石川県金沢市で鳴和台の家 模型完成

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瓦屋根も意識してコスト的に有利な切り妻屋根とした。玄関のルーバーと下屋でスッキリ感と落ち着き感がでる。

石川県金沢市に計画中の「鳴和台の家」の模型が出来上がった。

ご存じ石川県の金沢市は、全国でもトップを争うくらい雨の降る時間が多い地域である。

「弁当を忘れても傘は忘れるな!」・・・だったかな?

と言われるくらいである。

となると・・・普通は屋根が大きい(軒の出がある)家を想像する。

しかし最近の分譲地に建つ家は特に軒の出がある建物ではない。

一方今年は例外とのことであるが、近年積雪も20cmを超える事はないと聞いている。

通常積雪が多い地域(毎年1mの積雪がある地域)は軒の出が大きく無いことが多いがこちらも、多くない積雪量なのに軒の出は小さめであり少々理屈が合わない。しかし・・・地域の一般的な建物の形には必ず理由がある。

私は最近様々な県で設計を行わせて頂いている。そこで一番大事にするのが

「建物は地域環境の理由による」

である。

新潟県は北海道を除くとかなり特殊性のある地域だと考えている。また新潟県内でも新潟市と魚沼市では建物の取り巻く環境は全く違う。それを日頃肌身で感じているので、他県・他地域で設計を行う時には、地域の工務店さんで普通に建築されている家をよく観察するようにしている。

今回のご希望が金沢市の標準積雪量1.5mで耐震等級3なので、プランと性能のバランス難易度は高い。積雪量を1.5mとして計画すると雪の重さで軒の出がcm単位で効いてくる。今回は地域の建物より少しだけ大きめの軒の出(65cm)にする事で積雪総量を減らし、雨からの木外壁の保護とプランの自由度のバランスとをとる。

この積雪量1.5mとご要望があったのは、今回の数十年に一度大雪となることがわかる前の昨年の11月であり、建て主さんの先見性(安全性)が裏付けられた。つまり想定内であるということ。

鳴和台の家は「緑の家」の質実剛健さを基本としつつ、西側にある竹林を残した山の風景の取り込みである。よって南側に大きな窓を設置するより、西に大きな窓を設置し、それをコーナーサッシとすることで広がりを出す。

西側に見える竹林を有する山。

南西のコーナーサッシ。手前に出して最大ガラス面を確保。

また東の玄関アポローチ側も視線が抜けるので大きな窓と南に連続するコーナーサッシとなっており、ダブルコーナーサッシという珍しい外観となった。

内部は・・・全体はコンパクトながらも雨や雪が降っても多少の作業、遊びができるように玄関土間を計画した。

木々を配置する前の模型の方が建物の形がわかるが、やっぱり味気ない。緑が配置されて初めて「緑の家」となる。

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