新潟での高気密高断熱住宅(基礎断熱工法)とシロアリ

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昨日NHKのクローズアップ現代で、「マイホームが危ない!(アメリカカンザイシロアリ)」と言うテーマの内容で放映されました。(←1月19日放送) 写真は拙宅庭にいるヤマトシロアリ

カンザイシロアリとは、その名の通り乾いた木材を食べる分散型シロアリです。外来種で日本にはいなかった種です。この乾いた木材を食べることと、分散型というところが、今までに日本にない種で駆除を厄介にしているのです。乾いた木材を食べるシロアリなら日本にも獰猛な「イエシロアリ」がいます。このイエシロアリは大きな巣(コロニー)を持つ集中型です。大きな巣には数十万のシロアリがいるため、短時間(数年で)で大きな被害を与えます。しかし逆に集中型なのでその巣を除去できればきっちっと駆除が完了します。ところが、分散型のカンザイシロアリは至る所に小さな巣をを造るので、一箇所集中的に駆除できません。ほとんどの巣を駆除しても家の中で一箇所でも巣が残ってしまうと、再びあちこちに巣が造られるらしいです。そしてこのシロアリは新しく巣を造る時季が、今までの日本のシロアリのように年1回だけではなく、条件さえ揃えば年に何回もあることが、駆除をさらに難しくしてます。

そこでNHKのこの番組では、「ほとんど今は打つ手なし」のような印象を与えております。このシロアリの原産国のアメリカでは、燻蒸処理と言って一軒丸ごとテントで梱包して殺虫処理するそうですが、住宅密集地のある日本では良い方法といえないそうです。つまり、仮に隣に既にカンザイイエシロアリがいたなら、そのお宅も一緒に燻蒸処理しないと、数年で再び食害にあうそうです。その隣にもいたら、又さらに隣にいたら・・・となり地域一体で処理しないと効果はないそうです。さらに燻蒸処理には100万/件以上のお金がかかり、費用面でも簡単にできないそうです。

NHKのゲスト解説者は、「建築基準法の改定も必要。現在の地面に近いところだけではなく、屋根まで含めた防蟻処理予防が必要、更に加害された木は大きな穴が開くため、今までと違う被害が出る」と言ってました。これを鵜呑みにすると木造住宅の根底を覆しかねないお話です。全てが防蟻処理された木材の中で暮らすことが想像できません。いくら人体に害が少ないとは言え、防蟻剤はシロアリを殺す力を持っているので、人体に無害、環境に無関係とはいえません。それに木製家具にも巣を造るらしいとのこと。テーブルや椅子にまで防蟻処理をするのでしょうか・・・?

アメリカカンザイシロアリの駆除については研究段階と言うことです。この問題は国が統一的基準を造り、いち団体や、ハウスメーカーで対応させる問題ではないと感じます。しかし気になったのは、NHKは怖がらしておいて有効な解決策はなしという終わり方。以前も同様な指摘がNHKのクローズアップ現代にされてましたが、NHKは唯一の国営テレビです。もう少し掘り下げてしっかりと国土交通省への聞き取りも行い、あんに国民を不安がらせる様なことは慎むべきと感じます。

ある有名なシロアリ駆除業者のサイトでは、「カンザイシロアリは食害スピードが遅く、食害も大きくなく建物に致命的な被害を与えることが少ない。まず専門家に相談」と書かれてます。NHKの「大きなが空き、今までと違う被害が出る。」という印象と違うような感じですが、どちらが正しいのでしょうか?専門家の間でもオーソライズされていない害虫を、住宅の総責任者の設計者はどのように判断すればよいか苦慮してます。しかし一般的に家内部進入は、基礎通風開口部(基礎スリット)から入りやすいとの事。と言うことは緑の家の「基礎断熱工法による無開口基礎は、近隣からの飛翔であれば家内部に入りにくい構造ともいえる。かな?

今のところ新潟県ではまだ被害例がありません。よって私の歯切れが悪く「・・・だそうです。」の表現が多くなりました。

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