タイトルのとおり、拙宅の屋上(車庫の屋根の上)で10帖弱のミニ菜園を今年から始めました。拙宅はど田舎(町内の人に怒られるかな)のくせに、バブルの名残で当時は土地の購入代金が高く、60坪程度しか購入できませせんでした。家を建て、車の置くスペースとウッドデッキと小さな花壇を設けると、とても家庭菜園までスペースはまわりません。そこで車庫の上を菜園にする事にしました。(しかできなかったですが・・・)しかし菜園からは海が見えると言う何と言う贅沢で無謀な挑戦です。(何と言っても海風が強く、10年以上前に菜園を作ったときは一晩の強風で、土に生えたまま漬物のように・・・(ToT) 。以来菜園はあきらめたのですが、最近家庭菜園の先生に出会いまして、妻が奮起しました。)また、最近の高価な屋上緑化技術は採用せず、一般の製品や汎用のものを組み合わせて安価に計画したというおまけ付です。どうなることやら・・・でも収穫が楽しみです。(私は菜園のことは何にもしておりません。妻にまかせっきりですので食べるだけです。 )
初夏の香り「ラズベリー」
今が真っ盛りの果物といえば、「イチゴ」ではないでしょうか?そのイチゴの仲間の「ラズベリー」摘みは、私の家の年間行事。ということでベリー摘みに行きました。今年は気候がいつもと違っており期待できなかったのですが、これがなかなか取れました。赤い方がクサイチゴと呼ばれるベリーで、ほのかな酸味がある癖のない種です。よくショートケーキの飾りに多く使われる種ではないでしょうか?また同じ赤でもナワシロイチゴもたまに有り、熟したものは甘くおいしいのですが、熟していないと味がワイルドです。オレンジ色のは、言わずとしれたモミジイチゴです。熟したものは甘くおいしいです。が、たまに実の中に虫の幼虫が潜んでいる事が多いです。食べても問題ないですが、最近の清潔感覚ではやはり摘んで取り出したいと思います。モミジイチゴは、写真にあるとおり山道ではどこでも見かけます。見つけたら是非食してみては如何でしょうか?野生にある数少ない甘く手軽に取れる果物です。自然のありがたみと、いつもの手軽に買える果物のありがたさも実感できます。くれぐれも「とげ」には注意してください。
全て広告か?
最近、住宅雑誌の発行(編集)社からの問い合わせが多くなっている。そのほとんどが広告料を払っての記事作成掲載である。インターネットが普及する前は、確かに情報を発信する媒体として大変有力であったが、最近はネットの普及で雑誌系の情報発信はそれほど効果的でもないと考えている。したがってわざわざ高い広告料金を払って、雑誌に記事掲載してもらう事は考えていない。雑誌において世の中の状況は、ほとんど広告料払って記事製作されているのに、雑誌の購入者は、なぜか広告料を払っていないと思っている人が多い。「よい家だから紹介された」。「よい工法だから、よい会社だから紹介された」と思って読んである人が多い。最近ではハードカバーのかかっている文庫本形式の家の本でも、ほとんどが最後は執筆者の利害関係がある会社への誘導と紹介である。今までは、TVのように流れてしまう情報より、活字の本や新聞の方が確かだといわれていたが、新聞もどこまでが記事でどこまでが広告なのかわざわざわかりにくいように編集してある感じがする。新聞は無論、書籍も正しい情報を伝えるメディアでは無くなったのかもしれない。「広告=正しくない情報」ではないが、どうも一方的な感じがするものが多い。すると正しい情報はどこから仕入れることができるのだろうか?一つは、国の機関が発信する情報。(時々問題もあるが・・・)次は専門の精査された論文である。精査されない論文は情報として問題が多い。時々間違いを堂々と発表するものさえある。一方数人のレフリーに審査されてOKがでた論文は、その業界紙や団体の論文発表誌に掲載される。ところがこういった審査された論文は、専門家向けに内容を略したりしており一般的にわかりにくい。そのためその論文から情報を得るためには、論文に携わった非営利団体や、同じく携わった利害関係がない専門者の噛み砕いた情報が、広告ではなく現時点で正しいと思われる情報ではないかと思う。
例えば「家の雑誌」関係では、
http://homepage3.nifty.com/net-forum/honnne/honnelink/zasshi.htm
等が専門家としての良心が感じられる。が、建築士を設計士と誤表記が・・・。
また、建築以外に「水」の事に関しては
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/index.html
等が偏らず論理的に噛み砕いて解説されているように思う。ネットでは膨大な情報があるが、その情報を精査し、正しく受け取りたいものである。
貝の化石
27日(日)は、久しぶりに自由な時間が取れたので娘と貝の化石を探しに行った。自宅の寺泊周辺の情報をネットで集めようと思ったが見つからず、事務所のある三条で検索するとあるコメントを見つけた。現在教育委員会で考古学を業としている方のコラムである。その人は、私の古い友人のお兄さんで、よく車を貸してもらい、その友人に乗せてもらった記憶がある。コラムは、考古楽から考古学になる経緯が記されている。40年も前の子供のころの出会いが、今もはっきりと記憶されているらしい。その記憶には、考古学の面白さを語る大人がいて、その事がその人の将来を決めたと言ってもいいほど、衝撃を与えたのだろう。改めて人生には「好奇心」と「出会い」は大切だということを感じさせられる。(無論少々のお金も・・・)
ということで、私と娘は私が子供の頃に貝の化石見つけたことのある道心坂の崖へ向かったのである。35年前の当時とは違う風景であったが、その崖はやはり今もあった。ただその崖までは、草が生い茂り、落ちると生死に関わるとても危険な場所があったが、躊躇せずその崖を2人で目指した。スコップ片手に掘り返すこと数分で、
小さな貝の化石は見つかり、30分で十数個の破片が見つかった。娘は大喜びで慎重に持ち帰り、現在部屋に飾っている。 2007.06.11追記・・・左の写真の赤い線のところを手で割ったものが右の写真。すると赤い丸のところに直径15mm程度の二枚貝の化石が出てくる。
大変な一週間
先週は、私的な事ながら母が原因不明の嘔吐やめまいで病院をあちこちと渡り歩き、そこで私は風邪をもらい激しいせきが続き、そしてなじみの施工会社が倒産するなど、肉体的、精神的に大変な一週間でした。色々あるそんなときこそ、普通に食事をとられることを感謝し、尚一層精進せねばと思っております。
そんな慌しいなか、自家用車のプリウスがとうとう10万キロを達成しました。年間平均で1.3万キロですので、仕事に使っていても走行距離は少な目です。なにしろここ数年間は、寺泊の自宅へは週末くらいしか帰っておりませんので、通勤がほとんど無いのが良い事なのでしょう?「地球温暖化を対策」、「持続可能な社会」をめざす事は、極力移動するエネルギーを小さくする事も重要なのですね。
海岸の清掃
タイトルとは関係ないが4月29日は、「昭和の日」。昨年は「緑の日」と呼び、20年前は「天皇誕生日」であった。昭和天皇が木をこよなく愛したということから「緑の日」となった記憶がある。だから「緑の日」でもよいと思うのだが・・・。
さてこの日、朝8時前から拙宅の前の海岸を含む寺泊海岸の一斉清掃が行われた。まあとにかく多いのが、プラスチックゴミ。生物分解がとてもおそくまた海水に沈まないので、海岸に打ち上げられる。今の季節は流れてくるゴミはほとんどだが、これからは観光客が置いて行く(棄てていく)缶ビール、缶ジュース、ビン、発泡スチロールがほとんどを占める。私の娘は小学校へ行っている。そこでは児童の全てがゴミを棄てる事が悪い事と理解しているし、棄てる事はない。ではどの段階で棄てるようになるか?大人(親含む)がタバコ、ちり紙、缶などを平気で棄てていることを目にしたときに、「なんだ、大人の言っている事は本当じゃないんだ。」とかんじたときである。大人が手本。親が見本となればゴミ問題は少しずつ良い方向に向くだろう。ボランティアの皆さん、近所、参加関係者皆さんお疲れ様です!!
IH調理器具のラジアントヒーターの注意点
本日、1年目メンテナンスで伺ったお宅で少々驚いた事を聞いた。IH調理器具も多くの人が使っいらっしゃる。当初IHの調理には使い勝手に慣れるまで数ヶ月必要だが、慣れてしまえば快適らしい。(すみません。私の自宅はガスですので・・・)ところが問題はIHヒーターではなく、中央にあるラジアントヒーターだ。このヒーターは、ニクロム線と同じ原理で、電線の抵抗によって発熱する。このため表面はIHとは違いしっかり熱くなる。つまり「のり」や「するめ」が焼ける。(IHでは焼けない。IHは鉄等の金属に反応し加熱するため)普通のガスコンロと同じように使える。このためIH調理器具のほとんどは、3個のコンロのうち1つはラジアントヒーターだ。ところが、このヒーターに制限が多く、やはりなべ底が、「まったいら」でないと時には、表面のガラス(トッププレート)にヒビが入り、修理する事になる。今回伺ったのは、アルミホイルの器に入ったうどん(直接火にかける物)が、販売されているが、これが厳禁なのである。アルミなべのでこぼこが、ラジアントヒーターで加熱するとムラになり、アルミが溶け、張り付いたアルミをとる時(なべを持ち上げる)に、トッププレートのガラスにヒビが入るそうだ。マニュアルには、アルミホイルの器に入ったうどんは調理不可と書かれているが、ヒビが入るとは書いてない。だから調理者はそうたいした問題ではないと思い、気にもとめずに調理するそうである。マニュアルになぜだめか、そうするとどうなるのか、書いてほしいものだ。制限の多いラジアントヒーターならいらないと、その人は言っていた。
暖房器具としてのエアコン その4 「その未来」
「暖房器具としてのエアコン その4」は「その未来」とする。多少希望的推測や間違いがあるかもしれない事を前提で申し上げる。今後エアコンは暖房器具として普及するのか?については、「YES」だと思う。私達21世紀の最大のテーマである地球温暖化防止は「待ったなしの対策をしなければ、今の生物にとって過酷な状況となる」とその分野の研究者は口をそろえる。一方日本は高齢化社会がピークを迎え、老人だけの住まいが多くなる。化石燃料の枯渇がまだ訪れていなければ(←希望的推測)、暖房という快適性を捨てられず、住宅内では暖房する事になるであろう。そのとき必ずエアコンの最大の特徴であるその効率の良さと、他の燃焼器具式の暖房器具にはない火災防止の安全性で、一番普及する暖房器具となるであろう。日本建築学会で発刊された「日本の住宅におけるエネルギー消費」の中の、住宅のエネルギー消費の推移によると、2050年には1990年に消費されたエネルギーの69%までに削減するシミュレーションがあるが、現在の科学では、暖房の快適性を維持しながらエネルギーを削減できるのはエアコンしか見当たらない。そのため、シミュレーションではエアコン暖房が前提で、そのCOPが8と設定されている。これは他の暖房器具は直接「石油」や「ガス」を直接燃焼することで暖房としているので、使う分だけエネルギーが消費され、使う量を減らさないとエネルギーが削減できない。つまり暖房を我慢しなさいということであるが、エアコンはそのCOPが高くなれば、同じ暖房量を使ってもエネルギーが減るというマジックみたいな現象が得れるからである。だから国をあげて暖房器具はエアコンを使う事を推進するであろう。でも電気は効率が悪いのでは?と感じる方には、掲示板でもご案内したとおり、電気の一次エネルギーへの変換効率は0.37である。つまり石油の持っているエネルギーが100%とすると、発電所では電気に変換されるものは43%しかならず、且つ送電線で5%のロスがあるので、家庭では、37%(0.37)のエネルギーしか届かない。しかしそのエネルギーをCOP8のエアコンで使うと0.37×8=2.96となり、直接家の中で石油を燃やして暖を取るより3倍良い効率で石油を使う事ができるということ。だから電気のエアコンは非常に効率の良い暖房ができる。
Q値と呼ばれる家の断熱性能を高くしなくても、灯油を直接燃やして暖房するパネルヒーターや電気を直接熱に変える蓄暖から、COP7(実通年COPを4として)くらいのエアコンにするだけで0.37×4=1.48と1.5倍も二酸化炭素量を減らす事が可能!!すごい!!
このことから、エアコンの暖房は今一番注目されているエネルギー削減とも言えるだろう。唯一の問題は、その3でとりあげたとおり、連続暖房して頂かないと暖かく無い暖房器具ということであろう。しかし連続暖房はエネルギーが増加する事になる・・・。解決は家の断熱性能を上げることであろう。だから「緑の家」では、Q値0.99w/m2Kを設定する事にした。
下表、図は2008.5月に加筆。日本建築学会の委員会が想定した、42年後の暖房機やそのエネルギー消費。いかに暖房エネルギー(&給湯)が大きいかわかるグラフ。暖房機はエアコンでCOPが8になると推測。将来の暖房はエアコンであるといえる。一般的にエネルギー浪費と思われている冷房時のエアコンは全く問題ないといってもいいほど小さい。
暖房機としてのエアコン その3 暖かくない!!
エアコンその3は、なぜエアコンは暖房機として普及しないか?(準寒冷地)の理由の2つのうちの2つ目、「エアコンは暖かくない」についてである。
暖房器具として暖かくないと言うのは致命的である。エアコンは、新潟県の多くの年配者に「暖かくない」とレッテルを貼られている。なぜか?それは、暖房器具を連続運転させる習慣が少なかった頃に、エアコンを暖房として使った人が多いから。エアコンは他の多くの暖房器具と根本的に違うところがある。そう、エアコンは放射(輻射)暖房がほとんど出来ない構造で、空気だけ暖める器具であると言う事。古来から日本の家の中に暖をとる方法は、輻射方式であった。輻射方式とは、高い温度になる熱源があり、そこからでる赤外線等で暖をとる方式。例えば囲炉裏、火鉢から始まり、コタツもどちらかと言えば輻射主体の暖房器具。また灯油ストーブもほとんどが輻射であり、ファンヒーターでさえも、60度以上の温風が吹き出る前面の羽近くは、温度が高くなり輻射熱を得ることが可能である。この輻射熱の良いところは、空気の温度が低くても体の暖かくなる部分ができ、寒い部屋で暖房器具をONした瞬間から、暖かさを感じることができる。冷え切った部屋は、天井、壁、床、家具とあらゆる物から冷輻射が人に向かって発せられ、この冷輻射をすぐに緩和してくれるのが、暖房器具からの温輻射。これがエアコン以外の暖房器具の最大利点。最近では扇風機の形をしたハロゲン輻射暖房器具が良く売れている。これはまさしく冷え切ったところで速暖を得られる器具の代表。一方エアコンはその機器表面温度も高くならず、かつ吹き出す温風も50度を超える事はない。輻射熱は全く得られない。そのため、温風の前にいても、40度から50度程度の温風が勢い良く吹き出し、ちっとも暖かいと言うより、不快と言う感じになる。暖かさを感じるのは、部屋空気が暖まり、壁や床、天井面の温度が上がる1時間以上経ったくらいから。その頃には、他の部屋に行ってしまい、エアコンをOFFする事になる。だからエアコンは暖かくない器具であるということになる。加えて、冷え切った部屋でONするので、エアコンは最大運転能力で、すぐに霜取り運転が始まり、かつその間隔時間も短く、寒い時に暖められない器具とみなされる。これが年配者の多くが感じる印象である。(当時のエアコンはCOPも悪い事も大きな理由)
最近は、断熱性能が高くなった事で連続暖房運転が行う家が出始め、連続運転される空間では、部屋の壁、床、テーブル、天井など全てが暖かくなっているので、冷輻射を感じる事が少なく、輻射熱のないエアコンでも充分暖かく感じる事ができる。だから緑の家では、エアコン暖房で寒いという事は聞いた事がない。(但し冷え性などの方は除く)つまり、暖房を連続運転すれば、エアコン暖房が使えるのである。実際、母の家では、低気密低断熱ではあるが、エアコン暖房オンリーである。火を使わないので安全性も高い。問題は、低気密低断熱の連続暖房運転は、ランニングコストがかかると言うこと。だから断熱性能が重要なのだが・・・。
プロとして陥りやすい間違い
本来なら「その3」をUPする予定だったが、急遽変更して、プロとして陥りやすい間違いについて自戒を込めて投稿する。
母(80歳)が一昨日から始まった、吐き気、めまい、下痢、微熱で、症状が悪化したため昨夜救急車を呼んだ。命に関わると思わなかったが、本人の強い希望で要請することになった。救急車で運ばれたところは、救急当直医のいる医師会館。夜9時30分までだったら診ていただけるということでその救急隊員の判断である。そして当直医に見てもらった。先生は開口一番私に、「昼間病院が開いている時にこなきゃーだめだよ!!今連れて来られても応急処置しか出来ない。検査しないとちゃんとわからない」と言い放ち、患者本人を安心させる言葉も無くその上、その先生は患者に触れることは一切なしに、隊員から引き継いだカルテ??のようなものに目を通して吐き気止め座薬を看護士に指示した。なんという医者だと思ったが、夜見て頂いているのでぐっと我慢。しかし投与してから10分もの経たないうちに、「これからどうやって帰るの?」と言うようなことを言うではないか?本人はまだぐったりとしているし、この医者は本人にも具合を聞こうとしない。確かに様々な人が夜救急で尋ねてくると思う。わざわざ夜連れてこなくても大丈夫と言うような人も多いと思う。しかしみんな心配だから尋ねてくるのである。本人が苦しがって動けないのに、「絶対」の判断が下せないようなら、転送するのが応急医の判断と思う。確かに結果からみると、ただの「風邪」かもしれないが、何しろ高齢で2日間飲まず食わずの患者で、起き上がることも出来ないため、救急車まで呼んでだのに、まだ苦しがっている本人を前に「どうやってかえる」は考えられない。この先生は経験豊かで、きっとこのくらいにならすぐに良くなると思ったのだろう。それが逆に仇となり、もう帰ってもいいよと言う事になる。がしかし、本人は苦しがっているし、もし検査しなければわからないようなら、やはり転送をすることを前提に考える必要があるのではないか?
さて、この問題は我々建築士にも気をつけなければならない。よくこういうたとえで先輩から教えられた。ある人が木造2階建て住宅を設計してほしいと依頼しにきた。要望として「2階に住む人がお相撲さん並に重いので床を普通より強くしてほしい」と言ったところ、経験豊かな建築士は「私どもの設計では、1m2あたり180キログラムまで大丈夫ですから標準設計で問題ありません」と言って技術的なことをくどくど言った。当然その依頼はキャンセルされた。尋ねてきた人は、心配だから床を普通より強くしてほしいと言っているのに、専門家は技術的なことだけを言って本来の要望を聞き落としていた。どんなに標準の床が強くてもご要望が「もっと強く」ならそれを受け止め実現すれば依頼者は喜んだだろうに・・・。大事な事である。気持ちを受け取る。大事な事である。
さてこの先生は「ここは9時30分までしかいられないのでその前にお引取り願いたい」のような事を言うので、私が「では私がここを出たらすぐまた救急車を呼びます」と言っても、「大丈夫だから明日もう1回来なさい」という。先ほどまでは「検査しないとわからない」と言ったではないか?まだ理解していない。ついには大きな声になってしまい、それを見ていた看護士さんが、「9時30分まで時間があるので、少し様子を見ていましょう」となだめにきた。となりで5分くらいしたら、看護士さんがきて、「救急車を呼びましたので、病院へ転送します」といいにきた。たった今まで先生は「家に帰りなさい」とのようなことを言っていたのに・・・。転送された病院の先生は、とても丁寧で、吐き出した内容物にも目を通し、「吐血しているので水なども吐き気が止まるまで控えて」と指示し、病院で一晩過ごすことになった。本人もようやく安心したようだ。
暖房機としてのエアコン その2 電気代
なぜエアコンは暖房機として普及しないか?(準寒冷地)それは大きく2つの理由がある。
1.蓄熱暖房機に比べ電気代が高いイメージがある。
これはもっともである。蓄熱暖房機は、電気会社の事情で電気代が一般の電気代と比べ1/4に設定されている。これは深夜に電気が余る為、何とか使ってもらえないかとの戦略で考えられたもの。発電所では、夜電気を使う人がいないからと言って発電量を簡単に落とす事が出来ない。すると電気があまり、あまった電気は溜める事が出来ないため捨てる。なんともったいないが、捨てるしかないらしい。だから1/4の電気料金でも捨てるより使ってもらった方が随分まし。と言う事で、蓄熱暖房機は深夜電気をたっぷり使って熱として溜め込む。電気代が1/4だから大量に使っても高くない。更に電気基本料金の割引まである。
10年前のエアコンのCOPは、最高機種でも4程度。安物エアコンはCOP2.5だから電気代はエアコンの方が高くなる。しかもエアコンのCOPは外気温7度の時のCOPだから、寒い日はCOPが6割くらいになる。つまり最高機種でCOPは2.4、安物は1.5となり、電気ヒーターに近い電気料金になる。これでは高いはず。この体験があり、エアコンは暖房機として使えないと言うレッテルが貼られた。ところが最近の機種はCOPが6.7もあり、低温時でもCOPは4!!これなら蓄熱暖房機とほぼ同じ電気料金である。少し外気温が高い時は、蓄熱暖房機を上回る安い電気料金となるのは確実。最近のテレビCMでもおなじみのエコキュートという給湯器は、電気代が1/4の深夜電力を使い、COP4.5くらいのエアコン(ヒートポンプ)でお湯を造る機器。大ヒットしている。当たり前。理論的には電気代が1/4(深夜電力)で、効率が3としても一般の電気料金の1/12の電気料金でお湯が沸かせる。安い・・・。で地球温暖化に良いと言う事で国が補助金を用意している。
理由2は「その3」で!!
暖房機としてのエアコン その1 COPとは?
エアコンのCOPは一体何?と思われる方も多いだろう。エアコンはご存知のとおり、冷房装置。しかし最近は暖房装置として使っている人も多い。なぜエアコンは冷房も暖房もできるのだろうか?それにはちょっとだけエアコンの中身を知る必要がある。テレビはなぜ映るのかよりしごく簡単なのでちょっとだけお耳を拝借。(知っている人は読まなくてもOK)
冷房運転時=エアコンは室内機と室外機のワンセットという事は知っていると思う。冷房運転時を簡単に説明すると、室内機で室内の「空気」から熱を奪って室外機で熱を「空気」に捨てる(移す)・・・という事。熱を室内から室外に移動するために電気を使う。
暖房運転時=冷房時の全く逆。空気から熱を奪うというシステムだから運転を逆転させればよいのですごく簡単に冷暖房可能。やはり熱を移動するためだけに電気をつかう。電熱ヒーター等はない。
蓄熱暖房機や電気ストーブは、ニクロム線のようなヒーターがあり、1000kcalの熱を出す機器であれば、電気は必ず1000Kcal使う。しかしエアコンは熱を運ぶだけに電気を使うので、発生(移動)させる熱が1000kcalだった時に、使った電気が500Kcalとすると電気ストーブより1/2の電気で同じ熱が得れる。逆の言い方をすれば、同じ電気料で2倍の熱を得ることができる。もし発生させる熱が1000kcalだった時に、使った電気が100Kcalだったとすると10倍の熱を得ることができる。この10倍が成績係数=COP10と呼ばれる数値である。最近の機種は、このCOPが7近くあり、なんと蓄熱暖房機や電気ストーブと比べ電気使用量が1/7になる。理論的はCOPは1以下にならないのでどう使っても電気ストーブより電気は使わない。つまり電気代が掛からないということ!!ではなぜ暖房機として普及しないか?それは大きく2つの理由がある。 続きは「その2」で・・・。
※注意:電力を電気と表記し、尚かつ、電力量を一般的なワット(W)ではなくなじみのあるキロカロリー(kcal)とした。
軒の出の無い建物
軒の出とは、外壁から屋根(時には庇や笠木)が出っ張っている寸法のことである。昔から日本の建築物は、軒の出をできるだけ大きくするように心がけた。これは、大きく2つ理由がある。1つ目は、軒の出=屋根が大きいとなるが、屋根が大きいと立派に見える。実際軒の出の大きい建物は、コストもかかるし、技術的にも難しくなりやすい。社寺仏閣は、屋根によって美しさが決定されると言ってもよいほど最も大事な建築の部分であり、時には権力等の象徴としてデザインされる事もある。2つ目は、外壁と窓周りを日射や雨から保護する役目である。軒の出が大きい程、高い保護が可能ということである。アルミサッシの無い時代、漏水するところはまず窓周りとなる。これは、日本建築が柱と柱の間に間戸(窓)を計画してきたことに原因がある。木で出来た間戸は間違いなく最初に雨漏りする。しかしアルミサッシ普及に伴い、軒の出の無いビルでも雨漏りが聞かれる事は少なくなったため、この問題はアルミサッシ普及とともに無くなった。残るは外壁の耐久性の保護となる。
壁に比べ屋根に使われる素材は、建築物の中で基礎と同じくらい耐久性がある素材が使われる。例えば瓦、セメント瓦、銅、錆びにくい金属類、石である。これらの材料は全て基礎(地中下)にも使う事のできる素材である。しかし流行のサイディングはどうやっても屋根に使う事は出来ない。つまり耐久性がそこまで確保できないからである。
最近軒の出のない建物が多くなった。デザイン的にモダン(ビルのような箱物ようなシンプルな形)に見えるからという理由らしい。当事務所でも軒の出のない建物は比較的多い。これは、デザイン的理由ではない。一番は、採光上有利であるから。2番はコストがかからないからである。近年市街地の住宅だけでなく、郊外住宅も敷地が多く取れない状況であり、敷地ぎりぎりに住宅を建築する事が多い。そのため外壁を隣地から少し離しても、屋根が大きいと、ほとんど隣地境界線すれすれとなる。こうなると自分の家ばかりかとなりの家まで暗くなり影響が大きい。そこで当事務所は、軒の出の無い建物をご提案する事が多い。但し外壁の素材は、ガルバニュームという屋根に使う素材。理由は上で述べたとおり、軒の出の無い建物の外壁は、ほとんど屋根と同じ過酷な状況。そこで屋根と同じ素材を使う事で、耐久性に影響を極力与えないようにする。チラシや町でよく目にする軒の出の無い建物で、外壁にサイディングを使っている建物がある。この建物の外壁の耐久性は大丈夫なのであろうか?(軒の出の無いビルの外壁は、昔から耐久性に気を使っていた。古くは本物の焼きタイルやコンクリート。今は金属やガラスがおおい。いずれも屋根に使える素材で耐久性は高い。)
写真は左が軒の出が両方ある建物が並んだ場合。右は軒の出が無い建物が片方である場合。
更に性能アップ
急遽、見学会が決まり、告知が遅くなったうえにHPの不具合も重なって皆様には大変ご迷惑をおかけしております。
昨日ある大手ハウスメーカーの商品研究の方とお話する機会がありました。北海道の商品開発をご担当されており、勉強になりました。そこで確信を持った事は、10年ぶりの性能強化です。
一昨年前に宣言したとおり、昨年は高断熱の性能を通常の緑の家より1.45倍強化したQ値1.4W/m2K以下の住宅を完成させましたが、今後はQ値0.99W/m2K以下をご提供したいと考えております。その背景は、やはり石油エネルギー枯渇の問題があり、昨今の灯油、ガソリンに代表される原油製品の価格が上がり、建築資材の価格も上昇しております。中国の猛烈的なエネルギー消費は今後も変わる事が無いと考えると、原油は以前のように低価格で供給される時代は来ないと思います。限りあるエネルギーを無駄なく使う事が重要です。(←あえて地球温暖化対策が背景とは記しません。)
さてQ値=0.99以下を実現するために、次の2つを集中的に強化します。1つ目は窓で全て木製のアルゴン入り高性能ペアガラス。2つ目は、浴室と床下換気を除く熱回収換気システムです。価格は全体で120万以内(坪当たり3万程度)にしたいと考えております。この位のQ値の性能の家ですと、現在の「緑の家」の半分くらいのエネルギーで暖房可能です。如何でしょうか?
高気密高断熱とハイブリット自動車
HPを開設し、事務所を開いてから10年になろうとしている。その間お手伝いさせて頂いた家は、高気密高断熱住宅が100%である。これは誇れる事と自負している。10年前のHPを見れる大手メーカーのサイトがあれば(もう見れないと思うが)、当時の大手メーカーの本州において薦める家は高気密高断熱ではない。それどころか、高気密高断熱住宅を否定しているメーカーもあった。今や高気密高断熱当たり前で更にQ値が1.0W/(m2K)以下の住宅まで商品として販売しているメーカーもある。「高気密高断熱でなければ家で無いのか?」とお叱りを受けるかもしれないが、冬の家と同じ温度差がつく冷蔵庫では、「断熱材と気密パッキンは必要無いか?」と問うと皆、「冷蔵庫といっしょにするな」と反論あろう。しかし実際は両方とも温度差20度は当たり前、新潟にある家の方が強風を受けるので冷蔵庫より真冬は過酷状況なのだ。だから断熱材も気密材も必要なのである。
私はハイブリッド自動車に7年前から乗っている。当時は「ハイブリッドは電気自動車か燃料電池自動車までのただの「ツナギ」。10年後は電気自動車が主流だよ。」と言われたが、実際はこれからがハイブリット自動車の主流時代となる。今日報道でGMが今までの「大型排気量自動車」主体から環境を考え「小型燃費向上車」の開発をすると流れ、本格的にハイブリット自動車主流に大きく流れが変わろうとしている。これは、高気密高断熱住宅の出始めにそっくりである。ハイブリッド自動車はやはり割高。だから買わない。とのご意見もあろうが、高ければ少しグレードを落としてハイブリッド車を選択する方法もある。例えばクラウンスタンダートクラスであればプリウスフル装備と言う感じ。見た目より実性能で選ぶと言う事である。無論資金がたくさんあれば、レクサスハイブリッドなど如何だろうか?価格は750万~^-^; くらい・・・。
test
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