改めて無塗装の床をお勧めする理由・・・②
 55年経たヒノキの床

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改めて無塗装の床をお勧めする理由」にコメントを頂いたので急遽その続きである。

この自然な艶と色・・・見事である。特にメンテナンスはしていなかったとの事。これで55年経っている。

これ・・・なんだかわかりますか?百聞は一見にしかずの例・・・。

55年使ったヒノキの床である。これって汚く見える?この表情は美しい時を感じるだけ。
建て替えで解体の時にわざわざ建て主さんから取り置きして送って頂いた床の一部である。
無論・・・無塗装でメンテナンスなんておこなっていない普通に気兼ねなく使った床と聞いている。

この床が貼って有った家。

貼ってあった床から切り出したところ

こちらが55年経った家構えで歴史を感じる。

霧吹きで水を掛けると、左の新品は直ぐに水を吸込むが右の55年経たヒノキは少し水を弾きながらゆっくり染みこむ。

さてこの床に霧吹きで水を掛ける。左は新品のヒノキの床で、右が55年使い込んだヒノキの床である。ものの見事に新品はあっという間に水を吸込むが、使い込んだ床は薄い膜を表面に造っているのでゆっくりと吸込む。つまり汚れにくくなっていると言う事。

白い線の枠内が水が染みこんだあと。

横から見ると一目瞭然。

しかしもっと重要な事は、手で触れたときに両方の手触りの差はあまり感じられない。これが人の手の自然オイル拭き取りだとやはり差があり、オイルのほうは「べたっ」とする。

きっと膜の出来方が違い、自然に膜ができたほうは湿気の分子は通すが、液体の水は通さない表面の構造なのだろう(まるでタイベックみたい)。

この水に引き方の違いを見て・・・。 ところで55年も違う床が普通に合致組み合わさる不思議。

この床は「緑の家」の宝である。55年の時はお金では手に入れられない品物。

但し・・・

但し・・・気になることもある。

表面は艶々だが床と床の隙間になるところは・・・埃とカビが同居している感じの汚れが見られた。つまり・・・カビには敵わない場所、部分がある。それは掃除が出来ないところ。隙間や床裏、壁中、懐である。
3年前(2015年)、カビは家の寿命を決める大きな因子と私は仮説をたてたが正にその事実がここにある。

カビが家の寿命を決める!その2
さて、その1では・・・40年前にあまりにも木に化学物質を染みこませたり、塗ったりしてカビを防いでしまったのでその反動...
カビが家の寿命を決める!その3
設計屋で特に技術系の私が、 家の寿命はカビの有無できまる・・・ と宣言している事自体自分でも驚いております。...

私がお願いした事を忘れずにこれをわざわざお送り頂いた建て主さんには心よりお礼申し上げます。

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コメント

  1. 自然素材 より:

    初めてコメントいたします。

    現在、自然素材を使った注文住宅を建築中です。
    床材に杉の無垢材を使用しておりますが、当初は工務店の言われるがままに、表面にオイル塗装をする予定でした。しかし、自然素材に化学物質が多少なりとも含まれているものを塗ることに違和感を覚えて、自分なりに色々と調べたところ、オーブルデザインさんのHPにたどりつきました(旧ブログも拝見いたしました)。それを拝見したことで、自分の中のモヤモヤが一気に解消され、無垢の床は無塗装でいこうと決めることができました。ただし一つ懸念があり、それは「脱衣所・キッチン・トイレなどの水回りも無塗装で大丈夫なのか」ということです。ウレタン塗装だけは嫌なので、水回りだけ蜜蝋ワックスを塗ることも検討しています。アドバイスいただけたら幸いです。

    • Asama より:

      自然素材様

      コメントありがとうございます。
      >それは「脱衣所・キッチン・トイレなどの水回りも無塗装で大丈夫なのか」
      については・・・
      こちらでは、わかりかねます。理由はどのようにお使いになられるかが不明だからです。ただ私なら全て塗ることはしません。トイレは全て座って行ないますし、小さな子供が今おりません。脱衣所も同様でお風呂からは足を拭いて脱衣所に上がりますし、キッチンはスリッパを履きたくないので無塗装のままです。もし裸足で一年中過ごす事ができるような暖かい家なら杉は無塗装でしょう。スリッパをお使いになるのなら「ナラ」に「ウレタン」のような堅い塗装した床か「ナラ」にオイル拭きでしょう。杉は床の中での最も柔らかい素材なので塗膜をつくる塗り物はNGです。つまり蜜蝋成分が多いワックス系の塗り物はまずお薦めしません。蜜蝋は常温で固形の蝋なので、蝋成分がはがれたところだけ、汚れが染みこみ、ホルスタインのような汚れ具合になります。杉は柔らかいので固形のもろい膜との相性は最悪です。もしやむ得なく塗るなら常温で液体のオイル系です。

      • 自然素材 より:

        早速のご返信ありがとうございます。
        詳細にアドバイスいただいて、とても嬉しいです。

        確かに座って用を足すなら、トイレは必要ないですね。
        脱衣所とキッチンに関しては、どう気を付けても多少なりとも水が床に落ちることがあると思います。ですので、無垢無塗装の床材を使う場合は、「出来るだけ早く水分を拭き取る」ということに尽きるのでしょうか?他にもメンテナンスや気をつけた方がよいことがあれば、アドバイスいただきたいです。
        また、我が家では、洗面台(シンク以外の部分)やキッチンの笠木にも無垢材を使用しています。造作家具も同様です。オーブルデザインさんの住宅では、床以外の無垢材への塗装はどうされているのでしょうか?家全体でオール無塗装なのでしょうか?

        色々と質問して申し訳ないのですが、ご回答いただけると幸いです。

        • Asama より:

          >オーブルデザインさんの住宅では、床以外の無垢材への塗装はどうされているのでしょうか?家全体でオール無塗装なのでしょうか?

          いいえ、ほとんどの「緑の家」では全無塗装ではありません。堅木を使うところはオイルふき取りをしますし、堅木であっても階段などはオイルを使いません。一方針葉樹であっても玄関戸にはオイルを使います。針葉樹は原則無塗装ですが用途に応じて使い分けます。

  2. オーブルデザイン浅間 より:

    無垢床無塗装の信者様
     
     コメントありがとうございます。

    >でも、私の選んだサンダー 180仕上げで、あの素敵な床に変化していくのかがとても心配なので

    申し訳ありませんが、はっきりわかりません。「緑の家」ではヒノキの超仕上げが標準なのでサンダーの仕上げ時の経過を体験しておりません。ただ、サンダー仕上げのナラ、タモ、パインでも10年経過するとピカピカしてくるので大丈夫だと思います。
    尚、艶を出すときにスリッパなどは厳禁なので気をつけてください。

  3. 無垢床無塗装の信者 より:

    コメント失礼します。
    今、6畳間の子ども部屋をリフォーム中で、前々からヒノキの無垢床を使用したいと思っていて、思い切ってヒノキの無垢床でお願いしました。もう床は貼り終わっています。その注文の際に、友人の家がヒノキの無塗装、サンダー 仕上げと言っていたのを思い出し、仕上げはサンダー で、何番にしますかと工務店さんに聞かれ、大工さんの、特別な要望がなければだいたいは180のを使用している。との言葉で、サンダー 180仕上げの無塗装で使用しようとしているのですが、無塗装で使用する場合の仕上げはどのようなものを使用しているのでしょうか?やはり超仕上げ(かんな?)でしょうか?
    240という選択もあったのですが、私も素人なのでよくわからず、工務店さんからは何か塗装はしたほうがいいとおすすめされていて、これで良かったのかとても不安です。
    そんな時に、緑の家さんのブログを拝見し、やっぱり無塗装で大丈夫!と思えました。ヒノキの無塗装、とても素敵です。
    でも、私の選んだサンダー 180仕上げで、あの素敵な床に変化していくのかがとても心配なので、何かアドバイスをいただけたらありがたいです。