大野町の家 基礎外断熱と角保護 その2

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AEPの下地処理中の現場にある木の角保護材。

上写真に白い矢印は大野町の家の階段部分にある壁の角保護材。現在大野町の家では内部下地を完成させていることであるが、白い矢印のところ・・・これが「緑の家」自慢である角保護材である(以前も紹介)。

「緑の家」は10年後20年後をとても大事にしているといつも言っている。それが形になっている一つがこの小さな部材。

この部材があるだけで、プラスターボードで壁をつくる現代の住宅室内における弱点である出隅を保護しているのである。

角保護材は人が干渉する高さで止める。まさしく機能でデザインする。

完成するとわかりやすくなり上の写真の青印の部材である。

「緑の家」はAEPの壁がほとんどであり、これは事務所設立の1998年から(もう21年)全く変わりない。築30年経た事務所の壁もAEPであるが、未だに色の変化も剥げることも全くない。しかし・・・

壁の出隅には上のような角保護材がないので壁の傷みが激しい。

15年目で完全に口を開けたAEPの出隅角。

無論、AEPの下地であるPBのコーナー補強がされているが、20年後にはほとんど役立たずで下のようのに口を開けてしまっている。

少し残念な出隅(当事務所)。

メーカー純正の部材である樹脂や薄い金属であるとその耐久性がやはり低い。

巷のクロス貼りでは樹脂製のアールなどを使っているようだが、「緑の家」ではあえて無難な無垢の木を使う。

「緑の家」は必ず人が干渉する場所(掃除機の配線も)角保護材を設ける。

木を使うとコストアップなるとか、洗練された感じにはなりにくいと言われるが、木は耐久性が一番ある安価な、そして優しい素材である。私はいつも想う。洗練されたデザインだけではなく長い年月で「刻まれた時」が壁や床に映った時に味がある素材で作りたいと・・・。

土間キッチンの家でも人がぶつかったり、掃除機の配線がすれたりするとところは必ず角保護がある。これは10年経過時から家の良さが始まり20年後にその家の本来の価値がわかる「緑の家」のポリシーの表われである。

白いAEP壁に埋め込まれた角保護材とドア窓枠材が適度な木の使用割合を占める。

角保護はすり減っても問題ない昔の露出していた柱と同じく「無難な」木が一番・・・。

実は大野町の家ではこの角保護材より自慢したいことがある。

それがこの下の写真だ。

構造柱を囲むように取付けられたカウンターは、大工さんの腕の差がでるところ。納めてくれたK大工さんに感謝。

奥行きが800mmの新コーナーサッシのカウンターであり、ベンチであり、簡易ベットでもある。

「緑の家」では床高が地面より1.5m以上にあるので、掃き出し窓が計画しにくい。そこでこのような1階床から43cm上がったカウンター、ベンチになる高さから始まる窓を多用する。この高さであると不意に窓を超えて外へ落ちることはない。今回はそこを広く作りクッションがあれば寝転がれるようにした。これは私が自由の師としている南雄三先生からもヒント(シーランチベット)を得ている。実際できあがると早くここに寝転がって土手越しに見える初夏の青空を見ていたい。トリプルシャノンとはいえ冬はさすがにこれだけ大きい窓ではコールドドラフトがあるだろうが・・・。

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