2年ほど前に電池のサンヨーさんが開発した「エネループ」電池は、ニッケル水素電池でありながら自己放電が少ない事が最大の売り。よって購入後直ぐにつかえると言う特徴をもち、また充電してからも長期間に渡って保存してつかえる。これはリモコンなどにもうってつけ。また繰り返し1000回は使えるので、1回リモコン用に使えばその家電機器が寿命を迎えても尚使える。長期間捨てることがほとんど無いのでゴミを出さない。価格は100円ショップ電池の13倍、一般電池の7倍位か?でも長期的に考えれば少なく見ても50倍以上も多く使えるはず。充分経済的であり、お勧めである。(・・・普通のニッケル水素電池は、デジカメのような短期間で使い切るような用途には充分使えるが、やはりメモリー効果もあるのでこのメモリー効果も少ないエネループ電池はお奨め。)


プロとして陥りやすい間違い

本来なら「その3」をUPする予定だったが、急遽変更して、プロとして陥りやすい間違いについて自戒を込めて投稿する。

母(80歳)が一昨日から始まった、吐き気、めまい、下痢、微熱で、症状が悪化したため昨夜救急車を呼んだ。命に関わると思わなかったが、本人の強い希望で要請することになった。救急車で運ばれたところは、救急当直医のいる医師会館。夜9時30分までだったら診ていただけるということでその救急隊員の判断である。そして当直医に見てもらった。先生は開口一番私に、「昼間病院が開いている時にこなきゃーだめだよ!!今連れて来られても応急処置しか出来ない。検査しないとちゃんとわからない」と言い放ち、患者本人を安心させる言葉も無くその上、その先生は患者に触れることは一切なしに、隊員から引き継いだカルテ??のようなものに目を通して吐き気止め座薬を看護士に指示した。なんという医者だと思ったが、夜見て頂いているのでぐっと我慢。しかし投与してから10分もの経たないうちに、「これからどうやって帰るの?」と言うようなことを言うではないか?本人はまだぐったりとしているし、この医者は本人にも具合を聞こうとしない。確かに様々な人が夜救急で尋ねてくると思う。わざわざ夜連れてこなくても大丈夫と言うような人も多いと思う。しかしみんな心配だから尋ねてくるのである。本人が苦しがって動けないのに、「絶対」の判断が下せないようなら、転送するのが応急医の判断と思う。確かに結果からみると、ただの「風邪」かもしれないが、何しろ高齢で2日間飲まず食わずの患者で、起き上がることも出来ないため、救急車まで呼んでだのに、まだ苦しがっている本人を前に「どうやってかえる」は考えられない。この先生は経験豊かで、きっとこのくらいにならすぐに良くなると思ったのだろう。それが逆に仇となり、もう帰ってもいいよと言う事になる。がしかし、本人は苦しがっているし、もし検査しなければわからないようなら、やはり転送をすることを前提に考える必要があるのではないか?

さて、この問題は我々建築士にも気をつけなければならない。よくこういうたとえで先輩から教えられた。ある人が木造2階建て住宅を設計してほしいと依頼しにきた。要望として「2階に住む人がお相撲さん並に重いので床を普通より強くしてほしい」と言ったところ、経験豊かな建築士は「私どもの設計では、1m2あたり180キログラムまで大丈夫ですから標準設計で問題ありません」と言って技術的なことをくどくど言った。当然その依頼はキャンセルされた。尋ねてきた人は、心配だから床を普通より強くしてほしいと言っているのに、専門家は技術的なことだけを言って本来の要望を聞き落としていた。どんなに標準の床が強くてもご要望が「もっと強く」ならそれを受け止め実現すれば依頼者は喜んだだろうに・・・。大事な事である。気持ちを受け取る。大事な事である。

さてこの先生は「ここは9時30分までしかいられないのでその前にお引取り願いたい」のような事を言うので、私が「では私がここを出たらすぐまた救急車を呼びます」と言っても、「大丈夫だから明日もう1回来なさい」という。先ほどまでは「検査しないとわからない」と言ったではないか?まだ理解していない。ついには大きな声になってしまい、それを見ていた看護士さんが、「9時30分まで時間があるので、少し様子を見ていましょう」となだめにきた。となりで5分くらいしたら、看護士さんがきて、「救急車を呼びましたので、病院へ転送します」といいにきた。たった今まで先生は「家に帰りなさい」とのようなことを言っていたのに・・・。転送された病院の先生は、とても丁寧で、吐き出した内容物にも目を通し、「吐血しているので水なども吐き気が止まるまで控えて」と指示し、病院で一晩過ごすことになった。本人もようやく安心したようだ。


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