昨日は2057/一日と過去最高を更新。
とうとう2千を超えるブログになりました。
とにかく、、感謝です。
題は「和島北野の家 リノベーション 暖房器②」ですが、主の暖房機ではありませんが心も暖かくなる設備として和島北野の家の「かまど」に触れたいと思います。
御神酒は夏子の酒のモデルで有名な「清泉」を奉献した。清泉7代目(純米吟醸酒)でこの11月の限定酒。
先日ゆっくりリノベーション中の「和島北野の家」のカマドの火入れに立ち会いました。北野の家のオーナーは、このカマドに想いがあるようで、慎重にチョイスされました。
新しく設置されたばかりの鋳鉄製のカマドです。カマドは元々煮炊きを最小の薪で行うように、熱の効率を上げる設備です。よって写真のような鋳鉄製より土で造ったカマドの方がその外皮から逃げる熱が最小になります。しかし土でできたカマドは市販されておらず、珪藻土で造られたカマドが生き残って市販されているだけとなっております。また土で造るとどうしてもヒビ割れがおき、その都度補修が必要だったり、炉の構造によっては熱効率が逆に低くなったりします。
そこで、今回は炉の熱効率は鋳鉄製の既製品である程度確保し、炉のひび割れも防止出来る写真のような鋳鉄既製品を選ばれたました。あとはこの上から土を塗って外皮からの熱の逃げと夏の煮炊きの灼熱を防ぐように来夏までに完成させるとの事です。実は冬はこの方が暖房機として使えるので好都合なのです。
御神酒を炉にまき、いよいよ火入れです。
無論、点火は昔に習って杉の葉と小割り木で始めます。
杉の葉は油分を多く含むので良く燃えます。この和島北野の家の周囲には杉の林があるので、杉の葉は沢山あります。
2機のカマドに火が付、一気に燃え上がります。
築60年以上の燻された土間小屋を見上げると、150Φの煙突が2本繋がっている。ストーブは106Φでカマドは80Φと90Φ。合計断面では150Φが少し小さいが、周辺抵抗を考えれば多分同等の効果が期待できるはず。
先回の「和島北野の家 リノベーション 暖房器①」で案内したように、この家は薪ストーブもありますし、その2mくらいのところにカマドがあるのでこの二つの煙突を共有できないかと計画しました。それがこの上写真で、薪ストーブにとっては鬼門の横引き+合流配管です。これがしっかりと機能するか確かめるつもりで、昨日立ち会わせてもらいました。
二つのカマドの煙突を合流させ、更に薪ストーブの煙突と合流させるため、加工の簡単なシングル煙突で室内配管した。
成功です。薪ストーブも使いながらカマドもしっかり燃えて、煙は殆ど煙突に吸い込まれます(時々羽釜とカマドの隙間から煙が出ます)。
屋外は150Φの断熱2重煙突でできる限り立ち上げる。3箇所同時使用でも引きは充分、屋根形状、煙突トップ形状が功を奏して強風でも逆流はない。
流石にカマドを使うと威勢良く白煙があがりますが、カマドの使用はストーブと違い短時間なので許せる範囲です。
カマドは常時火加減が重要なので薪は「柴」が最適で蓋を閉めないで使う事が多い。周囲の防火壁はカマドに土を塗ったら必要無いので、衝立式でしのぐつもり。
あという間に水は煮立ち激しく水蒸気が上がります。その勢いは普通のコンロではあり得ない強さですね。そしてまだ土で覆われていないカマドのため、ゆっくりその外皮である鋳鉄から放出される熱で、この土間はほっかほっかになります。これはまさしく暖房機ですね。だから夏も常用できるように「土」で覆う事で、暖房機にならないようにするのですね。
熾き(小火)になってからも余熱で湯気が上がりこれでご飯を炊いたらおいしいだろうなと思わずにはいられません。
昭和の田舎の家らしく、45帖の繋がった空間。囲炉裏もあり、拘りの昭和風の石油ストーブと火鉢・・・。しかし無断熱、低気密なので「さっ、さむい」事も昭和の家。断熱化する計画はオーナーと協議中だが、この真冬でも日があるとこんなに豊かな空間が魅力なので多分難しい。
和島北野の家では来春から「子どもと朝ご飯の会」を行うようで、土曜日の朝にこの羽釜で炊いたご飯を親子に振る舞う催しが計画されております。当事務所も協力したいと思いますし、参加者も募りたいと思います。子どもとの参加が主旨ですが、大人だけのボランティア参加(煮炊きのお手伝い)も大歓迎ですので是非ふるってご参加下さい。 大体10人~15人程度で行います。詳しくは主催者から連絡が在りしだいこのブログでもご案内します。