金沢市鳴和台の家 ラフチェック

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庇付きの難がないホントに無難な外観と地域特徴の焼き瓦の屋根。そこに「緑の家」のコーナーサッシと冷収納(冬期冷蔵庫)が特徴的に取り付く。

ほぼ完成している鳴和台の家で室内ラフチェックに伺った。

横格子はこれから設置。今後ちょっと拘りの外構工事が始まる。

玄関側も瓦屋根にはよく合う下屋と格子が取り付く。横格子とすることで瓦から感じる和風を緩める。

雨の金沢らしい日であったが、伺ったときには雨が上がっていた。

風もなく下屋があり、基礎も高い好条件でも外壁に雨がかかることがわかる。だからこそ木の外壁に屋根の出は必要である。

内部はまだAEP施工の前で、パテ処理が終わったところ。やはりここの職人さんも

「AEPの壁下地でパテの一度目は目一杯押し込むようにしないとヒビが入る」

との事で、伊達の家の職人さんと同じ見解だった。

前と後ろが開く両面使いのアイディアは建て主さんの発想。

多用途の室内玄関土間があり、雨の日が最も多いと言われる金沢市の家では必須かもしれない。以前もご紹介したが、あの有名な徒然草の一文で、

「造作は、用なき所を作りたる」

とあり、何に使うのかわからないようなところを設けることが良い空間(家)となるとの解釈である。

その一方・・・

「天井の高きは、冬寒く、燈暗し。」とある徒然草であるが、

そことは真逆な天井は高いが、暖かいし突き抜けて明るい室内の「緑の家」である。

これは、

「家の作りやうは、夏をむねとすべし」

と同様に時代が変わったので、過去文化の文言とみるべきだろう。

つまり複層サッシと冷房エアコンがない文化の事である。

「天井が低い方が良い」ととれる徒然草のこの文で、実は多くの人が誤解するが昔はお金持ちの家ほどしっかり天井が貼られ、現在古民家としてありがたがられる天井なく太い小屋組が見える部屋は安普請だったのである(上客の部屋ではない)。小屋裏が見えるような空間は寒いし暗いからである。

さて・・・

玄関にあるこの物置き・・・。ソリッドの無垢材を強調するような凹みをつけてもらった。キーや印鑑等小物置きとして使って頂きたい。

そして、

帰るときに頂いたかりんとうのお饅頭。作った日が賞味期限となるお菓子・・・それをお会いする前に買い求めたその一手間が最も贅沢なお土産である。そのお菓子を車内で堪能して帰ってきた。

現場の皆様には今月29日の完成検査に向けてももうひとがんばりをお願いします。そして先回中間気密測定のC値が0.1cm/m2という超高気密だったのでそれを出来るだけ維持できる仕上げをお願いしたいと思っている。

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