構造計算の繰り返しと構造計画

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
お通しから魚家風。タコの三杯酢と貝(名前知らず)。

土曜日の夜になんとか終わった「今朝白町の家」の図面。その打ち上げにいつもの魚家(Totoya)にスタッフMと行った。

今朝白の家実施設計図はA2サイズで86枚ほど。そのうち20枚が構造図となる。この20枚の中で4枚は標準図(長期優良住宅等の審査時に求められる鉄筋コンクリートと木造の共通仕様書)なので実質は16枚。しかしそれでも構造図としては多い。これは車庫と母屋が別々な建物となっているため。

耐雪1mで耐震等級3の建物でも、組み込み車庫のある住宅は難しい。なぜなら車庫は巾6mくらいの連続した開口が道路側に必要なので、この6mの開口を設けると窓を道路側に面して確保することは、一般的な敷地では厳しくなる。更に車庫の上に2階でもあれば耐震性の難易度は相当高くなり(ラーメン接合が必要)、その上耐雪2.5mなら木造住宅として計画するのは止めた方が良いくらい合理的では無い。そこで母屋に組み込まないように車庫と母屋や別棟として計画するのがコストも含め無難となる。

西裏館の家 完成写真①
明るいリビングの巾2.6m高さ4mのサッシ。高性能樹脂サッシトリプルガラスLow-E。この写真は天井を見上げたショッ...
この「緑の家」は車庫と母屋が一棟に見えるが実はエキスパンジョイントで構造は分離している。

この分離式で「緑の家」は過去多くの組み込み車庫に見える家を設計し監理してきた。今回は町屋型式であるため縦方向に組み込み型に見える家として、耐雪2.5mで耐震等級3、しかも中庭や大きな吹き抜けのある難易度も高い家となった。そのため構造計算ソフトをのべ一週間で50回以上試行錯誤でシミュレーションしなんとかこの条件をクリアーした。そのため構造図も多くなったのである。

更に住宅の形も大きく影響し、町屋敷地のため縦横比が3倍近いこの建物において、梁接合部の横方向への引っ張り許容応力が44KNと2階建てでは考えられない応力が発生する事になりこの処理方法にも時間がかかった。44KNと言えば普通のプレカットで羽子板金物の引き抜き耐力が2個セットで約16KNなのでこれが3セット以上(6枚の羽子板)必要な耐力となる。

近年工務店さんでも構造計算をするとのふれこみが多くなっているが、私が勝手に思うに「ホントかな」と感じることが多い。構造計算ソフトはソフトが勝手に計算する事は無く、全て条件があってのこと。注文住宅は一軒一軒条件が異なる。当然荷重から始まり、接合部の仕様など確認項目は100以上になる。これを全部把握して計算できるのはその家の「設計者」以外あり得ないと思うからである。担当者別の分業ではとても無理だと感じるのである。

トラフグ白子焼き

さて・・・

打ち上げでの料理はやはり魚家らしく「魚のキモ」関連を頼むことが多い。今回もトラフグの白子焼き、イカの肝のまま、牡蠣、ウニ等・・・。この日一番はウニとイカの肝だった。それ以外珍しいところでは鯨、岩牡蠣、

鯨の竜田揚げ。
岩牡蠣をレモンだけで食べる。
〆の穴子一本の天ぷら。

・・・目一杯仕事をしておいしい物を食べる。

するとまた良い仕事ができる。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする