夏になると日射遮蔽が気になる時期だと思う・・・。
情報としては使い古されているが、日射遮蔽ガラスと日射遮蔽装置(ブラインド、簾、レースのカーテン等)を改めて見比べる。
日射遮熱は一般的には日射取得率であらわされ、上の表のとおり最近のトリプルガラスは、遮熱ガラス単体で32%の日射取得率となる。しかしこれを樹脂サッシにはめて評価するとフレームの分があるので、24%以下まで下がる。
一方、現在最も世の中に多いペアガラスと遮熱装置との組み合わせにおいては下の表のとおり。
日射取得率はエクセルシャノン製の遮熱ガラス(トリプル型)であれば24%だったが、普通硝子のペア樹脂サッシに外付けロールスクリーンの遮熱装置をつけても27%なので、これより日射遮蔽は優れていることになり、普通のペアガラスにアルミ遮熱フレーム+簾をつけたときとの23%とほぼ同数値になる。
つまり現在のエクセルシャノンさんの樹脂サッシの遮熱型トリプルサッシをつければ、日射遮蔽装置をつけなくともある程度しっかりした遮熱ができることがわかる。
一方外付けルーバー(ブラインド)は流石に優秀で全閉したときは下の表のとおり9%の日射取得率である。しかし全閉するのは留守中であることを考えると評価は羽角度45度のときで日射取得率23%になる。
この日射取得率23%は先ほど紹介した普通硝子のペア樹脂サッシに簾の遮熱装置をつけた時、及びエクセルシャノン製の遮熱ガラス(トリプル型)だけで日射遮蔽装置なしのときと同じである。
このように考えるとエクセルシャノン製の遮熱ガラス(トリプル型)だけで、遮熱装置を取り付けなくとも、室内に人がいて窓の外を眺めているような時には全く同じ評価になる。ただし簾も外付けルーバー(ブラインド)もガラスを遮熱型にすればさらに一段階日射取得率は下がるともいえる。
一方日射取得率を下げるということは可視光線も少なくなることであり、エクセルシャノン製の遮熱ガラス(トリプル型)単体で55%しか可視光線は入ってこない。それをさらに羽角度45度の外付けルーバー(ブラインド)で覆った場合は、単純に隙間比で乗ずると10%の可視光線といえるので(羽の反射があるのもう少し大きいが)、結構くらい感じになるので、居室使いとしてはあまりふさわしくないかもしれない。
結論としては、自宅で留守が多い人は外付けルーバー(ブラインド)の全閉をすることで、日射取得率は9%以下となり冷房費が節約される。しかし居室で自然光をある程度必要な人であれば、あえて外付けルーバーを設置することは必要なく、留守中は室内側の紙障子やカーテン、内付けブラインドでもそれなり日射取得率はさがる。
外付けルーバーが比較的高価なことを考えると(巾1.6m高さ2mで20万)、外付けルーバーの費用対効果はかなり悪く※、トリプルガラスの遮熱型を選べばライフサイクルコスト的にはバランスがよいと思われる。
※外付けルーバー20万/箇所で、取り付けないことによる年間の冷房費用が仮に0.5万/箇所余計にかかるとした場合であれば、40年でようやく回収できる。特に太陽光発電を搭載していれば全く気にならないくらいの消費電力量だろう。