雨水システムを考える

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家の設計を高性能で自然・木の素材。三条 長岡見附 柏崎 新発田 新潟で高断熱

地上置きトイレ利用型 本格型30万~。最近は地中埋め込みタンク型を薦めている。

昨日10日ぶりに雨が降ったので思い出したようにこの内容を書いたのですが、昨日のアップが間に合わず今日になりました。さて今日は・・・

雨水利用システムです(略して雨水システム)。

雨水システムとは、雨水を溜め込んで

①車の洗車・路地花、プランター等の散水
②庭花(小家庭菜園含)の散水
③トイレの流し水
④少し大きめ家庭茶園への散水(15坪以上)

に使うシステムで、「緑の家」でも人気がある装置です。

庭には雨水がよい。塩素がないからね。

①から④の順に溜める水が多く必要用途となります。

まず①車の洗浄・プランターへの散水ですが、これは200Lの容量があれば大体充分です。次に庭花への散水ですが、こちらから急に大きな容量が必要になります。そうですね、大体1000L以上はほしいですが、無理なら600Lでもある程度大丈夫です。

「えっ、庭花の散水にそんなにいるの?」と言われそうですが、新潟県で庭花への散水が必要な時期は、7、8月の雨が1週間以上連続して降らない時期のみです。それ以外は雨が降りますから散水は必要ありません。夏のこの時期は、草木も大きく、旺盛な成長時期です。7日間も雨が降らないと保水力の少ない庭の草木は。勢いが衰え、時には枯れてしまいます。こんな時に散水する必要があり、それ以外の時期は3日間置きに雨が降るので、散水の必要がありません。そして全く雨が降らない連続時期は8月で3週間くらいありますから、その内の後半の2週間を、雨水で賄うとしたら、

1回の放水量50Lとすると14日間で700L必要です。そしてこの時期以外は逆に庭散水で雨水が要りません。200Lだったら4日分なのであまり雨水の意味がありません。

トイレ利用型。左は上水、右が雨水差し込み。万一雨水がなくなたら上水に切り替え。

次に一番お勧めのトイレに使う③ですが、こちらの場合は1500Lあれば大体問題ないでしょう。一日使うトイレ水の量は4人家族で

10L/回×8回/一人×4人×3日=960L(3日間)

仮に5日間雨が降らなくても1500Lあれば全て賄えます。真夏の一時期だけ雨水では足りなくなるので上水を使うシステムを組み込む必要があります。

地中埋め込み型。本格的な利用が可能な1500Lタイプ。トイレまでの配管共で40万~50万。

では1500Lをためる雨水タンクはどんなの?ということにですが、これは簡単で、トイレの水を浄化する「合併浄化槽」を流用すればOKです。こちらを土に埋め、必要な水をここからポンプアップすれば水道水のように自由に使えます。雨水タンクが日射の入らない土の中ですから、雨水利用で一番心配な「藻」の発生がほぼありません。ただ40~50万ほど費用がかかりますから、費用対効果は・・・

一ヶ月の使用量は10m3とする 10m3×110円=1100円/月ですが、下水道使用地域は同じくらいの下水道使用量がかかりますから2200円/月になります。

すると年間26400円/年ですから40万/2.64万で15年です。加圧ポンプの寿命も15年くらいですから丁度ペイするのは15~18年で良いと思います。ヒートファクトリーも15~18年ですから設備として許せる減価償却といってもよいでしょう。下水利用以外の地域は30年くらいかかります(現在単価での試算)。

浄化槽を流用する。このため専用タンクでないため安価。お勧めです。

タンク前には砂こし用のためマスを計画。枯れ葉も除去できようにネットも取り付く。

なにより雨水をトイレで使うのは気分が良いです。飲み水をトイレで使う事に抵抗がある人には良い選択です。ただ気をつけてもらいたいのが、自治体よってはトイレに雨水使用を禁止(避けてくらいの表現もある)しているところもあります。これは雨水に下水道料金が加算できないため、不公平ではないかとの考えからです。しかしその自治体でも雨水を利用には補助金がでているところもありますから矛盾しているような感じです。つまり雨水を一番利用しやすいのが「トイレ」だから、是非つかえるように整備してほしいです。雨水を②の利用法では夏の一時期しか利用しませんから、殆ど雨水を使わずそのまま排水してしまいます。ただ注意が必要なのは、便器は流行の一体型便器は使用できず、ウォッシュレットと流す水が分かれているタイプしかつかえません。ここはご注意下さい。

最も手軽な重力式の雨水利用。主に庭への散水と洗車用。15万から20万で設置可能。

最後に④の家庭菜園利用(15坪以上の菜園)ですが、こちらは3000L以上と大量に雨水が必要ですから、こうなると地下水利用がお勧めです。地下水利用に問題がある場合だけ浄化槽2個埋め込みで3000Lを確保します。

最後に雨水に感謝する時は「災害時」です。水道水が止まったときに雨水があれば、水洗トイレが使用可能です。これはホント・・・大変助かります。

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