石油ファンヒーターの室内CO2濃度

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ファンヒーターのある部屋のCo2濃度の推移。一時8000PPMまで上がる。

otomo vie centのリノベーションで石油ファンヒーターを使用した時の状況を説明する機会があり、水蒸気が発生して結露する事は説明できたが、CO2濃度がどうなるのかの一般的なデータを持ち合わせていなかったので、その資料をネットで探した。すると「開放型暖房器具使用時の二酸化炭素濃度と換気の効果」という2014年に発表された論文があったのでそのデータで説明する。

COVID-19のおかげでCo2濃度表示機器が売れているとのこと。

論文の前に先日関東からお越しになった営業の方の話によると、

「最近は飲食店では店内にCO2濃度表示がされている店が散見される。Co2濃度を表示することで、換気がされている事を示す狙いがある」

とのことで、Co2の濃度が一般的になってきたのか?現在安価なCo2の濃度表示機は一次品薄になったが、今はまた在庫が回復しているらしい。COVID-19で良かったことに一つにリモート講習会があるが、二番目に換気に対し大いに関心を示して頂ける状況になったことがある。測定はお店だけではなく、是非寝室でもCO2濃度を測ると参考になるはず。某大手通販では4000円以下のCo2濃度測定器もある。是非購入して使ってみてほしい。すると如何に寝室の換気が重要かがわかるはず。だからこそ「緑の家」は寝室重視の換気を行っている。

さて論文に戻るが・・・

まず推測として濃度計算すると、

開放型石油ストーブ=石油ファンヒーターの一番小さい機種の出力は2.5kw/hが多いのでこの2.5kw/hのCO2排出量は大凡310L/hとなる。結構出ることがわかる。このファンヒーターで8帖(天井高2.4m)の空間を暖め、シックハウス法上の換気回数0.5回/hが完全に行われたとしてCo2の濃度を求めると・・・

7000PPMになる。

この濃度は結構多い。通常住宅における濃度は1000ppm以下が望ましいとされているより7倍も多い濃度となる。

グラフや資料は全てこちらの論文から

次ぎに論文の実測データをみても冒頭のグラフとなり、最高値は7000ppmに近い8000ppmである。そこから徐々に減衰しているがこれは部屋が暖まったので出力が下がり、その結果排出されるCo2が少なくなったため及び上下温度差が大きくなり自然換気量(漏気)が多くなった・・・と推測できる。つまり使用後の1時間は部屋の室温と相関しており温度が上がるとCo2の濃度があがるが、暖まってしまうとCO2濃度は下がり気味になる。

部屋を変えた下のデータもほぼ同じ推移となる。このことから実測と計算値では大きく乖離していない。

一方ある複数の全国のアンケート調査によると、居室において主の暖房器具の質問をしたところ約20%が石油ファンヒーターと答えている。第一位はエアコンであるが石油ファンヒーターは2位となり、現在でも主暖房として使われている実態がある。以前はもっと多い割合で石油ファンヒーター使われていたはずで、冬期の部屋のCo2の濃度は1000ppmを遙かにこえ数千ppmの状態が多く存在したと推測できる。

紹介した上のグラフはシックハウス法の換気を行っていないと論文中にあるが、石油ファンヒーターの取扱説明書には「一時間一度の換気」とありその換気を行ったときの実測が下のグラフである。

青矢印で換気開始30秒のドア開けだけで3000ppmまで下がる。

ファンヒーターの取扱書どおりに換気をするとco2濃度は大きく下がるが、望ましいと言われる1000ppmより確実に高いco2濃度になることが考えられる。

 

「うちはファンヒーターを使わないから7000ppmの空気に触れることはない」と思っている方でも日常で5000ppmの空気を吸っている方もいる。それは夏の自動車内。夏は車内の冷房を効かせるようにするため空調は外気導入では無く「循環」を選んでいる人が多い。昔は車の気密性はそんなに高くなかったが、車外の音をできる限り排除するため近年は気密性が高い。仮に車内が高気密で一時間あたり2回の空気が入れ替わるような漏気による換気があると仮定すると、小型SUVクラスの1人乗車時では計算すると2000ppm前後の空気となる。計測器を置いて実測しても同程度CO2濃度になる(この写真は後日ブログ掲載)。せまい車中で一人あたり20L/hの二酸化炭素をはき出しているため当然の結果である。このように車内は気積が小さいので、多人数で乗車するときの空調は夏であっても外気導入がよいが、多人数ほど空調の効きが悪くなるので外気導入に出来ず循環を選んでしまう。従って多人数での乗車時には15分ごとに窓を10秒くらい少し開け通風換気をする事も、循環のみよりCO2濃度を下げ空調効率をあげる選択肢としてよいかも。

ネット検索するとCo2濃度が2000ppmで危険とか頭痛となるとの情報もあるが、学会基準では3500ppm、事務所衛生基準規則では事務所では5000ppm以下、労働安全衛生法では10000ppmから不快感が起こるとされている。Co2それ自体は人の吐く息以上の高濃度でない限り緊急性の高い直接害はないとされている。しかし一般的にCo2濃度が高い環境は他の物質の濃度も高いことなる。

さてこの論文に出てきたファンヒーターであるが、年間150万台が国内出荷されており、10年で2000万台にせまる。特に購入者は中高齢者に多い結果も報告されているが、コロナで換気を気にする人は多くても、ファンヒーターの高Co2濃度で問題になることはない。そもそもこのような煙突のない開放型石油ストーブ(ガスも)は70年以上の歴史があり、その間Co2濃度で健康の議論になったことがないという不思議な家電機器である。そういえば最近の気密性が上がったキャンパーの冬テント内も高いのでは・・・?だれか測ってほしい。

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コメント

  1. とーちゃん(滋賀) より:

    Co2モニターを探していて、このサイトにたどり着きました。
    NDIR方式のセンサーを使っている物を買わないと、正確な値が計測できないようです。

    https://covidco2jp.wordpress.com/