大小デザインも様々。煙突に付ける熱交換器もあり、薪燃焼器具の総合メーカーの工場内におかれたストーブ
ずらりと並んだ薪ストーブ達・・・
ここはダンテックスという薪ストーブの製作工場です。
10月のとある日、先日お伝えした「和島北野の家」のストーブ選定にきました。
狙いは、古い日本民家の土間においても違和感のないデザインが重要で且つ安価、でもそこそこ耐久性のある(効率も少し高め)の薪ストーブです。
薪ストーブと言えばダッジウエスト、ヨツール、アンデルセン、バーモントキャスティングス、モルソー、スキャン、ドブレ、ウォーターフォード、レージェンシー等外国メーカーが思い出されます。当事務所でも、市街地に建設される事が多いので、薪ストーブは煙が少ないと言われるダッジウエストの触媒タイプをお勧めする事が多いですね。
この海外メーカーのストーブは完成の域にあり信頼性が高い事がメリットですが、何しろデザインが海外で、日本の古い民家には似合わない・・・。またコストも輸入しているせいか高めです。そこで国内メーカーを探す事にしました。
薪ストーブメーカーは長野、岩手、新潟が有名な地域です。新潟であれば本間製作所さんが特に有名で様々なストーブを造っています。最初は土地柄新潟の本間さんのストーブを選ぼうかと思っていました。本間さんのストーブは大きく2種類あって鋳鉄製と鋼板製・・・。鋳鉄製は海外メーカーとかわりないデザインでパス。鋼板製も厚い鋼板製は海外メーカーに近いデザインなのでパス。そうなると薄い鉄板製ですがそれがあまりにも薄いので「これは耐久性が厳しいな、というか使い捨て機器」と言う事で決めかねておりました。
薪ストーブF420型。エントリー機種にはお勧めの大きさと値段か?(写真は暖テックスHPから)
探していると、少し厚めの鋼板で造った薪ストーブを発見。デザインもシンプルでこれなら日本の民家土間にあっても良い感じ。値段も安価で2次燃焼(クリーンバーン)もついているし・・・灰受けも別にある・・ただし、エアーカーテンなどが装備されていないので、ガラスが煤けるのは必然・・・。まあデザインが今回一番なので良いかな・・・。
日本では食事の時間をとーっても大事にする民族のため、海外の薪ストーブが設えてあるリビングで話し合うという言うより、食事と共に団らんします。古民家である和島北野の家では、薪ストーブは単なる暖房機器であり、食事は囲炉裏ですからストーブの窓が大きいとかはあまり必要ありません。薪ストーブの大きい窓は欧米の暖炉の名残でしょう・・・。
と言う事で暖テックス(DANTEX)さんを選定候補にあげ調べるとなんと当事務所と同じ三条市に会社があるではないですか?早速電話して工場兼事務所へいきました。
ありますねー。様々なタイプの薪ストーブが・・・。
暖テックスさんは鋼板を溶接で造るので鋳物とは違い型がいらないので、形は比較的自由。ですのでこのようなデザインが豊富になるのでしょう。
ふと工場内を歩くと・・・ありました。候補としてあげているF420型薪ストーブ。
丁度組み立て中。メイドイン三条です。
ごろんとした格好がかわいい。そして塗装前のこの姿が使用後姿も想像できるのでGood
ころんと転がされて溶接終了したF420。形が昔っぽくてシンプルでかわいいですね。暖炉の代わりではなく、暖房機器という意匠です。
ただこの暖テックス製のストーブの口コミ情報がネット上にありません。暖テックスさんはある大手薪ストーブメーカーのOEM工場で、製作したストーブは多数になるとのこと。まあ実績はある程度なので、そうそう不具合はないだろう。あとは気になるこのF420の耐久性・・・伺って見ると、
「この鋼板の厚み(4.5mm)なら大体15年。9mm鋼板を使えば20年は保つのだが、初期コストも重要なのでこの厚さになった」とのこと。
15年でこの値段なら許せる範囲かな・・・。と言う事でこちらを和島北野の家に導入し、その燃え具合、効率など実際を確かめてみます。なんと受注製作のため殆どの機種で外気導入型(高気密高断熱住宅では必須)に変更できるとのこと、流石金物のまち三条のメーカー。
同じ三条の会社と言う事で、この暖テックスさんのストーブ全般を比較的安価で分けてもらい事も可能なので、もしご興味があれば当方にお声がけ下さい。メーカーHPの価格より10%以上安くお分けできますし、断熱2重煙突等も購入可能です。無論設計施工も大丈夫です。
さて・・・
一応F420 型を選択し発注しました。無論煙突も・・・。煙突部品の方が数倍高い価格になりますが、ストーブは短期消耗品で煙突は一生ものとの割り切りです。そのため本体は106Φの煙突ですが異型アダプターを使い汎用性のある150Φの断熱2重煙突(200Φ)を施工します。
燃焼結果はまたこのブログでご報告します。
コメント
tak様
こんにちは。
まず最初にこのストーブでよかったと、この家のオーナーと話しております。私もかれこれ3ヶ月ほど使いこのストーブについてようやくわかって来ました。ただ、焚いている木は針葉樹(建築廃材)が殆どで、これから数年間針葉樹(裏山の杉を15本程切り倒すので)を燃料とするので、このF420君には過酷な使い方となるでしょう。それでも温度が400度を超えないように気を付けます。
前書きはこのくらいで・・・
よい点
・なんと言ってもこの形がよい。ほんと、シンプルでかわいい。日本の古い家にはこのデザインがとってもあいます。洋風な薪ストーブは似合いません。
・小さいのに長さ50cmの薪が楽々入る。これは時前で薪を切るときに手間が2/3に軽減されます36:50→2:3。
・価格が安価。
悪い点
・他のストーブと比較した事が無いのではっきりと言えませんが、ガラスの曇りを守る空気取り入れ口がない
・2次空気の調整が不可
耐久性はまだわかりません。ガラスの曇りは針葉樹という事が大いにありますが、熾きだけにになって空気過多になると元のトーメイに勝手に戻るのでまあよしかなと思っています。
こういったmonoはデザインがまず大事ですからその点が気に入ったのなら買いです。かわいいですよ。この形・・・。
はじめまして
小型の薪ストーブを探していて、同じような理由でダンテックスさんにたどりつきました
その後の使用感などいかがでしょうか?
我が家も土壁の家ですのでスースーしておりますので(^-^;)
参考にさせてくださいませ
UT様
当ブログにお立ち寄り頂きありがとうございます。
またコメント、感謝です。
>高気密住宅への薪ストーブ設置例の情報が少ないので、
今回の取り組みも楽しみに拝見させて頂きます。
す、すみません。この薪ストーブが設置される和島北野の家は、超低気密無断熱の築60年の家です。誤解を与えて申し訳ありません。
超高気密(C値0.7以下)への薪ストーブ設置(外気導入タイプ限定)は11年ほど前から行っておりまして、特に問題がある事はなく、相性は抜群です(少し暑すぎの面もあり)。逆にこの和島北野の家のようなシェルター性能のとても低い家に設置したことがないので、そこが逆に楽しみです。
でも是非経過を楽しみにしていてください。
PS
ご紹介のブログは良いですね。朝4時から5時の1時間も立ち寄って降りました。ありがとうございます。
はじめましてUTと申します。
このサイトをみていつも感心している者です。
高気密住宅への薪ストーブ設置例の情報が少ないので、
今回の取り組みも楽しみに拝見させて頂きます。
私もいつかは設置してみたいと思って色々調べている
のですが、面白いロケットストーブを作っている方が
軽井沢にいるようなので参考までに。
http://blog.livedoor.jp/arts_syokunin-steel/