身近でわかる、日本の文化と環境と建築。

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今日の弥彦神社。毎年の事務所の初詣でのお炊きあげ。一年で全て新しく変わる日本神教。

毎年恒例の初詣・・・。

母は今年から待機組になり娘と行ってきました。

この写真は「お炊きあげ」です。

一年で新しくなる神様

お炊きあげとは

神棚やお札を個人で勝手にゴミ箱に入れることはしないで、信心しているお宮や寺院で焼いて天に戻すことと解釈されております。

当事務所にも、もしかしたら皆さんの家でも神棚がありお札が祭ってあると思いますが、ここに祭ってある神札を一年ごとに新しい札にとりかえることが一般的に行われております。

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神様のお札を一年ごとに交換し燃やす・・・これが日本発の神教。

何気ないこの一年ごとの取り換え・・・。

これって仏教では行いません。たぶん日本発祥の神教のみです。

・・・

ここに日本の原点を見ることが出来ます。

つまり、

日本では新しいものに取り換える事を良しとする文化があるのです。

仏教はインド発祥の中国経由の大陸から伝来した宗教です。

宗教には詳しくありませんが、

仏教において一年ごとにご神体やお札(掛け軸)を焼くって事はありません。勿論日本の神教だって神社のご神体を一年ごとに焼くことはありませんが、お札は焼きます。仏教でもお弥陀如来の小さな掛け軸はお仏壇にありますが、さすがに焼きません。

有名な伊勢神宮の遷宮

遷宮とは社を20年ごとに新しくする行事です。地方の神社はこのような短期間の遷宮や普請は行われませんがこれは資金的なことであると思われ、有名な社の殆ど短期間の遷宮が行われます。仏教ではそのような事を行うこと社はおりません。ここに大陸由来の仏教と日本古来の神教の違いです。

話を戻しますが、神札を一年ごとに取り替えるなんて・・・本当に不思議な宗教と文化です。

キリスト教、イスラム教、ヒンズー教でもこのような習慣があるのでしょうか・・・。そもそも偶像禁止のイスラム教ではその札のような存在も無いでしょうから。仏教も聞いた事がないのでたぶん無いのでしょうね。

新しい材料に価値ある日本文化

畳は新しいほうが好まれる

以前もご紹介したとおり、

「女房と畳は新しい方がよい」

なんていう日本の諺・・・。

これは新しい物はすがすがしくてよいと言う意味でが、

新しいものにすがすがしさと初々しさを感じ、多くの同意が得られる気持ちだと思われます。

もう一つ私の解釈ではここに「かわいい」という日本独特の表現も含まれます。

つまり・・・

海に囲まれた日本の気候は、形ある物がカビやすく冒されやすい気候であるため、早い劣化と変化が起きるので、新しいものにすがすがしさとういういさを感じる・・・。

と解釈しております(異論があると思いますがあえて・・・)。

で・・・

家は何もしないとカビる・・・

日本の家はカビるので短寿命でよいと日常で人々は感じていた・・・とも言えます。

ここが欧州や北米とちがうところです。

そして新しい木や畳は、それが一部でも使われるだけでカビ臭をごまかせる事が体感的にわかっているので

「畳はあたらしいほうがよい」

となるのでしょう。

今の畳は床が発泡スチロールで且つ、防かび剤がい草の下にしっかり敷き込まれているのでなかなかカビませんが、昔のい草と藁だけで造られた畳は、何もしないと直ぐにカビが生えます。

長寿命の生き物は神格化

だからこそそんな厳しい自然の中で生き延びる樹をみて神木とあがめる気持ちが生まれます。

↓の写真は今日参拝した弥彦神社の近く、住吉神社にあるケヤキの神木で樹齢1000年です。

神木・・・木を神に見立てる、これも日本独特の価値観でしょうね。

1000年もこの厳しい生存競争に勝ち続ける強さ・・・。幹廻り8mの巨木です。

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表参道から少し入った住吉屋さんの斜め後ろにある樹齢1000年のケヤキの巨木。

これは特別の木で、建物に例えるなら築1000年の宇治の平等院でしょうか・・・。

「緑の家」と自然素材の付き合い方

さて「緑の家」は自然素材が大好きです。ですが出来るだけケミカルでカビ防止を考えたくありません。また出来るだけ日常のメンテナンスは簡単にしたい・・・

よって夏は空調冷房によるカビ防止をお勧めしております。これが一番簡単なずぼらメンテナンスです。

カビ防止が家の寿命を延ばすというオーブルデザインの仮説・・・ことしも検証を重ねて実証したいと思います。

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