日経ホームビルダー11月号では、
「床下の温度ムラ解消」
の10社の取り組みを紹介しております。
この中で、
「床下内の静圧を高めて一番端まで吹き出す」
と言っている仕組みは・・・・
実はオーブルデザインしかありません。
ここは大事なポイントです。
各説明では送風ファンを使うとか、エアコンの吸い込みと掃き出しのショートサーキット防止とか、設置位置を工夫するとかの説明ばかりで、静圧を高める工夫をする等という事は全く言われませんし、そればかりか吹き出しを大きくした方が良い等と真逆の仕組みまであります。また障害物をなくすより効果があるのが静圧を上げる事で、障害物が多数あっても静圧さえ確保出来れば隅まで空気はながれ温度ムラは無くなります。その実証はこちらの家で行っております。
少し科学をわかる人なら「変」と思います。
なぜなら空気を流す仕組み(静圧)は流体の初歩理論です。
水道の蛇口にホースをつないで先端から水がでるのは・・・
上水管に静圧があるからです。動圧ではありません。床下内も全く同じです。
上の模式絵をご覧ください。
水栓をひねるまで水は静止したままです。水栓をあけると水には大気圧以上の静圧があるので、先端の穴から出てくるのです。
つまり・・・
床下内の空気の圧力を居室より上げないと隅に設けたスリットから空気が吹き出ることはありません。もしあるとするならそれは温度差空気密度の違いによる圧力差が有るためです。しかしこれは温度差が大きくないと触れて感じられるほどの空気は吹き出されませんし、温度差が有るので動く空気が温度差をなくそうとしている今回の話ですから矛盾になるのは必然です。
もう一度繰り返しますが、
今回の床下の温度ムラを除くためには、床下内に万全なく温風が行き渡る必要が有り、それは通常気流で運ばれるのですが、気流は静圧差が無ければ生まれません。動圧(風をおこす扇風機のような物)では届いてもせいぜい5mの風を移動させる位でしょう。
床下の空気を循環させるには・・・
静圧を確保する
事が一番現実的なのです。
その事に一切触れていない床下温度ムラ解消の仕組み作りって・・・相当難しいでしょうね。あえて難しい事に挑戦しなくともよいと思います。
是非この日経ホームビルダー11月号買ってお読み頂けると、矛盾している話が良くわかります。ちょっと辛口ですが、正しい理論無くして成功はありません。
一般ユーザーも是非買って読んでほしい。
購入先はhttp://store.nikkeibp.co.jp/item/magazine/HB.html 一冊でも買える。
その2の話題は冷房が出てきませんでしたが、この事がわかって初めて「冷房は慎重に」がわかります。
ではその3に続きます。
コメント
貴重な情報ありがとうございます!
お礼が遅くなって申し訳ありませんでした。
拙宅ではエアコンの設定温度を高めにしないと、エアコンからの送風が止まった時に床下の暖かい空気が上昇し、エアコンのセンサーがその温度を読み取ってしまって停止時間が長くなってしまいます。
しかし、設定温度を高くすると室温も高くなりすぎてしまいます。
やはりこちらのように、床下空間が十分にないと調整が難しいのかもしれません。
現在、床下の人通口を塞いで区画を分けて試みています。
いままでも塞いでみたものの、どこからか空気が漏れていて、一方のエアコン口から漏れる現象が続いていましたが、
>意図しない隙間から吹き出されているためです。
隙間など無いものと思っていましたが、色々と隙間がありました。
そちらを塞いでみたら今のところは、お互い干渉せずに動作しています。
とりあえず、今年はこれで様子を見たいと思います。
いつも、色々ありがとうございます。
北関東様
コメントありがとうございます。
質問が的確でびっくりしております。
まず・・・
>私が購入することによって浅間様に少しでも印税が入れば幸いです。
笑・・・取材報酬など含め一切頂いておりません(汗)。というか取材なので当たり前です。そこが逆に日経さんの良いところです。
①の「和室も暖まるか」について
暖まっております。そもそもUa値0.22w/m2kクラスの家なのでわずかな熱(温度差20度の時100W換気負荷無)で十分です。
つまり断熱性能や間取り・使い方でスリットや空調方式を考えております。
②2台時のこと ですが
良い指摘です。これはある程度の条件が必要です。
つまり・・・2台使用の時間帯が長い(24時間)新潟県だから可能だとも言えます。また季節的に1台で十分なときは1台の穴を板で塞ぎ、1台運転とする事もあります(建て主さんが行っている)。
28度設定との理由もそこに有り、ある程度熱気が上がっても霜取りで休んでいた1台が再び始動出来る高めの温度が良いのです。とは言っても1時間も運転しないときもありますが、そこはその短時間だけを考える事では無く24時間の中の1時間停止していても温度が直ぐに下がることはありませんでした。また28度で暑いときは温度を下げているようです。
あと意図したスリットから吹き出されないのは・・・
わざと言わなかったのですが(汗)、
意図しない隙間から吹き出されているためです。例えば気流止めのない間仕切り壁の下部から入ればスイッチやコンセント穴から漏れますし、階段裏から入れば2階の床下まで空気は流れ、細かい隙間からも放出されます。これでは床下内は平準化されません。このあたりは作っている時にしかわからない部分があるので、後設置床下暖房ではそこを補うだけの風量を押し込めば静圧が確保されます。
こんばんは。
さっそく、日経ホームビルダー9月号、11月号購入しました。
私も一昨年から見よう見まねで床下暖房にチャレンジしてます。
床下温度の平準化には今でも頭を悩ませており、未だ試行錯誤中でしたが、この記事をみて目からウロコでした。
さっそく、スリットの開口をテープで塞いで開口面積を狭くして試しております。
そこで質問なんですが、
①日経ホームビルダー11月号、P36のエアコンとスリットの設置位置ですが、スリットの箇所が少ないく感じます。3箇所だけで平準化できるものなんでしょうか?和室も温まりますか?
②床下2台のエアコンの動作ですが、一方のエアコンが動作している時、他方のエアコンが負圧?になり設定温度になってしまい止まってしまいませんか?
③設定温度が28度ということなんですが、室内が暑くなりすぎませんでしょうか?
我が家も床下に2台送風できるようにしておりますが、いつまでたっても②の解決ができません。
いつも質問ばかりで大変恐縮です。もしよろしかったらご教授ください。
追伸
安月給の私には日経ホームビルダー1冊1,880円って高いです、、、
私が購入することによって浅間様に少しでも印税が入れば幸いです。