新潟市白山浦の家 完成間際3

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建て主さん自作の郵便ポスト。屋根下だから木での製作が可能。

太陽光発電パネルや鍵まで細工されているポスト。

木の外壁だから木のポストがよく似合う。その屋根には本体の屋根と同様片側に小さい太陽光発電が設置されている細かい細工・・・。

自分の家に自身の手が入る・・・メンテナンスの基本的精神であり、この考えがないと人任せとなり家が愛される可能性が低くなる。木の家の場合、メンテナンスの主役は建て主さんが中心となってよいと思う。

白山浦の家では、ヒートファクトリーと中水設備(雨水利用設備)、太陽光発電が設置され、「緑の家」のエコ設備が全て完備されている。ヒートファクトリーは10年以上前から提供しているお風呂の湯から熱回収装置。

いつものヒートファクトリー。これが設置出来るのも床高1.5mのメリットである。

中水設備(雨水利用設備)も本格的である。
1.2トン(1200L)入るタンクを地下に設置して自動加圧ポンプで引き上げる。

当然トイレ排水にも利用が可能なような器具も設置されるが、上水用の水栓も接続されいつ雨水に切り替えるかは、建て主さんの判断によって行って頂くことで、雨水の有効利用としている。新潟市の中心地であっても海抜からわずかに上がった土地の高さのため、浸透マスや雨水はできる限り貯め、タイムラグをつくって排水ポンプの負担が軽くなるような施策を市として推進している。それに合致するような大きな容量の雨水タンクである。

また1200Lの水量があれば、仮にトイレの洗浄を6Lの量で行うとして166回分(安全をみて1000Lで計算)となり、一日10回使用しても16日間使用可能。つまり連続16日間雨が降らない夏でも問題ないくらいの水量となる。

下水地区なのに地下に埋まる大きなタンク。これは雨水利用の貯水タンク。

ヒートファクトリーやこの中水設備にかけるお金があれば、家の内部の造作もグレードアップ可能なはずなのに、「緑の家」のオーナーさん達はこのような設備を大事にされる。UA値0.2W/m2Kの超高断熱といった屋外の温度の影響を受けないシェルター性能の高い家だからこそ、自然環境とのつながりを実はとても大切されているのである。

黒い矢印の上が1階の個室の収納となっている。このように2層で有るが平屋建てとなる。

「緑の家」の特徴である床高1.5mは、この白山裏の家が平屋のはずなのに2階建ての雰囲気をもつ。それがこの家の中にある玄関階段である。平屋なのに階段がある事に対し、抵抗をもたれる意見もあるが、低い玄関戸の相性、使い勝手は大変良いよい。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSCF0913.jpg
黒い矢印下が先ほどの階段上になる。奥に見える玄関ホール空間とつながる。

玄関部分を2層に重ねる事で収納が多くとれたり、空間的に面白さが生まれる。しかも構造的にはスキップはしておらず、素直な耐力壁計画が可能となる。

キッチンはトーヨー製のシステムキッチンでIHコンロを備える。将来のガスコンロも利用可能なように、キッチン真下の床下まで配管が伸びている。平屋なら、ガスコンロでも内装制限を満たすので(例外的な空間となる)、自由度が増すことはうれしい。レンジフードは構造梁で固定するため、当初から梁位置を計画していいる。

床下内の天井につり下げられるスパイラルダクト配管。

24時間換気は運転音の音の小さなダクト式第一種全熱交換型換気扇で、床高が1.5mであるため床下配管が9割可能になり、圧力損失の低いスパイラルダクトをできる限り使用している。この2つで取り替えやメンテナンス性がとても良い。

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コメント

  1. Asama より:

    hatake様

     こんにちは。

    >この大きなタンクが劣化等なんらかの理由で交換が必要になった場合、搬出·搬入できるルートを必ず設けるのでしょうか?

    いいえ。搬出するときは壊します。但し白山浦の家では、搬出入できる大きな床下への出入り口があります。また和室でもあれば畳下から搬出入出来るのですが、いつも和室があるとは限りませんので、通常は一回しかタンクを使用することはできません。タンク自体は劣化する要因がほとんどないので30年くらいは問題ないと思いますが、熱交換する管は腐食により15年から20年が一つの交換の目安です。

    >採用はかなり少なくなっているのかなと思っていました。

    昨年は1棟、今年も1棟で確かに採用数が5年ほど前の2/3になっております。
    また雨水利用も多くはなく、3.11以降流行だった「省エネ設備」が一段落してしまったのかもしれません。

    • hatake より:

      もともとの採用数自体がそれほど多くはないのですね。搬出入の件も非常に参考になります。
      ご返信ありがとうございました。

  2. hatake より:

    ここ最近ヒートファクトリー関連の記事を見掛けなかった(私が見逃しているだけかも知れませんが)ため、もしかしたら採用はかなり少なくなっているのかなと思っていました。

    この大きなタンクが劣化等なんらかの理由で交換が必要になった場合、搬出·搬入できるルートを必ず設けるのでしょうか?