「て・こあ」から学ぶ事 ①

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2013年11月にリノベーションというカテゴリーから「「緑の家」重点仕様」に変えました。以前の「て・こあ」の記事はリノベーションのカテゴリーへどうぞ。

この写真からスタートする意味は・・・

このブログの記事数・・・1418、コメント数667

コメントにも有意義な情報がありますから

合計2085題の内容が詰め込まれたこのブログ・・・

訪れて頂いた人はこの中の記事をどれだけ目にしてくださるのでしょうか?

ブログ=日記ですから、オーブルデザインの日常で、

私どもが何を考え、どのような家を社会に提供してきたかが記録されたものです。

その区切り区切りで何回かは重要な提言(自分自身に対し)を行っておりますが、

今回も1年前に偶然「て・こあ」と出会い、その魅力に引きこまれ

影響を受け何か「緑の家」が学べる事が無いかと自問してきました。

そのまとめを行いたいと思います。

「緑の家」の重点事項を2011年に発表しておりますが、そこに15番めとしてこの内容が加わることになります。

昭和時代のキッチン設備を思わせるような新調された流し台。設計・施工はオーブルデザインの浅間

日本の自然環境にふさわしい家に

「緑の家」はご存じ超高断熱で高気密の家しかご提供しておりません。これは今後も変わる事にない性能だと考えております。では全く気密性も断熱性もないこの「て・こあ」から何を学ぶのか?日本の環境がもたらした文化に戻る事とは一体何か・・・。

その中心は人(家族や友人、ご近所)が寄り合う新土間(靴履厨房)を提案することです。

食文化こそ家の中心

最近を除く日本は人と人のつながりでその生活や文化を形成して来ております。それは一人ではできない農業が大きく関わっており、そのため行事ごとに多くの人数が集まることも多かったのでしょう。今も町内に残る自治会館は、必ず厨房設備も合わせて持っており、何かにつけて酒を酌み交わす祭り事があったりします。

人と人が集まると必ずお茶、お菓子から昼食や夕食を一緒に食べる事になります。食べながら会話することは、ただ単に食べるより幸福感が高まる手段であり、集団意識が高まる行為でもあります。するとそのまかない(造り手)も必要で、その人達にも社交場となる台所が肝心なのです。

一方日本の環境は草や木が育ちやすい気候で、季節毎の植物を多く食べる文化です。そしてこれには多くの水を利用します。春から始まる山菜は灰汁が強いので、真水でそれを処理したり、タケノコ等は沢山の水で洗い下処理して煮ます。ゼンマイもワラビも・・・。夏は木の芽、畑の野菜、秋には木の実といつでも水を沢山使い洗って食べております。特に主食のお米などは、大量の水を使い下処理をします。
えッ・・・大量の水?って思う人がいると思いますが、
パンならどうでしょうか?パンに使う小麦粉は洗う必要がありません。少量の水を入れてこねるだけでできますが、お米はぬかを磨いで取り去る必要がありますし、多くの水を使って炊きあげますよね。良く皆さんが料理の前の台所を想像する風景として、野菜が水につかってタライに入っているところか、水あらいをしたばかりの野菜に水滴がついて風景ではないでしょうか?

欧州や北米のキッチンの風景は・・・
ジャガイモやにんじん、タマネギ、卵がカゴに入っていますが、水はついていない・・・そんな感じではないでしょうか?欧州は飲める水が豊富になかったので(冬は凍結、水は超硬水で)水が少なくともできる料理になったのではないでしょうか。この事は日本が明らかに欧州や北米と違う環境であることを示しております。

日本の環境にとって本来ふさわしいのは、水が豊富に使える台所なのです。この台所から人の文化が創られていると言っても過言ではないでしょう。最近は洗う事が必要な食物がなくなって綺麗過ぎる台所が増えております。野菜は洗浄してあったり、魚は下処理がしてあったりと・・・。せめてプランターでも良いのでご自分で新鮮な泥付野菜を育てて頂き、それを洗って食べる事を復活させてほしいと思っております。それが豊かな日本の食文化にもどる事だろうと思っております。

その②に続く

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