再び福島県伊達市へ① AEP壁、天井のヒビの原因は・・・

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2018年12月11日22時55分加筆

標高50mの平場で氷点下5度となる伊達の家周辺。

伊達の家がようやく完成する。

10月14日、16日に完成お披露目したのになぜ・・・というのは現地から帰って来てから・・・

新潟県の多くは今季まだ氷点下になっていないが、福島県では多くの地域で氷点下に既になっている。このあたりは同じくらいの緯度なのに内陸性の気候なのだろう。

さて今は5時40分・・・これから福島へ向かうので続きは後ほど・・・

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で・・・20時事務所帰社。

なぜ完成検査から2ヶ月もかかって引き渡しになったかというと・・・

AEP壁のヒビが多数あったから。

ピンク色のヒビが多数有り黄色い矢印のように深さ4mmくらいをV字で削ってパテ、グラステープを再施工した。

AEP壁は事務所設立以来(1998年)から21年間使っている標準仕様である。

これは変わることの無い「緑の家」の定番仕上げ。

AEPの良いところは・・・

  1. 匂いがまったくしない
  2. 経年変化がまったくない
  3. 実績が50年以上

AEPのわるいところ

  • ヒビがはいりやすい
  • クロスに比べ2倍以上の価格

である。

AEPは匂いが全くしないので「緑の家」は木の香りしかしない。ビニールクロスを使うと可塑剤の匂いがする(所謂新築臭)ので折角の木の香りが台無し。

AEPは経年変化が全くないので一度塗ったらまず剥がれないし、色も変らない。30年経た事務所のAEP壁は今でもテストピースと変らない色のまま。

AEPの実績は昭和30年から病院や学校建築で仕上げと言ったらAEPと言われるくらい盛んに使われており、現在も同様にAEPが使われることは・・・過去50年問題がなく無難な仕上げと言うこと。予算がないときだけ公共建築はビニールクロスになる。

一方欠点は・・・

ヒビが避けられないこと。どんなに丁寧に作っても必ずヘアークラックが数カ所残る。これはAEPの特性状(薄い皮膜)仕方がない。

最初指摘したときにこのように接着剤をひび割れたところに塗っただけで直ぐ仕上げをしていた。これでは数日でヒビが再び入る。最初からVカットしてやり直ししてほしかった。

そこで伊達の家であるが・・・

10月の竣工検査の時に壁のヒビが多数(全壁の半分にヘアークラックが入った)あった。引き渡し前にヒビがあるのがわかっていたので、私は修繕する指示をだして再施工して貰った。しかしこの修繕が表面だけの塗り直しでごまかされたようで・・・数日後には再びヒビが入っていた。ヒビの箇所はボードジョイントで天井・壁ともほぼ全域。

これでは何時も「緑の家」と違うので何かがおかしいと思い、引き渡しを延期して施工会社さんに調査してもらった。この施工会社さんがよかったせいか(原因を作ったのは施工会社さんが発注した塗装屋さんなので良いとはいえないか?)、真摯に調査して頂き原因を突き止めた。

原因が直ぐにわかったのは運が良かった。たまたまAEP塗装屋さんが忙しくて応援助っ人(外注)を頼んだことがヒントになったのである。応援にきてくれた職人さんが施工した場所は殆どヒビが入らず、元々のAEP屋さんの仕上げたところが軒並みヒビだらけとのことがわかった。そこで助っ人さんに聞いてみると、

AEP塗装の下処理はでパテの押し込みとしごきが甘いとヒビが直ぐにはいる・・・とのこと。

確かにヒビがでた方のパテは甘かったらしい・・・。そんなの当然だろうが、通常の工事監理ではまず無理で当事者でないとわからない事。

Vカットしている最中の写真。大変であるが止むえない。最初からしっかり施工すればヒビは入らなかったのだ。

ヒビが入ったボードジョイント全てにVカットを掘ってやり直す。

なるほど・・・

ようは請け負った職人さんがAEP塗装の下処理になれていなかったのである。

そこでその助言を聞いて

  1. Vカットをいれて既存ジョイントテープをカット
  2. メーカー推奨のグラステープを丁寧にはり
  3. パテをしっかり埋めて力一杯しごく
  4. 乾燥時間をしっかりとり
  5. サンダーで平滑にする

をしてみると・・・

二週間経た引き渡し時でもヒビ一本も入っていない。

手順どおり行うと・・・こんなに違うのである。

中地震をうけてもヒビ一つないAEP壁。最初からこの仕上げをしていれば工期が延びることもなかったはず。

ヒビが酷かった部分も全くヒビがない(将来は多少入る事もある)。

補修塗装後「伊達の家」では2度ほど震度3~4の中地震を受けたがそれでもAEPにヒビはない。

伊達の家では確かに当初AEPのヒビがでてしまったが、この請負会社さんは真摯に、誠実に、原因を調査してくれたことは大変感謝する。請負会社さんによっては真摯に調査もせず「この仕様・設計がわるい」などとうそぶく会社もある・・・。まずは正しい施工がされているかは施工会社自身で誠意も持って調査をする事が肝心。今回もそれで解決したが結局は・・・AEP職人さんの経験不足が原因であり、請負会社さんはそのAEP施工屋の実績チェック(過去にAEP塗装をした家の見学)くらいするべきだろう。今回の件ではないが、何故か大多数の請負会社さんは工事が始まると建て主さん側に立たず、協力業者さんが側に立つ特性がある。何故だろうか?

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