超高断熱住宅の「緑の家」の外壁のU値は0.11~0.17w/m2kである。一方高性能樹脂サッシでもU値は1.0~1.5w/m2kが普通。つまり窓の方が10倍も断熱性能が悪いので日本海側では冬の太陽光を期待して窓を大きくする事はない。しかし「緑の家」では窓を最大限大きく多く取る・・・これには理由がある。
先日植栽工事が行われた鳴和台の家の写真がLINEでおくられてきた。
上の写真を撮って頂いたのは嶋田工建さんのIさん。とても「緑の家」らしいショットで感激している。
そしてここにメインの木が植樹されると・・・
LINEのTV電話で位置を確認させて頂いたが窓越しに見える軽やかな葉と幹が美しかった・・・。
さて本題であるが、
なぜ断熱性能が悪いサッシをこれだけ多く使うのかは、もう何回か申し上げているとおり、家は断熱性能だけで作る事はない。ポイントはその土地を選んだときに既に決まっている。
どのように暮らしたいかを察知する事が設計者の使命であるとすると、自ずから窓のイメージができあがる。それはとても単純で鳴和台の家のオーナーさんがこの土地に決めたときにほぼできあがっている。
その土地から南西方向に見えるこの緑深い山・・・。この方向は共同住宅の駐車場である程度の期間は建物が建つ恐れがない・・・。写真でわかるとおり金沢市は曇天が多く冬期にはお日様が望めなく暗い・・・。だから大きな窓で外壁を切り取って明るく暮らしたいと考え、大きな窓を計画できるこの土地を選んだ・・・と感じた。よってこの大きなサッシは必然となるのである。
最近はこの大きなサッシがコーナーサッシとなる事が多いし、「緑の家」の外観の顔になっている。大きなコーナーサッシをとると、巷では耐震性が悪い建物との評価もあるが、それは事実でもあり間違いでもある。諸条件を整えれば耐震等級3以上の建物を造ることは可能。以前ご紹介したとおり↓。
何しろ実際建てて実験したのだからこれに勝る根拠はない。この建物と同じように「条件を整えれば」耐震性が落ちることはないだろう。