このあおり角度でないと吹き抜けが写せなかったので写真が歪んでいて見苦しいのはご勘弁ください。
このように6mを超える吹き抜けの床温度と天井温度の温度差が0度の家が、超高断熱の家ですね。高気密高断熱の家の性能の2.5倍以上の性能をを持つQ値0.97W/m2kという家。本当に必要でしょうか?
必要です!
超断熱の家が完成して本当にそう思いました。温度差が0度で、何も暖房をつけないなのに23度を19時間も維持できる性能(完成見学会時)は、来るべきエネルギー費高騰のときの備えと快適性の先取り!多少家の大きさが小さくなってもこれは最も賢い選択です。
最近のどのメーカーでも「高気密高断熱」です。といってお勧めしていますが、実はその中身には相当の差があります。特にウレタン吹きつけ系で気密を確保する高気密高断熱の家は、木の経年変化と中小地震時の揺れに固い断熱材が追随せず気密性が悪くなる事がわかってます(結果断熱性も悪くなる)。最初販売する時よければ10年後の性能は悪くてもよいという発想です。どこかで同じような事を聞いたことがありますね。
そうです。新建材と呼ばれる材料も同じでした。表面だけ取り繕ったフローリング材や、ビニールクロス、新建材の扉セットがその事です。これらは10年も経つと表面が剥がれ中身が露出します。綺麗な状態は最初が一番でその後化粧がとれていくように・・・。
高気密高断熱の基本は、室内側から防湿気密層、次に断熱材、最後に通気層があるのが基本中の基本です。いずれも省く事は何らかのデメリットが生じます。所が最近は防湿気密層(ポリエチレンフィルム)を省略する工法が多いですね。
外壁周囲に先貼りされるポリエチレンフィルム(薄ピンク色)
この防湿気密シートはとても重要で、建物の多少の挙動変化があっても、重ね200mm以上の伸縮性のある防湿気密シートはその変化に追随し、長期間気密性を確保します。拙宅の20年前の高気密高断熱住宅でもこの防湿気密シートは貼ってあり、今でも高い気密性を確保してます。こういった基本的なことを省いてお勧めする安価だけな高断熱高気密住宅の20年後は・・・少し無残な気密性になる可能性が高いでしょう。たまにこの防湿気密シートの耐久性を疑問視される意見を聞きますが、防湿気密シートの先進国北欧では、その耐久性が70~85年くらいは問題ないとの考えです(耐温度耐紫外線品)。
高気密施工にはこのような防湿気密シート(ポリエチレンフィルム)を真面目に使っているか是非ご確認ください。
コメント
高性能エアコンの低温除湿×間違い→28度でもしっつかりと冷房出来るエアコンの選択でした。
すみません。
丁寧な返答ありがとうございました。
夏型結露の対策には室内の温度管理よりも湿度管理の重要性が大事なのですね。無論その方が健康であり、快適なのでしょうね。その上で、デシカ空調の利用は今後検討の範囲にあるのでしょうか?
それとも高性能エアコンの低温除湿また、全熱交換換気の利用でカバー出来るとして重要視しないでも良いのでしょうか?
私自身の性格で自分で考え納得したいのですが、良い書籍に出会えなく浅間先生として助言を求めたいです。薪ストーブはまだ幼い息子へ、火のありがたさと、苦労して快適さを生む事への姿を体感するために是非とも導入したいと思います。
浅間様のこれまで出会った良書などを紹介していただけないでしょうか?
秋葉区の現場監督様
コメントありがとうございます。
「秋葉区の現場監督」の秋葉区とは新潟市の秋葉区あたりにお住まいと言う事でしょうか?
内部結露は地域に影響されますので。とはいっても関西以南の事ですが。
> 高高住宅を建てたいのですが、外壁HGW120mm+付HGW32Kをする場合に
> 透湿抵抗の高い面材を張る必要性はあるのでしょうか?
新潟県では特に必要ありません。
夏型結露の話は10年以上前に多くの論文が発表され、既に業界では統一的な見解があります。概略では関西以南は考慮した方が良いが(良い程度)関西以北は気にする必要はないという事です。
特にその研究をされた10年前の時より、エアコンの発達で夏の室内の冷房温度が高くても(28度)、湿度をコントロールできるので、室内側の防湿層境界温度が高くなり、いっそう夏型結露はまれにしか見られない条件になりました。
> インテロなどの透湿気密シートの必要性はあるのでしょうか?
新潟県では必要ありません。使っても良いし使わなくても影響は無いと思います。但し、25年前湿度は通すが水は通さないという画期的なタイベックが発売されましたが、その当時のタイベックは10年経過でボロボロになる酸素劣化が発覚しました。つまり発売から間もない実績の少ない高機能化学素材は、リスクもあるという事をご理解ください。
> どのくらいの空気環境で湿害が出るものなのでしょうか?
「夏型結露 住宅 論文」で検索するとかなりの論文が出てきます。つまりそれほど研究されていて、それでも国の「高高マニュアル」には新潟県くらいでは対策をしなくてもOKとなっているから、私自身そこにあまり興味が無く、どのくらいの環境で湿害がでるかははっきりとわかりません。言えることは関西以南の気候と言う事です。・・・すみません。
> やはりプラ系の外貼断熱が安全なのでしょうか?
正しい設計と施工ならどの断熱材も安全に使う事が可能です。決してプラ系が安全とかと言う理由でプラ系を使ってはおりません。
> また薪ストーブを導入する場合最適な換気方法を
> ご教授していただければありがたいと思います。
> 私的にはマーベックスのバイパス機能付き澄家システムが
> 面白いと思うのですが。是非ともよろしくお願いいたします。
薪ストーブだからこの換気方法が良い・・・と思って換気システムを選んだ事はありません。薪ストーブ自身がしっかり高気密用(室内空気を使わないタイプ)なら、換気と切り離して考える事が可能なので、ご自分の好きなタイプを選んで良いと思います。私自身は、とにかく設備類は単純明快なモノが好みで、複雑なモノは避ける傾向にあります。
はじめまして、いつも勉強の為楽しく読ませていただいております。自宅の新築を予定しており、頭を悩ませているのですが、高高住宅を建てたいのですが、外壁HGW120mm+付HGW32Kをする場合に透湿抵抗の高い面材を張る必要性はあるのでしょうか?冬結露の対策には外壁側に向かい解放することが大切ですが、夏型結露と蒸し返し結露が心配で。
インテロなどの透湿気密シートの必要性はあるのでしょうか?どのくらいの空気環境で湿害が出るものなのでしょうか?やはりプラ系の外貼断熱が安全なのでしょうか?また薪ストーブを導入する場合最適な換気方法をご教授していただければありがたいと思います。私的にはマーベックスのバイパス機能付き澄家システムが面白いと思うのですが。是非ともよろしくお願いいたします。