木製サッシの変化と伊達の家工事スタート

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2017年1月12、17日緑字加筆

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昨年の夏実施設計を終了した福島県伊達市の「伊達の家」の工事が始まります。

と言うことで・・・

一昨日は伊達市に伊達の家の施工を受けて頂いた宮城県丸森町の今野建業さんと建て主さんの契約の立ち会い(工事監理者としての捺印)に行きました。
今野建業さんは宮城県の新住協さんのマスター会員で、省エネ改修や新築住宅において数々の賞を取得された凄腕工務店さんです。

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伊達市まで片道3時間の往復500kmですが、「風」ですとまず眠くならない・・・

今年の新潟県は今のところ暖冬で雪がないがゆえの最高スピードに気をつけながらの走行になります。

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道中一番有ったのが磐梯山で、それでもこのくらい・・・。

雪が無くても曇天でそれが磐梯山を越えると急に晴れわたります。

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さて、実はこの伊達の家の直ぐ近くで今野建業さんがリフォームされた蔵の家があり、帰りに少しだけ見させて頂きました。

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流石に賞を取得された住宅で各所のデザインが凝っており、無論断熱性はとても高くそれを証明するように南側大開口部には「キマド」(富山の木製サッシ老舗)があり、これが私が19年前に検討した頃の木製サッシではなく、アルミの外装の綺麗なサッシでした。

そこで興味がわき帰ってからキマドさんのHPを尋ねると・・・

少し感動しました。

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木製のサッシのメーカーさんが主張することに異論を挟む事は難しいだろう。「緑の家」が主張する木製サッシには少し大きめの庇が必須で、木製サッシは水に弱い事がこれで確実。

上の写真はキマドさんHPの転載ですが、

赤線のところ・・・見てください。

「木部が露出したサッシを庇がない所に設置された場合、腐食する事があります

。」

とあるではないですか!

これを記載することは木製サッシメーカーとして大変な勇気が必要です。それはこのキマドさんも私が設置検討していた19年前(1998年ごろ)から少なくとも10年間は、木製のサッシしかなかったように記憶しております。今の木窓さんの主流は、アルミと木のハイブリッド(昔のアルムクラッドの木製サッシとは構成が少々違うので)であり、しかも4層ガラスという尖った超高性能断熱窓です。木とアルミのハイブリッドは明らかな方向転換ともいえ、しっかり木窓の弱点を自分のHPに記載する・・・たいしたメーカーさんです。普通はひっそりと変更してしまうのにその点は大変誠意あるメーカーさんだと思います。

過去「緑の家」で木製サッシは何度か使いましたが、その全てが今回の蔵の家のように外部側を樹脂やアルミで保護している木製サッシばかり。露出した木を使った木製サッシは一般住宅では過去2度しかありません。それでもある海外メーカーのアルミクラッドの木製サッシが腐朽して7年でダメになった経験があるからこそ・・・

このブログ↓

https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2011/02/10/post-0/
https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2012/01/06/post-0/
で強く建て主さんに注意喚起してきましたが、それから6年経ってようやく認知されてきました。今も木部をそのまま露出させた木製サッシを有効な庇のないまま使っている住宅を見かけますが、東北以南では間違いなく腐ります。20年経ったが腐っていないと主張されることも良いですがそれは運がよい(運とは雨がかかり難い環境だったり、湿気の少ない都市部だったり、サッシ品質が良かった)と思ったほうが良いでしょう。一つの事例が多くの事例の代表とはなりません。100件のうち5件(5%)でも腐ればそれは大きなミスです。改善が必要と思うのが普通でしょうね。

なぜ腐るか・・・それは下の図部分に問題があるからです。ですので木の表面仕上げや形状の問題ではありません。フレーム形状が悪くて腐るのは論外ですが、下の図部分のガラスを押さえるビートというゴム製の部材が劣化して雨水がフレームの溝に侵入します。すると一度侵入した水は今度はビートが邪魔をして乾くのに時間がかかり腐朽菌にやられ腐ります。

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庇がないと雨水は容易にガラス面をながれ下部に向かう。
また上部からの侵入も容易になる。

上の図の拡大部分。
一度侵入した水はなかなか乾かない事が致命的

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上の図の拡大部分。 一度侵入した水はなかなか乾かない事が致命的。
キマドさんはここを改善して水抜き穴と下方に木フレームが無いようにしている。また木枠に加圧防腐剤も処理されている。

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赤矢印が腐食した木製サッシ(アルミクラッド)の下部フレーム。色が黒く変色している。原因はビートの劣化でそのわずかな隙間(0.5mm)から水が侵入。

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上のサッシを外部から見た時。
ビートが痛んでしまった時に木製だと簡単に腐朽する。

日本では外部の木製建具が50年前にアルミサッシの移行し、フレームの腐れから解放されたのに、当時必須だった庇さえつけないで再び木製で腐らせる・・・採用する設計者、施工者の心中はいかがなものかと思います。古い断熱性の無い当時の木製建具のほうがまだ腐りません。それはガラス押さえのビートがないので、雨水が浸入してもすぐに乾燥するから・・・。

有効な大きさの庇があればこのような腐朽のリスクがへりますから、「緑の家」は庇の家とも呼ばれるくらい徹底して庇をつける訳です。但し地域環境のよっては腐り難い条件にもなりますがそこは地域を熟知した設計者にお問い合わせ下さい。

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55年経たと思われる木の窓。
ビートが無い頃の木の窓で、こんな窓でも庇だけは付いているが、庇と言うより壁のつたい水をカットする水切りなのかも・・・。

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