超高断熱の前に構造が優先される訳

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今年の3月の終わりに、国交省監修の「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」の最新版が発行されました。3月に入手したかったのですが、気がついたときには完売で先週第2版を申し込みました。そして・・・この2週間は構造漬けになっておりました。

とその話題の前に・・・

ちがう本も買いました。

こちらは仕事に関係ない本・・・

「営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由2」

です。

エンジンの馬力は大事な車の要素であるが、それと同じくらいハンドリングは大事。その中でも真っ直ぐしっかり走るというフィールが良くないと全くつまらない・・・車となる。

なぜこんな本を買ったか?

高速道路を確かにバンはぶっ飛ばしている事をよく見ます。その理由が知りたい・・・。

オーブルデザインも営業車として

ジムニー(JA22W)やカングー1や軽トラがあります。

これらの車でぶっ飛ばしはしませんが、何か面白みがあると何時も運転の度に感じておりました。

その理由がこの本でわかったような気がします。

もの凄く端折ってまとめると(笑)、

「荷物を積めるような頑丈な車体と、シンプルな装備の軽量性、無理な省エネ技術をしないことで、真っ直ぐしっかり走るという一番基本的な安定性能が特に優れているのがバン!だから運転が疲れず、結果・・・面白い

との事を感じました。この次は同じ著者の「4輪の書」を読みたいと思っております。

運転が面白いといえばこの車。とにかくガッチリした車体と目的が鮮明な形が好き。

なるほど・・・。確かにね。車の運転はやっぱり運転は面白い事が大事。

さて本題です。

挿絵は可愛いが内容は・・・。

木造住宅で8割も占める軸組工法での耐震性の確保は、この許容応力度設計が一番パフォーマンスがよいと思われます。その許容応力度設計のバイブル本がこの度9年ぶりに新しくなりました。細かい点で多くのバージョンアップがされており、審査機関でもこの新しいバイブル本(業界では17年グレー本といわれております)で評価されるようになってきております。

そこで・・・当事務所もこのグレー本(2017年版)に添って構造の安全性を担保するべく、新しい構造用ソフトを購入しました(今までのソフトは未対応)。

今や30坪の木造住宅でも、手計算で許容応力度設計は出来ません。荷重の流れが複雑な事で、1箇所でエラーがでたときに、荷重の拾い直しを始めからやり直す事になり、その手間は20年間まえの青本(木造3階建の設計)10倍以上の仕事量になってしまいました。

この厚さ・・・。500ページの計算書。とても住宅のものとは思えない。1部するとインクがほぼ空になる。

この許容応力度設計で40坪くらいの家の構造計算書をつくると・・・このグレー本の厚さを超え、総ページ500枚以上にもなります。

ある「緑の家」で、3月に長期優良住宅の申請を行うはずが、諸事情で5月になってから行う事でこの2017年のグレー本に準じて行いたい気持ちとなり、新たなこの基準に準じた構造ソフトで裏付けをしました。そのため、初期設定に1週間、実際の入力と調整で1週間・・・。流石に時間がかかりました。結果は先代グレー本から大きな変更はなく、その事より構造計算ソフトの変更によりより詳細に結果が出るようになったので、結果には多少の変化があります。ただ決定的に違う事もない・・・そうで無いと困ります。

2002年に初板が発行された本が一番左、真ん中が先月まで使用していた本、そして一番右が最新版のグレー本。流石に真ん中のグレー本はお疲れ気味で、様々なオプション資料を挟んでおります。

しかし・・・この計算の量は、現在のパソコンでないと出来ないレベル。ただ数値を入力すれば答えがでることは無く、ある程度の知識がないと正しくつかうことは難しい・・・。構造設計は大変な専門レベルになってきており、超高断熱のような温熱環境U値計算と違い、多少のミスや思い違いであっても許されない生命の安全を担保する性能がゆえに・・・

「超高断熱の前に構造が優先される訳」

なのです。

よって・・・ここ数年の温熱計算U値はスタッフMに任せっきりですが、構造計画・計算は必ず自身で行います。

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