「告示」の準防火性能を「省令」と記載したので訂正 02/23
耐雪2.5mである今朝白町の家は、豪雪地の長岡にある。今年は小雪で最大積雪量は1.1mくらいだったので工事には大きな支障は無い。とは言っても現場は毎朝雪かきから始まる。
屋根に上るとこのように外壁にたどり着くまで一苦労。現場は無論長靴であり、足場では上から雪解けの滴りが滝のように落ちるところもある。
外壁の防水チェックとは防水シートが貼られ、窓などの外壁貫通材部分の防水処理が適切に行なわれているかをチェックすることである。その防水テープだが、付加断熱がプラスチック板状の断熱材(XPSやウレタン、フェノールフォーム)の時には防水シート同士の継ぎ目に貼ることを省略できる。
一方付加断熱材がGW(グラスウール)やRW(ロックウール)の時には防風シートも兼ねるので必ずテーピングが必要。上の写真で白矢印のところ。この部分を間違えるとGWやRWの性能を発揮することが出来ないので、施工不良となる。
ところで・・・「緑の家」の木の外壁は厚さ12mmが標準である。これは10年以上前からなのだが、この度板厚16mm以上を検討するつもりである。その理由は・・・
これは上の図でわかるとおり、住宅地の22条地域では、従来は告示の準防火構造(性能)以上でないと実質木の外壁とすることが難かしかったが、北総研さんが主導して個別認定を取得してくれたので、告示の準防火構造(性能)では必須だった木の外壁の直ぐ下の不燃性外装材(ex.防水石膏ボード等)を貼る必要がなくなった。木の外壁直下の防水PBは、通気層上になるので通気胴縁位置が外壁を貼るときに見えない。このため墨打ちをしたり、「緑の家」のように大きめの貫材で打ちやすくする必要があった。通気層の下に不燃性外装材があれば通気胴縁が見えるので木の外壁が打ちやすいのに・・・といつも感じていたが、それでは告示の準防火構造にならない。そこで北総研さんがこの不燃性外装材を省略して認可を取得してくれた。このため施工性がよくなり、材料が一つ減ったのである。その一方木の板厚は15mmから30mmまでに限定され12mmではNG。実は当初この15mmの杉板があるか心配で、いままでこの認定を簡単には使えなかった。
何故か・・・仮に15mmで注文しても、現場で直射光で過乾燥状態となり1mm縮んで14mmになれば法令違反となる。だから最低でも16mmはほしい。でも16mm厚の杉板は市場には殆ど流通していないので18~20mm厚となり高価であったのだ。しかし最近は手に入りやすいと思われ、採用できればコストダウンになる可能性があるので建て主さんのメリットになると思い検討に入ったのである。
話は変わり・・・屋根も壁もおおよそ出来上がったので、床下内がようやく乾き始めてきた。
今朝白町の家は町屋形式の間口狭で奥行き長という敷地。床下を見ると・・・長いトンネルのようだ。これは迫力ある。基礎も耐力壁と同じような補強リブのように短く突き出ている。
上部の耐力壁は高耐力の狭いタイプで、ダクト貫通穴の補強もキッチリとおこなっている。
ところで・・・最近耐雪3mで耐震等級3の基本プランの作成を試みたが・・・何度挑戦してもNGで耐雪3mで耐震等級は2となった。耐雪2.5mで耐震等級3はクリアー出来るのに、たったプラス0.5mの雪が如何に重いか思い知らされる事になる。
つまり積雪と耐震の難易度からいうと・・・
耐雪3m&耐震等級3>耐雪3m&耐震等級2>耐雪2.5m&耐震等級3
の順番になる。それくらい設計積雪量は大きなウエイトを占める。下の図が耐雪3mで耐震等級2がギリギリOKとなったの1階のプラン。しかも組み込み車庫があるのでスキップしている高難度のプランはがちがちの壁だらけとなり、これ以上は鉄骨の方が無難であろう。