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新潟の高気密高断熱住まい 設計事務所とは?

今日は午後から仕事。これは午前中の家の前の海の様子。風があったせいで波が白いが、沖はエメラルド色。

ここ数年「デザイナーズハウス」とか「建築事務所」と宣伝する、法律で決められた「設計事務所」でないのに、その匂いを感じさせる名称や商品名が多い。
設計事務所と会社名称につけられるのは、施工を行わない純粋な設計または、工事監理等しか行わない会社にしかつけることはできない。これは○○病院と同じように、その専門性(免許が必要)の保護の観点から法律で定められている。
ところが、設計事務所というと「センスの良い」、「最近の」というイメージがあるので、最近の建設会社の名称に、○○建築事務所と名称を付ける会社が多い。このぐらいなら良いと思うのであるが、一番納得がいかないのは、設計事務所が設計したのに、施工する会社をグループ会社や親族経営や設計事務所と社長が同じという会社に限定しているところ。まるで分譲地の建築条件付きと同じ販売方法。(公共建築ではあり得ない)
本来設計事務所とは、建築を造るという一大事業の計画を、建築を専門としない建て主さんの代わりに免許のある専門家が設計図という成果物で「形」にする仕事。先進国のほとんどは、この設計業務と建設業務を注文住宅という小規模の建物でも分離することが普通。日本でも公共建築のほとんど全ては、設計(工事監理)と施工が完全分離されている。これは建て主の利益を冷静に考えれば当たり前である。
しかし最近は注文住宅でも設計と施工が同じ会社のほうが良い建物ができると豪語する住宅会社がある(規格、プレハブ住宅は別)。それが本当なら公共建築も世界の国々も、設計と施工一体の事業がほとんどになるだろうが、そんな話は聞いたことがない。そんな眉唾な話をチラシ等で情報発信するのであるから不思議な感覚。本来建て主さんのメリットを考えるなら、設計と施工の一体化のメリットとデメリットをきちっと話せばすむことなのに、最初から丸めこもうととしているこの説明は、とても信じがたい。誰が考えても注文住宅なら設計と施工が分離されたほうが、しっかりと図面通りの建物が建つ確率は高い。図面がない戦前の大工棟梁の家なら別であるが・・・。
設計と施工を分けるデメリットとは、施工会社が決まるまで確定金額が不明であることに尽きる。当事務所の「緑の家」では仕様がほぼ同じなので、計画金額と実施金額の差が3%に納まることがほとんどであるので、このデメリットはそう大きくないが・・・。
みんな自分の業に誇りを持ってその仕事に当たれば、そう誇張宣伝する必要もないと思う。


新潟の住まい 性能表示とメンテナンス性 高気密高断熱の緑の家

先日S邸の「住宅性能評価書」をERIさんから頂いた。 設計性能どおり建設も同じ評価を頂いた。

評価は10項目あるが、「緑の家」が大切にする評価は1.耐震性、2.温熱環境(所謂高気密高断熱)、3劣化防止性、4.維持管理の4つである。この4つ以外は光や音、防犯性、バリアフリー等がある。

耐震性を除く等級はすべてトップ等級であり、耐震性は上から2番目の等級2である。耐震性をトップの等級3にすることは経済的にも技術的にも簡単であるが、あえて基本は等級2である。この等級は地震時の避難施設にも求められる性能で、必要且つ充分と見ている。等級3になると、吹き抜けや窓の大きさが制限されやすい。無論等級3にこしたことはないが、後はバランスの問題である。ちなみに耐震性最低評価の等級1は、評価機関で基礎の構造チェックをしないので、果たして基準法を守っているかどうかは、その設計者しか知らないブラックボックスとになり、これが問題である。

さて、超寿命住宅はどなたでも求めているものであるが、そのとき大事な性能が「メンテナンスのし易さ」だと私どもは考えている。例えば配管設備類。配管は長くても20年くらいで掃除やチェックが必要になるといわれている。その時、下写真のように最近流行のべた基礎の基礎スラブ内に配管されていたら、これではメンテナンスし難い。もちろん性能評価でも配管類をスラブ下に埋め込むと維持管理のしやすさの評価は低い。加えて床下にあるので、歩腹全身でしかメンテナンスできない。メンテナンス性がよいとはおせいじにもいえない。

中越地震のとき、被害地には「緑の家」があり、ある程度被災地が落ち着いてから被害状況確認と修繕のつもりで点検に伺った。内一軒で、床下内の排水管接合部のずれが見つかった。大きく漏水はしていないものの、ぽた、ぽたとしずくが落ちているのが確認できたので、早速修繕した。普通の家ではこのような発見は難しい。大きく漏水するまで発見はできないだろう。普通の家では、歩腹前進と真っ暗な床下は誰も入ることを躊躇するから・・・。

緑の家では11年間このように簡単にメンテナンスできる床下をほぼ100%提供し続けている。これが自慢である。

「緑の家」のお風呂の床下配管メンテナンス写真。配管は基礎立ち上がりから屋外に貫通し、スラブに埋め込まれていない。普通お風呂の配管は一番見にくい場所と構造になり、こんなにオープンに見えることはありえない。


新潟県 住まい 自然素材の緑の家 熱損失係数1.2W/m2k の超高断熱住宅

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律が今年スタートする。これは「姉歯偽装事件」による教訓で決まった法律。

万一、施工者が倒産した場合でも、10年以内に構造的な重要な瑕疵があった場合、保険会社がその費用を負担する保険に強制的に入らなければならない法律。そこでこの運用に当たり、確認申請より厳しい審査(建物単体のみ)が保険加入するときに行われ始めた。そのひとつが先日のブログに記載したとおり、べた基礎の構造計算である。そして耐力壁の引き抜きの計算書の裏付けである。何れも法律上必要なのであるが、今までは「行政がその審査をしない」という法律が4号特例である。しかし今度はこれらが窓口で求められるかも知れない。「かも」というのは、チェックシートのみ保険機関の窓口がチェックし、そのもの自体はやはりノーチェックになるようだ。設計者が責任もって守れということ。しかし今まで守れない設計者が多いのに、果たして守れるだろうか?

堅い話はつまらないので今日は、昨年お手伝いし家から、K邸をご案内する。

Kさんはある理由でネット検索していたところ、当HPにお越しになり意気投合して設計が始まった。

それは・・・

基礎のコンクリートの拘りである。ご要望は「スランプ12cmで強度30N/mm2ができますか?」だった。「緑の家」の標準のスランプ15cm、強度27N/mm2よりワンランク上の仕様なので、「それだったら問題ないでしょう。」と答えた。それで設計が始まったようなものだった。というのは、Kさんのこの仕様に、他の設計者は「無理です。」と答えたのである。そこでネット検索して当事務所に電話を掛けてこられた。これはお会いした2年前のお話。それから一年後上の写真のように建物が完成した。

たった一年後現在では、そのコンクリート強度は当たり前になりつつある。それは「200年住宅」という家が国によって先導されている。その200年住宅の基礎が、強度30N/mm2以上のコンクリートが標準であるから。強度が高いと、コンクリートの中性化が遅くなり、耐久性が飛躍的にアップするのだ。このように私どものお手伝いする「緑の家」の基本的な性能は、常に先を見て決めている。ちなみにKさんは同業者(但しマンション系)で、コンクリートについても知識が豊富なのである。

K邸は熱損失係数1.2W/m2kと非常に高い性能を持つ。これは、断熱材が厚いことと、ほとんどのサッシが高性能木製サッシ(1.6W/m2K)で且つ窓面積がいつもより小さく(といってもいつもが大きすぎるだけ)て、全熱交換型換気扇を設置しているため。ちなみに完成気密測定では、C値が0.4cm2/m2以下だった。


新潟県の住宅でべた基礎(シングル配筋)が急に少なくなる。これは一体?

2009.02.12加筆

先ずはこちらの当社ホームページのコラムをご覧ください。

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/news_top/85.html

2年ほど前に、新潟県のべた基礎はダブル配筋が通常行われなければならないとしたコラムをご案内しました。このコラムを含め住宅の基礎について検索で「住宅 基礎」で多くの方が訪れました。

最近、「今年から財団法人住宅保証機構の保証住宅基準では、「べた基礎の場合は構造計算によって配筋を決めることが条件」であり、構造計算しないときは、表(上リンク先)の配筋を満たさなければならないとして受付を始めた」と聞きました。そうであれば大きな進歩ですが、ちょっと待って下さい。実はこの決まりは最低でも4年以上前からあるのです。今まではこの確認を受付時点で一切行って降りませんでした、そのほうが問題で、仮に3年前のこの保険にはいっている家に、この基礎上の瑕疵があったせいで家が傾いた。となればどこに問題があったかといえば・・・設計者?住宅保証機構?施工者?

本来なら決まりごとを守らない設計者と施工者が、住宅保証機構に対し責任を負う必要があります。しかしどういう事情でも事故が起こったときその家の保証しなければならないのは「住宅保証機構」であるはずですから、決まりごとを守らない会社(物件)が多くなってしまっては、住宅保証機構が困ったことになります。今までなぜ放置されたかわかりませんが、この6月から施行される瑕疵担保保証。このため受付を今までより厳しくしたのだと考えられます。そうなると、今後難しい構造計算をするべた基礎で造る新築住宅が少なくなるのではないでしょうか?更に今まで「地震に強い」といって宣伝していたり、「接地面積が布基礎の数倍だから強いといって宣伝していた建設会社は、急に布基礎にしました。」では・・・。

べた基礎ですが、

多雪地域である新潟県では、3mを超えるスラブ区画においてダブル配筋となる決まりは4年前からあります(上リンク先表)。この表によらない時は、構造計算しかありません。私どもは構造計算をして決めておりますが、はっきり申し上げますが、今までまじめに一軒一軒構造計算して鉄筋の量を決めている新潟県内の施工会社は限りなく0です。計算してあると思われるのは、3階建てや地下付建物という、確認申請時に構造計算を必要とする建物だけです。

基礎の構造計算は、上の建物木造部分の重量や応力(地震時の力)がわからないと通常計算できません。性能表示住宅のマニュアルには、一般的な平均接地圧の記載があり、この数値でも計算できますが、あくまでも一般的なものであり、重いサイディングや、ロフト付住宅では問題があるでしょう。

さらに、スラブのシングル配筋だけではなく、その周囲の基礎梁の配筋も計算する必要があるでしょう。当社でもすべての基礎梁の計算を詳細法で計算しておりませんが、最低でも一番スパンがある基礎梁を一般法で計算してます(また、住宅保証機構の定めるスラブ補強ですが、今後これは当社では行わないと思います。それはこの方法ですと性能表示住宅の基準を満たすことができないからです)。下の表は、瑕疵担保保証に申請するときの記載事項です。赤丸のところが今回の問題にしたところです。

建て主さんにとってこのような不思議現象がこの業界には多くあります。是非今すぐ過去の建物がどのように宣伝されていたかHPや過去パンフを見ることをお勧めします


新潟の住まい 自然素材と高気密高断熱 と古材利用。

古材を使った床の間。ピカピカしていないところが良い。

写真一番上は、三条市大面のK邸の床の間のアップである。この床いたは、Kさんのご両親が、ご自分の家を建てるときに使用できればと思って保管していたのであるが、いざその時に建設会社にお願いすると、「使わないほうが良い」と断られていたのである。その理由はあまり良くない素材で、今の新しい材料のほうが良いということ??

どの古材にも長年使われたきた味がある。特に「緑の家」のインテリアは、無塗装の木。だから古材が新材と一緒でもとても違和感なく納まる。だから私どもはいつでも古材を使うことに賛成する立場(多少加工費やお掃除代は掛かるが)。確かに、新建材や塗装を施した木のインテリアでは古材はあわないだろう。写真にある、玄関部分の床などは違和感なく納まり、非常に美しいと思う。上写真の床板も、腕の良い大工さんの仕上げ直し(お掃除)でケヤキ本来の良さが戻った。後日談ではあるが、ケヤキを仕上げるかんなの歯を研ぎ出せるかが心配だったらしい。ケヤキはとても硬い木で普段かんなをかける杉やヒノキとは違う「歯」研ぎをする必要がある。昔はケヤキを良く扱ったのだけれど最近はないので、その研ぎ感覚を思い出すことができるか?という心配事である。

さて、Kさんとは見学会でご縁があったと記憶している。当初から愛犬のスペースのご要望があり、2箇所計画した。そのひとつが玄関横の床下部分。床上より若干温度低くなりがちではあるが、何しろ広く空間が取れえる。もうひとつはリビングの一角でテラコッタタイル貼りの部分。テラコッタ自身は素焼きであるため、汚れが残りやすい。そこで表面に撥水加工のあるテラコッタをチョイスした。既製品では軽すぎる質感が好きではないので、棚や台、大きなテーブル、洗面台などは造りつけである。


新潟の住まい 自然素材と高気密高断熱の白い壁。

今日のチラシにある最大手の家の広告が入っていた。そこには、地震実験の映像が映っており、大地震でも大丈夫のようなことがかれている。ここで多くの建て主さんが惑わされる。というのは、実験する家をわざわざ弱く造る会社はない。大手でも費用面であるプランだけしか実験はできない中、注文住宅は、世界にただひとつの家として建築されている。だから一つ一つ構造が違うので、おのおの構造計算し安全を確かめなけば何にも意味がない。そもそも大手樹脂サッシメーカーなどは、試験のときだけ良い仕様で、実際はだめな仕様を販売したとして最近報道された。既製品サッシでもこんな偽装あるのに、現在行政の耐震チェックのない木造住宅において、特に注文住宅の耐震性は限りなく黒である。顔の見えない設計者は、耐震チェックしているのだろうか?←62%の家が耐震不足という調査結果。

さて、家に対して大きなロフトや中間階収納を持つM邸。そのロフトの床荷重をしっかりと参入して計算すると、普通の家の耐力壁の基準の1.4倍以上にもなる。だから壁の多い家となるのではあるが、家の中はかえって明るい。適材適所の窓とエマルジョンの壁色が、明るさをもたらすのだろう。

階段で上がれるロフトには、落下防止のネットをグルリとまわした。これは建て主さんの希望であるが、実際気持ち良い。親の精神衛生状態が良くなるから。なるほど!!


新潟の住まい 自然素材と高気密高断熱の白いガルバニュームの家。 

最近の家、ご紹介その2は内野M邸である。先ずはその外観。特徴的ですね。まるで白いキャンパスに四角い窓を気のむくまま書いたような外観はとってもかわいい。後はこれから計画するシンボルツリーで決まり!!

Mさんとも当事務所のホームページ来訪によるインターネットかと思ったのであるが、実は違っていた。奥様がご友人の家に遊びに行ったとき、その家が素敵だったので、当事務所を最初から候補のひとつにして頂いたのだ。※無論、各ハウスメーカーの見学会や展示場遊覧バス(建設会社が貸切バスを用意して一日展示場などを回るツアー。勿論無料であるが、お弁当まで用意されていてとてもおいしかったとの事。(・_・)エッ….? )で色々な建設会社をご覧になられたとのこと。廻っているうちに、お弁当代や展示場の維持費がすべてこれから造られる家の一部として入っていると思うと気が重くなったそうだ。

見学会に2度ほど来て頂いた時に、家造りパートナーとして選んで頂いた。ご要望は・・・、組み込み車庫と2階に広いバルコニー設置であった。また、特注玄関戸の取っては、「これ!!」というご指定があった。それは以前栄町で設計したときに使った「堀商店」の取ってである。掘商店とは東京にある錠まいの老舗中の老舗。その筋では有名である。30年以上変わらない普遍的なデザインと性能はすばらしく、日本職人魂にふさわしい。最近はスゥエーデン製の高級玄関戸のガディリウスでも、この錠まいを使っている。

また「緑の家」の外構の特徴でもある丸石と四角いコンクリート版の組み合わせも家のデザインとマッチしている。これは最近玄関ポーチのタイル仕上げよりもモルタル仕上げが多いから。なぜかは、20年後にわかる。そう、モルタルも丸石もコケが付いたときの経年変化が良い素材だから。(長い目で見てくださいね)

明日はこの内部をご紹介。コンパクトながら、4層の2階建て。勿論その4層の重くなる床荷重は構造計算で折込済み。だから意外と壁が多い。構造計算なしのガラス張り家や計算しないロフト付住宅と安全性の「質」が全く違う。

ちなみに冬でも日差しがあると暖かすぎて半そでになる子供たちの家は、こちらのM邸である。

※・・・ご友人のI邸も本当に素敵な家で、外部階段がある超こだわりのお家。Iさんも奥様もMさんの奥様も本当に素敵で、特にお子様への愛情は見ていてこちらがほのぼのとなる。感謝!!


新潟 家 紹介 2階リビングの家。ようやくアップできます。

ここ2年くらいお手伝いした家の写真が、ホームページ上で紹介されていない。これは、本業の図面作成と工事監理が忙しくてできなかった。この度ようやく10件以上の写真を当HPのこのページに随時載せてご紹介します。

このN様はインターネットでオーブルデザインをご覧頂き、それがきっかけでお手伝いさせて頂きました。

奥様は魅力的な方で、なんと実施設計中にわかったのですが、ご主人の職場のお知り合いも当事務所で数年前にお手伝いさせて頂いた方でした。なんという偶然。ご縁とは不思議なものです。

写真は2階部分。ワンルームで40帖の中にリビング、キッチン、食品庫、何でもカウンター机が計画されました。というのは、なんと言っても砂丘の中腹に当たるので2階からの景色が最高に良いのです。これを生かして2階に生活空間を計画したのです。

バルコニーもこだわり、ダイニングと床を揃え、3枚引き戸にすることで連続性を高めました。バルコニー床は無論アイアンウッド。周囲の壁を高くして視線をカット。使えるバルコニーです。

40帖ワンルームは、64m2にもなります。これをこのまま造ると木造の構造安全性(通常は40m2を超える事はできない)が損なわれます。そこは構造が得意の設計事務所の腕の見せ所。階段を上手に使い各区画で構造を固めました。この構造だけで見ごたえのある空間ができました(写真中ほど)。自分でも気持ちの良い空間だなーと思います。

オーブルデザインはなぜか普通にネット検索では出てこないようで、いつも皆様からお叱りを受けます。どうしたら検索に簡単に引っかかるか、知っている方はお教しえ頂ければありがたいです。


高気密高断熱で家中暖房は不可能を可能にする。BY新潟


2009.02.09写真更新

真っ白い簡素な浴室。この状態で18年経つ。白一色の浴室は、タイル貼りではなく、「ビニコート」という塗装仕上げ。下地はフレキシブルボード。所謂左官工事を省いたローコスト仕上げ。

ある自然派推進サイトの人は、「浴室に白い色を使うのには愚の骨頂。カビが生えて見るも無残。だから最初から黒っぽい色を使う事をお勧めする。」といっていたような記憶がある。

浴室のカビが生えやすい時期は一年で2回ある。昔は梅雨時だけだったが、今は冬に結露や乾燥しにくくこれが原因でカビが多く生える。最近は冬のほうがカビが生えやすいといえる。

しかし、全室暖房(浴室乾燥機ではない)をする住まいでは、浴室でも半日で乾燥するので冬の方がカビは生えない。勿論浴槽にいつも水がある状態ではそうとは言い切れないが、普通につかえば壁や天井にはカビは付かない。

恥ずかしい話だが、毎日一生懸命掃除しているのではない。壁は床から1mくらいのところを、2ヶ月1回するかしないかのペースで軽くこする。2m以上高さの壁や天井は、竣工以来一度も掃除していない。( ̄○ ̄;)!

床はさすがにピンク色の酵母が生えるがここも一週間に一度くらいペースだと酵母もお目にかからない。こんな感じである。そういえば、よく海外の映画では寝室の一角に浴室がある。よく湿気っぽくならないなーと思っていたけれど、先進諸国の家は家中暖房があたり前だね。今までの常識が常識でなくなるのが「高気密高断熱住宅」の家中暖房である。今でも冬の浴室はじめじめとおもっている人は体験して見て!!論より証拠

床がところどころ黒っぽいところがあるのは、最近床を青いビニコートから白いビニコートにしたため。これは自分で施工したが、密閉空間トルエン中毒で倒れてしまった・・・。最後はほとんど記憶なし。(*^-^)


新潟 住宅のべた基礎はほとんど違法又は×の根拠 

最近はブログという便利な情報発信があるので、とても便利になった。当ブログも一日70件を超えるアクセスが普通になってきた。訪問者数はその約半分くらい。しかしその訪問者は不思議なことになぜか平日の昼間、特に8時から9時30分にピークのがある。これはたぶん仕事として会社から当ブログに訪問している人。たとえば数年前にはある中堅建設会社の社長さんから「うちのチラシの一部が勝手にお宅のHPに乗っているので削除してほしい。」というお怒りもいただいている。それはチラシを写真にとり、小さくその写真で引き合いに出したのであるが、記事が批判的だったので問題としたのだろう。確かに写真が引き合いだったので謝罪した。それからそこの会社の人は当ブログやHPをご覧になっているようである(気にしているようだ)。

最近、このブログの訪問者の検索エンジン元をふと見ると、同種業者のブログに飛び込んだ。そこには、「新潟の住宅会社は、他の人のデザインや工夫をすぐに真似るので簡単にホームページには載せないよ。見学会に来てね。」の様なことが書いてあった。それを見たとき「ああ!そういうことか!いつも仕事で見ている人は・・・」と思った。が、画像を見ただけでまねされることであれば、「いつか簡単に誰でも同じものができるし、いいものであれば公開することで建て主さんのためになる」という気持ちで、私は当ブログやHPに細かく詳細に載せていることが多い。小さな事はまねされても良いし、まねできない物をご提供すればいいのだよ。という感じで。(意匠的な真似は×。著作権法で保護されているから)ある有名な人は、「知っていることは出し惜しみせずどんどん公開しよう。そうすればさらに自分を高めようとするから」といっていた。おっしゃるとおりと思ったので私もどんどん公開する。

当事務悪所では、数年前からべた基礎の計画方法の情報を流している。ようやく最近は基礎構造区画や、配筋の構造計算の重要性を掲載している建設会社もちらほらある。そこでもう少し掘り下げ「なぜ普通のべた基礎が法律違反になるのか」を当HPの「ニュース、コラム」に掲載した。さて、べた基礎で立ち上がり60cmくらいしかない基礎を造っている方が見ると肝が冷えるだろう。だって、平成13年から構造的瑕疵は、最低10年間その修繕義務を逃れられないから・・・。また設計図の保管期間も5年から15年になったので、図面がないとごまかせないのである。この記事は専門用語が多いけれど、これから家造りという人もなんとなくその重要性がわかるので一度ご覧ください。

ここに「ニュース、コラム」リンク先をおきます。


新潟 家情報 「虚偽」、「過去の削除」の多い住宅業界。

今日のアサヒネット情報で、「「トヨタホーム」が顧客に虚偽説明を2000件以上」という記事があった。トヨタホームは、車の大手トヨタの完全子会社。中部ではとても有名なハウスメーカー。ローンの手数料が無料と言いながら、2300件以上の人から手数料を取っていた。問題はこれを2002年から「公正取引委員会」から排除命令を出されるまでほっといたということ。こういった事は、なぜかよくある話。実は、まえからアナウンスしているとおり、新潟県のべた基礎は非常に大きな問題がある。「緑の家」の基礎は高さが1mあるので、基礎梁として構造計算を行うと、主筋が2-D13でなんとかOKであるが、巷の一般的な高さ60cmの基礎では、主筋D13で3mを超える基礎梁は全て「×」となるだろう。ということはほとんどの会社のべた基礎は×だ。そんな基礎配筋の現場写真を「しっかりべた基礎区画で造ってあり大丈夫」と堂々と公開しているブログが多数ある。知らないとは怖いこと・・・。

大手木造メーカーのホームページはとても立派にできていて感心するのであるが、ひとつ大きな問題がある。それは、過去数年前の家(商品)がどこにも載っていないのである。10年前、新潟県では「高気密高断熱」を薦める大手メーカーは皆無。それどころか、「高気密高断熱」は不必要(あぶない)で、かえって高断熱だけがよいとまで言っていたメーカーがあるくらい(今でも自然素材住宅会社や薪ストーブメーカーは、高気密に否定的。゚゚(´O`)°゚)。ところが、今では「高気密高断熱が標準ですよ」と大きく書いてある。そして過去の家の標準仕様はデーター削除。削除ですよ。探してもホームページ上からない。住宅より相当短命の家電製品でさえ、過去の商品仕様は残してある。本当に不思議な業界である。でも大丈夫。過去の8年分の他社チラシは当事務所に保管してある。見たい人はお問い合わせを。さてそのチラシを見るとまったく違うことを言って販売していた会社がわかる。これってとても問題だと思う。なぜなら、高気密高断熱だったら、新潟では20年くらいまえからあったし、拙宅も20年前に計画し18年前に完成している。ということは当時否定していた会社は正しい情報を選別する目がなかったということ。つまり他の性能部分も同様と考えると、耐震性の部分がとても心配。さて、皆さん!過去住宅データーを集めてみませんか?その会社の本質がわかりますよ。その時だけの使い捨て商品をすすめるか?本当に良いもの勧めようとしているか?住宅は25年以上はともにする長寿命物であるから・・・。


新潟 木の家 8年目の木の無塗装外壁 自然素材はやっぱりそのままが良い

 

写真は、無塗装の木の外壁がどんな感じで色が変わるの?というお問い合わせがあったため、8年後のK邸へ行って撮った写真(下)。K邸は中水、太陽光発電は勿論、太陽光温水、石油素材を極力排除したエコロジー住宅。雨どいでさえステンレス製。上の写真は新築時の夏のショット。勿論ノーメンテナンス。普通、ハウスメーjカーはこういう比較は絶対しないよね。経年変化の味はないからね。

さすがにウエスタンレッドシダーの南京貼り。元より濃い色の素材だから8年でもまだ黄色みが残っている。この感じを汚いと思いますか?私は素敵な感じと思います。

これからもどんどんグレー色になっていくのでしょうね?

おや小さな煙突が増えてますね。これはアトリエに薪ストーブを設置したため。益々カーボンニュートラルなお住まいに・・・。なんと昨年は太陽光発電による売電と買電の年間差額が+6,000円と言う結果。月に換算すると電気代500円。特殊なケースとはいえすごいですね。

色がまだまばらなところもあるが、塗装した外壁が取れかかったような感じと違い、ナチュナル。

私がいつも申し上げている通り、木を外部に使うときは必ず屋根の下が基本(アイアンウッドを除く)。だからK邸も屋根のないバルコニーは、ガルバニュームのような朽ち難い金属類を使う。これも基本。8年たってもこの部分は変化なし。


新潟 「緑の家」の工事監理中に・・・。感動の朝。

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煌く朝です。

今朝工事監理を行っている、三条市下田地区に行ったとき、(同じ地域に当事務所もあるのであるが、)全く風景が違う。すべての木々の梢に白い針がついている。市街地では全くないのだけれど、数キロ東へ走るとそこは別世界。

息を呑む景色。雪で木に綿帽子がかぶる光景はよく目にするが、氷の小さな剣で木々が真っ白になるのは、この平野部ではとても珍しい。

2番目の写真はたぶんケヤキ。この枝の繊細さに、さらに繊細な氷の剣で煙がまとわりついたような・・・。電線が邪魔だったけれど、あまりに美しかったのでそのままパチリ。幻想的な光景。

下田地区は、昔から環境を大事にしている。その代表例が、下の側溝。普通はコンクリートで固めてしまうところなのに、いまだに自然石の堤防。コケがところどころ生え、流れるその水が透きおる。むかしから変わらない。これが街中を流れているのだからすごい。この水で取れた野菜の下洗いを行う大事な生活中水。だからこそ、下水道もいち早く設置され、この中水を汚さないようにしてる・・・と感じる。

Sdim3944 さて、今日の工事監理はこの寒さの中、擁壁のコンクリートの養生具合を確認。しっかり養生された擁壁は、周囲の水こそ凍りついているが、擁壁の接している水溜りは、凍っていない。一安心。表面をチェックして見ても問題ない。よし!これで地盤改良し、基礎工事に移れる。今年は今のところ雪が少なくて助かる(困っている人には申し訳ないが・・・)。

感謝!!


無断房住宅、ゼロエネルギー、200年住宅は耐震偽装匹敵か?

たまたまこんなブログを見つけた。住宅研究者では有名な鵜野日出男氏の元旦のブログ!!

そこにはきっぱり、「200年住宅も無暖房住宅、ゼロエネルギーも耐震偽装に匹敵。」

詳しくはここのページをご覧ください。無断房住宅やゼロエネルギーと言って販売しているほとんどが偽装。200年住宅に至っては「官製偽装」ときっぱり言い切っている。そういえば私の恩師である先生も「ゼロエネルギー住宅」で販売しているセキスイハイムの担当者に、3年以上前から「いんちきだ」と言っていた。太陽光発電は初期投資がとても大きいので、ただ単にエネルギーの先払いをしているに過ぎないと。

ここまできっぱり言って頂けると気持ちが良い。私もそう思うし、先回の私のブログでも「新潟では無断房住宅はありえない。」と明言している。住宅が日本の数倍の期間使用(イギリスでは100年は当たり前)される先進諸国でも、200年住宅と言って「販売」している国はない。なぜ日本のような取り壊し平均寿命が30年と言う住宅後進国が200年住宅などと国をあげていえるのだろうか?カナダや米国から住宅を輸入することはあっても、輸出することはない住宅後進国なのに・・・。悲観的意見ではなく、客観的にみると、他国からはそう見える。そういうことである。 家を愛する、愛される、その仕組みを考えて初めて200年メンテナンスされるはず。有名な神社、仏閣のような信仰心と同じ位、その家を愛する気持ちでもなければ、継続することはできない。田舎の古い民家が100年以上あったのは、そういう気持ちに家族、一族がなれる仕組みがあったから。・・・だと思う。


新潟 高気密高断熱での暖房 ペレットストーブ編

これは事務所で使っているFF式石油ストーブ。FF式と言うのは、燃焼ガスと燃焼のために必要な空気を強制的(電気ファン)に外気から取り入れ、屋外排出する方式。室内の空気は一切使わない。

ファンで行うため、煙突はなくても燃焼する。木や灯油が上手に燃焼するためには、安定した空気の供給が必要。だからファンのない(電気を使わない)ストーブには高さがある煙突が必要。

写真は、上のストーブの外部に出ている給排気口。暖房能力7kwと、小さな薪ストーブ並みの能力であるが、こんな小さなものが外にちょこっと突き出ているだけ。ちなみにこの部分はサッシ窓部分で、ガラスの変わりにアルミの5mm程度の板をいれている。こんな簡単に設置できる。

上の写真のストーブはかれこれ18年位使っている。実は10年位前まで拙宅のメインストーブであったが、海の傍では、頻繁(1年に一回)に壊れるため三条に設置されることになった。三条にきてからは一度も故障はない。ただ何回も修理したため、パッキンが甘いのか燃焼ガスの匂いがうっすらとする。怖い・・・。

さて、本題に戻るが、前のブログでも紹介したとおりサンポット社のペレットストーブは、高気密高断熱住宅と相性が良い。高気密高断熱住宅では、連続暖房が基本なのでペレットストーブのように連続稼働時間が長いものは良い。加えてFF式ストーブなので設置が楽。上の写真のような給排気口がちょこっと外部に出るだけ。女性でも十分管理できる。ペレットストーブの欠点だったファンの大きな音は小さくなった。と言うのはこのストーブの消費電力はなんと43W。通常ファン音は消費電力に比例するので他のペレットストーブが200Wくらい※だとすると、その1/5ぐらい。これはすごい。またうれしいオーブン機能(写真上の取ってがある内部)もあるので、いかにも火を使っている感覚。さらに発生熱が最大で4.7Kw 、最小で1.7kwと少なめ。これが高気密高断熱にバッチGOO。ご存知の通り、高気密高断熱住宅では、そんなに多く熱はいらない。その分消費電力が少ないほうがとってもありがたいのである。中で運転すれば朝起きるまでずっと燃焼可能。これは便利。

(2009.02.01加筆 デザインがいまいちだ!とのご意見多数・・・。確かにちょっと・・・重みがないかな。)

Q値が2.0W/Km2の緑の家であれば、述べ床120m2の家でも

2×120×20度の温度差=4.8Kw

あればOK。万一足りなのであれば、エアコン補助暖房のほうが安くつくし、熱発生は分散したほうがムラがなく快適。このストーブはとてもお勧め。ちなみに価格は35万+施工費5万くらい。少し高いけど薪ストーブ90万位に比べると半値。ただし、薪ストーブのような揺らぎ炎は難しいし、停電時は使えないことがデメリット。

※200Wの連続24時間駆動だと電気代は、

0.2×25円×24h=120円→3600円/月

に比べ43Wでは 774円/月

同じ暖かさでこの差は大きい。


新潟では無暖房住宅はありえないか?Q1.0住宅は?

寒い日でしたね、今日は。この寒さで早朝の道路は「キョロキョロ」(方言です。つるつるの最上級のこと)。仕事に向かう最中に道脇に車が3台ほど雪のなかに突っ込んでいたのを見て、私もスピードを抑えるべくアクセルから足を離した瞬間、後輪がドリフト・・・。右へ後輪が30度近く触れ、全逆ハンを当てさらに今度は左へ20度、これも逆ハンをすかさずあて、最後に左へ10度くらい・・・。何とか持ち直しました。この間50m位2車線を使いドリフト走行。無事無傷でした。

さて、無暖房住宅とは、暖房機がなくてもお日様の日射、人や待機電力などの日常発熱だけで快適な温度維持できる住宅の事を指します。暖房しない住宅ではありません。(笑)
この定義にあてはめると、新潟県では、無暖房住宅は限りなく無理とわかります。つまり仮に計算上の熱損失係数が0.99W/Km2という非常に高い数値の家があるとします。そこには3人住まい、広さは30坪の家とします。するとこの家が外気0度のとき室内温度20度を維持できる熱量は、
1.0×20度×100m2(30坪=約100m2)=2000W
となります。つまり2000Wの熱を室内で発生させないと室内を20度にできません。ところが一般的な住まい方をすると、人は100W/人、待機電力は多くても400W/件、その他発熱が多く見て200W あったとしても合計は3×100+400+200=900Wです。
2000Wの半分にもなりません。ここでは日射の取得をいれてません。というのは、冬季新潟県の平野部では、お日様が1週間ぐらい顔を出さないことは普通です。かりに顔を出したとしても、市街地では太陽高度が低いため、窓から有効に入ることは少ないことでしょう。
関東では日が差すほうが普通にあるため、無暖房住宅はできると思いますが、日本海側の平野部では無理なのです(スキーに行くとわかるのですが、意外と山のほうが晴れ間が多くあったりします)。日常発熱900Wでは、熱損失係数が0.4W/Km2以下の家でないと成り立ちませんが、現時点の技術では価格的に不可能です。でも最近は無暖房住宅と呼んで売っているメーカーがあります。これをどう考えるか・・・。「アガリスクががんを直す」と同じ販売方法のような誇張販売と思います。・・・が皆さんいかがお思いでしょうか?もちろん、当方も熱損失係数0.99W/Km2以下の住宅はとてもお勧めしますが、誇張して宣伝することはしておりません。さらに窓を補助部材(ハニカムサーモ)で閉めた場合だけで計算するのは、現実ではあり得ませんから・・・。
新潟県はこの丸2日間ずっと曇ったり吹雪いたりしている新潟県の平野部。お日様は顔出しません。こんな時こそ気温は低く今日は‐4度。20度維持するのには2400Wのエネルギーが最低必要です。木造住宅の蓄熱などたかがしれてますので、熱損失係数0.99の家の室内温度は、10度から13度でしょう。普通なら寒くて居られません。これを無暖房住宅と呼んでいいのでしょうか?

Q1.0住宅はそのコンセプトが違うので次の機会に説明をします。


ペアガラスの寿命は・・・?


今日の朝の寺泊の海。荒れてます。昨日は気温10度近くまであったのに今日は0度。その差10度・・・。波が白く泡状になり凍って吹き付ける拙宅のダイニングの窓。こんな暴風雪が吹きつける西側ガラス窓だけれど無論結露はない。このペアガラスはYKKのプラマードの標準品。

18年前の設置当時は10年たつとペアガラス内の乾燥空気のシールが切れ、内部ガラス面で結露するという噂が広がった。今のところ大丈夫だが、私のお手伝いした家では完成の数年後にその現象に見舞われた。勿論交換となったが、それでもその保証は10年で今販売されているペアガラスの商品も同じ。窓は明るさの取り込みと視界確保、通風の3つが機能となる。その一つの視界の確保がだめになる内部結露は、やはり20年くらいは確保してほしい。特に最近のペアガラス(LOW-Eアルゴンガス入りなど)は高価。簡単に取り換えなどとはいかないと思う。


木造伝統工法は地震に強くない??強い?

赤字は2008.1.27に加筆

上の写真は、日系ホームビルダー2月号の記事の写真。

記事と写真によると、所謂補強金物とスジカイを使わない伝統工法の耐震性を公的団体が研究調査したということ。たんてきに結論から申し上げると、地震に対しては「普通」だった。(特別弱いわけでもない)

※・・・伝統工法とは、補強金物や布基礎など使用しない工法。最近ではほとんど建築されていない。今の木造は在来木造軸組みと呼ばれ区別される。しかし今でもお寺や神社、一部の民家として建築される。一般の木造の仕様規定に当てはまらないため、全て限界耐力計算などの難易度の高い構造計算が必要。ただ単に丸太梁等を使った在来軸組み工法の家とは全く違う工法。

この実験の伝統工法は、通し柱150mm(一般では120mm)、普通の柱120mm(一般では105mm)、筋かい代わりに、土壁(貫工法)の仕様となっている。写真でもわかるとおり伝統工法でも外観などプランのバランスは今の住宅と同じような総2階建てとなっており、偏心率は0.3(偏心とは建物重点と強度の中心のずれのこと)以下となっている。柱は基礎に緊結されておらず、石に穴をあけその中に土台、柱の一部をさしてある。

震度7の地震力を与えて壊れ具合を見ると、1階の柱が折れ傾き、法的には倒壊との判断。実験した団体によると、建築基準法で定められている土壁の壁倍率をおおむね満足しており、ほぼ予想通りとの事。

これより判断できることは、伝統工法だから特別な耐震性ではないということ。逆から見れば、柱が一般より多少太く、土壁という金額のかかる家(3割以上高い)であっても、耐震性は普通の家とかわらない。いかに今の在来工法が倹約(最小部材)してできているかということがわかる。工場でその多くを造るミサワホームなどは、その柱などの構造部材のが在来工法よりもっと小さいのでその最小断面の芸当は「芸術の域」に達している。

この実験棟の伝統工法は、一応構造がわかっている人がプランしているが、地方ではもっとバランスの悪い伝統工法と在来工法を2で割ったような家がある。そんなものの実験も必要かも知れない。どんな工法であれ、自由プランであれば最終的にはその設計者の構造思想で強さが決まるとも言える。

では、伝統工法のメリットとは何だろうか?それは金属やコンクリートに頼らない正真正銘の「エコ住宅」であるということ。建物のそのほとんどが、土と木、石でできている。まだ金属精錬加工技術やコンクリートが存在しなかった時代からある技術なので、当然と言えば当然。したがって解体時にはすぐに土になるすばらしい工法。そしてエコには必ず高コストがついてくる。コピー紙もリサイクルペーパーのほうが新紙より高いのと同じ。手間が掛かるのである。それが一番の問題・・・。

PS・・・伝統工法でも「暖房」するなら「高断熱高気密」は必要。これは12年間も当HPでご説明してきた。寒いところには、今の文化では「人は住めない=手放す」 と言うこと!建てた本人は我慢できるかも知れないが、その家を引き継いだ次の世代が同じように我慢できるとは限らない。だから高齢者が住んでいた「古民家」が売りに出され暖かく改造して建築されている現実がある。


新潟での高気密高断熱住宅(基礎断熱工法)とシロアリ

昨日NHKのクローズアップ現代で、「マイホームが危ない!(アメリカカンザイシロアリ)」と言うテーマの内容で放映されました。(←1月19日放送) 写真は拙宅庭にいるヤマトシロアリ

カンザイシロアリとは、その名の通り乾いた木材を食べる分散型シロアリです。外来種で日本にはいなかった種です。この乾いた木材を食べることと、分散型というところが、今までに日本にない種で駆除を厄介にしているのです。乾いた木材を食べるシロアリなら日本にも獰猛な「イエシロアリ」がいます。このイエシロアリは大きな巣(コロニー)を持つ集中型です。大きな巣には数十万のシロアリがいるため、短時間(数年で)で大きな被害を与えます。しかし逆に集中型なのでその巣を除去できればきっちっと駆除が完了します。ところが、分散型のカンザイシロアリは至る所に小さな巣をを造るので、一箇所集中的に駆除できません。ほとんどの巣を駆除しても家の中で一箇所でも巣が残ってしまうと、再びあちこちに巣が造られるらしいです。そしてこのシロアリは新しく巣を造る時季が、今までの日本のシロアリのように年1回だけではなく、条件さえ揃えば年に何回もあることが、駆除をさらに難しくしてます。

そこでNHKのこの番組では、「ほとんど今は打つ手なし」のような印象を与えております。このシロアリの原産国のアメリカでは、燻蒸処理と言って一軒丸ごとテントで梱包して殺虫処理するそうですが、住宅密集地のある日本では良い方法といえないそうです。つまり、仮に隣に既にカンザイイエシロアリがいたなら、そのお宅も一緒に燻蒸処理しないと、数年で再び食害にあうそうです。その隣にもいたら、又さらに隣にいたら・・・となり地域一体で処理しないと効果はないそうです。さらに燻蒸処理には100万/件以上のお金がかかり、費用面でも簡単にできないそうです。

NHKのゲスト解説者は、「建築基準法の改定も必要。現在の地面に近いところだけではなく、屋根まで含めた防蟻処理予防が必要、更に加害された木は大きな穴が開くため、今までと違う被害が出る」と言ってました。これを鵜呑みにすると木造住宅の根底を覆しかねないお話です。全てが防蟻処理された木材の中で暮らすことが想像できません。いくら人体に害が少ないとは言え、防蟻剤はシロアリを殺す力を持っているので、人体に無害、環境に無関係とはいえません。それに木製家具にも巣を造るらしいとのこと。テーブルや椅子にまで防蟻処理をするのでしょうか・・・?

アメリカカンザイシロアリの駆除については研究段階と言うことです。この問題は国が統一的基準を造り、いち団体や、ハウスメーカーで対応させる問題ではないと感じます。しかし気になったのは、NHKは怖がらしておいて有効な解決策はなしという終わり方。以前も同様な指摘がNHKのクローズアップ現代にされてましたが、NHKは唯一の国営テレビです。もう少し掘り下げてしっかりと国土交通省への聞き取りも行い、あんに国民を不安がらせる様なことは慎むべきと感じます。

ある有名なシロアリ駆除業者のサイトでは、「カンザイシロアリは食害スピードが遅く、食害も大きくなく建物に致命的な被害を与えることが少ない。まず専門家に相談」と書かれてます。NHKの「大きなが空き、今までと違う被害が出る。」という印象と違うような感じですが、どちらが正しいのでしょうか?専門家の間でもオーソライズされていない害虫を、住宅の総責任者の設計者はどのように判断すればよいか苦慮してます。しかし一般的に家内部進入は、基礎通風開口部(基礎スリット)から入りやすいとの事。と言うことは緑の家の「基礎断熱工法による無開口基礎は、近隣からの飛翔であれば家内部に入りにくい構造ともいえる。かな?

今のところ新潟県ではまだ被害例がありません。よって私の歯切れが悪く「・・・だそうです。」の表現が多くなりました。


新潟市 小新の 住宅(高断熱高気密自然素材)見学会にお越し頂き感謝します。

17日18日にお越し頂いた皆様には、感謝したします。特に建て主様のご友人様には大勢お越しいただきまして、改めてお礼申し上げます。

上の写真のとおり、日曜日もこんな晴天で行われました。熱反射ガラスに青空がびしっと写ってます。

さて見学会で次のことを学びました。

1.晴天で室内温度26度(相対湿度30%)近くになる急激な温度変化環境では、「性(しょう)」の悪い自然素材の無垢の木が悪さをする場合がある。お越し頂けた方に説明が難しい・・・。

2.緑の家は、耐震性、耐久性、メンテナンス性、快適性、触感、臭感、ローコストのバランスの良い仕様。従って、すべてに高次元である部分に特化していないことの説明の難しさ。

3.無塗装の床はやはり良い。

です。

1.はなかなか難しい課題です。「緑の家」では、造作材(窓枠、扉枠)に杉のKD材18%以下を使っております。KD材とは乾燥材という材料で、特に釜で人工乾燥させた材料のことです。ですが、中には乾燥しきれない部分があり、それがこの急激な温湿度変化で乾き、反ったりしてしまうものがあります。通常は1件で1本くらいですが、時には2から3本くらいあり、見学会中におこると修正ができなく苦労します。なるべく性のいい木を使ってほしいのですが、こればっかりは、材料を製材する場面にいないとわかりません。

3.はお越し頂いた方に伺ったのですが、その方は8年前に家を建てやはり無垢材の床にされたそうですが、表面に「柿渋」を塗ったそうです。それはそれで気に入っていらっしゃるのですが、やはり8年くらいでところどころ剥がれてきて、まだら模様になっているらしいです。柿渋は床に色をつけているので、剥がれるこのころが一番見苦しいころです。ヒノキの「無塗装床」では、その時期が1年未満にくることが多く(多くが水しみによるもの)、艶が出てくる2から3年後から安定します。どちらがお好みかでしょうか?やはりそのままが私は好きですが、茶色系を望まれるか方は、やはり着色が選択肢の一つでしょう。金額が高くてとも良いとおっしゃるかたは、こんな色付無垢床もあります。


冬の見学会で悩むこと。

今日見学会にお越しいただけた皆様、ありがとうございました。
晴れている時間が結構ありましたが、気温は低めで寒い一日でした。
さて、冬の見学会で悩むことがあります。それはスーツやジャケットを冬物にできないことです。見学会の家は、どの空間でも23度くらいあり、冬物ジャケットでは汗をかくので、春夏ジャケットでご案内します。が、一歩外にでるとそこは厳寒の冬真っ只中。見た目にもギャップがあり過ぎるので困ります。
さて、今回の家では太陽光発電パネルが設置されていますが、今日の最高発電量は何と11時頃に3.0kwを記録。定格出力3.0kwの出力どおり発電しました。私が見た時は2.69Kwで、噂どおり気温が低いほうが効率は高い感じがしました。下の写真では、発電量2.69kwで消費電電力1.78kw(照明とエアコン)。その差0.91kwを東北電力さんに売電しているところです。


再びNEDOの補助金復活!!そして明日から見学会!!

今年度最後の補助金が再び公募された。昨年12月に補助金で復活したものであるが、予想通りその応募が少なく(条件である性能表示の申請が業者から嫌がられる)予算が余ったので三度の公募となった。エコキュートの今年度補助金も終わり、太陽光発電の補助金は、通常21万のなか、このNEDOの補助金はその5倍(100万)は受けられる。

過去にも数回ご案内しているが、オーブルデザインの「緑の家」はほぼ標準仕様で、補助金100万以上を受けることが可能。さらに、この補助金の条件である、性能表示申請においては、耐震強度は避難施設並みの強度を国が認める「等級2」を、100年近く大規模補修なしを認める最高ランクの劣化等級3を認められる。 詳しくは当HPトップから上のマークアイコンをクリックして、条件をご覧ください。今回は施工期間が短いのでお急ぎを!!

明日の見学会はこの補助金を受ける住宅である。勿論、避難施設と同等の耐震強度がある性能評価の耐震等級2という性能。

普通このくらいの強度ともなると、窓が小さくなって、暗くなったりするのが多いが、そこはオーブルマジックで大変明るい。家中暖房も行っているので裸足で歩いても暖かい。明日は19時ぐらいまで行っているので、是非お立ち寄りを。m(_ _)m


除雪機を譲りました。

オーブルデザインが借りている駐車場は6台ほどあるが、2年前まで小型除雪機によって除雪していた。しかし数年前からとても体がついていかなくなった。エンジンで動く除雪機であるが、やはり転回や硬い雪の場合力が必要。雪かきの次の日に体が必ず痛くなる(朝一番に行うため、私がいつも除雪するのである)。同じ除雪機を使う義兄さんは私よりも3つも上であるのにぜんぜん平気みたいであるが、私はどうも腰がついていかない。そこでお隣の会社さんから地下水を分けて頂き、融雪することにした。となると除雪機が必要なくなるため、メンテナンスをして頂いているバイク店に引きとってもらおうとしたが、お金が1万程度かかるらしい。まだ動くのにお金を払って処分するのはもったいない。そこでオークションに出品した。その前に義兄さんにお譲りしようとお声がけしたが、2台もいらないというお返事。

昨日の夕方始まり価格10円でスタート。長引くものいやだったので即決価格5000円としたら、なんと1時間で即決した。確かに年数の割には調子がいいし、なんといっても可動品。落札してから他の類似オークションをみるとジャンク品は1万以下だけれども、可動品はどれも数万以上。まったく不思議であるが、町の販売店では1万払うし、オークションでは1万以上で売れてしまう。ネットがあると不用品でもごみになりにくいかも知れない。

ヤマハの除雪機さん。25年間本当にご苦労様でした。新しい土地山形県でもうひとがんばりです。


法律厳守とは・・・。家の構造で補強金物を使わなくてもよいか?

木で作る家の構造は次の4つになる。①在来軸組み工法、②2×4工法、③丸太組み工法(ロッグハウス)、④その他(ハウスメーカーや、ラーメン工法など)
木造2階建でふうつの大きさであれば、行政のチェックが必要ない。ということは「構造に関して確認申請で第三者のチェックがされない」ということ。各設計者(建築士)が責任を持つと法律で記載があるが、まったく無法地帯ではない。①の在来工法では必要な壁を設けて、木と木の接合部には決められた金物を使わなければならない。この金物が補強金物といわれる。さらに構造の第三者チェックが必要なら、「性能表示」を取得すればよい。

ところがこの補強金物を勝手な思い込みで省略できる(している)建設会社もいまだにある。金物の省略は構造計算で確かめられた場合や、実験で確かめられた限る。したがって「この工法は昔ならの大きい丸太を使う伝統工法だから、ほぞに込栓で大丈夫」ということだけでは法律違反となる。
数年前にアガリスクががん治療に効くと販売して検挙された健康食品会社が数社あった。日本憲法で「表現の自由」が保障されているので、各個人が自分の思いをどのように表現しても罰せられるこてはない(他の人に迷惑をかけることはNG)。だから個人として「この食品はがん治療に効く」と言ってもよいが、それを販売目的で使った場合は問題がある。朝のテレビショッピングでは、メーカーが良いと言っているのではなく、買った人に「体調が良くなった」と言わせてぎりぎり法律をクリヤーしている。アガリスクががん治療に効くと言って販売したら、薬事法違反と詐欺になる可能性がある。というのはアガリスクが公の評価でがんの治療に効果があるといえないから。日本では、根拠のないことで消費者惑わたり、だましたりして販売した場合は詐欺に当たることがある(経験上大丈夫や安全では、根拠にならない。そんなことを許したら、詐欺が横行するから・・・)。
住宅も同じで、「経験で大丈夫」とか「昔ながらの伝統工法」ということでは、根拠にならない。特に安全性の最重要性能の「耐震性」においては、勝手に補強金物を省略することはできない。だから丸太木組を見せることで有名な中堅建設会社も使いたくない補強金物を使っている。木で上手に隠してあるが、省略できる根拠がないので法律を守らなければ、「違法建築」になるということを分かっているから。

あなたは、愛する家族が住まう家の安全性を、多数の学者たちがプライドかけて作った法律と、建設会社一個人の判断で決めた安全性の決まりと、どちらを信じますか?無論オーブルデザインは、前者で法律は厳守します。

この写真は、当事務所で手がけた古民家再生時の補強金物の様子。こんな木組でも根拠が確保できない場合はまず法律を守ることが重要。


外壁が無塗装の木の「緑の家」が着工② 冬外観

久しぶりに寺泊に雪が積もった。18年経った家の庭が薄っら雪化粧となった。

木の外壁はすぐに乾くので写真は乾いた時の色。濡れると木の幹に近い色になる。私は新品の木の外壁色よりこちらのほうが好きだ。

昨夜の寺泊は風速10m/sの暴風雪。気密性が1.0cm2/㎡以下の拙宅でもこの暴風では結構漏えい換気が増える。

上のグラフは昨日のリビングの床の温湿度の移り変わり(測定器は床上に直接置いた。ということは床温もほぼ22度ある。このくらいあると裸足でも問題ない)。結果は夕食時には水蒸気が多く出たことと、外気温がまだ高かった為、湿度は45%くらいだった。夜から外気温が氷点下となり、風も強く乾燥した空気と漏えい換気もちょっと増え、就寝して水蒸気発生も減ったため、湿度は40%を下回った。少し乾燥気味であるが当家族は特に問題はない。深夜湿度が少し上がるところがある。これはある事情で床を水ぶきしたため。敏感な測定機であることがわかる。

拙宅では寒がりが多いので、夜でも22度前後で寝ている。布団から多少出ていても問題ないくらいの温度だ。ちょっと贅沢であるが、家自体が小さいのでエネルギーはそう多く使わないので許していただきたい。グラフ中、系列1,2は湿度、3,4は露点温度、5,6は温度。各二つデータがあるのは、同じところに置いた測定器のデータを比較するため。ほぼ同じデータが得られて安心した(違っていたら測定値の絶対値が正しくない可能性がおおきいため)。

欅の細い枝に雪が積もったときの美しさは、桜の満開と同じように感動もの。しかも雪が音を吸音するので無音の静けさ。無塗装の木の外壁が温かみを与える景色となる。

左側が車庫、その上が菜園となっていて、外階段で上にあがることができる。この暴風でも今のところ菜園に植えられたブロッコリーは塩もみにならない。潮風よけの壁と屋根を昨年作ってよかった。(o^-^o)


外壁が木の「緑の家」が着工①

ターシャ・デューダの家に憧れ、昨年から薦めてきた外壁に木を採用した「緑の家」が三条市で着工した。外壁が木の家は、「緑の家」が目指すお勧め外壁である中霧島壁と双頭になる素材。加えて建設地の地域性を加味した耐雪2mを確保。完成がとても楽しみである。また、同じ三条市で内部のインテリアがターシャ・デューダ風の家の着工も間近。こちらも楽しみである。

写真は拙宅の外壁と玄関戸部分。同じ時期にリフォームで新調したが、ご覧の通り外壁は、グレーになって来ているが、玄関戸はリボスオイルふき取りを2回したのでまだ新品の色を残している。これだけで見ると、オイルふき取りがよさそうに見える。がしかし、近くで見ると、玄関戸のほうはところどころグレーのまだらがありなんとなく表面もやわらかさがない。これを見て家族は、「やっぱりオイルをふき取りしなければ良かった。無塗装の木の感じのほうが良い!!」と言う。確かに私もそう思うのである。ではなぜオイルを塗ったかと言うと、玄関戸は可動する部分。一方外壁は固定部分。可動する部分は、自然素材の特徴である木の伸び縮みがあると、可動に支障きたしてしまう。そこでこの厚さ60mmもある木の戸(スェエーデン製)は、ある工夫がしてある。それは表面が無垢の木が貼ってあるが、中は断熱材があり1mm程度のアルミ板が2枚入っている。表面の木の厚さは数ミリしかないので、劣化をなるべく防止したい。この薄い木を長持ちさせるため、質感と見た目より耐劣化を選んだ。

更に玄関戸こだわりは、玄関戸のガラスがトーメイであること。日本の住宅玄関戸に使われるガラスは99%不透明。しかし思い出してほしい。数十年前、木の外壁が主流だったころの家の玄関戸は、トーメイだった。一部下のほうは曇りガラスのところもあったが、多くはトーメイガラスだった。そういえば米国のドラマに出てくる普通の一戸建て住宅の玄関戸(内開きが多い)はほとんどがトーメイガラス。鍵を開ける前に相手の顔が見えるというもの(だからついつい、バルコニーの戸と勘違いして見ている)。このわけは、米国の普通の一戸建て住宅の多くが、建物の前に庭がある。その綺麗な庭も見えるという事を優先しているのであろう。前庭があると言うことは逆に道路からは距離があるのでトーメイでも問題ない。米国でも集合住宅ではガラスすらなく、完全に防犯性にウエイトをおいている。日本でも集合住宅は防犯性が大事。勿論、玄関戸の外は、廊下だけだから「見える」必要性がない。そう考えるとせっかく綺麗なアプローチがあるなら、玄関戸はトーメイが良いのではとなる。特に小さな敷地ほどせっかくのアプローチを緑で飾り活かすなら玄関戸のガラスは、トーメイがお勧め。特に南向き敷地に建つ家は、南側にお庭が配置されるので、そのお庭を楽しむことができる。この考えが極端になると、南のバルコニーサッシが玄関をかねる家になる。無論、ガラスが大きくトーメイであれば、玄関内も明るい。気をつけることは、ガラスが大きい場合は、強化ガラスか防犯ガラスがよい。

写真の玄関戸のガラスを見てもらうとわかるとおり、ガラスに景色が反射して、中が見えない。そうこのガラスは3層になっており、第一層目が強化ガラス、二、三層目が金属膜コーティング複層ガラス(所謂ハーフミラー)であるので、昼間はそのままでも中が見えにくい。夜は見えるのでカーテンか、プランに工夫が必要。既にこの扉で5棟の実績があり評判は良い。


太陽発電、CO2を38%削減するローコストなエコ住宅の完成見学会

2階にある造り付けの手洗いです。配管まで綺麗にデザインされたかのようです。これでもローコストなのですよ。ボール本体は1万弱。水栓は1.5万、配管類など2.5万、カウンター1万です。つま先が入るスリットもあり、よく機能を考えてます。

本題ですが、小新S邸が完成したので見学会を行います。日時場所はこちらです。

Sさんは、小さなお子様が2人いらっしゃいます。そのお子様に自然エネルギーやエコの大切さを実践したい。そのためにも「太陽光発電」は是非設置したい!!との強いご希望で、予算オーバーにもかかわらず、別予算を組んで設置した、とても高い志の建て主さんです。当事務所も少しでも役にたてればと思い補助金を探し、NEDOの補助金が運よく当てはまりました。さて補助金には規定があり、申請の条件が家の性能表示申請が義務でしたので、無論申請しました。ただ申請するのは簡単ですが、やはりそこは設計事務所。耐震性や耐久性にこだわりました。

当事務悪所の「緑の家」は、ほぼ標準仕様で耐震等級2、劣化対策等級3(最高ランク)です。耐震等級2とは、災害時避難施設となる学校や病院と同じ耐震強度があります。耐震等級の最低ランクの等級1とは大きな差があります。また劣化対策等級3とは、90年間大規模な修繕が必要ない高耐久住宅です。また次世代断熱基準より1.25倍優れた断熱性能、維持管理しやすさも最高ランクと、ローコストで基本性能は最高を取得してます。どうぞお越しください。土曜日は19時までお待ちしております。


ペレットストーブと薪ストーブ?高断熱高気密住宅との相性は?

緑字2014.01加筆 修正

赤字小文字2009.01.12加筆

ペレットストーブという暖房機が知られるようになってきた。ペレットストーブとは、木のくずなどを圧縮して燃料として使うストーブのこと。このペレットストーブのメリットは2つ。再生可能な燃料を使うことと、カーボンニュートラル(人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量と言うこと)。この同じような特性をもつ暖房機としては「薪ストーブ」がある。薪ストーブとちがいは、電気を使うかどうかということ(一部ペレットストーブは電気を使わないが、逆にペレットのよさがなくなる)。

ではペレットストーブと薪ストーブを比べたときのメリットとデメリットは・・・

ペレットストーブのほうが優れる点として、設置が簡単(施工費が小)なものが多い。これは電気による送風気を使って、燃焼空気を強制的に給排するため、煙突がなくてよいため。薪ストーブの最大の欠点である設置経費は煙突にあると言っても良いくらい高い。次に電気を使って燃料を定期的に補給するため、燃焼時間が長い。薪ストーブは、薪を人が必ず投入する必要があるため長くても1~2時間に一回程度薪を入れる必要がある。ペレットストーブは、機種にもよるが数時間から数十時間に一回で済む。加えてペレットの保管が薪と比較して楽である。薪ストーブは薪が綺麗ではないので床が汚れる。

私も2012年から薪ストーブユーザー。土間に設置される薪ストーブは相性抜群

薪ストーブがペレットストーブより優れている点は、先ほどの逆で電気を一切使わないと言うこと。ペレットストーブは機種にもよるが比較的大きな消費電力(100W~300W )である。(国産機種で消費電力50Wの物を発見。さすが国産のサンポット!)この電力の大きさは、同じ発熱量のFF石油ストーブの3~5倍程度になる。だから実際はペレットストーブはカーボンニュートラルではない。しかし薪ストーブは名実ともにカーボンニュートラルである。燃料費はこの電気代を加算すると同じくらいになるはず。次のメリットは、炎が美しいと言うこと。美しさには人それぞれの基準があるが、電気を使うペレットストーブはファン音がうるさくて、炎を純粋に楽しむことが薪ストーブより劣る。加えて、薪の炎とペレットの炎は感じが大きく違う(私はやっぱり薪ストーブの炎が良い)。

結論は、FF石油ストーブの代わりとしてペレットストーブはお勧めとなるが、薪ストーブの代わりにはならない。特にFF式ペレットストーブは、高気密高断熱住宅とは相性がとてもよい。よほどでない限り市街地でも設置できるでも(ただし住宅密集地では設置不可)。薪ストーブは無論、密集した市街地では、匂いや煙で近所からクレームを受けるが、まだ燃焼が安定しているペレットストーブは、この点は少し優れている。

しかし薪ストーブが高気密高断熱住宅にふさわしくないかと言うと、とてもふさわしい!!但し外気導入タイプか、それと同じようなシステムを考えないと、レンジフードを使ったとき、煙が逆流したり、せっかくの高気密での計画換気が崩れ、エネルギーロスを多く生む。高気密高断熱住宅と言いながら、完成時気密測定をしていない家なら問題はないかも知れないが・・・。

ちなみに灯油が100円/リットルであれば、ペレットと同じコストパフォーマンス。灯油が75円/リットルならペレットが灯油より1.25倍高い暖房費用となる試算(発熱量あたりの単価)がある。今現在では灯油のほうが25%以上安く暖房できる。

さてあなたはどちらがお好みですか? 


新潟、海、家、冬、自然

今日は久しぶりに穏やかな海。朝の空は西の空が光り輝いている。地元の人が家を造るとき、西である海にはなるべく窓を設けないらしいが、拙宅や、他の地域から移り住んできた人は、やっぱり西にも窓を大きくとる。(夏の西日対策は、浜茶屋のようなすだれが海に似合う。)このような景観を毎日感謝してみるため。

海の近くに住んでいると、冬の海も素晴らしいということを教えてくれる。写真2枚目と3枚目は昨年のショット。テレビではよく目にする「波の花」。風に乗って国道まで舞ってきて、まるで桜吹雪のようになる。


新潟、海、家、冬、自然 お正月、瓦屋根など色々

26日の年末から今日まで、寺泊ではずっと風が強いまま。平均風速7m/s以上だろうか?この土地に18年近く住んでいるので慣れてはいるが、外に出れないのはつらい。風の轟きは止むこともなく、ちょっと近年では珍しいくらい強い風が続いている。しかしこのくらいの風であると、1km内地に入るだけで風がなくなる。寺泊の海岸部は東に山(丘)が連なり、この丘を越えると風が急に弱くなる。さらに10Km内地にはいると(旧分水町)そよかぜ程度になる。こんな強い風でも家の中は全く快適。裸足で家中過ごせる。自宅が高気密高断熱でなかったらとってもここには住めない。


年末の町内配布物として写真のパンフが配られた。耐震診断と耐震補強の薦めである。それを見ると昭和56年以前の家は、耐震性が低い可能性が高い。だから耐震診断を受けてほしいとのこと。補助が7万程度出るので、診断費用は1万で済む。確かに昭和56年以前は、筋かいの端部補強金物さえまともに入っていない家が多い。速やかな耐震補強は是非とも行ってほしい。正月に家族が集まるので、効果的なタイミングでの配布である。しかし誤解させるような書き方もパンフレットにある。そのひとつに和瓦の家が危険のように書かれているが、和瓦の家だから危険であるということにはならない。和瓦の家が注意する点は2つあり、ひとつは瓦の落下である。もうひとつは瓦の重さで家にかかる地震力が大きくなり、家や人に損傷を与えることである。しかしいずれも適切な設計と施工で全く問題ではなくなる。重い瓦がだめであれば、それより数倍重い積雪はどうかんがえるのだろう。屋根に雪があるときに、地震が来ないという保証はない。和瓦は耐久性が60年以上あり、加えてその材料がほとんど土であるというすぐれた建築材料である。間違った印象を与える書き方には注意が必要である。

皆さんは、ご自分の家の耐雪の量を設計者から聞いたことがあるだろうか?雪の重みは瓦の数倍になる。当事務所ではここ数年で耐雪住宅を5棟計画した。うち2棟は2.5mまでの雪に耐えられる。耐地震力は、建築基準法の1.25倍以上で計画したので、瓦が4層以上に重ねて積まれても全く問題ないくらいの耐震性をほこる。今後雪下ろしの可能性がある地方の家は、このような住宅がよいとと思う。


新潟市で完成見学会 1月17日、18日 (高気密 高断熱 高耐震 高耐久)

前続きで写真は、80年以上前の鉄で造られた水門のアップです。機械的な楽しいデザインがお気に入りで、実際の物を見た時は、その美しさに震えました。本当の色はオレンジ色で非常に深く派手です。このデザインが気に入って、濃い色黒に変換してノートパソコンの壁紙として使ってます。

さて、完成見学会を1月17日18日と行います。場所は新潟市小新で黒崎ICから車で5分くらいのところです。後日HP上でご案内します。
特徴は、建て主さんのたっての希望で太陽光発電を3KW屋根に設置していることと、住宅性能表示の設計建設評価住宅です。無論その耐震等級は2という数百年に一回の大地震の1.25倍の力でも倒壊、修繕不可能な被害が起きない性能ということを、法律によって認められた家です。簡単にいうと地震の際の避難所となる体育館、公共の施設と同じくらいの丈夫な建物性能ということです。○×工法だから地震に強いとか、壁倍率3.5だから強いとかいう、ほとんど偽りのような広告の家とは違います。壁がいくら強くても、建物全体のバランスや強度がなかったら意味はありませんから・・・。特に注文住宅では一個一個プランが違いますから、それぞれ耐震強度が違うことは当たり前です。また劣化等級も最高ランクを取得。これらを通常の「緑の家」の標準仕様で満足するのですからいかに優れているかおわかり頂けると思います。


職人魂のデザイン


この橋のデザインはたのしい。それはだだ機能だけのデザインではなく、遊び心も持ち合わせているため。詳しく調べてはいないが、築造年は70年前以上と思われれる。機能だけでデザインすれば、現在造られる橋の多くがそうであるように、すっきりとシンプルの機能と効率を最優先した橋となる。それはそれで美しいが、この写真のように遊び心をもった昔の職人気質の技術者(設計者)がつくると、シンメトリーをわざと崩すようなデザインや部材の使い方になる。橋の上部をつなぐ梁部分のデザインがそれぞれ違う。そしてアーチ部分も微妙に変形している。無駄な部材はないのだけれど、必要な部材でデザインすることを楽しんでいる。こういう職人魂は私も見習いたいし、心がけている。楽しいということは心が軽くなる。機能美が美しい古い木造建築でさえも実は遊びが顕著に現れるところがある。それは「建具」と言われる扉(雨戸、障子、ふすま)。必要な部材だけで楽しく、時には凛として造られている。その細い木が一本がないと建具が成り立たないそんな必要な部材で造られるから、昨今のような「うわべ」だけを繕った安易なデザインとは違う。そこにとても魅力を感じる。

PS

少しこの橋を調べてみたら、やっぱり異色橋梁設計者「増田淳」という技術者だった。通常は政府が設計する橋梁を個人事務所で委託設計をしていたという紹介があった。なるほど。


暖房器具が必要ない生活。という、うらやましいご質問。

今日、この夏に家が完成した建て主さんからエアコンの使い方のお問い合わせがあった。その中で「今の季節でも晴れると暖かすぎて2階では半袖です。」との事。本当にうらやましいですね。このお宅は2階にリビングダイニングがある逆転プランの家。だから2階の南には大きな窓があり、そこから冬至の低い高度の太陽でもきっちり暖かさが入り込む。これが1階リビングだったらこうは行かない。今の太陽高度は30度弱。単純計算でも南隣地と11mぐらい離れていなければ、1階には光は入らない。だから市街地ではほとんど難しい。しかし2階リビングであると、この距離が半分になる。5m南側隣地離れていれば太陽光が入る。太陽光が入れば、そこは高断熱の家。暖房OFFでも室温はどんどん上がり24度を簡単に超えてしまう。これは2階がリビングだから価値がある。昼間使わない寝室ではカーテンが閉められ、こううまくは行かない。そもそも昼間いないのでせっかくあったかいのに活用できない。このお宅では夏、風が通り庇もあるのでほとんどエアコンなしですごしたとの事。もし2階リビングをお考えなら、明るさだけではなく、冬晴れれば昼間暖房器具が要らない生活ができる。2階リビングでなくとも吹き抜け窓をうまく活用すれば、同じように暖房が必要ない冬の時が過ごせる。すごいです!!


高断熱高気密住宅の湿度 本当に湿度が低いか?

高断熱高気密住宅は過乾燥になりやすいと言われる。その通りであり、時には間違っている。

上のグラフは、高断熱高気密住宅の湿度の日中変化と、同じ日の事務所内の湿度変化を測定したもの。

すると事務所のほうが湿度40%前後に対して、住宅のほうは、湿度、高断熱高気密住宅の湿度は50%前後になっている。これは当たり前の結果がである。住宅は高断熱高気密のため、換気量がしっかりと調整されている。換気量がある一定に調整されれば、そこは「気密住宅=防湿層がしっかりある」ので湿気の壁内流失や天井から流失も非常に少ない。一方事務所は中気密低断熱のオフィス(当事務所)。換気もいい加減で防湿層もない。すると部屋の空気はどんどん室外の絶対湿度の低い空気に近づく。だから住宅より乾燥する。勿論水蒸気発生源が住宅のほうが多いことも主要因。水蒸気発生源のトップは人。続いて洗濯物、炊事、風呂等。事務所ではこれらの水蒸気発生源のうち、人が主となるためたとえ高気密高断熱構造でも乾燥しやすい。だから高断熱高気密住宅より事務所のほうが圧倒的に乾燥感があるはずであるが、事務所ではいつも発汗が促される仕事が多いので ( ̄Д ̄;; 感じにくいかも知れない。

さて、ではどうして高断熱高気密住宅の湿度 は低いと言われるのだろう。(但し、赤ちゃんを始め、高齢者、病気療養中の方は、湿度60%位が体にやさしいと言われているので湿度50%でも注意が必要)

1.住宅では湿度計を良く見る機会が多い。(湿度計表示がいい加減)

2.家の大きさが住人に対し大きい。

3.すぐ洗濯物が乾くことを見て、心理的に思い込む。

4.発汗作用の低い時間が多い(就寝、休養時など)ので乾燥感を感じる。

ではないかとおもう。特に2の「家の大きさが住人に対し大きい。」は大きい理由。それは7年ほど前に始まったシックハウス法により、家の換気が義務付けられほとんどの場合換気回数(住宅内の容積に対し時間当たり何回空気が変わるか)が0.5回以上と定められたたため。私みたいに高断熱高気密住宅を20年作っていると、家の大きさが住人に対し大きいときの冬は、換気回数が0.30くらいあればよしと判断できる。この判断は、寝室にある給気量で決める。一人当たり一時間に25m3の空気が必要。すると4人家族で100m3となる。家の大きさが40坪であれば、家の容積は約360m3。この360m3の1/3は120m3となりほぼ一致する。ただし、当事務所ののような換気システムでないとだめ。当事務所は必ず寝室に強制給気扇を設置しているから。穴が開いているだけの給気口では、安定して空気を必要量供給できない。またセントラル換気のように家中で給気量を平均的に確保するタイプも厳しい。なぜか?はまた次の機会に。


見学会にお越しいただいてありがとうございます。

昨日一昨日と新潟市粟山で完成見学会を行いました。新聞広告チラシ1万9千枚と当Webのそう多くないご案内でしたが、土曜日はご近所さん、同業他社さんを含め約60人様、日曜日は約20人様も悪天候の中、お越しいただき感謝しております。また完成会場を快くお貸し頂いた建て主様はじめ、施工会社さんには本当にありがとうございました。
事務所開設からはや10年以上たちましたが、「緑の家」のコンセプトはほとんど変化しておりません。これはとても事務所の自慢なのです。がしかし、10年前は「緑の家」の仕様は非常にインパクトがあり、同じチラシを入れさせて頂いても、来場者さまは今の倍近くいつもいらっしゃっておりました。ところが昨今は自然素材ブームや高気密高断熱が当たり前、また奇抜なデザインの住宅会社もあって、ご来場される方は昔ほどそう多くありません。少ないことが逆に濃くしっかりとした説明ができることで、貴重な時間を割いてお越しいただいた皆様に還元できることがよい良いと思っております。自然素材ブームでも間違った木の使い方や、構造を無視した奇抜なデザイン、耐久性を無視した外部への木の露出は、再び自然素材を封印する方向になる危機感を覚えます。だからこそ・・・
これからも無塗装の木の良さや、構造計算の大切さ、高基礎がもたらす様々な恩恵奇抜でない美しい外観を建て主様に広くお伝えしたいと改めて決意しました。長く愛せる良い家をローコストでご提供できるようにこれからも精進して参りたいとおもいます。

PS
最近は玄関にタイルを貼ることがとても少なくなりました。というのは、どんなにきれいなタイルを貼っても、日本のような雨の多い気候は、10年以上経過すると「藻」が生え緑色になります。その時に感じがよいのは自然石やざっくりしたレンガ、モルタルのような無機質素材と感じたからです。
次回の見学会は1月中旬ごろ、新潟市の小新で行います。ぜひご参加いただければと思ってます。


NEDOの補助金 20年度2回目公募募集に申し込みました。

まず最初に、今週末完成見学会を新潟市で行うので是非足をお運びください。詳しくはここです。

NEDOの補助金は金額が非常に大きい。実質今日が締め切りになるが、本日ヤマト宅配便午前中着便で申し込んだ。予定補助金額は100万/件を超える。今まで行われた太陽光発電パネルの補助金でさえも通常30万がMAXなのに、それに比べNEDOの補助金は3倍以上にもなる。だから申し込みが多いかと思うと確かに今年は多かったが、申し込み絶対数は少ない。新潟県ではほとんどが大手ハウスメーカーとなる。

なぜか?それは補助金の申請が「設計的」にとても難しい。まず新築の補助金の絶対条件が住宅設計性能表示取得だからである。この取得で温熱環境の等級4(所謂、次世代断熱基準)は、高気密高断熱の技術者なら比較的簡単。問題は住宅設計性能表示申請はすべての10項目の申請が必要であるため、他の性能もあからさまになってしまうからいやがられる。しかしこの言い分はユーザーを無視している。この住宅設計性能表示の法律の趣旨は、ユーザー(建て主)に家の性能を客観的にオープン評価にしようといいうものであるからだ。つまり各業者の表示はいい加減と言うこと。

たとえば耐震性と言う項目があるが、地震に強い家と言ったら、性能表示の等級2、3だろう。等級1は、建築基準法のぎりぎりレベル。つまり最低限の耐震性でこれ以下はない。だから「うちは地震に強い家です。」と言って営業して取得できた耐震性の表示が等級1だったらほとんど「詐欺」である。これ以下はない基準しか取得できないで地震に強い家はないから。通常等級1も計算していない自由設計と言っている建設会社は、この性能表示を申請することを嫌うのである(口では何とでも言えると言うこと)。また自由設計(注文住宅)は、基本設計の段階から耐震性をチェックしなければ等級2、3は取得しにくい。営業職がプランを行う会社は、チェックできないのでこれも嫌われる原因である。しかし、すべて建て主側から見ればまったくおかしい理由となる。

「緑の家」の耐震基準は「等級2」である。等級2とは、大きな地震がきたときに避難する公共の体育館や学校、市役所などの建築設計基準と同じ。自分の家より体育館が安心というのは、住宅設計者として恥ずかしいこと。自分の家が避難所とおなじくらい安心という家が私のポリシー。


新潟での高気密高断熱の冬の温度、湿度 その2

早速測定しました。

まず最初に行ったのが、新潟の冬の空気は乾いていることの証明。

グラフは昨日の夕方雨が降り始めてからの、外の湿度と事務所内の湿度を比べたもの。

相対湿度と言われる天気予報で紹介される屋外湿度は、夕方からどんどん上がり60%から明け方には95%になった。一方事務所内は、45%くらいで安定。これを見ると「やっぱり新潟の冬は湿っぽい」と言われそうだが、黄色の線と茶色の線があらわす絶対湿度(空気中の湿気の重量)はいつも事務所内が多い。特に人が働いている夕方は多く、人がいなくなる明け方には外部の絶対湿度に近づく。このように空気中の湿気は、雨が降っていても外の方がないのだ。新潟の冬の空気も外のほうが室内より乾いているのだ。

この乾いている空気が室内に入ると(所謂換気)もっと乾き、相対湿度が40%くらいで安定することになる。換気が多すぎたり、低気密の建物であると、壁を通して室内から室外に湿気が逃げ相対湿度が下がり、乾燥感を感じるのである。


新潟での高気密高断熱の冬の温度、湿度

今までは空気の温度と湿度を測ることはそう簡単ではなかった。温度はともかく湿度がなかなか正確に測れない。また、長期データを録ろうとすると計器が4万/台等、「高価」だったりしていた。今までオーブルデザインでは、新潟大学の自然科学研究科に測定して頂いたり、研究室の測定データを使わせて頂いたりした。ところが最近は安価(2万/台)にある程度の精度で測定できる機器が多くなったので2台購入した。写真の機器が30分最長半年間は連続測定可能な機器であり、10秒間隔でも5日も測れる。露点温度が表示できグラフも簡単に表示できエクセルへの取り込みも簡単である。写真のグラフは、10秒間隔で取り込んだデータ。瞬間的に数値が高くなるのは、手で持ったときのデータ部分のため。非常に敏感な機器でありながら、屋外使用可。これで同時に屋内外のデータを抽出可能。色々と楽しみな使い方ができるし、科学的解析も多少できる 。

大きさの比較をするためSDメモリーを置いてみた。グラフは事務所内の温湿度。低気密低断熱建物であるが、湿度は40%以上をキープ。(低気密ほど乾燥するので普通の事務所では湿度30%台となる)


新潟、海、家、冬、自然

新潟の冬はご存じのとおり厚い雲と台風並みの季節風が3日に1度はふきあれる。太平洋側の地域から移り住んできた人は、この天候をとても憂鬱に思う人が多い。確かに曇りや雨は「陰」の気配で「陽」ではないが、時には地球の歩みを垣間見させてくれる。
拙宅は日本海に面して建っている。よく「夏はいいでしょう・・・。」と言われ冬の事はあまりほめられたことがない。しかしここに住んでいると夏も冬も素晴らしい。(勿論秋も春もよいのであるが・・・。)写真は冬の嵐が通り過ぎた日の日本海。遠く(佐渡手前)で雨が降っているんのだけれど、東から朝日があたるので(つまり遮るものがないので)、海と空の接点で虹となる。まるくないけれど虹である。ちょうど夏に水撒きしているときに、虹を見るように・・・。
そして風が完全に納まると、今の季節は海面から水蒸気があがる。この水蒸気が沢山集まり新潟平野に雪を降らせる。そんな自然がバランスをとりながら時を刻んできたことを実感できる。
こんな風に感じることができるのは、拙宅が高気密高断熱で寒さを全く感じずに窓の風景を楽しむ事ができるためである。家中22度という環境では、外が氷点下ということを忘れさせてくれる。18年前は、高気密高断熱なんてすぐ腐るとか、そこまで必要ないとかで、大手ハウスメーカーから大工さんまでほとんど否定していた。それが今ではほとんどが高気密高断熱が基本となった(今度は緑の家の高基礎や無塗装仕様が標準となるだろう)。築18年となった拙宅。嵐にも負けずに頑張ってきた家。すごく愛しい。これからもよろしく。そして皆様の住んでいる「緑の家」も住人の熱い思いを受けていると願いたい。思いは家を長生きさせる力があるから・・・。


過去の掲示板の内容 その他色々

HP更新ののため、同じフォルダーに入っている過去掲示板をよみ返した。すると・・・何年経っても「ぶれ」ていない書込みがされており感心した(自画自賛)。2002年の集成材の話や、ファンヒーター廃止運動などなど・・・。今でももっともだと言う話。

家は他の家電製品や車などの最先端科学搭載の機器と同じように変化するものではない。時代に左右されない構造や性能が求められる。設備は入れ替え可能だから最先端でも問題ないが、基礎や柱、暖かさの性能などは50年(暖かさは30年)以上現役でいなければならない。だから毎年チラシを見るたびに変わるメーカーや建築会社の家には抵抗がある。・・・そういうおもいで「緑の家」は造られている。だから10年前に建てた家と今建てている家に違いはなく、今でも感じが良い「緑の家」だ。

8年前の緑の家の内部。今と変わりなくヒノキの無塗装の床


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