換気システムのメンテから見た反転型ダクトレス換気の盲点

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otomo vie centで採用している第一種熱交無個別換気システムの給気扇

otomo vie centのアトリエ棟の2階は住まうことができるようになっている。そこには昨年秋に24時間換気扇を設置した。通常なら熱交換型なのだが、そのデザインが嫌いな管理者が、小さめの熱交無し給気扇を希望し設置した。所謂第一種換気システム(熱交・ダクト無)である。この一年目のフィルター交換をおこなった。

通常このタイプの給気扇は年4回のフィルター清掃後、一年半くらいでフィルターの交換となる。otomo vie centではこの昨秋から春まで殆ど汚れていなかったので掃除することもなくほっといていたが、先日メンテのためフィルターを見ると、びっしり虫で固まっていたので、あわててフィルター注文した。

大手通販でまとめて購入。

仕事柄様々なメーカーの換気扇を比較しておきたいので、管理者さんには申し訳ないが、パナソニックと三菱の異なったメーカーの給気扇が各部屋についている。このためフィルターも2種類取り寄せることになりコスト効率はわるい。パナソニックの純正フィルターは一個1500円以上するので、サードパーティー製として9個まとめて購入。一方三菱さんは純正も一個でも1000円以下であり、10個まとめると5500円だったので、純正で10個をまとめて購入。10年分もあるので得かはわからないが、複数設置されている場合には良いだろう。

パナソニックの給気扇の表面を外すと直ぐにフィルターにアクセスできる。一方三菱さんの給気扇は外装を外してももう一個フィルターを留める部材が別にある。

コストを下げるには部品点数の少ないパナソニックの方が良いのかもしれないが、確実なフィルター固定方法では三菱さんの方がよい。またこの三菱さんの給気扇は左右と上の3方に給気が吹かれるが、左右は閉じることもできる。一方パナソニックのほうは3方向常にオープンで閉じることができない。壁の入り隅などに設置する場合もあるのでこの点も三菱の給気扇が良い。そして使わないかもしれないが強、弱のスイッチもある。どの点でも三菱の給気扇が優れていると感じる。

完全に目詰まりを起こしているフィルター。網の目をくぐってくる極小さな虫がびっしりつく。

一方同じ給気量の給気扇でもフィルターの汚れ具合は設置場所によって違う。窓など夜明るい場所に近い場所は虫を多く吸い込むので上のとおり下のフィルターの倍ちかい虫でふさがっている。

明るくない箇所についていた給気扇のフィルター。まだ猶予がある。

夜でも比較的暗いところから空気を取り入れる所にある給気扇のフィルターは虫が明らかに少ない。できれば窓から離れた位置に給気扇を設置するのが良いだろう。その一方で今回大きな虫がついていないのは・・・

給気扇の外部フードしてはNGな網入りのフードをあえて使う。これで一年メンテナンスしていない。

外部フードはこのように原則給気扇のフードとして使ってはいけない網入りのフードがついているからである。この網をメンテナンスして頂ける条件であれば、この網の役目は大きい。しかしそのことを知らないで網付にすると数年で給気口がふさがる。特に2階の普段目にすることがない高い位置にあると最悪である。

さてここまでは給気側の換気扇だったが、排気用換気扇も同時にメンテナンスする。排気用のフィルターは、給気用と違い一ヶ月に一度掃除をしなければならないくらい汚れが酷い。

パナソニック製排気用換気扇。表面にあるこのフィルターの汚れが酷い。

つまり、空気は屋外より屋内の方が目に見える汚れが多い。通常排気用換気扇は便所やお風呂に設置するが、お風呂は当然風呂CFのため排気用換気扇は無い。

よって今回は便所に設置されている24時間換気システムの排気用換気扇であり、フィルターではなくその内部の羽をメンテナンスする。

ファンは目に見える表側より見えない裏側の汚れが酷い。奥に見えるフィルターも3週間前に掃除したばかりでもう綿埃がついてる。

給気扇とは逆に排気型のパイプファンは三菱よりパナソニックのほうが優れているように思える。取り外さなくてもフィルター掃除ができる外装と、簡単に取り外せる羽、そして風量の種類が多い。羽は写真のとおり一年でこんくらい汚れる。これを放置すると風量は落ち、羽についた埃で軸が異常摩耗し、10年待たずして寿命となる。「緑の家」の場合はトイレは局所換気なので使用時間は24時間換気扇の1/10以下となり汚れもこの1/10だと思ってよい。つまり5年くらいはメンテナンス必要はない。

さてここで気づかれた方もおおいだろう。24時間換気の排気扇は、24時間使用の給気扇より遙かに汚れが酷い。汚れの殆どがダスト(衣類の綿埃、紙の飛散ゴミ)である。特にトイレットペーパーの巻きとり時に擦って舞う埃、衣類の上げ下ろしの埃が多くダスト(粉状の汚れ)も多い。

室内空気がとおる排気用換気扇の本体側はダストで真っ白(設置後10ヶ月)。

羽から先の本体にもびっしりダストが取り付く。この羽から先はこの程度の汚れの蓄積では風量はあまり落ちなので数年間毎のメンテで良い。

屋外空気がとおる部分はダストが殆ど無い(給気扇の設置後10ヶ月)。

一方給気用の換気扇の本体は殆ど汚れていない。やはり外気が室内空気より圧倒的に綺麗である。これを考えるとダクト式換気システムも汚れやすい部分は室内空気を外に出すRA/EA側となり、SA/OA側は比較的綺麗なことがわかる。その写真も過去のブログに掲載している。

https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2021/03/16/post-32102/より

さてここで思った。最近高断熱高気密住宅で採用例が多い「反転型」のダクトレス換気システムは、折角集めた室内のダストを再び室内側に放出している可能性が高い。上写真のとおり室内空気は外気より思った以上の汚れがあり、羽を痛めないようにそれをフィルターで漉しているのでフィルターが汚れる。しかし反転型ダクトレス換気は90秒ごとに空気の向きが反転する。これは折角集めた室内空気の汚れを、空気が反転する毎にまた室内に戻しているに他ならない。熱交換素子にひっついて離れないダストもありそうだが、その汚れ状況を他のホームページで見る限り、ここで紹介した排気用換気扇程度まで汚れていないように見える。汚れていないのは、室内ダストをキャッチ&室内リリースしている証拠ともいえる。室内空気の出入りするフィルター汚れが少ないのは、明らかにおかしいのである。

左が室内空気がとおるフィルターで右が屋外空気がとおるフィルター。明らかに室内側のフィルターの汚れが酷い。

室内の汚れ成分のダストは空気清浄機で確保すればよい・・・とのご意見も納得できるが、折角フィルターで集めたダストを再び室内にまき散らすことが良いのかは、価値観の問題かもしれない。

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コメント

  1. porco より:

    反転型のダクトレスシステムとは人間の呼吸に似ていて面白そうです。ブログを読まさせていただいた通り室内の空気は埃まみれですね。我が家では地下帝国(床下空間)に送る空気を42型プラズマテレビの排熱の再利用も考え、その裏側にダクトを設置しフィルター付きの吸気扇で排熱もろとも強制的に送り込むように改造しました。結果として床下空間での埃の降り積もりがほとんどなくなり快適な空間になっています。(床下排気扇の羽はほとんど汚れなしです)ですが吸気扇のフィルターを月に一回ほど掃除すると今までとんでもない量の埃が床下空間に入っていたことを実感しました。またそんな埃のなかでも呼吸ができる生物の鼻や肺の機能の優秀さにも改めて驚きます。