クールチューブ、アースチューブと超高断熱住宅

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以前お伝えしたクールチューブ、アースチューブは必要かどうかの記事を書きましたが、その論文の第2報が発表されました。勿論黄色表紙の「査読付論文」です。

さて内容は・・・

地下に設置されたクールピットに取り入れた新鮮空気を通して冷やして冷房負荷を下げる仕組み。住宅用クールチューブの大型判と考えても良いだろう。

まず最初にクールチューブ、アースチューブとは、夏に土の中が外気より随分冷たいため、そこにチューブを設置し外気をとおして冷たい空気を得ようという設備です。20年前に一度ブームがありましたが(業界内)、欠点が克服されないので下火になりました。ところが最近また海外発パッシブハウスなどで注目されるようになりました。また、ビルなどでも省エネ技術、再生可能なエネルギー設備が注目され実験的に計画されています。この論文はある大学に設置されたクールチューブの大型判のクールピットを実測研究内容です。

結論は↓

これがこの論文の「まとめ」の最後の文です。

予告どおりです。
クールチューブ、アースチューブは古い技術で20年ほどまえから論文としてちょこちょこ発表されています。その内容が長期使用時にはその設備内のカビや汚れの問題が指摘されていました。あたり前ですよね。とにかくメンテナンスが必要です。

外気と直ぐ隣り合わせの夏期の床断熱の基礎内部であっても、基礎内部(縁の下)が数度外気より低いことで湿度100%の状態になっております(業界内では常識)。
例えば外部に開放され夏の冷気を生む古い民家の床下を覗いてください。そのカビ臭さに思わず「おっ」とうなります。同じですよね。クールチューブも・・・。古い民家床下は、土があり微生物とカビの勢力争いがあるからまだカビの大発生はなく穏やかなカビ臭ですが、人工環境ではこのバランスが崩れ土壌がなければカビの勢力が大きくなるでしょう。エアコン内部みたいに・・・。因みにバランスが取れていれば、森の土みたいにカビだけの増殖はありません。他の微生物と共に穏やかな環境と匂いです。

現在の技術粋を集めたクールチューブ家電版のエアコンの内部は、あんなに風速が高い送風のハネにさえもびっしりとカビがついています。湿度100%の物にはいつか必ずカビがびっしりとつきます。このように人間の造った人工的な環境(自然界に存在しない)では、カビと微生物のバランスがくずれて必ずカビが大発生します。だからこそメンテナンスできるようにしなければなりませんが、住宅用クールチューブやアースチューブは、人が入れないくらいの小さなチューブなのでこの論文の建物ようにメンテナンスは不可能です。

ですのでこれが解決できない限りは見合わせた方がよいと以前から申し上げてましたが、この論文もだいたい同じ結論です。省エネ=クールチューブの直結はで浅知恵といわれても仕方無いでしょう。

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