長岡市に建設中の長岡の家の耐力壁チェックに昨日伺った。
正午の気温は35度以上になるので、ふらついて足場から落ちてしまっては、全ての人に迷惑がかかるので、日差しが少し弱まる16時から18時まで行った。それでも西日は辛いが、現場で働く職人さんの前でそんな事を言ったら「なめられる」(笑)ので平気な顔をして行う事が肝心。
建物の耐力壁は通常2階より1階が多い。これは1階の耐力壁は2階の重量と屋根の重量を支えるからで、2階は屋根しか支えていないので1階の半分程度になる。しかし・・・
耐雪2.5mの「長岡の家」は、2階が支える重量と1階が支える重量の差が殆どなくなる。これは雪の重量が2.5mで0.75トン/m2となり、2階の積載荷重0.18トン/m2から見ると4倍以上になるから。
よって上の写真のように2階の内部にある耐力壁(筋かい)で向こう側が見通せないくらいまで多く計画される事になる。つまりそれだけ筋かいのチェックも多くなってチェック時間がかかる。多分関東や関西近辺でこんな筋かいを入れたら、「何をつくりたいの?」の感ではないか。
実は内部に多い理由も他にある。
「緑の家」は吹き抜け+コーナーサッシに代表されるように大変明るい家を造る。
これは新潟県が冬に全く晴れること無く曇天なので、その冬でも室内が明るく過ごせたら少しは暗い気持ちが晴れるのではないかと考えているからで、決してパッシブな日射暖房を考えているわけでは無い。
ところが、耐雪2.5mで耐震等級3を作る為には、外壁は殆ど耐力壁で埋め尽くされなければならない。そこで少しでも外部耐力壁を内部に移して外壁に大きな窓をつくろうと考えた。
だから内部に耐力壁が多くなる。
そこで・・・「緑の家」はやはり耐雪2.5mの家で使った手法を採用。
出窓式の3連窓である。
1階と2階の懐を無くして窓を設けると窓面積が増える。
さて肝心の筋かいは若干材料としてふさわしく無いものが有ったので交換をお願いした。快く対応して頂いてありがたい。
・・・
先回ご案した合板の穴・・・。
近くからみるとこんな感じ。
丁寧に断熱材が吹き出さないようにネットを取付けてあり、細かい施工配慮が伺える。
ところで・・・題名の屋根防水シートだが
↓の写真は新潟県では当たり前の屋根の防水シート(ゴムアスルーフィング)の養生中である。
このように薄い板金で押しつけてある。これはとても大事なポイントで、この上に屋根材を乗せるときにこの薄い板金をそのまま殺して貼るのである。決してこれを剥がしてはいけない。防水シートは、釘打ちして出来た穴があるが、釘が刺さったままだとその釘とシートは密着するので防水性は担保される。しかし釘を抜いてしまうとそこには穴ができ防水性が失われるのである。タイヤに小さな釘が刺さったときに、抜かなければ空気はゆっくりとしか抜けないが、釘を抜くと一気に空気が漏れでる事は経験している人は多いだろう、それと同じ理屈である。
そもそもこのシートを貼ったら間髪入れず屋根材を施工すれば良いのだが、それは工程的に難しい場合が多いから現実的では無い。大手メーカーさんは少し高価な自己接着の防水シートを使っていることが多いが、それでも同じ事で釘を打ったら抜いてはいけない。筋かいの材料とかこの防水シート事などは、ネットサーフィンでしっかり住宅の情報を得た方でもなかなかわからないところ。そこをチェックするのが建て主さんから依頼を受けた工事監理者の仕事である。