超高断熱の家 Q値をもう少しだけ使い続けます。その2 データーの怖さ!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

久々に辛口で・・・

実はこのデーター収集には私もほんのちょっとだけ参加している。だからその細かさは大変よくわかる

こちらは6年くらい前に由緒ある日本建築学会から出版された書籍。内容は日本の地域ごと住宅のエネルギー消費量の調査報告書。各地域の大学の研究室が協力し合って全国詳細調査した初めてのデーター集である。

セミナーで使用されたマニュアル本(国出版と思ってもよい)

実は昨日も紹介したこの本の中にある、国交省のHPでも紹介している下の図・・・。これがなかなかくせ者である。

下の日本建築学会の中では北陸地方の給湯エネルギーと暖房エネルギーは同じ割合。地域によって大きく違う事を解説すべき

この図で紹介されている日本における住宅のエネルギー消費量の内訳が怪しい。

まず全体の消費エネルギー量が44GJとなっている。しかし最初に紹介した日本建築学会の調査によると(下の図)、北海道は70~80GJ。当地域北陸でも60GJ前後となっている。これを一律44GJとして国の平均を示すのは如何なものか。例えば新潟であればドイツと同じ消費量である。そのドイツではQ値0.7くらいのパッシブハウスが今推奨されている。

国内を一律で平均化する事は時には誤解をうむ。いやこれが意図的なら相当問題だ。必ず言い訳として「関東や関西圏が人口の集中ゾーン。だからそのところが平均値になる」と・・・。
また上の表では暖房が消費全体の1/4足らずであるが、下のグラフでは北陸では1/3以上占めている。データーはその見せ方で如何様にも見える。もし家電のエネルギー消費量を多く見せたいならこういうデーターの平均化は効果的である。

このデーターが表す消費量の方が、その地域の環境負荷と同じ変化を示すように見える。(日本建築学会)

12年間使用された次世代省エネルギー断熱基準では新潟と東京は同じ暖房消費エネルギー地域であったのだ。しかもその基準が若干変わったものの今後7年間も続く。しかし事実は大きく違い、1.5倍~2倍も北陸地方のエネルギー消費が多い。これは北陸の人を騙そうとしているのか?

建築関係者は日本の気候は地域のよって大きく変わると何時も言って置きながら、データーを出す(作る)ときには平均化する(関東中心)・・・これは何か意図があってと感じるのはやっぱり私だけか。これが意図的ならドイツやフランスのデーターも特別寒いところを使っているかもしれない。頭の良い人は、嘘はつかないが見せ方、拾い方を駆使して都合の良いデーターに加工する事が得意である。

ここまで読んで頂いた人はなぜ「緑の家」がQ値0.99w/m2kなのかよくわかると思う。新潟県は関東の倍近い断熱性能が今後最低必要なのだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする