今夏は簾(すだれ)を科学する。番外編2

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日射遮蔽の有効性は10年以上前、様々な論文でも紹介している。真夏では日射遮蔽が夜間通風より効果があるとの根拠になったのは恩師のラボであるこの↓論文である。

新潟 住まい 夜間冷却と通風の効果
この図は昨日ご紹介した赤林研究室(A-lab)に紹介されている研究。夜間冷却を積極的に行っても、8月の気候では冷房負荷が...

今から10年以上前の論文・・・。

そのころから「緑の家」では日射遮蔽に力をいれており

超高断熱 Q値 0.86W/m2Kと0.93W/m2Kの家の暑さ対策 遮蔽
「緑の家」は超高断熱の家を勧めていますが、今年のご相談、お手伝いしている家はほぼ全てがSSプランの家です。その設計が終...

上の感じで既に簾と簾受けを標準としていた。

通風での事はやはり通風第一人者である恩師ラボのこの↓論文。

2010年 建築学会 9月9日から富山県で 注目は暑’’だから通風
日本の建築の技術、評価を支える「日本建築学会」。毎年一回開催される学術講演会(論文発表大会)がこの9日から富山県で行わ...

既に通風の限界を見切・・・

日射遮蔽の位置や素材、色などの論文はこちらにで紹介し↓

2012年建築学会論文発表から その1
今年の建築学会の大会で発表される論文は大凡8000です。凄い数で、建築系論文発表の大会は医学系論文の発表大会の次に大...

外付けブラインドが最も優れている事や、内付ブラインドであっても外付けロールスクリーン並みの日射遮蔽効果があるとのご紹介。外付けブラインドの色は水平と45度では暗色のほうが遮蔽効果が高いとの事で、当事務所や伊達の家では暗色系のスラットをチョイス。

最近の樹脂トリプルサッシでは日射遮蔽ガラスを使うとη値(日射進入率)が0.24が普通である。つまりガラス単体で0.24まであがっているなか、外付けブラインドを使えばη値は0.1以下になるし、簾であってもある程度の時間はη値が0.1付近にすることができる。日射遮蔽はやる気があれば意外と簡単なのである。↓は周囲が開けた環境のため通風で過ごそうと考えていたにも関わらず、全館空調になった「緑の家」である。

超高断熱の片貝の家<br /> 夏の過ごし方・・・
間違って写真記録サイズをメイル用(VGA低画質モード)にしたまま撮影したため画質悪・・・。すみません。 今年冬に竣...

スタッフMのTEXTが主となった今回のシーリズ6連載は終了。簾の良さが改めてわかった人は、来年から簾を外部に設置し自身で体験し評価してほしい。またコストが掛けられる方は外部ブラインドの導入もお考え頂ければと思う。そして新たに紹介した日射遮蔽であるターポスクリーンも気持ちよい。

シリーズその1はこちら

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コメント

  1. とがじゅん より:

    先ほどのコメントの訂正です。

    千葉県内、断水も発生していました。
    ガスには大きな被害が出なかったようですね。

  2. とがじゅん より:

    我が家でも「簾」をさらに活用したいと思っています。
    室内側に吊り下げると逆効果になることも参考になりました。
    試してみようかと思っていましたので・・・。
    「ターポスクリーン」も見た目の良さに惹かれます。
    以前は「オーニング」にも関心がありましたが、
    風に弱い+初期費用で導入を見送りました。

    台風15号による千葉県内の被災地が大変なことになっていますね。
    停電しているけれどガスと水道は使えているようなので、
    「ガスエアコン」を設置されている(少数の)方は
    酷暑をしのぐことができそうです。
    太陽光発電パネルを設置されているお宅の被害状況は?
    停電時に発電パネルや蓄電池が役立っているのでしょうか?