小屋裏筋かい

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2024年09月10日下部部分に加筆

新発田市の「弓越の家」現場です。

昨日は耐力壁チェックに行ってきました。

耐力壁の位置と接合で、位置は間違いなくOKでした。ただ接合で一部誤解があったようで、その部分を是正してもらいました。

振れ止めの小屋筋かい、雲筋かいがあるのがわかる。

さて現場でふと思ったのですが・・・

最近の家は片流れが屋根が多く、屋根自体が高くなりがち。そこで重要なのが「小屋筋かい」と「雲筋かい」です。所が小屋裏も使う事が多くなったせいか、この雲筋かい、小屋筋かいを入れていない人もいるのではないでしょうか?

それは法律違反です。

建築基準法施工令第46条の3
「床組および小屋組の隅角には火打材を使用し、小屋組には振れ止めを設け無ければならない・・・略」

この振れ止めが「雲筋かい」「小屋筋かい」です。勿論これにかわるもので構造計算で安全性を確かめられればなくともOKですが、あくまでも構造計算しない建物なら振れ止めを省略すると法令違反となります。

みなさん、こんな所しっかりチェックしてますか?
「あたりまえだー」と言うことならOKです。

きちっと入ってますね。OK!

光ってるね。さすが熱反射率が高いタイベックシルバー

透湿防水シートはタイベックシルバーです。これであれば当方指定のただのタイベックより気持ち壁のU値が良くなるでしょう。普通のタイベックより高価です。

↓のコメントに対して説明が必要なので続きをを載せます。

矢印のところに梁や桁がない場合は小屋束足元しか固定できないが、梁があればそこまで延ばしても同じ効果

この抜粋は2008年の木造軸組の許容応力度設計法のP41のものです。木造軸組のバイブル書には

振れ止め=雲筋かい(小屋裏筋かい)

目的は小屋裏の横倒れの防止を目的として・・・

と書かれており、図中にもあるとおり小屋束を絡めて梁や桁に釘打ちがされていれば、横倒れに抵抗する材となり、目的を達成します。これは自分の手で施工してみればしっかりとその目的を果たしている事がわかりますし、力学的にも単純な事です。

以降2024年に加筆

上図で黄色い箇所が桁(梁)にわざととどかせていることがわかる。これで3ピン構造になる。中間部の束は間柱のようなもので圧縮時の座屈防止としても機能するが、基本的には引っ張り材が主となる。

通常はピンク部分に桁行方向の梁が入るが、この図ではないので束の足元に留め付けるしかない。水平面剛性を考えるならピンク部分に梁材があったほうが火打ちも入るので構造的に良いが、なくても小屋裏としては維持できる。

一方最も重要な桁方向の雲筋かいだが、こちらは小屋束足元で固定されている。これは実際自分で釘を打ち込んだ人ならわかるが、ピンクの位置に桁材が入っていないので束に固定するしかないのである。実際は桁材があれば桁に届かせる。これは同じ斜材で筋かいと同理屈で、筋かいも基本的には柱だけに留め付けることはまずない(仮にあっても実際はホゾで水平材に伝えている)。斜材とは三角形(3ピン構造)を作ることで力学的に安定させようとする。そこから考えれば梁(桁)ー雲筋かいー束で三角形になり3ピン構造となるが、束ー雲筋かいー束ー桁では4ピン構造になる。

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コメント

  1. 名無しさん より:

    通りすがりの43さんの指摘は写真2枚目の左から3本目の小屋束上部にかかっている雲筋交い、
    ならびに写真3枚目のしゃがんでる方のお尻辺りに端部がある雲筋交いが
    一見すると小屋束ではなく母屋や桁に固定されているように見えるため、
    こちら↓で記載されている状態になっているのではないか、という指摘ではありませんでしょうか?
    ttps://aoyama.la/%E3%81%91%E3%81%9F%E8%A1%8C%E7%AD%8B%E3%81%8B%E3%81%84%E3%83%BB%E6%8C%AF%E3%82%8C%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%AE%E6%96%BD%E5%B7%A5
    引用されている文章を読んだ限りでは
    「一般的なくも筋かいの仕様は13mm×90mm程度の貫材を小屋束にN50釘2本止め程度で接合しており」とありますので、
    「(雲筋交いを)小屋束に固定しなければなりません」という指摘と矛盾はしていないように思えます。
    引用図を見ても端部を母屋や桁に固定している箇所は無く、
    梁に端部がかかっているのは小屋束の無いところだけになっているように見えます(個人の感想です)。

    • Asama より:

      名無しさん

      まず最初にこのように構造的な部分についてのご意見の場合、できれば「名無し」というどこかの掲示板のようなハンドル名でなく、責任あるハンドル名でないことが残念です。

      >ならびに写真3枚目のしゃがんでる方のお尻辺りに端部がある雲筋交いが・・・中略・・・「(雲筋交いを)小屋束に固定しなければなりません」という指摘と矛盾はしていないように思えます。

      雲筋かい(振れ止め)は3ピン構造とすることで安定させる方法で、束下では束上ー斜材ー束下ー梁(桁)と4ピンになり安定しません。但し母屋を使えば3ピン構造になるので、少なくとも斜材の端部のどちらかが梁か母屋に直接固定したほうが力学的に安定します。よって写真は正しい施工でご指摘には当たりません。

      >引用図を見ても端部を母屋や桁に固定している箇所は無く、

      拡大してご覧に頂ければわかりますが、一応拡大した図を上に加筆します。この図は許容応力度設計のマニュアルに記載されている図で、一個人が書いたものではありません。

  2. オーブルデザインの浅間 より:

    私共の根拠は上に追加として載せた記事のとおり2008年の許容応力度設計のP41です。ここでははっきりと「振れ止め=雲筋かい(小屋裏筋かい)」と言及しております。、また雲筋かいの負担巾にまで言及しているこのグレー本の内容に間違いがあれば、その本をとりまとめた国内で最も有名な坂本功先生あてに伝えて頂ければと思います。
    また違う根拠があれば教えて頂ければありがたいです。
    このような大事な内容を断定をした表現でするコメンターはハンドルネームではなく実名で頂く事が責任ある人と思います。

  3. 通りすがりの43 より:

    振れ止めは小屋束の下端に取り付ける部材をいいます。
    よって振れ止め≠雲筋交いです。
    雲筋交いの固定箇所が違っていますね!(写真2枚目おそらく3枚目も)小屋束に固定しなければなりません。