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新潟の家 床暖房の正しい評価 その2

2007年10月のブログに「床暖房の正しい評価を!」と題して少し批判めいたことを書きました。その後学会では毎年追加研究発表がされており、今年の日本建築学会で発表された論文「その9」でようやく結果がでてその論議が終わりそうな気配です。

全ての写真、図は2009年度日本建築学会で発表された梗概集の中の「サーマルマネキンをを用いた室内温熱環境と暖房投入量の評価」早稲田大学 田辺新一先生ら によって発表されたものの抜粋です。著作上問題がある場合、理解に間違いがある場合はお詫びの上すぐに削除します。

今年の発表では床に投げ足で座っている場合と椅子に腰掛けている場合のパターンで、同じ快適さを得るのに必要な熱量は、床暖房の場合とエアコン暖房の場合でどの位違うかを実験したものです。
2007年の実験では床暖房に有利な普通しない姿勢である投げ足のみの評価でした。当時質問者から「こんな姿勢は不自然。暖かい床に接する面積の多い床暖房に有利では」と言われておりました。
今回の発表では、それを答えた内容になっております。

41169__2_3 まず気になる結果ですが、全て実験の断熱条件において、床暖房のほうが少ないエネルギー投入量で快適感がエアコン暖房と一緒だった。ということで、2年前と変わらない内容です。・・・が、
その結果のところに(注3)と書いてあります。これを見ると、
41169__2_2 「超断熱住宅では、暖房方式の差異はほとんどなくなると考えられる」小さく書かれております。では超断熱住宅とは・・・
この表のとおり今回の実験の断熱性能は高断熱で3.1W/m2・℃、中断熱で3.3W/m2・℃、低断熱で3.72W/m2・℃となっており、「緑の家」の標準仕様であるSプランの2.0W/m2・℃より75%から55%程度の低い断熱性能です。ということは、超断熱は2.0(Sプラン)くらいとなるのではないでしょうか?

何となくわかってたとはいえ、ほっとしました。

実験結果だけを論文に載せるのではなく、それから推察されることを注釈として論文に載せられた事は、やはり大学機関の論文は中立、公正性が高いと思います。
田辺新一先生に感謝です。ありがとうございます

ということで、建物の断熱性を超断熱にすれば、同じ快適性を得るための暖房方式によるエネルギー投入量に差異はほとんどなくなります。
注意しなければならないのは快適性の質は、若干違うということです。また同じ快適性は年齢によっても違い、拙者はほんのり床が暖かいのは年をとった時(代謝が落ちたとき)気持ちが良いと思います。←高床下エアコン暖房推奨派・・・(^-^;です。


新潟の家 LED電球 その2

やはり私は・・・変です。数日前にLED電球についてこのブログに書き、「まだ購入は早い」様なことを申し上げたばかりなのに、ここにあるものは・・・。

つい、購入しました。ネット販売の恐ろしさです。LED電球を調査しているときに、知らず知らず「購入する」というボタンを押してしまいました。( ̄Д ̄;;
何事も体験主義の私としては、やはり試さないといけません。

しかし過剰包装ですね。

まず商品を開けるとあの新品のパソコンと同じ匂いがします。多分基盤が内蔵されているので、その洗浄液か半田の薬品の匂いでしょう。実績から東芝が良いですが、形状が穏やかだったので数社あるメーカーからこれにしました。一個\4000です。(^-^;

次に事務所のスポットと同じように設置。
これは違和感ありません。

次にグローブがある器具に現在使っていた蛍光灯形電球に変えて設置。ちょっとグローブの発色が違いますが問題なし。

次に当事務所の定番中の定番の使い方。

現在使っているのは2012年から販売してはいけない電球です。(^-^;

次にLED型電球に交換(後ろの壁に注目。間接光がありません。)

さらに蛍光灯型電球では・・・

うーーむ。やはりLED電球は指向性が高いのでその配光を正面に集中することで、省エネ性を高くしている傾向があります。どうもこのような壁付けでは、従来の電球と雰囲気が変わります。

使い方としては、ダウンライトや乳白グローブの中で使うことがよさそうです。今回のLED電球は、電球60W相当で7.5Wという消費電力。蛍光灯型電球では電球60W相当で13Wという商品がありますから、半分程度の消費電力です。但し寿命は40000時間でON、OFFに強いという特性を生かしたところに使うとよろしいでしょう。

ナス型裸電球は見ていると光がきれいです。ろうそくのような輝きがあります。さすがに相当長い間ろうそくになじんだ人間の歴史を感じさせます。


新潟の家 24時間換気システム 排気換気扇の悩み・・・。その2

窓を閉め切る冬や真夏には、換気扇が運転し換気されていないと、結露やCO2の増加、臭気など問題が出ます。ですので24時間換気システムは、現在の住宅で健康や衛生の要となっています。
数日前のブログに24時間換気システムの悩みとして排気用の換気扇にフィルター付きにするかどうか悩んでいるとご紹介しました。今年度の建築学会の論文にその点が研究発表されてました(これはタイムリー、、、当事務所っていつもその最先端の悩みあり?? (笑))。

これは2009年建築学会論文の中の北海道大学、菊田先生らによる論文41139から抜粋

この写真の排気用換気扇は、当事務所が使用しようと思っていた機種と思われます。
実験によると、粉塵2.5gを吸い込むと換気量が下がり始めるとなってます。では2.5g吸い込む時間は・・・約4ヶ月だそうです。
グラフによるとフィルターを設置してある排気用換気扇は、1年で排気量が半分近くなるような結果となっています。
やはり、当事務所が使っている給気用換気扇のフィルターメンテナンス時期と同じく、フィルター付き排気用換気扇も4ヶ月に1回はお掃除の必要がありそうです。
フィルターなしの場合は、数年間は問題なような報告が以前されました。だからメンテナンスは格段に減るのですが、埃が付き過ぎると壊れます。これらを踏まえてフィルター付き換気扇を標準(Sプラン)にするかどうか悩むところです。

あっ・・・「SSプラン」では同時給排型熱交換換気扇が標準なのでいずれにしても4季ごとにフィルター掃除は欠かせませんが、これは仕方ないことでしょう。

PS
今日6年ほど前に竣工した建物の排気用換気扇が壊れたというご連絡を頂きました。実は18年くらい使っている拙宅の24時間排気換気扇はまだ壊れません。プロペラ掃除はこれまで2回程度です。品質のばらつき?メーカー?すこし不思議です。ちなみ拙宅はパナ製ですが、どのメーカーも全て大手です。


新潟の家 パッシブハウスとLED電球

パッシブハウスとは昨日お伝えした一次エネルギー換算で120Kwh/m2・年以下になる住宅です。これにはその家の家電で消費されるエネルギーを含めたトータル的なエネルギー使用量です。更に気密性能が50パスカル時に0.6回の換気漏れ量以下という難しい条件があります。50パスカル時に0.6回という性能は、隙間相当面積にすると約0.3cm2/m2以下ではないでしょうか?この数値は非常に高く、省エネ法の高気密住宅(北海道)の1/7の隙間面積です。緑の家でも5件に1件程度です。この数値要求される場合は、今使っているエアコンのドレン管はもちろんエアコンの自動掃除用排気管にもトラップなどの措置が必要です。ですのでこの数値に気密性能引き上げるには、もう少し実績を積まなければなりません。またもっと難題なのは、窓、玄関ドアのU値を0.8w/㎡・k程度にする事です。玄関戸は問題ありませんが、窓のU値は異常に高い性能です。普通のトリプルガラスの木製サッシでも1.2w/㎡・k。ダブルのペアガラスサッシか真空ガラスが必要となるのではないでしょうか?これを採用すると価格がどのくらいになるか想像もつきません。将来のコストダウンを待って今はSSプランの取替え可能な窓構造が現実的です(しかし北海道では既に行っている凄い設計事務所があります。オープンシステムとはいえ、素晴らしい監理と計画です。)。

さて、話をエネルギーのほうに戻しますが、新潟における現在の家での、エネルギー消費量は
暖房エネルギー 1/3
給湯エナルギー 1/3
その他エネルギー 1/3
という調査結果があります。「その他のエネルギー」の中には、通信・家電のエネルギーと照明のエネルギーがあり、最近は通信・家電のエネルギーが大きくなっておりますが、以前は照明エネルギーが半分近くその他のエネルギーを占めていたと言われます。その照明に使用されるエネルギーの大幅削減が期待される器具販売が本格化してきてます。

写真は三菱電機オスラムから販売される電球

それがLED電球です。古くからあるLEDですが、その光束の少なさから懐中電灯位しか使われておりませんでした。それが2007年に日本政府が白熱電球の国内生産中止、さらに2008年に、白熱電球の製造・販売を2012年までに停止する方針を打ち出したたため、開発が加速し、とうとう普及品の販売となりました。
LED電球を使うと従来の白熱電球の1/7から1/10くらいの消費電力と40倍の寿命となります。
更に最近普通に使われる電球型蛍光灯に比べ1/2~1/3くらいの消費電力で、寿命も7倍~10倍となります。加えて電球型蛍光灯の欠点だった、点灯回数も飛躍的に増え、トイレや廊下など頻繁にON、OFFする箇所でもまったく問題なくなりました。
良いことだらけと思われますが、欠点として
価格が高い事があげられます。これは不思議な価格設定で原価に利益を載せる方法ではなく、今までの電球の市場価格が1個100円で1000時間の寿命。LED電球は40倍の寿命だから100円×40=\4000円という商社的な価格設定方法です。ですので原価+利益の方法であればもっと価格が下がりそうです。今すぐ購入は控えてもう大手以外のメーカーの電球が出揃うまで待ったほうが良いかも知れません。
いづれにしても、まだLED電球はE26という口金が主流でE17、E11など小さな口金商品が少ないこともあり、使用場所が限定されます(「緑の家」ではできる限りE26を使ってますが、陰影を大事にする食卓付近はE17やE11ハロゲンになります)。
もし興味ある方は購入してコメントを頂けるとあいがたいです。


新潟の住まい Q1以下の性能のSSプランの省エネ達成率は?パッシブハウスとの比較は?

2011修正 家電エネルギーの一次への換算係数を入れてませんでした。

「緑の家」のSSプランは超断熱構造です。ではそれを評価すると・・・

上の図が省エネ法で定められた国の評価方法のひとつです。それによると太陽光発電3.0kwをつけた今回着工しているSSプランは、
省エネ達成率301%
太陽光発電を除くと231%です。

但しこれは給湯設備にエコキュートを設置した場合です。電気温水器ですと
省エネ達成率138%
太陽光発電を除くと121%です。
急落しますが、それでも138%もあります。

急落する原因は、お湯以外に使うエネルギーが小さくなると、分母が小さくなり影響が大きくなります。また皆様の推測のとおりエコキュートは電気温水器の約3倍の効率でお湯を沸かせます。つまり電気温水器の方が3倍もエネルギーを使う、それが一次エネルギー使用量を大きくさせてます。

さて、給湯設備ではエコキュートがトップの省エネ度となりますが、ほとんど省エネ度が変わらない設備として潜熱回収型ガス給湯器があります。料理はガスが好きという方にはこちらの給湯器がお勧めです。それはこの給湯器と組み合わせて使う高効率ガスコンロのほうが
IHコンロより一次エネルギーは少ないです。
上の図中の「あ」の部分は一次エネルギー量です。太陽光をマイナス評価(異論はあるが)した分の合計は32.2GJ/戸・年→32200MJ/戸・年→322MJ/m2・年です(床面積100m2の場合)。
この数値を今後世界環境基準になるのではという流行のドイツの「パッシブ住宅」の基準(家電を含むエネルギー消費量120kwh/m2以下)と比較すると89.4kwh/m2となります。
が、これには家電の消費エネルギーが加味されていません。家電の加味方法として、もし中間期に使用する(6月ごろ)電気量が250kwh/月(月7000円程度)の家庭であれば、250*12/100m2(床面積)*2.7=3081kwh/m2となり89.4+3081=119.4170.4kwh/m2120で合格不合格です。
ただ太陽光発電をマイナス評価方法、また細かい設定条件は違いますが・・・。いづれにしてもパッシブハウスの基準は相当厳しいに近いことは間違いないでしょう。

下は上図と同じ条件での電気温水器にした場合の省エネ度になります。

このとおり、超断熱の家では給湯方式が違うと倍近く一次エネルギーの使用量が変わります。これは暖房エネルギーがほとんどかからなくなるためです。
但し実際にこの差になるかは地域や使い方によって大きく変わるといわれてます。
いずれにせよ給湯エネルギーを少なくする方法として、排水熱再利用システムをSSプランでは用意してあります。


緑と木の外壁・・・そして石の外構とエアコン

寺泊の小さな拙宅は今年で19年目に入ります。外壁は無塗装の木で貼り増してから3年経ちました。どんどん良い雰囲気になります。ここが自然素材の良いところでしょう。
ケヤキも立派になりました。夏の暑い時期には家に優しい木陰を提供してくれます。
今の時期は花がちょっと少なくなりますね。庭には朝顔やトマトの花、そしてコスモスのような主張が少ない花達だけです。
正面から見えないように設置してある今年13年目のエアコンがとうとう壊れました。潮風で室外機のケース下半分がなくなったり、基盤の腐食でとりかえたりして13年間お世話になりましたが、とうとうお役ごめんです。東芝の255SDという当時はCOPが4.6あるトップクラスのエアコンでした。
ありがとう。感謝です。


新潟の家 Q1以下の性能の超断熱SSプランの普及版

赤字2009.10.01加筆修正

長期優良住宅先導的モデル事業の補助金事業が採択されると、この下で提案する普及版SSプランならほぼSプランと同じ金額で建築可能です。こちらをどうぞ!!

先日ご案内したとおり、本格的なSSプランが着工しております。価格は当HPのとおりSプランより結構高額です。そこでSSと同じ断熱性能で少し価格を抑えた仕様を考えております。
現在のSSプランは、壁はオール断熱で小屋断熱で最高の施工方法。将来さらに断熱性能を引き上げたときに簡単にリフォームできるスーパー仕様です。そのメリットに施工手間がかかり価格が高くなっております。これを将来のリフォームを念頭におかないSプランと同じように考え、断熱性能のみSSプランの超断熱とします。
具体的には壁は充填断熱と外断熱の組み合わせとし、天井は小屋で450mmのセルローズファイバーを入れます。この仕様で約-1.5万/坪下がります。また、同じようにSSプランではサッシ後取替えができる仕様になってますが、これをやめSプランのように、外壁を剥がさないとサッシが取替えられない仕様にダウンします。これにより約0.4万/坪下がります。さらに、床下を1.4mにしないSプランの床下高さで約-1万/坪。更に柱、梁をオール4寸(120)から3.5寸(105一部120)とすることで-0.7万/坪となり合計約-3.7万/坪となり少しお求め安いSSプランの普及版が可能です。

サッシの取替え及び断熱性能の簡単アップは大変魅力的ですが、必要もない方もいらっしゃると思いますので、普及版をご提案を行って行きます。HPに近々にアップします。しました。


新潟の家 最近使う自然素材の壁 「本物の漆喰」とは・・・②


漆喰(石灰モルタル)のリビング

①では下地の水引(水が浸透してしまうこと)調整にこんにゃくのりを使ったりして、漆喰自体には化学物質を入れない漆喰塗が本物とお伝えしました。
②では現代の漆喰下地の代表「プラスターボード」の場合、化学物質のたくさん入ったパテで目地処理が必要ない漆喰が本物の自然素材で、それは石灰モルタル(漆喰)であるということをお伝えします。

漆喰(石灰モルタル)の攪拌

石灰モルタルは漆喰と石の粉でできてます。古来からある日本の漆喰はこの石の粉は入ってません。変わりに海草のりとスサ(わら)が入ります。ちなみに外壁に使う土佐漆喰では海草のりは入っていません。
この石の粉が入ると硬化したときの強度がでます。ですので多少厚く塗れ、プラスターボードの継ぎ目も難しい処理は必要ありません。多少プラスターボードに平滑性がなくても大丈夫です。だからコストを下げられますし、化学物質のたっぷり入ったパテも使わなくて済みます。
また鏝跡もつけられます。ヨーロッパの家の壁で、漆喰なのに鏝跡が多くついた厚く塗ってある壁を見た人は多いと思います。漆喰自体は硬化してもそんなに強度は出ないので薄く(1mm)塗ることしかできません。塗り厚さ1mmでは鏝跡はつきません。そこで厚く塗るための強度を持たせるために、石の粉を漆喰にいれたのものが石灰モルタルです。石の粉が入ってないと、薄く塗ることになり、薄くするということは、鏝跡のない平らな壁になります。ですが平らだと当事務所の定番のエマルジョンペイントと見た目が変わりません。またプラスターボードの平滑性もシビアさが要求されます。、多少鏝跡がついていたほうが面白みはありますし、下地の精度も高くなくても大丈夫です(おおらかですね)。
日本の漆喰の繊細さはすばらしいですが、下地がプラスターボードの現在は、石灰モルタルの漆喰のほうが、コスト及び見た目に優位性があります。無論石灰モルタルは自分で塗ってもそれなりに味が出ます(下手でもごまかしがきく)。

石灰モルタル(漆喰)をプラスターボードに塗っているところ。

石灰モルタル=西洋漆喰として販売しているところが数多くありますが、①でご紹介した自然素材の水引防止剤の「こんにゃくのり」でこの石灰モルタルを塗ることを推奨している数少ないお店が①で紹介した会社です。このように施工すれば、全てが天然系自然素材の壁となります。


石灰モルタル(漆喰)なら外部でも大丈夫。厚塗りでそれらしい雰囲気が可能。上の写真はモルタルの上から石灰モルタルを塗っているところ。

①で紹介した当事務所が良く使う石灰モルタル(漆喰)販売店は↓です。
http://www.rakuten.co.jp/wagayaclub/


新潟の家 最近使う自然素材の壁 「本物の漆喰」とは・・・①

近年流行の壁として「漆喰」や「珪藻土」がありますね。漆喰や珪藻土が自然素材だから人気があり、自然素材だから何となく化学物質は使っていない気がしますが、実は多くの漆喰や珪藻土にはしっかりと化学物質が入ってます。
この辺のことはこのHPで詳しく書いてあります。私も以前から聞いていたのですが、やはりそうでした。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/wagayaclub/shizen-handankizyun.html
↑このHPは非常にためになります。もし漆喰や珪藻土を考えている方は、一度はしっかりとお読みください。価値が変わります。

さて、元々漆喰は土壁の仕上げとして外壁や内壁に塗られていたことは有名です(最近そんな家を見ないのですね)。漆喰も珪藻土も左官工事です。左官工事とは鏝(こて)で薄く延ばして塗る工事ですね。どろどろのものを平らに塗るには熟練と技術が必要で、左官工事は職人の花形です。
職人さんの鏝はたくさんある。

漆喰も珪藻土も空気中の二酸化炭素吸って固まります。水で固まるコンクリートと違います(珪藻土はそれ自体は固まるものではないので、普通は消石灰を混ぜてあります)。化学式は次のとおりです。

Ca(OH) 2+CO2=CaCO3+H2O
消石灰+二酸化炭素=炭酸カルシウム+水
炭酸カルシウムとは固まった漆喰のことです。この式でわかるとおり漆喰が硬化に必要なものは二酸化炭素だけです。
しかし両方とも粉末の状態が原料ですから、これでは塗れないので水を混ぜて施工と繋がり性を良くします。実はここに大きなポイントがあります。せっかく水を混ぜて塗りやすくしたのに、下地がその水を急に吸ってしまうと、とたんに施工性が悪くなり、平らに塗れないばかりか、ぽろぽろと表面が取れてしまいます。元々は粉末ですから・・・。
そこで下地が水を吸わないようにほとんどの人が「シーラー」という液体を先に塗ります。このシーラーこそが化学物質です。せっかく漆喰という天然系素材なのに、化学物質のシーラーを塗り天然系素材を人口系素材に変えてしまうのですね。厚さがたった1~1.5mmの漆喰や珪藻土にシーラーは、すぐ混ざります・・・。
このシーラーだけなら良いのですが、更に水が吸い込みにくく、乾きにくいように漆喰に化学物質の液体(メチルセルロース)を混ぜたりしてます。
しかしこれではせっかくの天然系素材に化学物質が入ることになるので、紹介した上のHPの販売店では「こんにゃく」をシーラーとして使います。確かにこんにゃくは保水や透水バリヤーになります。

これがこんにゃくのりです。

下地のプラスターボードの上が光ってます。これがこんにゃくのりです。

日本の漆喰には、海草のりが混ぜ込んでありますが、のりと言ってもこれは漆喰を固めるためのものではありません。先ほどの化学式を見れば歴然です。海草のりの役目は水が急激に下地に吸い込まれないようにすることと、粘りのような感じを出し、施工性を高めることです。だから日本の漆喰はまっ平に塗れるのですね。スサ等を入れるのも、保水効果で施工性のためですね。

華麗な漆喰が施される江戸時代のころの壁。その時にシーラーってありましたか?ないですよね。化学物質の保水剤メチルセルロースありましたか?ないですよね。当事務所が「本物」というのは、ソリッドであることと、100年くらい前から存在していた素材かどうかです。その点このこんにゃくのりを使う漆喰はまさしく「本物」の自然素材の壁となります。
当事務所の「緑の家」の床に使う「ヒノキの縁甲板」の無塗装も同じ理由で勧めてます。江戸時代に塗装屋さんなんていませんから、ほとんどの木は無塗装で使われてました。
同じ自然素材の家なら「本物」を選びたいですね。


新潟の家 24時間換気システム 排気換気扇の悩み・・・。

当事務所の24時間換気方式は2通りありSプランが第一種セパレート換気システム。SSプランが第一種セパレート換気システム(熱交換付)である。違いは熱交換があるか?ないか?だけ。そもそも第一種とは、排気と給気の両方に電気を使うプロペラが入っている換気のこと。また、セパレート換気とは各寝室それぞれに換気扇があり個別に運転している換気システムのこと。このシステムの採用はかれこれ15年以上前になる。当時新大の建築学科の研究室で換気についていろいろ実験をして頂いた。このとき一番安価でどんな条件でも効率が良かったのが、この換気システム。

さて悩みとは・・・。最近「排気」換気扇にフィルター付が販売されている。私としてはこれを採用したいと思うのであるが、1つの問題で躊躇している。本来排気換気扇にフィルターは不要である。なぜフィルターがある排気用換気扇があるかというと、プロペラのお掃除をしなくとも良いからである。プロペラは10年くらい経つと埃が着き、効率が落ちる。ほっておくと機器の寿命を縮めることにもなる。だから7年から8年ぐらいでお掃除するが、結構面倒。そこでフィルター付が発売された。

しかしフィルターがあるということは、フィルターのお掃除を必ず一年に一回は必要とすること。エアコンのフィルターもお掃除することが重要であるが、あまりしていないご家庭だってある。エアコンはフィルターを掃除しなくても効率が落ちるだけであるが(これも問題だが)、排気換気扇は目詰まりしたら換気が不十分で健康や家自体に悪影響を及ぼす場合がある。そこでお掃除が数年間は必要ないフィルターなしのほうが良い気もする。
・・・悩むところ・・・(フィルターがある機種はやはり価格が少し高いが、それでも4台で+6000円であるのでまあ良しとする)。

さて、先月ある「緑の家」の24時間給気用換気扇が全てがおかしくなりました。7台とも全てです。築6年であるということは6年間動き続けておかしくなったかと思ったら、実は1年以上前からうるさかったので止めたとの事です。実運転は5年くらいでしょうか?あまりにも短く全てだったので、こちらの故障の原因をメーカー工場の品質保証部で確認して頂いたところ「経年劣化による寿命」という報告書が来ました。24時間換気扇で販売しているのに5年で寿命???納得はできませんが、担当者のせいではないですからここは抑えて一応電話を切ります。
そういうこともあり換気扇機種を再考しようと考えてます(ここ数年間の使用機種はこのメーカーではありません)。しかし最近の今使っているメーカーの同じような機種にはシールには「標準使用期間13年」とあるのにこの短さ・・・残念・・・です。某大手換気扇メーカーさんがんばって下さい!!

下は最近使用している換気扇です。


新潟の家 超断熱の家。長期優良住宅の着工です。

本当は8月着工だったSSプランの長期優良住宅が、ようやく着工となりました。この遅れはひとえに当事務所の詰めの甘さによるものです。この場を借りてK邸の建て主様にはお詫びいたします。遅れた原因は、予定金額と見積もり金額に差(6%強)がでたためです。その調整に時間を費やしてしまいました。本格的超断熱のSSプランの最初とはいえ力不足です。

予定通り長期優良住宅認定では何も問題がないのですが(太陽光パネルの重量が意外と効いた)、とにかく書類の枚数多さだけは閉口します。コピー用紙1500枚くらい使った気がします。これは構造計算書だけで150ページ、気密断熱計算書20ページ、他書類10ページで計180枚と図面A2-15枚を5部用意します。構造計算書は一項目でも指摘があると全部取替えで、一度屋根荷重の見解が審査機関と違い取り替えました。最近太陽光パネルが結構採用されますが、この屋根荷重を皆さん構造計算で入れてますか?耐力壁一枚分くらいになりますよ。

長期優良住宅の審査をする新潟県建築住宅センターの担当者にお聞きすると、7月末現在では一軒も合格していないとの事。昨日のブログでは新潟市のでも10棟くらいの審査が済んでいるのでたぶん他の機関で申請したようです。新潟県建築住宅センターの申請の全てが「構造の安定性の項目」で水平剛性(床や屋根の強さ)で勘違いやミスをしているとの事。やはり構造性能表示の等級2はなかなか理解されていないようです。水平剛性は耐力壁の区画とともに考える家の耐震性の重要ポイントです。当事務所は全て等級2で計算しており、多少の吹き抜け、大きな空間も等級2で全て可能です。この等級2は長期優良住宅の性能では最低レベル耐震性であり、広いプランが必要だから少々床が弱くても等級1が良いとは、技術者と建て主さんは考えません。ただ等級3になると少し大きな吹き抜けは耐力壁区画に注意が必要ですので一考ですが・・・。
さて、この度のSSプランの長期優良住宅は
なんと、何と、耐震等級3(最高値)です。[E:scissors]
しかも1階は25帖の広い空間があり、吹き抜け約6帖もあります。これで等級3が取れるのはやはり最初から構造を念頭に考える設計事務所のプランだからだと自画自賛です。
さっ、更にQ値0.98W/Km2(次世代断熱基準の3倍)
で性能評価を取りました。もうこれはすごい家です。開口部は大手メーカーや建築会社にありがちな付属断熱(ハニカムサーモや障子)に頼らず、実際の日常生活どおりのサッシのみで達成しております。この超断熱はKさんのご要望ですが、更にKさんは太陽光パネルまで設置する予定です。そして極めつけは排熱利用設備室がある高基礎1.4mの家で床下暖房と超軟水器によるる洗剤軽減!!!!
もう自立循環住宅のお手本のような本当にすばらしい性能の家です。こんな家に私も今すぐ住みたいです。
まだまだあります。内装はほとんど天然系素材になる予定です。壁は化学物質添加なしの漆喰塗り、床はいつもの国産ヒノキ無塗装、窓枠は国産杉無塗装、玄関シロアリフリー構造です。
長期優良住宅補助金対象で上棟後の構造見学会が義務付けられておりますので、たぶん10月の中ごろ行います。場所は新潟市鳥屋野です。ぜひ「30年後の標準」の家の性能を見に来てください。お待ちしております。 o(_ _)o


新潟の家 長期優良住宅先導的モデルに再び申し込みました。

国土交通省が行う長期優良住宅先導的モデルに再び申し込みました。内容は前回とあまり変わりません。というのは、先回の内容に自信があるのは勿論ですが、それ以上に先回の申し込み以降に始まった「長期優良住宅の補助金」の進捗状況が期待ほど良くないからです。申請受理数は↓のページです。
http://www.cyj-shien.jp/shinsei.html
このように最大で一戸あたり100万を補助して頂けるすごい制度ですが、なんと8月末までで全国で537戸と全体枠の1/10程度です。たぶんこの9月10月が一番多い申請月になると思いますが、それにしても少ない状況です。新潟市役所に伺ったところ、新潟市の管轄で50棟くらいの長期優良住宅申請があり、内40棟が大手ハウスメーカーだそうで、この補助金は大手ハウスメーカーは受けれませんから10棟が補助金該当物件です。
↓は県内の申請建設会社名が検索可能です。(当事務所該当住宅は仲村建設という会社名となりまだアップされてませんが10月になる予定です)このリストにある会社のこの家は、耐震等級が2と公に認められた家です。・・・が、結構大きい建設会社さんが多い割には、物件数が単数で少ない気がします。それ以外の建物は長期優良住宅ではないということでしょうか?100万もらえるのに使わないという事はどういう理由なのでしょうか?
http://www.cyj-shien.jp/search.php
(今回の補助金申請は「設計事務所」ではだめで「建設会社」の申請になります。不思議な制度ですがしかたありません。ここら辺が政治力なのかも知れません。)

話を元に戻し、これだけ補助金を受けれる長期優良住宅が少ない原因は、やはり一般工務店ではその設計ハードルが高い事が理由です。当事務所が申請したERIさんや新潟市役所さんでは、申請代理者が工務店(建設会社)ではなくほとんどが設計事務所と聞いております。これも設計のハードルが高い事を表してます。
そんな現況の中、さらに技術的に高い「先導的モデル」では誰も真似しないでしょう。当事務所が応募した先導的モデルとは、その内容がこれからの長期優良住宅にふさわしいから補助金を頂けないか?という原点に立ったものです。税金で捻出する補助金で「ふさわしい」とは、普及性がなければ何にも意味がありません。誰で少しがんばれば「よい長期優良住宅」が造れるそういう事です。だからどんなにそのモデルが良くても特許で固められた家(例えば大手メーカー)では先導的モデルとして本来補助金の対象とはなりにくいはずです。
そこで今回の主旨は「ローテクで簡単で効果的な長期優良住宅」として申し込みました。小さな設計事務所が行える技術ですから当たり前です。内容は前回とほとんど変わりませんが、主旨を次のように簡素にしてわかりやすくしました。
1.床下に専用の設備空間
2.初期および将来の断熱強化
の二つです。非常に簡単で両方とも造る側である工務店と住む側である建て主さんと多くの同意が得られる内容です。←内容は以前のブログにあります。

これからの50年を考えただけでもこの2つが家の性能の中心となることは間違いないと思います。というのはこの性能の強化なしでは今後のエネルギー革命(石油枯渇)とそれが原因による設備更新に対応不可能(大きなお金が掛かる)です。


新潟の家 家と庭の関係

先日の建築士管理者講習会のお昼休みが70分あったので、ハイブ長岡から車で15分くらいのところにあるI邸の写真を撮りに行った。

 I邸は 1年半前に完成した耐雪2.5mの住宅である。完成当時は冬で雪景色の中のI邸で、外構工事もまだ終わっていなかった。

そのため外構工事が完全に終わった夏の写真を撮りにいったのである。

広い庭は、一面芝生で覆われ綺麗に手入れがされている。このシンプルな庭がモダンデザインI邸にはピッタリ。大きな窓から透けて見えるセンスの良いダイニングテーブルと椅子。何かインテリア雑誌に出てくる家のようである。外からうっすらと見えるリビングにはある程度緊張感が必要ではないかとお尋ねすると、「特に意識してません」とさらり。さすがIさんである。

さて、建物は大きな窓が東南と南西面にあるので南西面には、ケヤキの木を植えるとちょうど日陰になりさらに、お隣からの視線をさえぎる。これは当初からの計画である。まだ小さい(4mはあるが周りが広いため小さくみえる)が、あと10年するときっとさらに建物を引きたてるであろう。家と庭は一体。どちらが欠けても違和感があり、美しい家とならない。とても大事な要素である。

窓が綺麗に配置され、突然伺ってもその窓から綺麗な家具配置が見えるI邸。この付近のランドマークであろう。


新潟の家 設計事務所の管理者が受ける法定講習 べた基礎の会話

昨日は管理建築士講習とその修了考査を受けてきました。おおよそ9時から18時と丸一日で、きつかったですね。最近集中力を持続させることが非常につらいのが実感できます。30代の頃は一日講習でも全く問題ないのに、最近は努力しないと集中が続きません。

さて、この講習は設計事務所登録している団体や個人の管理者が必ず受けなければならない講習と考査(試験)です。ですので、設計、施工関係者ばかりです。広くない会場では席に座ると後ろの会話がいやでも聞こえてきます。

「長期優良住宅の申請が大変で困っている。べた基礎が申請で通らない。仕様規定の鉄筋配置では、ダブル配筋が標準なので、シングル配筋にしようとすると、構造計算が必要で家の全重量を計算しなければならない。これができない・・・。」と普段は構造計算していないべた基礎だと言っています。またトイレ内では

Aさん:「確認申請の設計者の名義貸しだめになったの?」

Bさん:「そうらよ。」

Aさん:「今までみたいな事できないの?」

Bさん:「そうそう。設計者の名前だけかりて申請はできないよ」

とかまあごく普通の会話だと思いますが、建て主さんが聞いたらぶっ飛びますね。でもこれが業界の実態です。実は聞いていた私もこんなにあからさまにされる会話はびっくりです。で、ネガティブ話題では暗いのでうまそうな写真だけ・・・を。

一昨日の仙台市での帰りに食べようと楽しみにしていたマルコポーロ〔最近の情報では中華マルコとなってました。味はどうなんだろう)のラーメン。・・・が食べることができませんでした。道の駅 阿賀の里のHPでは22時までやっているとあるので(←古い情報でした)、仙台市の帰りに、わざわざICを降りて立ち寄りました。20時30分ごろ着いたのですが阿賀の里は真っ暗。灯りひとつありませせんでした。残念。上は2年前に食べた写真です。私の大好きな普通の鶏がらラーメンです。一度は食べて見てください。鶏がらスープがこんなにうまいの?という味(個人差ありですが)です。昔のラーメン定番のナルトが泣かせます(但しこの2年間は行ってません場所と名前が変わったことで味が変わっていなければいいのですが・・・)。

http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_24c4.html


新潟の住まい IHコンロとガスコンロの未来にも踏み込むシンポジウム②

その①からです。下の写真は発表者が質疑応答に答えているところです。

日本建築学会内に設置された空気環境運営委員会の住宅厨房換気WGが主宰するシンポジウムで、「IH機器は更に今後も伸び続け、将来にはIHコンロがほとんどの住まいのコンロになるのではないか?」との過激な意見が司会者(某換気大御所の先生)から大手ガス会社さんに投げかけられました。

大手ガス会社の発表者は、

「おっしゃるような状況にならないように、様々な努力をしております。先ほど発表しましたように、安全性はIH並みに、操作性もIH並みに、掃除のしやすさも改善し以前より飛躍的に上がりました。」

ということです。司会者は「省エネという観点で空気を汚すタバコが、室内空間から締め出されている。この傾向はさらに加速されると、同じように室内の空気を汚すガスコンロの立場は同じように扱われるのではないか?」とういうガス会社さんにはつらい意見がだされました。たしかにIHコンロの換気扇の新提案として、排気循環型換気扇(吸った排気をフィルターや匂い吸着することで屋外に排出しないで室内に戻す)のイメージ図もありました。

私はとてもびっくりしましたが、ここで恩師の次に大好きな(質問や意見をする)千葉工業大学小峰裕己先生登場!!ばっさりと

一番左が恩師である赤林先生。右が小峰先生(千葉工業大学)。真ん中が近藤先生(東京都市大学)

「匂いや油煙はそれで処理できたとしても、料理中に発生する「熱」「水蒸気」は処理できない。やはり調理排気は屋外が良い」との意見。まったくそのとおりですね。私もIHだろうがガスだろうが熱や水蒸気は高度な処理が必要で、だったら屋外に出したほうが手っ取り早いことは自然な考え。この排煙処理は飛行機や宇宙船などの完全に閉ざされた技術だろうと思います。さらに小峰先生は「このWGの皆さんの最終研究目標は何ですか?ただ実験やシュミレーションをすればよいというわけでもないでしょう。最近の建築学会の発表はその傾向がとても強く、研究者として一番大事なことを忘れている気がする。」とキツイ意見。そういえば小峰先生は最近建築学会の大会での論文発表を取りやめていて、空調学会で発表していらっしゃいます。建築学会大会での一刀両断の質問や意見が聞けないのは残念ですが、私も発表に数年間携わった一人から見ても小峰先生のお考えを支持したいとおもいます。

私も当時の自分の研究は「各社エアコンの仕様がもっと詳細に発表されれば、その設置される環境に最適なエアコン設置が可能で、それがエネルギー削減につながる良い手段。目的は最小エネルギーで快適に過ごせる家を妥当な金額でご提案すること。その一部として研究していましたが、若い人に目標を持たずに研究発表している人が多いと感じたことがあります。若い人ほどもっと旺盛な好奇心と目標が必要ですね(自戒をこめて)。

ちなみにIHコンロはガスコンロに比べて特段エコではありません。一次エネルギー換算ではほぼ同じです。よくIHは効率90%といわれますが、発電効率は40%くらいのなので0.9か×0.4=0.36くらいです。ガスコンロは最初から0.4くらいですので、高効率コンロを使えば0.55くらいまで効率が上がり、IHコンロよりもっとエコとなります。ただIHのほうが経済的(使用料金が安い)ではあります。

このブログで「エコ」とは、如何にエネルギーを大事に使うか?目的使用の効率のよさと思ってください。ランニングコストが安くなるかどうかではありません。


新潟の住まい IHコンロとガスコンロの未来にも踏み込むシンポジウム①

昨日、仙台市で行われた2009年度の日本建築学会の前日に行われる恒例のシンポジウムに出席しました。建築学会は医学会の次に大きな学会の大会だそうで、延べ数万人の移動といわれてます。

このシンポジウムは日本建築学会内に設置された空気環境運営委員会の住宅厨房換気WGが主宰するシンポジウム。このWGの責任者は、私の恩師であり、議題も興味があったため(来い!と暗黙の脅迫(^-^;かも)仙台まで片道300KM、一日で往復600kMも走りました(今日はまた講習会なので日帰りしなければなりません。ちょっと疲れました)。

もともと、IHコンロの排煙の捕集の特性(ガスコンロのような燃焼による上昇気流がまったくない)がガスコンロとは違うのではないか?もし違っていたらどのような評価をするか?そして各方式のコンロに最適なレンジフードの基礎提案をすることで、住まいの更なる快適性と省エネルギー性への寄与を目的としています。

IHコンロの普及率は急激で、既に市場のコンロの10%という統計があります。更に今後も伸び続け「将来にはIHコンロがほとんどの住まいのコンロになるのではないか?」との過激な意見が司会者(某換気大御所の先生)から大手ガス会社さんに投げかけられました。  ガス会社さんは・・・

続きは②で。


新潟の家 自然素材大好きの外構 

あと少しで完成するアプローチ。感じいいですね。丸石は大好きです。

既にお住まいの建て主さんから伺いましたが、「道を通っていく人が思わずその石を撫でていくのです。本物かどうか確かめているのでしょうか?それともつい触りたくなるそんな素材だからでしょうか・・・?」

とっても硬い石ですが、形状が丸いのでやさしい雰囲気を与え、そして華美でもないので「高価な塀」という印象ではなく、でもちっとも安っぽくない、そんな感じです。イタリアの高級ブランド紳士服ではないけれど、仕立てのよいテーラーメイド背広ジャパンという感じです。

様々な石の色が雨に濡れるといっそう引き立ちます。10年後には薄っすらコケもが生え、それもよいかんじでしょう。ちなみに以前は五泉市の石とい説明しましたが、建て主さんが直接職人さんに伺ったところ、なんと同じ三条市内の下田地区だそうで、地域の素材を使う地に根ざした外構ですね。

ガーデン(植樹)も基本設計させて頂いており、打ち合わせを昨日三条の石翠園さんと行いました。ナチュナルガーデンの雰囲気を目指し、建て主さんが苗木を一本一本確認して決定しております。ある程度形になるのは来春になりますが、とても楽しみです。

家は「緑」と共にあります。緑が家の雰囲気とそこに住まう人のイメージを数倍もよくしてくれる大事な友人です。

わくわく。


新潟の住まい 自然素材の外構

既に母屋は完成しているK邸ですが、外構の塀や土留め、カーポート、薪小屋は工事中です。

外壁をこて塗りしたばかり頃は、色がもう少し濃かったのに、現在はオレンジ色が出ていて想像通りの感じになってきました。

写真のとおり、敷地は道路より50cmくらい盛り上がっていたので、土留めが当初から計画されてました。その土留めは先日もご紹介したとおり自然石の丸い石で計画してます。だからやさしい感じです。よくある溶岩石のようなとがったイメージではなく穏やかに周りにしっくりと溶け込みます。丸石積みが手仕事であるため、一輪車が3台も写ってますね。その丸石とコンクリート打ち放しの塀のバランスが小気味良いですね。コンクリートの塀の上部には笠木をつけて、雨による汚れ(通称よだれ)を防いでます。「緑の家」はなんていっても20年後の美しさを考えます。

この写真は建物の裏から見たショットです。 K邸には薪ストーブが設置されてます。主暖房は床下暖房ですので、そう多く薪は使わないと思いますが、薪は秋までに保管していないといざというときに使えなくなります。そこで小屋があるとやはり便利ですね。

小屋は壁をつけるとその壁は燃えにくい構造にしなければならない地区ですが、このように、取り外し式の風除けは例外ですね。薪にあわせて小屋というイメージです。

ちなみに同じ建物なのに外壁色が大きく違うのは写した日(天候と方位)が違うからでしょう。

後は植樹ですが、残暑厳しいこの季節には植えられませんので、秋になります。ゆっくりとのんびりそして確実に「家」が造られていきます。




新潟の家 住まいのエコランキング

緑字2009.11.05
加筆盆休み前のブログでエアコンランキングをお伝えしました。省エネセンターのホームページには、家庭内でよく使う家電製品のランキングがあり、最近は購入時の目安としてこの「省エネ度」が使われます。ご家庭で購入されるもっとも大きい金額である

「住まい」「家」のエコ度はどうすればわかるのでしょう?

それは・・・

単純に家本体の断熱性「Q値」と「C値でわかります。

国では、これのほか住宅設備まで含めて「エコ度」を表示できる施策を今年から始めてます。が、・・・住宅設備は後から比較的簡単に更新が可能です。

ところが、家本体の性能は簡単には更新不可能です。

エコ度の性能を上げる家のリフォームは最低でも1000万~です。

だから選択するのは設備の性能よりまずは家の性能です。

私の恩師である新大の環境の先生は、「家本体のQ値、C値の高い家なら例えば北海道旭川に持っていっても快適である。ところが家以外の周りの環境に依存する(エコ)性能は、その場所で意味があるが、環境が変われば性能が低下する可能性があり評価はむずかしい。」と20年位前からおっしゃっていた記憶があります。少し私のなりにわかりやすく訳すと、

「家の周りにあきスペースがたくさんあり、緑が多く、涼しい風も抜ける家では、冷房がいらないから一番のエコ度であろう。またある程度の断熱性があり、冬の低い高度の日射がしっかり窓から入るくらい敷地が広ければ、暖房も少なくてすむだろうからこれも一番のエコです。しかし現実の多くの家が、そんな敷地に建築は不可能なので家単体の断熱性を示すQ値とC値がエコ度を評価するときの基本の指標となります。

だと思います。

だからこの断熱性を数値で示すQ値やC値を比べればエコ度のランキングがわかります。

新潟県の自然素材や天然素材でアピールする会社の多くが、このQ値やC値が表示されていません。大体「次世代省エネルギー基準クリヤー」の高性能と説明されています。ではこの次世代省エネルギー基準はどんな数値でしょうか?

省エネ法の次世代省エネルギー基準では、新潟市の大部分がⅣb地区となりQ値は2.7、C値が規定なしとなります。でもこのQ値2.7では性能が低すぎてランキングに入ることができません。というのは最近の断熱性はこの次世代省エネルギー基準の3倍も優れた家を勧めているメーカーがあるからです。そのメーカーランキングは

1位 セキスイハイム シェダンQ=0.99(地域、プラン限定 05年)

   一条工務店 i-cube   Q=0.76(地域、プラン限定 08年)     

   サンワホーム 無断房の家  Q=0.8(地域限定 08年)

   オーブルデザイン「緑の家」Q=0.99以下(自由設計 08年)

   その他イシKWさん、アサヒAさんの商品の一部等Q=0.9以下

2位以下 その他 諸々 

となります(Q値が0.99以下ならほとんど同率1位でもよいと思うのでこのようにランキングしました)。ここで大事なことは、この高性能住宅が会社全体の中でどのくらい占めるかのですね。どんなに優れたQ値の家であってもそれがモデルハウスだけとか、客寄せだけの性能であれば、技術的にその会社の家とはいえないからです。また、Q値はちょっとした手違い、数値ミス、故意で簡単に変化します。大手はパンフレットに記載された商品ですから間違いは少ないと思いますが、それ以外は性能評価で審査のされたQ値計算でないと信用できません。

最近の流行で、広告では「エコの家」といってもQ値が公開されていなかったり、次世代省エネルギー基準の断熱性では、ちっともエコではありません。なぜなら次世代省エネルギー基準ができて既に10年以上経過して、既に「次世代」から「現基準」となっており、数年後にはあらたな基準ができる予定だからです。エコ基準はまだまだ高くなります。だからこそ設備(太陽光発電、地中熱等)に建築費を割くより、断熱性能(トリプルガラスサッシや30cm近い壁の断熱材)を先取り施工することが成功の秘訣です!・・・ね。  きっと。


ようやく夏ですね。

寺泊にやっとこさ夏が来たようです。気温こそ30度までいきませんが、2日続けての晴天は本当に久し振り。
家の前に泳ぎに来た人も、澄んだ海に大いに満足してください。

今年は数えるくらいしか海に入りませんでしたが、その中でも娘とシュノーケリングに小魚の大群に出会ったのは感動的でした。拙宅の前の海が南国の海中かと思いました。

波がなければこの海はきれいに澄みます。目視で7~8mくらいは見えるのではないかと思います。数十年間変わらずありがたい環境。感謝です。そして海を汚さないように気をつけます。


新潟の家 大好きな自然(天然)素材の土留めや塀

これは私がとても大好きな天然素材の土留めや塀です。現在三条の現場で積み上げ中です。

一人でこの石を積んでいる職人さん(写真奥に写ってます)は腕がよいですね。丁寧に感じよく自然に積み上げてます。いい感じでしょう?

この石を初めて使ったのは拙宅で6年くらい前でした。

外壁の自然素材ととても合います。

もともと住宅で使う石は地産地消の代表選手です。石はその重さゆえ掘り出し、運賃がほとんどで、運賃が大きいということは運輸で使われるエネルギー(CO2排出量)が多くなるということです。ですので昔はその地域で取れた石を使っていたのですね。

新潟県の平野では、石垣というと川原から取れる「ごろ石」と呼ばれる基礎の下に使われる石のように丸い小さな石です。手で持てるくらいのこの石を、大きさと色の揃っている物を選別し石垣に使用してました。でも大きさや色を揃えると和風の感じが強いので「緑の家」では、大きさも色も不ぞろいな石をあえて使います。色だけは茶系が多くなるようにお願いします。産地は五泉市です。新潟県は信濃川の支流から良いごろ石が取れます。下田地区はこの「ごろ石」積みの小川が多く見られます。また長岡地区ではこの「ごろ石」の石垣が多く見られます。地場に根付いた塀ですね。

最近美しいプロポーションを持つ新潟市の県民会館(設計=佐藤武雄1967年)の正面アプローチにも同じような石塀があることに気づきました(リンク先写真最後)。

http://www.avekk.com/~mado/view/niigata/view22.cgi?mode=main&cno=2

40年以上経っても美しい塀です。

材料の石はこんなどこにでもある普通のごろ石ですが、

完成すると他では見られないほど雰囲気のよい石垣になります。

松葉菊との相性も抜群ですね。石自体は4トントラックいっぱいで6万程度と格安ですが、積み手間は多くかかります。もし時間があればDIYで挑戦できますね。


新潟の家 正しいエアコンの選び方 2009夏 その2

自称「エアコンマニア」のオーブルデザインがお送りする

2009年夏のエアコンの選びかた!!その2

夏のエアコンを購入しようとお店や、ネット検索するとまず部屋の大きさを選択しなければならないことに気づきます。そこでたぶん多くの方が設置する部屋の大きさを調べて、6畳だったら6畳用、12畳だったら12畳用を選ぶと思います。

さて、この部屋の大きさの表示を信用してよろしいのでしょうか?

答えは信用しないほうがよいです。

「その1」でもお伝えしたとおり、「緑の家」では24畳の部屋に6畳用エアコンを設置します。もちろん12畳用エアコンを設置してもよいのですが、断熱気密性能が凄く高いので6畳用エアコンの能力で問題なく24畳を暖房、冷房できるから価格の安い6畳用を設置するのです。もちろん8畳用エアコンを設置してもOKです。

6畳用エアコンと12畳用エアコンの購入価格差は約4万円ですし、暖房時の能力はそう大きく変わりません。ですので、冷房時の最大負荷が3.0KWくらいであれば6畳用エアコンを使います。ちなみに12畳用のエアコンの暖房最大能力7.7KWというのは、皆さんが大きな熱量を発揮すると想像している薪ストーブと同じくらいです。いまどきのエアコンは結構暖房能力が大きく、メーカーも暖房時の能力について重きをおいております。

さて、冷房時の最大負荷3.0KWの目安は、その部屋でガスコンロを使う、大きい窓がたくさんあるかどうかです。大きな窓がたくさんあるLDKでガスコンロをお使いの方は12畳用エアコンの方が無難なときもありますが、高い性能の家ではカタログ表示の概ね4倍から6倍くらいの部屋の大きさでも冷暖房が可能です。ですのでエアコンの選び方その1では、最小能力機器のである6畳用エアコンで順位をつけたのです。6畳用エアコンの方が12畳エアコンよりCOPが高いこともそのひとつですが・・・。

いつも「速冷」が必要な場合は、カタログ表示どおりの機器設置がよろしいですが、20畳もある部屋で20畳用エアコンは非常に高価です。迷わずコストバリューの12畳をお勧めします。10分くらい待てば12畳用でも涼しくなります。


新潟の住まい 正しいエアコンの選び方 その1

自称「エアコンマニア」のオーブルデザインがお送りする

2009年のエアコンの選びかた!!その1

お勧め

第一位 CS-X229A(パナソニック)同等品にCS-229XB、CS-228XB、CS-X228A

第二位 RAS-221PDR(東芝)

第三位 RAS-S22Y(日立)

健闘賞 AN22JRS(ダイキン)

先ずこちらのサイトの10ページをご覧ください。

http://www.enecho.meti.go.jp/policy/saveenergy/seinoucatalog_2009summer.pdf

すると

エアコン省エネランキングがあります。その冷房能力2.2KWをご覧ください。

するさらに、寸法フリーが6機種、寸法規定が多数となります。

寸法フリーは、室内機の寸法が規定されていない分野です。寸法規定は、室内機の寸法が通常幅800mm以下で高さ300mm以下、奥行き300mm以下です。エアコンの特性として室内熱交換器(室内機)が大きくなればなるほど効率COPが上がります。ですので数年前までは、室内機がどんどん大きくなっていきました。すると通常の家の壁に設置することが難しく、家電販売店がエアコン販売するのにこまりました(買っても付けられなかったりする)。そこでエアコン業界は寸法規定分野を設け、区分けしました。同時に性能もCOP表示からAPF表示がメインとなってしまいました。実はここにからくりがあります。上のカタログをよく見ると、

APFは8%の差で大きく変わらないのに、COPは20%の差があります。

さて、APFとは何でしょうか?APFとはその機種で一年間冷暖房をシミュレーションした場合、どの位の平均COPになるかを示しているのですね。一年間冷暖房のシミュレーション条件は地域=東京でかつ部屋の大きさは今回の10ページのものであれば6畳を想定してます。さらにその部屋の断熱性能は最低レベルの断熱または断熱材が入っていない部屋です。最近の家は断熱材が入っており、さらにもっと高性能な高気密高断熱住宅もあります。このような高性能な家は逃げる熱や入ってくる熱が少ないので6畳用エアコンでもその6倍の36畳のリビングまで使えてしまいます。そのため「緑の家」では24畳を超える部屋でも6畳用エアコンを設置してます。つまりもしエアコンを設置するところが上の設置条件から大きく外れたところでは、APFはあてになりません。そこで目安となるのがCOPのほうです。

COPは定格時の性能です。つまり冷房能力が2.2KW時の性能ですので、はっきりとこのくらいの負荷がかかるところに設置すれば必ずこのCOPになります(外気温に左右されますが)。だからCOPのほうが条件を把握し、性能どおりエアコンを使うことができます。

またもうひとつ理由に、APFのシミュレーションの負荷は定格より少ないほうが多くを占めるので、機器の設計方針が定格2.2KWより少ないところでCOPが高くなるように設計(調節)してあります。だからほとんど機種でAPFよりCOPが小さくなります。ひどい機種になると20%もCOPが低い機種があり、これは冷房能力2.2kwがもはや定格とは云えない設計です。

さて本題に話を戻すと、一位の機種CS-X229Aは設置寸法に拘らず、純粋にCOP(APFも)高める王道の設計方針機種で拍手物です。数年前まではほとんどメーカーがこの設置フリー機種で、6.6を超えるCOPを叩きだしてました。しかし最近では、設置規定でCOPが小さくなっても販売店が困らない機種しか開発しておりません。ですのでこの機種を出しているパナソニックさんには純粋に大きな拍手ができます。無論設置フリーで健闘しているダイキンさんも健闘賞ですね。

さて次に設置寸法フリーで2位になったRAS-221PDR(東芝)ですが、こちらは寸法規定で1位という評価と暖房時の定格COPが6.25と高いことと、デュアルコンプやCOP表示がすばらしいということで総合的に凄いということで2位としました。

同じ理由で3位にはRAS-S22Y(日立)です。特に暖房時の定格COPは寸法規定ながら6.4とすばらしく、新潟県ではもしかしたらこちらが2位でお勧めといってもよいでしょう。

上の理由でなぜ暖房時の定格COPに拘るのか?それは新潟県が圧倒的に暖房時のCOPが重要だからです。関東などは厳寒期でも晴れて外気温が7度は普通でしょうが、新潟県は外気温2度がふつうです。外気温低下はエアコンの性能を下げる最大の因子です。そのため新潟県では冷房用エナルギーより暖房用エネルギーが10倍も多く必要です。ですので、仮にAPFが優れていてもMSZ-ZW229のように、暖房時定格COPが低いと評価は著しく低くなります。

今回なぜ6畳用エアコンで順位をつけたかは、「その2」で解説します。


浸水した道路

アメダスデータによると、昨日の三条市は約50mmの雨が降りました。すると三条の道路はあっというまにこのような状態になります。

排水が間に合わないので、低地では水がたまるのですね。

さて住宅の床下(べた基礎)が浸水した後たまった水が速やかに排水できるように排水管をつけては?というご意見を以前聞きました。我々設計者は、あれば一番よいがなくてもそう問題ではないという気持ちです。というのは、まず床下浸水する地域は過去の歴史や各市町村が発行するハザードマップを見れば大体把握できます。危険地域では排水口があれば一番よいですが、そうでない地域は考える必要は薄いですね。それよりきっと家の構造計算をして安全性を高める方が優先します。家の崩壊は生命維持不可能状態になる可能も高いですが、排水が速やかにいかなくても生命維持にはほとんど影響しません。が、必要と思われる人にはあえて否定することもありません。排水口一個1万くらいあれば充分ですね。


新潟の住まい 太陽光発電 パネルは?

2009年8月24日青字加筆修正

太陽光発電は、人間が太陽から加工可能なエネルギーを取り出すのに大変便利な機器でです。しかし高価であり、おいそれと誰にも設置できる設備ではありません。高価であるがゆえにその寿命は気になるところです。

一般にメンテナンスは無いと思われている太陽光発電ですが、通常かかるメンテナンス費用があります。それはパワーコンデショナーと呼ばれる、直流電気を交流電気にかえる装置が10年で寿命となるので交換が必要です。大体10万位かかると言われてますから、年1万のメンテナンス費用が最低かかると思えばよいでしょう。

ところが

最近の調査発表(全文見るには無料登録が必要)によると、「10年以内でパワーコンデショナーを交換した件数は17%、パネル自体を交換した件数は13%にもなることがわかった。」とあります。故障率10%以上と言うのは完全欠陥商品です。

パネル、パワーコンデショナー共に保証期間は10年もありませんから本来有料交換となると思いますが、そこはメーカーの信用問題ほとんどのメーカーが10年保証ですが、私のお手伝いした方の家で、無償全パネル交換でした。無償で交換はよいのですが、その方法が問題です。突然パネルメーカーが尋ねてきて、「パネルを見せてください」と言って、さらに「不良品が見つかったので交換します」となったそうです。この建て主さんは発電記録をつけていて、年々発電量が減っているのが不思議でしたが、今年は天気が悪いので発電量が少ないだろうと思っていたそうです。ところが初年度から数年で3割以上減ったころにメーカーが突然たずねてきたのです。つまり、TVや冷蔵庫と違って、自然を相手にしているので、毎年異なる発電量に疑問が生じなかったのです。ですのでメーカーが訪問するまで不具合に気がつかなかったそうです。

今後、期待の国産新エネルギーとしての太陽光発電パネル。補助金もつくそんな機器ですから、10%以上の欠陥率ではいけないと思います。また今年から急激に販売数が伸びている太陽光発電パネルなので、今後このようにメーカーが無料で丁寧に対応してくれるか?が問題です。

がんばれー  メーカー技術者!!


完成見学会 いらっしゃる事ができなかった人のために2 リビング

この写真は見学会で使った手袋を洗濯して再利用しようと干している光景です。乾いたらきれいな手袋は次の見学会に再利用して、ほころびているものや、汚れが落ちていないものは、野良仕事用になります。どうも使い捨てはできなので当事務所では手間がかかっても再利用します。今回の数は約100双(200個)でした。

これはリビングですね。外観がライトのデザインの基本を真似ておりますので、内部も天井をデザインするインテリアです。

埋め込まれた建築化照明がその雰囲気を出します。ライトといえば幾何学的デザインで有名ですが、そこはコストにも影響するのであっさりめです。

大きな扉を開けると和風の空間と一体になり広く使えます。

和室との境は、324mm角のケヤキ柱です。通常「緑の家」では銘木は使いませんが、これは銘木ではありません。白太や節がありそれが味わいを出してます。

食卓のテーブルも特注です。天板デザインは建て主さんで、そこに足のデザインと配置を決めました。

もちろん、特注ですのでこのようなコンセント通し穴もあり、コンロを使ってもケーブルで足を引っ掛ける事が少ないでしょう。

そしてキッチンは大きな食器棚部屋があり、そこにレンジから炊飯器、ポット、トースター、食器、ゴミ、

パントリー機能まですべて入ってます。だから戸を閉めれば全く見えなくなります。


エアコンから水漏れ 恒例!室内機から滴り

毎年恒例になってしまった事務所エアコンの水漏れ。過酷に運転しているこのエアコンは24時間可動が多いので、いつもドレン管は湿りっぱなし。そこで湿気取りの最高潮である真夏に水漏れが発生する。

いつものように修理。

さて まず屋外に出ているドレン管を確認。

そこに簡易ポンプ(灯油タンクのときに使うようなもの)をきっちりと接続。

後は吸い出せば出てくる出てくる。カビ球。これは一回目。

二回目には大きなカビ球が数個出てきました。

一応これで当分大丈夫。

最近はほとんど断熱ドレイン(内部にでこぼこがないもの)になっているのでこういう「詰まり」は少ないと思いますが、古い機種や蛇腹ドレインの場合は、お試しください。修理を呼びますと約1万円です


新潟の住まい ログハウス等は雨漏れ仕方ないの?

最近の業界情報によると

「ログハウスと外壁が真壁構造(伝統工法や数奇屋建築に多くある)の家の雨漏れは、瑕疵保証制度の10年保証とはならない」

となっています。

つまり工法上ログハウスと真壁構造の家は隙間が生じやすく、暴風時に雨水の浸入は起こりますので、それは瑕疵ではありませんよ。と言うことです。これには賛同します。もともとアルミサッシでさえ、著しくサッシの持つ性能超えた場合(降雨量が240mm/hで風速23m/s時W-4)、雨水が逆流し室内に流入します。しかし一時のことなのでそれは仕方無いこととなります。市街地では発生しにくいのですが、野中の一軒やや、海岸沿いの家では年1度以上はあります。これは冬の拙宅の暴風時、サッシから雨水が吹き出てくるときがあります。樹脂サッシの開き戸という引き違いサッシより水密性が数段高いサッシでもこの通りですから・・・(18年目なのでパッキンが痛んでいると思いますが)。

さてログハウス(丸太組み工法)では、建築当初から壁を構成する丸太の乾燥は大変難しいので、数年後乾燥が進みそれに伴い丸太が縮み隙間ができます。これをセトリングといい、通常セトリングの修正するのですが、それでも一様な縮みではないので隙間が生じます。そこから暴風雨時雨水が浸入します。仕方のないことですね。と言うことは気密性もないと言うことですが、そこには触れないように・・・。ログハウスが好きな方は、そのくらい何でもないことですから。

写真は風の強い冬のログハウスの外部囲いの様子。

PS・・・20年位前から寺泊にあるログハウスで有名なレストランの「WINDS」はなんともなかったのでしょうか。半端じゃない条件のところにありますよね。今度伺ってみますね。きっと初期メンテナンスがよいのでしょうね。


完成見学会 いらっしゃる事ができなかった人のために 和室

いらっしゃいませ。

正面の壁はいぶし陶器の壁。職人さんの心意気の作品。いぶし還元された色は銀色に光る。壁や天井も天然素材の「中霧島壁」で鏝仕上げ。

廊下の隅柱で 140mmの杉柱。私は銘木(貴重であるため価格が高い木)は好きではないが、この杢は見ていてよい感じ。

廊下は全て畳敷き。左に曲がって正面が月の間。左の大柱はケヤキ343mm。目の形と色が面白い貴重な木。価格は・・・思ったより高価ではなかった。

ふすまは框もないシンプルな太鼓ふすま。表紙は「手漉き本鳥の子」で主原料は三椏(ミツマタ)。光沢で模様が浮き上がる。

ふすまを開け中に入ると南正面から穏やかに光る全面紙障子。

これ以上ないくらいシンプルな床の間。2間あり、床框は絹のたたみヘリ。紺色であるが、この明るさでは黒っぽく見える。

振り返り。スイッチやコンセント、照明器具も見えない和室。奥に見える横格子は、温風の吹き出し口兼コンセント口。

床を拝見して座ると、黄色い月が空にあるような欄間。先ごろの日食にも取れるようなその形から「月の間」という名前がつけられる。


新潟の住まい 地中熱は?評価は?将来性は?その2

上図は「仙台市の住宅に設置された地中熱ヒートポンプシステムの才能評価に関する実測」日本建築学会大会2009年 石川善美博士による論文から抜粋

先回は地中熱利用の現況をお伝えしました。今日は、将来性についてちょっとだけお伝えします(この地中熱分野は詳しくないので)。

今年の建築学会で発表される地中熱の論文の結果で「平均COPが3.1になった。」とお伝えしましたが、これは今販売されている高性能のエアコンに比べれば低い数値です。しかしもともとこの定格COPが高い機種ではないので、そこから考えるとこの数値はなかなか優れております。機種の開発は大手家電メーカーではなく、東北地域のストーブ会社です。とはいっても全国的に販売がされており、特に北海道では有名な会社です。こちらのペレットストーブは実用的で省電力ですばらしいものです。

はやり汎用エアコンと比べるとヒートポンプの開発はいまいちのようで、この地中熱HPの定格は3.7です。家庭用エアコンの定格運転時のCOPが6を超えている現在、やはりスタートが出遅れてます。しかし、東北地方の冬季でCOPを3以上安定して出力できることは魅力的です。問題は初期設置費用が高いことでしょう。この費用が太陽光発電並みにかかるので、それだったら太陽光パネルと言うことになるのでしょう。地域活性化のためにもこのストーブメーカーには是非ともコスト削減と冬季平均COPが5以上という空気式エアコンではまだ達成不可能な性能になることを期待します。

さて、ここではっきりしたと思いますが、このような積極的地中熱を使ったとしても現在のエアコンと同じかそれ以下の効率(削減はない)のですが、前記事のような比較的原始的な使い方で冷暖房費が50%と削減されることはないでしょう。たぶん他の断熱施工などと組み合わせての仮定だと思います。

蛇足ですが、10年くらい前からパッシブ的地中熱の元祖的会社(千葉県)が2年前に倒産しました。この会社は積極的に学会や研究論文発表を行っていましたが残念です。地中はお金がかかりますので、今まで国も積極的に補助金をだしていたのですが、今年の補助金は太陽光発電や長期優良住宅にシフトしてます。

新潟県のような冬季、太陽がでにくい地域ではこのような地中の自然エネルギー利用が有効ですね。例えば道路の融雪パイプからでる地下水の熱エネルギーはその最も利用されているひとつです。この取得エネルギーは相当の大きさですね。なんたってとても大きな雪の融解熱を地熱(地下水)が供給していますから・・・。

例えば10kmの道路に30cmの雪が積もった場合、その溶かす熱は、融解熱333.5J/gが必要ですから1600GJとなり最低でも灯油43000L相当(ドラム缶214本)のエネルギーを地中から利用していることになります。


新潟の住まい 地中熱は?評価は?将来性は?

最近地中熱利用の話題を2つ耳にしました。ひとつは、ローカル新聞の記事。もうひとつは見学会にお越しいただいたお客様からです。

地中熱利用は古くから何度も実験や実測されて、実用されています。住宅において地中熱利用は2つに分けられます。一つ目はパッシブ的(受身的)利用です。たとえば当事務所の仕様である基礎断熱がそのひとつでしょう。建設時一年目は、基礎下地面の温度は周囲外部地面と同じ位ですが、一冬過ぎたころから、周囲地面に比べ多い温度で安定します。これは冬室内空間となる基礎下は、外気で冷やされることがないため、周囲地中温度より高くなり、これが結果冬の地中へ奪われえる暖かさが減ります。しかしパッシブ的な利用なので、このことを大きく宣伝する必要はありませんし、極普通の技術です。

次に積極的利用される場合です。ローカル新聞の記事とは違いますが最近は、仙台市の住宅展示場でも設置されているような利用方法があります。地中40mくらいまで直径数十センチの穴を掘り、深い地中の安定した熱を取り出して暖房や冷房に利用します。冷房は今から50年以上も前に井戸水冷房が多くの住宅に設置されていたことを思い出す人もいると思います。しかし井戸水冷房はくみ上げた井戸水を使ったら河に捨ててしまう事が環境によくないと言うことで今では消滅してしまってます。こちらは(仙台市)井戸水の熱だけを使うので井戸水は直接取り出しません(取り出しても地中に戻すと言う方法もある)。地下の地下水中にエアコンの室外機を水没させると思ってください。これについては今年の建築学会で効率の発表があります。結果は暖房COP平均は3.1だそうです。3年前に新潟で実測した当事務所のエアコンの平均COPが4を超えてましたので、特にエコロジー、または経済的とはいえません。

ローカル新聞で発表された地中熱利用は、

現在の地中熱冷房方法は、ドイツで多く設置されているクールチューブと言われるもので、地下に40mくらいの穴を設けそこに空気を通して家の中に取り入れれば天然冷房(暖房)となるという原理で設置されています。一見よさそうなクールチューブですが、日本(新潟)にはあまり効果はありませんし、不衛生になりがちです。それは

①日本は梅雨と言う雨季があり、地中の大気に開放された穴は、この雨季に水没する危険性がいつもあり、実用されているドイツと違う環境と言うことです。(密閉回路で水没回避可能です。)

②クールチューブ内夏季はいつも湿度100%状態です。つまりカビ菌に最適な環境で、仮にいつも通風状態であっても、カビは多量に発性します。この中を新鮮な外気が通って来た場合、家に入ってくる空気は多量のカビ胞子が混入します。(これが健康によい空気でしょうか?)エアコンのドレン管も同じような状態ですが、カビ球ができるくらいの環境です。クールチューブ内は当初綺麗ですが、数年すると間違いなくカビに汚染されると論文発表があります。また物理的に掃除はできません。

③地面は断熱性が高いので安定した土温になります。逆を言えば最初クールチューブを通って来た空気は効果的に冷やされておりますが、土の断熱性が高いため、あっという間にクールチューブ内は温度が上がり(地下水であれば回避可能)冷やされた空気が入ってきにくくなります。本当に50%削減もできるのでしょうか?

この3点でクールチューブは実用が難しいと建築学会で何度なく発表されております。特に今回は地下5mくらいで地下水利用ではなさそうです。

建築学会とは、日本では唯一の権威ある学会で、こちらで査読された論文でなければ大学の最高学位(博士)の取得ができないとされている学会ですので、その信憑性は国際的に有効です。

このような建築の学会では既に多くの発表がありますので、このシステムは国交省からの受賞暦はなく、環境省や土木工学会、通産産業省となってますね。地中熱利用に将来性はあると思いますが、ローカル新聞の記事には「冷暖房費50%削減」となってます。本当ですか?その根拠を知りたいです。これに惑わされ裏づけの少ない実験住宅を購入されないことを願います。

新潟においてエコで快適な家は何よりも先に「超断熱」からです。


本日はありがとうございました。

昨日、本日と見学会を行っておりますが、お越し頂いた皆様にはお礼申し上げます。

今回の見学会は、畳の部屋が多いので原則靴下をお願いしておりました。

そこで真夏で裸足の季節にもかかわらず、靴下を履いてお越しした頂いたかた、現場で急遽靴下をお履きになられた方、さらにわざわざ靴下を買いに行かれたかた、本当にありがとうございました。特にお越し頂いたお客様に、「人の家を見させて頂いているのに、靴下は当たり前の礼儀でしょう」と励ましのお言葉を頂き、スタッフ共々感動しました。本当にありがとうとうございました。今回お見えいただいた全ての皆様に感謝し重ねて御礼申し上げます。

昨日今日と、多くの方がお見えになりましたが明日は最終日です。たぶんそう多くない来場者数となると思いますので、多少外構工事を行ってます。ご迷惑おかけする点があるかも知れませんが、お時間を取れる方は是非お越しください。


新潟 自然素材の木の家 見学会です。見るツボは?

当事務所は12年も前から無塗装の木の床や戸を勧めてきましたが、ここ数年、自然素材を大事にする建設会社やハウスメーカーも多くなりました。ではどこが見学会のツボなのか?

最初は「構造に根拠があるか?」です。

上の写真は今回の見学会の2階です。左上に×のような構造が見えますね。これは、小屋スジカイというれっきとした構造材です。法律では木造住宅の小屋には小屋スジカイ、雲スジカイ(ふれ止め)を設けなさいと記載されています。

上の写真のような小屋組み構造(梁)が現われる家は多くなりました。その多くが自然素材を多く使った家と宣伝されております。しかしこの×ようなふれ止めを見ることは少ないです。法律ではきちっと入れなさいと書かれているのに、根拠がなく省略することは法律違反です。根拠とは・・・国土交通大臣が定める基準に従った構造計算のみです。見学会に行かれたらじっと小屋を見てください。そしてふれ止めが見当たらない場合は、「小屋スジカイはどこに入ってますか?」と聞いてください。

自然素材を強調するメーカーは、構造までしっかりと把握しておらず、見た目だけのところが多いです。そして説明を求めると、「大丈夫です。昔ながらのしっかりした工法です。」という意味不明な事を言います。どこがどのようにしっかりしているのでしょうか?法律の条文にそっていない場合はその根拠が重要です。「昔ながらの工法」で建てた神社や寺が完全倒壊した中越沖地震を忘れてしまったのでしょうか?

昔ながらの工法(柱が太い、梁が大きい)では全く地震に強いという根拠になりません。だから地震等級2を取得できないのでしょう?

形あるものは全てバランスが重要です。自然素材だけOKでは家の最も重要な安全性が欠落している恐れがあります。特にここのブログで説明した家は、危険な車庫上の居室に最近さらにロフトらしきものが付いてます。車庫の両脇の小さな壁(45cm)は大建のダイライトを貼ってましたが、ダイライトの標準施工では、91cmの壁がないと構造壁となりません。特にこの基礎工事も見ていましたが、この大開口部なのに地中梁もありませんでした。本当に怖い新築です。

この写真は前の見学会の家です。しっかりとふれ止めがありますね。

次のツボは、この次のブログで。


新潟の住まい 見学会 25日26日27日 質実剛健 超断熱

とうとう完成です。写真はリビングですが、正統な洋風インテリアは、天井にもデザインします。今回は、スッキリと直線で!天井高は2.7m。この高さが重要ですね。

外構と駐車場はまだ施工中ですが、今週に見学会を行います。左のバーにリンクがあります。

今回の特徴は、

1.オール4寸120mm+大柱2本240mmと135mm

2.床下暖房採用(蓄熱型)

3.外部は中霧島壁、内部も中霧島壁を採用

4.染色による色付けした木のリビング

5.適材適所の大収納計画(造りつけ)

6.薪ストーブと薪小屋(現在施工中)

7.屋根のある縁側を設置。

8.Q値 1.6w/m2kと超断熱SSプランに近い

等などです。収納関係は建て主さんが力を入れただけあり、至る所に収納が考えられております。唯一茶室となる和室だけには、収納と言う無粋なものはありません。他の空間で「しつらえ」を準備する予定です。確かに茶の席では「座布団」もないですからね。重要な客間には収納がなくスッキリとしております。あるのは「気」と「花」もしくは「掛け軸」だけ・・・かな?

2階はいつものような「緑の家」です。そういえば今まで計画した染色又は着色された家でも全棟2階は「素」のままの木でした。つまり完全無塗装の木のインテリア。と言うことは寝室などの個室は無塗装の部屋がいいと言うことにもなりますね。

環境に四季があり、春に新らしい葉をつける木々を見て育つ日本人は、古いものも好きなんですが、真新しい木が大好きです・・・。


スズメの子供!  o(*^▽^*)o

かわいいです。文句なく。

「 事務所の窓」の外で巣立つスズメ。

最後の勇気を振るしぼり羽ばたけ。

自由な空が待っているよ。

写真後1時間していなくなったと思い窓を開けると

「ぱっ」と飛び立ちました。

最後にうしろから押してしまったかも・・・。でも綺麗に旋回して飛んでいきました。

ありがとう!!


日食見ました。

今、日食見てます。すごいですね。実姉がわざわざグラスを持ってきてくれました。ありがとう!!

今デザインしている和室の欄間みたいです。感動!!


新潟県での長期優良住宅申請の状況

長期優良住宅認定が始まってから1ヶ月を過ぎました。当社でもそろそろ提出しようと思い、技術検証をどの機関に出そうか下調べを開始しました。まず、新潟県では住宅の確認申請ではトップの(財)新潟県建築センターに現況をお聞きしました。すると、

w(゚o゚)w 

「まだ長期優良住宅」の技術検証取得は「0」です。申請は何件かありましたが、いずれも床剛性の計算の仕方が×で、耐震等級2をクリヤーできませんでした」との事(できなくて訂正して再び申請でなく、あきらめたのでしょうか?)。

(財)新潟県建築センターでは、長期優良住宅の元となった性能評価申請は既にある程度の件数は行っていますが、いづれも耐震評価は等級1だったとお聞きしました。どうりでべた基礎の計画や配筋が正しく行われていないはずですね。耐震等級1では、基礎のチェックは事実上ありませんから・・・。さてこれで地震に強い家と宣伝するのはほとんどいんちきでしょう。

三井ホームさんやアイフルホーム、スェーデンハウス、住友林業さん等や大手フランチャイズ系さんは、既に取得されていると思いますが、地場建設会社さんはまだほとんどなさそうです。なんとかオーブルデザインが一番のりになるとうれしいですが、後1週間ほど書類準備がかかりそうです。


デザインと安全性。せめて違法な階段撲滅。

日経ホームビルダーや日経アーキテクチュアーの発売元大手の日経BP社の記事は時折深く考えさせられます。今回もそのひとつです。(全文を見るのに無料会員登録が必要です。)

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20090714/534038/

階段で子供を抱えた女性が子供が動いたはずみに、手からこぼれ手すりを越え十数メートル落下し子供が死亡した事故です。普通ではありえないことがおきましたが、階段は屋内空間では非常に危険な場所です。

当事務所の階段の手すりの高さは80cm程度です。特に高くはありません。もし住宅でなく不特定の人が利用する建築物であっても110cmです。しかしこの110cmの高さがあっても今回の事故(事件ではないと思う)は防げなかったでしょう。悲しい事故です。法律の基準を守っていながらでも事故はおきます。階段はお風呂と並び最も重大事故がおきやすい危険場所です。お風呂の危険性は、小さい子供のいる家庭以外なかなか実感できませんが、階段の危険性は、ほとんどの方が一度は「ひやっ」としていると思いますので、わかると思います。しかしそんな中でも、いまだに片側に壁や手すりが存在しない危険な「法律違反」の階段を堂々とホームページに載せている建築会社があります。かなしい事です。既に数年前以上からこの話題をHP上で公開してますが、いまだその会社のHPでは法律違反の階段が堂々と大きな写真として載ってます。小さな会社なら指摘はしませんが大きい会社です。こんな重要な部分を違反する会社の建物は他の部分でも・・・違反(偽り)しているでしょう。また間違いを平気で否定するでしょうね。くわばらくわばら。

話は変わりますが、上の日経BPのHPには、トーメイなガラスに衝突して亡くなった子供の記事もあります。トーメイなガラスがないものと思ってぶつかった経験はありませんか?実は私はあります。ですので室内でトーメイなガラス戸を使うときはアイポイントを必ず貼ります。最近は室内戸のトーメイのガラスの設置自体がありませんが・・・。ちなみに米国のほとんどの州で、ある一定以上の大きさの掃き出し窓(テラス戸)には、強化ガラスの義務付けあります。子供を危険から守る法律では徹底しています。これは日本でも必要かも知れません。


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