床下暖房と超高断熱効果 その③

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氷点下4度の中の完成見学会でその断熱性能の実力を見せた緑の家。関東の人には驚きの2mの積雪が凄い・・・でも普通の設計範囲。

床下暖房と超高断熱効果 その③です。

1階床下暖房と2階床下暖房を持つ「片貝の家」です。床下暖房をする家は新潟県でもオーブル以外にありますが、オーブルデザインの「緑の家」はそこにオリジナルとして

A 2階床下暖房

B 基礎を蓄熱材として利用(コスト1/3深夜電力利用)

という2つを計画しています。Aは前回のその②でご紹介しておりますので今日はBを少しだけご紹介します。

白い矢印から床下に入る。しっかりした入り口。

まずオーブルデザインの「緑の家」では基礎が標準で全棟1mと、一般住宅の倍の高さあります。これは事務所設立以来100%同じ思想です。
今回は更に基礎を12cmUPし床下の空間を1.38mとしております。凄い高さですね。一般は0.45mですから大凡3倍の高さがあります。

床下への階段

ですので床下へは階段が6段あります。ちょっとした地下室のような雰囲気です。

照明のある緑の家の床下は明るい

まずエアコンの風が直接あたる基礎の上部を測りましょう。28度です。

基礎の下部はスラブと同じくらいの温度。

その下部は8度低い20度。

床は緑の塗装で埃がたたない清潔空間

基礎中央部床の表面温度は18度。

家を暖め始めたのは2日前です。それ以前は外気(氷点下が数週間)と同じ状態ですから、この床下温度は2度から8度くらいだったのでしょう。ですので今年のこの家のコンクリートスラブ床下温度は冷えたままなので、今はどんどん床下暖房の熱が地中に奪われている状態だと推測できます。下の次世代基準のマニュアル本でも、基礎断熱のスラブ下の温度が安定するまで2年以上はかかると記載されておりますから、せめてこの夏を過ぎないとスラブ下下部の温度は上がり難い状態です。でも今冬に少しは暖めないと、今夏に多湿になる恐れもありますから、今年は多少多めに暖房費を使ってもしっかり暖めます。

築後2~3年は本来の性能が発揮できないとされている(国の高気密高断熱のマニュアル本から)

コンクリート呼び強度36N/mm2の高強度コンクリート

床下エアコンに近い部分の基礎は29度まで上がります。

凄い量と厚さのネオマフォーム

ネオマの断熱材が120mmも貼られた基礎表面は25度ですから、この床下内の上部空間は25~26度くらいでしょう。この温度以上の空気を2階床下へ強制送風(800m3/h)します。この温度がポイントです。

構造区画された基礎立ち上がりが耐震等級2、耐雪2mを示す。

来年になり基礎スラブ下の温度が上がりもっと基礎蓄熱が利用できるようになる事を期待します。

因みに緑の家基礎の熱容量は(室温22度維持の時)・・・
基礎内部の立ち上がりは全て使え、スラブの中央部(表面から10cm)も加算されるので、

コンクリートの容積比熱 2013KJ/m3℃

コンクリートの容積 立ち上がり 6.3m3←緑の家の高基礎は大
スラブ(10cmまで)5.2m3
合計                 11.5m3

したがって 2013KJ/m3℃×11.5×(26-22)=92598KJ→92.6MJ

92.6MJ/3600=25.7Kwh・・・蓄熱量※1

片貝の家のQ値が1.2w/m2Kだから 室内外22℃の温度差があるとき

1.2×22℃×193.6m2=5111W/h・・・家が大きいからQ値が小さくても凄い熱量が必要です。

よって 25.7/5.111=5時間分です(天候雪・日射0として)。

仮に深夜電力を使ったばあい、7時で暖房オフとすると

7+5=12時と言うことで午前中は何とか暖房無しで温度低下がないと言うことです。

現実的に放熱が全利用できる事はないので(温度差が小さくなると放熱量の時間当たりが少なくなる)、2階のエアコンを小運転しつつ1階はエアコンなしで午前中は過ごせる事になります。そしてこの効果が得られるのは来年からです。さて、今年はこれにどこまで迫れるか?

※1・・・実際に深夜電力の8時間で蓄熱できる機器の能力も把握しなければなりません。8時間使用時に必要な熱は5111W*8h+25700W=66588W→66.58Kw 今回の床下エアコンの能力は外気2度の時の最大能力5.3だから氷点下3度の時は大凡3.3程度(直線回帰)。3.3×3×8=79.2Kw>66.58kw で床下エアコンだけでOK。更に2階にもあるので機器能力的には問題ない。

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