2010/08/26 12時30分加筆修正。生鮮食品でも現在は産地等を表示しなければなりません。朝市でも表示しているのかな?
JAS法違反・・・といえばウナギの産地偽装とか、お米の産地(銘柄)偽装とかが直ぐに浮かびますよね。このように食品の産地や品質に対しては消費者はとても厳しく考えてます。
そのJAS法とは
であり、大雑把に表現すると、物の嘘表示(不正評価)をさせない法律ということです。
畳を剥がすと断面が見える。この畳は半分くらい発砲スチロール。
今の季節、日曜日に散歩して町を眺めるとほとんど家の窓は開いています。当たり前ですよね。窓を閉めて入れば暑くなってしまいますから・・・。
でも「緑の家」の窓は閉まっている人も多いでしょう。拙宅も窓が24時間閉まっています。そうですね。エアコンで家中空調しているので窓を開けないのです。
海風が吹くそんな自然豊かな環境(田舎)の中の拙宅でさえ、お風呂やトイレでさえ一年中閉まってます。
2010/07/11誤字脱字が多くありましたので訂正しました。
拙宅の室内の内壁と天井は全て木です。この木の調湿作用に関係なくこれからの時期はいつも24時間エアコンで、気温が下がる明け方でも窓は開けません。それはある科学的理由があるからです。
自然素材は梅雨時にカビが生えると先週記事にしました。ところが石はカビが生えない唯一と言ってもよい自然素材(建築)ですね。苔は生えますがカビはあまり見ません。この写真はその石を積み上げて雨水(半地下水)のタンクをつくりました。今日は大雨で濁りが混じってます。
http://www.asahi.com/national/update/0618/OSK201006180076.html
実は私達の家族であるトイプードルの「ビアンコ♂」も早20歳になります。高齢のため足腰が衰え何とか10分くらいは歩けますが、それ以上はふらふらと転んでしまうことが多くなりました。転ぶと一人では起き上がれずにそのまま悶えて、気づかないでそのままだと関節を痛めて数日間立ち上がることが出来なくなります。でも立ち上がって歩きたいという本能があり歩くのです。だから何時でも見ていないと転んでいる事に気づく事が出来ません。このため妻はほとんど外出不可能状態で、私が休める月曜日に買い物をまとめて行います。
雨が続くうっとうしい季節・・・それが梅雨です。
梅雨時期には相対湿度があがり気温も高いので「カビ」にとっては天国です。
一方最近の自然素材ブームで家には天然素材が多く使われております。
しかし最近の若い人は「土用干し、虫干し」を知らなく、自然素材に対し間違った認識をしている人が多いようです。
先日、「これからは樹脂サッシだ!アルミ樹脂複合サッシは賞味期限間近品だ!」と宣言しました。そうしたらその記事に貴重なコメントを建て主さんから頂きました。
「樹脂サッシは紫外線劣化するので心配」
なるほど!普通はそう考えますよね。そこで論より証拠。
はい。拙宅の20年経過した樹脂サッシです。その上のアイアンウッドのすだれ掛け(夏限定)がこだわり。この窓は西の海に面しており、水面で反射した紫外線とダブルで当たる、また冬は風速30m/sが吹き付ける県内でも最も過酷な場所です。ですがサッシ表面は未だツルツルです。
どこが一番痛んでいるか?それは・・・
サッシの下に錆び汁跡がありますね。
そのサッシの戸を開けるとこんな感じです。黒い線はパッキン1で、黒い線跡は押しつけられているパッキン2の跡です。そして錆び汁跡もあります。樹脂部分はしっかりしているでしょ。パッキン跡が残るということはそろそろパッキン寿命です。
錆びの原因は家の真ん前の「海」です(笑)。・・・ではなく、このようなサッシ付属品のステー(金物)はステンレス製なので以外と大丈夫。実は錆びはこのステーを樹脂に留めているビス受けの内部金物なのです。とはいっても樹脂内部にあるので表面からわかりません。そこから錆びがでているのです。これは樹脂内部なので部品交換できません。サッシ全体の交換になります。
あっ、パッキンより外側は外部なので一度も掃除したことがありませんのでちょっとカビっぽいですね。
樹脂部分のアップです。どうですか?エッジの一番痛みやすい部分のです。しっかり角がアールでしょ。黒い線はヒビではなくただのこすり跡や傷ですが、傷が目立つということは表面がまだツルツルなのです。20年前でもすでに塩ビ(樹脂サッシの原料)の耐紫外線劣化防止剤は相当優秀です。
いやー20年後の住宅をアップで写すなんて、オーブルデザインだからですね。普通のメーカーさんや工務店さんには絶対あり得ない写真です。
自信があるのです。自宅を(家を)愛しているのでこの時間が経った雰囲気がすきなんですね。浅間は少し(大変?)変わってます。でも家って愛着があればとても長く大事にされるのです。
因みに10年ちょっと経ったご近所さんの海側の外壁と換気扇フードと軒裏はこんな感じです。引き合いに出してしまってすみません。
まとめです。
このとおり今のサッシの寿命は20年から30年。これは樹脂の寿命というより付属品の寿命なのでアルミサッシも同じ寿命ですね。だから緑の家SSプランAグレードではサッシ交換が簡単に可能なように取り外し枠がついているのです。これが70年以上(100年)家を保たせるまじめな解答なのです。超高気密住宅に20年も住んでいる建築士だからわかる事です。
大手ハウスメーカーさんは外壁に力を入れてますが、実はサッシの交換の方が大変な工事になります。外壁を壊さないとサッシ交換できない構造だから・・・。
外壁にお金を沢山かけるのは、家の寿命が30年だった今までの住宅で、これからの長寿命住宅は、サッシの交換が簡単なように考える事がメンテナンスコスト削減の上で大変重要なのです。
事務所の水槽。下から水面を見ると不思議な感じです。少し魚になった気分。
「水」はとても不思議な振る舞いをする物質です。だから水を主成分とする有機体の人間も不思議なのでしょうね。「水」はまだまだ解明されていないところが多く、「水」を語る事は殆ど「好み」や「趣味」として捉えた方が良いのであまり、話題として取り上げた事がありません。 水!奇跡の角度104.45度 出展 Wikipediaから
でもちょっとだけ取り上げます。
水のおもしろい振る舞いで最も知られているのが、氷のような固体の時は液体の水の時より体積が大きくなる事です。大気圧下、殆ど物質は固体時が液体の時より体積は小さくなります。ところが水だけは凍った時の方が体積が増える不思議な物質です。冷凍庫にペットボトルをいれ爆発させてしまった事多々ありますよね。そんな不思議な水ですが、未だ科学的によくわからない事が多い物質です。
さて水というと飲み水が頭に浮かびます。私は15年前から電気還元水(所謂アルカリイオン水)を飲み水として愛用してます。これは様々な理屈や効能より、がぶがぶ飲んでもおなかがだぶつかない事を実体験したからでしょう。まるでビールのように飲み続ける事ができる(笑)水なのです。おかげで飲んだ後、直ぐにビールのように尿意を感じます。
人間の体は水が70%を占めると言われているので、その水がいつも入れ替わるような「気」がして気持ち良いから愛用しているのです。誰もが納得する根拠はありません。だから「趣味」の範囲なのです。でも「語らせれば」結構話しますので、もし興味があればお聞き下さい。
さて現在水関連商品は沢山あります。その関連商品を使った時に水が変化すると言うふれこみが多いのでちょっとだけ有名な所を調べました。所謂「機能水」と言われる水です。
主な有名な機能水
セラミック処理水(Wikiにはありませんでした)
共鳴磁気水・波動水?(Wikiにはありませんでした)
本当に色々あります。因みに私が愛用するアルカリ飲料水を造る機械は医療機器として厚生労働大臣の承認が必要となりますが、その他の機能水は普通に製造可能で取り付けも保健所への報告義務はありません(アルカリイオン機器の取り付けには保健所への報告が必要です)。
磁気処理水では東京都から注意が有名ですが磁気処理水に限らず心霊的な商法が横行しやすいので注意が必要です。でも住宅でもこれに近い広告がされていますよね。大丈夫でしょうか?
さて、当事務所に「どんな浄水器類が良いでしょうか?」と聞かれた時には、迷わずアルカリイオン水で、その機械はTOTOが20年くらい前から販売している「アルカリ7」をお勧めしてます。「アルカリ7」は、浄水器の欠点であるフィルターの交換が7年間要らないと言う事がユーザーにとって良い事です。フィルター交換が必要無い方法として、水道施設が行っているような活性炭の熱処理による再処理を一日一回しているからです。この点はエコ良いところです(アルカリイオン水と同時に出る酸性水を使わなければ1/3くらい水を捨てることになり無駄もあるそこはエコではない)。
最近はやはり科学的に根拠がある超軟水に興味がありますが、使用している方からのお話を伺ってからにしたいと思います。
TOTOのアルカリ7・・・電気還元(イオン処理)と浄水機能の両方がある。ビルトイン型もありキッチン内部に収納可能。
その日の最後、お風呂からでるときに、壁に飛んだ石けん泡を「水で流しますか?」それとも「お湯で流しますか?」
これから新潟県ではカビの生えやすい第二時期=梅雨になります(第一時期は冬ですね)。
そこでネットのニュースを見ていたらある建築士が「お風呂からでる最後の人は、壁に冷水をかけ石けんかすを流すと同時に壁を冷やしてください。湿気が減りカビ防止になります。」・・・
はぁ?
全く反対!カビ防止なら壁の水分を早く飛ばさなければなりません。つまり乾かさなければなりません。その時水をかけると、水分が気化するのに必要な熱がなくなります。正しくは「熱いお湯をかけて石けんかすを流し、換気扇をON!」が一番早く壁が乾きカビ防止です。
当たり前ですね。お茶碗をお湯で洗った方が水で洗うより早く乾きます。
食洗機で洗い終わったら、扉半開きで(換気のこと)直ぐ乾きます。これは食器が熱湯で暖まっていて、水滴に直ぐに気化熱を与えることが可能だからなのです。すごく単純な科学です。乾くには基本的に「熱」が必要なのです。折角熱気で暖まっている壁をわざわざ冷やすなんて「・・・・・」ですよ。
建築士が湿気と結露のことわかっていないのです。お風呂場の壁が入浴中にびしょびしょになるのは、壁が冷たいから結露するのであって、壁が暖かかったなら水蒸気でかすんでいる風呂場の壁でも結露はしません。どうも「暖かい部屋」=「結露する」と勘違いしているようです。
だから「壁を冷やす」=「温度がさがり湿気がなくなる」と間違って思い込んでいるのでしょう。
その発想だから冬でも風呂場の窓を開け冷たい空気を入れたがるのでしょう。
冬は窓を開けるより、室内の暖かい空気で気化熱を与えながら換気をする方が早く乾燥します。
この家は昨年6月に竣工した「緑の家」です。同じご近所のメンテナンスに伺ったさい、前をとおりかかったら、あまりにも花が綺麗に咲き誇っていたので写しました。すると燕がヒラリヒラリと玄関へ・・・。
昨年竣工した他の「緑の家」でも、山鳩が巣を作ったりしている事の連絡をうけております。なぜか新築後は小鳥が巣を作る事が多いですね。拙宅も「燕」や「雀」が巣を作ってました。真下が汚れる事で嫌う方もいらっしゃいますが、許せる範囲であれば楽しいものです。
さて外壁が無塗装の木の家。そろそろ色が変わり始めました。当初は水が残りやすい板下端から変色(所謂カビと紫外線退色です)が始まります。
私はこれが楽しみですが、世の風潮はこの色の変化がいやだという人の方が多勢を占めます。この家の近所にある、やはり木の外壁を使った家は、全く変化がないのっぺらの黄色の塗装色です。
自然素材とは変化があるから「自然素材」なのです。石のような無機物以外は、写真の木の幹の色のように、紫外線で退色しグレー色にかわる事が自然の中にある本来の有機物の姿です。だからこそ命ある葉っぱの緑色や可憐な花の鮮やかさがよりいっそう際立つのです。「命あるもの=花」と「勤めを終わったもの=木表皮」の役所の違い役割です。
普通の人はこの外観が一番良いというだろう。しかし私は1年後の外壁色方が好き。この揃った木の色は、自然環境(外部)では存在しない色だから、緑や花の色がくすむ。
無塗装の外壁の木はかんなで仕上げた表面だから意外とつるつるする。この通り太陽光を反射して光っている。 一方で既に色が退色し始めている。そして3年くらいで手前の木の幹と色と同じくなる。
外壁の所々がグレー色になり始めた。このあたりが少し我慢の時期(私は良いと思うが)。しかしこのグレーだからこそ花や緑が映える。これが「緑の家」ですね。
昨年の夏に地中熱採用の住宅について当事務所の見解をのせました。
このページです。↓
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-7809.html
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-5696.html
近年、低炭素社会が望まれ建築物もそれらの要求に応えるべく様々な試みがされております。その内容が先進的で優れたもので普及効果が認められる時は、補助金などの交付対象になります。今回の感想は「日本建築学会環境系論文集Vol.75 」の掲載されていた地中熱の利用での調査研究で、このシステムが組み込まれた住宅が国交省から200万円の補助金を受けているようですので、興味深く読ませていただきました。
建築学会の環境系査読論文集。査読論文とは複数の専門家に精査された論文。よって内容の信憑性は極めて高い。
この研究目的は「埋設深さ2mのヒート&クールチューブ※によって得られる外気負荷削減効果を実測面から明らかにする事」です。従ってこのシステムがトータル的にとても有意義なシステムかどうかではない事を最初に書き添えておきます。
※クールチューブとは、地中内にパイプを設置しそこに空気等を通して、年間を通じて温度変化のない地中の温度を利用するシステムの事。
つまり外気負荷削減だけを明らかにしており、かかるコストや維持費、衛生面での評価はされていない事になります。しかし一方では
「埋設深さ2mとしたのは、本来なら埋設5、6m以上が地中熱利用の定説の深さらしいのですが、5、6mだと設置費用がかかりすぎるので現実的な提案ができない。それで2mでシステム構成をした。」
と書かれています。よって建て主さんにわかりやすいように当事務所が僭越ながらこの研究結果からシステムの「有意義、実現性」について考えてみたいと思います。
上のリンクでもあるとおり、住宅で地中熱の利用は30年も前から研究が行われていますが、未だに効果対費用のメリットから普及してません。古くは1981年に「長谷川・木村・吉野・石川・松本らによるクールチューブ(深さ1m)があるとこの論文でも説明されています。30年も普及しなかったこの点が従来の研究にはない、深さ2mの埋設の実験となっているようです。2mに配管埋設なら表層地盤改良を行う地域ならそう大きなコストが追加されません。
そこで下のようなシステムが計画されたと想像します。
出展:いずれも「ヒート&クールチューブ住宅の地中熱利用効果に関する調査研究」垂水弘夫教授・簑原由紀氏から 日本建築学会環境系論文集Vol75
最初に結果から
このシステムで夏期の除去総熱量5890MJ/年→1636KW/年
冬期の取得熱量5500MJ/年→1528KW/年
です。・・・この算出は、北陸の場合除去熱が期待される時期6月~9月、取得熱が期待できる時期11月から3月の期間ごとの集計と論文にには記されています。
これを経済面から考えるとエアコンで同様のエネルギーを得るには
1636/5(冷房平均COP)×25円/kw=8180円
1528/4(暖房平均COP)×25円/kw=9550円
トータル・・・17730円/年(結露水排水ポンプの電気代は少と仮定)
といった金額が回収できます。そこでどのくらい施工費がかかるか推測すると、表層地盤改良と同時に住居の下全てを2m掘りVP管を100m設置ですから30万~40万。更に結露水排水ポンプで10万とすると最大で50万/セット。但し表層地盤改良とセットしないと不動沈下の危険性が増すのでこの工事行う地域限定です(表層地盤改良コストはシステムには入れない)。
さて50万ですから1.8万/年で考えると27年でペイできます。仮に15年後電気代が1.5倍になったとして23年で回収可能です。これをどう考えるか? 私はこの金額であれば実用化できるしおもしろいと思いますが、次の点が問題で確定できません。
問題は、今回の研究で評価していない、
1.空気質の長期調査
2.継続性
3.夏期の実態評価
です。
空気質の評価は以前もブログでお伝えしたとおり、継続して結露している管の中はかびが生える事が考えられます。その空気が住宅を換気する新鮮空気となるのですからこの点の調査結果が一番重要でしょう。メンテナンスができないのですから10年くらいの経過後がどうなっているか?とても重要です(もしかしたら結露水排水ポンプがついているのでクールチューブ内に水道水を通して定期的に洗浄排水するのか?だったら凄い!)。
継続性は連続2年間測定して、地温の温度変化が殆どなかったとの事ですが、多年数のデータがほしいところです。
次の夏期の実態評価ですが、これはこの測定が
(外気-地中内を通過した空気)の温度差となっており、そこから単純に夏期は6月から9月としてその差を集計したと読み取れます。しかし冬期は11月から3月まで継続して暖房を行いますので、このような集計でも問題ありませんが、夏期(6月~9月)は住宅内丸ごとでいつも空調を使っている想定となります。しかし通常はそのような使い方は特殊であり、間欠冷房(本当に暑い時に冷房する。それ以外は窓開けが主)と考えるのが一般的です。よって外気温が26度超えた時のみカウントする事が必要ではないかと考えます。機会があれば直接筆者にお聞きしてみたいと思います。
まとめですが
数十年前と違い地盤改良が多くなっている背景で今回の地中熱利用システムは、従来にはない効果対費用のメリットがありそうだと言う事がわかりました。
最後に
もし当事務所の見解に間違いがあれば訂正の上お詫びいたします。
久々に「そうそう!」と思いました。それは・・・
時々ROMしている「環境ガイド」。
近頃は、「やっぱり大先生っぽいな」という感じで何となく心に響かなかったのですが、今日の話題はストンと入り、記事を読みながら頷いています。最後に「考え方が最近変わった」とあったので、また一つ上のステージに上がられたのでしょう。御年でも変化する柔軟性。やっぱりすごい先生です。是非皆様も一読してください。低炭素社会の考え方がはっきりとわかります。そして子孫に引き継ぐものは負(危険な廃棄物)であってはなりません。
黄金 色に煌めく海(寺泊)。子孫にも伝えたい!美しいと心が感じられる平穏な環境を。
環境ガイドから引用~~~~~
10年ほど前までは、省エネに向けて努力することは、持続可能な社会を実現するために必須のことだと考えていた。しかし、このところ考え方が変わった。化石燃料が無い社会の方が、地球人口さえそれに適した規模になっていれば、人間本来の生き方ができるから、幸せを感じる人々が多いのではないか、と思うようになった。
引用終わり~~~~~
これに関して私見は↓です。
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-5e58.html
だから緩やかに着地するために、暖房機がなくともある程度暖かい家(超高断熱)を子孫に残すためにもいま必要としているのですね。
また、
環境ガイドから引用~~~~~
ヒトという生物は、他の多くの動物と全く違った特徴をもっている。それは、この世に生を受けたときに、極めて未熟な状態にあるということである。その反対の極端な例が、鮭である。この世に生を受けた稚魚は、親を知らない。すなわち、稚魚は本能を100%活用して自活する以外に生存する方法は無い。一方、ヒトは生まれ落ちた直後に親ないし他の保護者が必要不可欠である。しかも、かなり長時間の間、保護者が必要である。この間に、教育を受けて、一人前になっていく。教育だけでは不十分で、住む家、食糧なども親に依存している。すなわち、ヒトという生物は、保護者から教育によって大脳の内容物を受け取ると共に、生存に必要な資材を継承することによって、初めて生存ができる。
引用終わり~~~~~
これに関して私見は↓です。
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-1d42.html
環境ガイドでは保護者という言葉になっていますが、ここは「愛情」という言葉がぴったしだと思います。愛情こそ全ての希望です。
持続可能と継続可能の違いは今まで気にもしてなく違えさえわかりませんでしたが、人の寿命が有限である以上、引き継ぐ事が生命の基本的責任と常々思っていました。それが持続可能という意味になります。
まとめです。
私は生命には短い寿命があるから一生懸命、輝くように生きられるし、引く継ぐ責任と持続の希望があるから死を受け入れられると考えてます。
ちょっと話題が住まいから哲学や宗教的になりましたが、住まいは人が形成される器ですので、建築士はここは避けて通ることはできません。尊敬するシュタイナーも哲学者であり、建築家、教育者でもありました。
さて、この生命が進化し持続するという完璧なシステムは、やはり神様が造ったものと思います。感謝!感謝!ありがとう。
PS
ちなみに環境ガイドでは、「2030年の原油価格が$200/バレルと現在の3倍程度となる」としてます。私がいつも事あるごとに申し上げている20年後の化石燃料(特に原油)の枯渇を有名なサイトや人が色々なところでようやく宣言してます。準備を急がなくてはと思います。そうそう私が申し上げる「枯渇」とは、掘削しやすい化石燃料が尽き、大深度や深海など掘削費用が膨大に掛かる化石燃料のことはではありません。だから石炭が今後200年は大丈夫等という情報で楽観をしてはいけません。近い将来に奪い合いで価格が急高騰します。
さて、冷房中の家でどこに洗濯物を干すか?に少し昔の民家が涼しいと言われる理由をダブらせて考えてみます。ここからは番外ですが、昔の民家のすばらしさわかります。
まずおさらいとして
夏の洗濯物は「排気用換気扇の近くで干す」事でした。これは
洗濯物が乾く時、空気から熱を奪い、これで冷やされた空気は下へゆっくり下がります。一方気化した水は湿気(潜熱)となって均一に広がろうとしますから、これを排気用換気扇で広がる前にできるだけ排出するのです。すると顕熱は冷やされ潜熱だけ排出されやすく、家の冷房効果が上がります。大きな効果は無いですが理屈ではこの方法が良いですね。
と書きました。実はこの原理を昔の民家は家そのものがもっていました。
設計事務所では特に理論と実践を大事にします。設計はそもそもこの世に同じ物が無いので設計する事になります(あれば前の設計図をそのまま造れば良いので設計図の必要がない)。だから今まで一度も造くられた事が無いので「理論」を頼りにし、設計段階で「理論」が成り立たなければ「実現」は困難と言う事を知っているからです。←当たりまえですね。
さて高気密高断熱住宅では、積極的に洗濯物は家の中で乾かす事が重要(12年前の記事)です。とっても当たり前の事ですが、なぜかその理由を知っている人は少ないですね。
濡れている物が乾くとき必要な事は、「熱」を与える事です。
「そんなの当たり前!」と思っている方でも、時にはこんな思いは無いですか?
「南側に洗濯物干し部屋がほしい」
実はこれは普通の事なのですが、新潟県ではどちらかというと×です。
私は2年間くらい鉄筋コンクリート造の県営アパートの4階に住んでいたことがあります。その時、南側半外部に洗濯物干し場があったのですが、冬期間は最初の数日間使っただけで使わなくなりました。理由は簡単で「乾かない」からです(笑)。仕舞いにはカビも大量に生えてきました。
ご存じ新潟県の冬は7日に一度晴れれば良い方で、時には3週間もお日様がでないときがあったりします。この時に半外部の南側の洗濯物干し場があっても太陽は当たりませんから、洗濯物はなかなか乾きません。当然ですね。3日間干しっぱなしで乾かないから最後は唯一暖かいリビングに吊す・・・。これでリビングに良く洗濯物が下がっている事が新潟の家では良く目にする光景です。
なぜ乾かないのか?科学的に考えましょう!
洗濯物が仮に10~12kg(5人家族の一日の量)とした時、その濡れている水の量は6kgありますから洗濯物からでる水蒸気の量も5~6Kgにもなります。この時濡れているこの水が気体の水蒸気になるための気化熱は586cal/g=586Kcal/kg=0.681Kw/kgです。つまり最低4kwhのエネルギーを必要とします。
この熱を与えないと絶対に濡れている物は乾きません(大気中)。4Kwとは結構大きいエネルギーで、普通のドライヤーを4時間付けっぱなしもしくは、アイロンを10時間使いっぱなし位の熱です。
一方、家中暖房する家ではどこも暖かいですから例えばお風呂場に深夜干しても、普通は次の日の昼までにはカラカラに乾きます。リビングで2度干しする必要が無いのです。←高断熱住宅でも家中暖房できない家は×。
家中暖かい住まいでは南側の洗濯物干しスペースは必要ありませんね。冬以外はどこに干しても乾きます。これは洗濯物が乾くための「熱」を与える事ができるからです。
この続きは明日の「超断熱住宅における冬の洗濯物②」で!
「緑の家」にご入居されて一年後に数度目のアフターメンテナンスに伺います。この時一番喜ばれるのは、なんと言っても暖かさと床下の空間ですね。
不思議と小屋裏のロフトはこの床下空間より喜ばれ方が控えめです。ロフトは建て主さん(親御さん)のテリトリーではなく子供の空間なので、使用の実感が少ないのでしょう。しかし床下空間は住んでからその良さがとてもわかります。必要無いけれどでも捨てられないそんな物ってたくさんありますよね。これを全部捨てることなくしまえるのですから喜ばれます。一年もすれば上写真のように洋服、布団も、おひな様も、本さえも問題なく※入ります。
特に最近は、一階に畳敷きがあれば、下の写真のように普通の入り口の3倍くらいの大きさまで入る入り口を追加造作します。だから大きなテーブルまで丸ごとはいります。
更に床板を支える「根太」という部材まで取り外し式になっているので、約畳1枚分の大開口ができます。この穴から大きな物を直接床下に入れるのですね。これも標準仕様です。住んでからこのからくりをお知りになり驚かれる方もいらっしゃいます。
高床下はメンテナンスの要と収納、そして白アリ予防と一石三鳥、更に床下暖房の効率アップを入れると一石四鳥なのですね。
※「緑の家」の高基礎は99%の採用率で、その殆どで収納庫して使っているようです。その中で過去に一件だけ収納物にカビが生えた家がありましたが、これは梅雨~夏の使い方に多少問題がありました。この高湿時期に家全体の窓を解放しノンエアコンで過ごすと、高湿の空気が床下まで入り込み、収納物に吸湿しカビが生えやすくなります。これを防ぐには、床下の入り口は開けっ放しにしない事とどうしてもジメジメする一時は、エアコンの弱冷房(除湿)運転を願います。また床下に収納する季節は梅雨時を避けてください。
最近、超高断熱住宅と共にお勧めしているのが、木の無塗装の外壁です。この無塗装の家はまだ4棟しか建ってませんがこれから増えるといいな~と思ってます。多分超断熱住宅はこれからどんどん認知され、また必要とされるのでお勧めしなくても増えると思いますが、木の無塗装の外壁は「将来外観はどうなるのだろう?」との不安があるはずなので事あるごとに経過をご案内していきます。
環境がとても厳しい海風の吹くところに貼った木の外壁。5年くらい経過したと思います(家は19年経過、築13年で外観リフォーム)。私はなぜかこの木の色が好きですね。本当にそこにある自然なシルバーグレイ色です。
最近野良猫ちゃんが車庫に入り込み強烈な臭いをつけるので、木の扉を新設しました。そこだけ新人ぽい色で目立ちますが、時機に先輩色になるでしょう。
玄関部分ですね。こんな感じで木がカビて退色して表面が少し削れてもいいのです。
自然のまま
自然の経過
自然の色
自然の模様
いかがですか?なにか塗る必要がありますか?木はそのままが一番最高です。但し雨に濡れないように屋根がしっかりある設計が必要です。
今日の見学会もお昼を食べる時間がないほど大盛況でした。ありがとうございます。
特にHPをごらん頂き、超高断熱や床下のHeatingFactoryにご興味を抱きお越しいただいた方には、きっとその事実をご自分の目で見られてご満足されたかと思います。
今日の夜7時30分ごろの1階床温度です。見にくいですが23度(赤点が測定点)。
今日は深夜12時ごろ暖房OFFでしたから、この時間は全ての暖房OFFの19時間後の床温度です。脅威です。脅威。温度が全く下がっていないのではなく、朝の床温度22.5度より上がっているではありませんか?今日の新潟の平均気温は3度です。ほぼ曇りで、お日様はほんの10分くらい射した程度です。
次は吹き抜け天井の温度。なんと22.5度です。床表面温度との差はほぼ0度。これが暖房が全くなしの19時間経過後の温度です。まだ窓にカーテンがひとつもついていない一番不利な環境で、もしカーテンを設置すると更に断熱性能は増します。
これがオーブルデザインの「超高断熱住宅」緑の家の実力です。この性能があって初めて「超高断熱」と言えるのです。
こんなに窓が多くてもしっかり設計し施工する事で、計算と同じ結果(同じよりよい結果)が得られますね。設計した当人が一番感動しびっくりしてます。
天井の梁がきれいに見えます。
お越しいただいた方から、
「暖かい家という見学会に数多く参加したけれど、みんな暖房器具がしっかりと設置され運転していた。しかしこの家は暖房が全てストップしている。暖かい器具や部分が全くないのに、どうして家が暖かいか不思議で信じられない」
というご感想を頂いた。そして、
「どこかに隠して暖房機があるのでは?」との疑りさえ感じるその暖かさ!私もそう思います。想像できないこの暖かさがはQ値0.9W/m2Kの「超高断熱」+「超高基礎蓄熱」の効果なのです。名前に偽りはありません。その実力は県内最高でしょう!
超高断熱だけではこのようになりませんし、蓄熱暖房だけではこのようになりません。全てはトータルバランスですね。
今週末の23日24日に行われる見学会の内部です。
ようやくクリーニングが始まり、床に貼ってあった養生シートが外されました。
光らない床は無塗装の証で、かれこれ12年以上前から「緑の家」の定番。10年経過した家では、ピカピカの表面になってます。荒く使うと直ぐに傷が付きますが、それが物を大事にする気持ち育みます。
左手の壁の陰影。こちらは漆喰コテ塗りの証です。流行の漆喰は色々なタイプがあり、一番安価なものはクロスに漆喰を混ぜたもの(漆喰とは言わないかも)からローラーや刷毛で塗るもの。そして今回の家のように、コテで塗るもの。勿論コテ塗りが一番風合いがでます。特に今回の漆喰は西洋漆喰で厚さ2~3mmと日本の漆喰の2倍の厚さ(日本の漆喰は1.5mm程度とかなり薄い)があるのでコテムラを残す事で風合いがあります(建て主さんとそのご家族で全て塗りました)。
普通漆喰は真っ白です。が、今回の西洋漆喰は黄色い石の粉でベージュ色をつけてあります。
だから穏やかな感じになります。
床下に設置された、排湯熱回収装置です。
シンプルな熱回収装置です。オーブルデザインのオリジナルで実用新案か特許申請予定です。
その装置の奥に見えるのが床下暖房用の「高効率エアコン」です。暖気が床下にまんべんなく対流するように隙間があることがわかります。
床下に貼り付けた断熱材はグラスウール換算で240mm。この床下がHeatingFactoryです。ここを見るだけでも価値はありますね。
柏崎市で積雪105cmと100cmを超えるなんて信じられません。長岡でも既に120cmを一時的に記録し4年ぶりの降雪。
先日も申し上げましたが、地球温暖化は、気温が上がるだけでなく、このように気象の変化が大きくなると予想されてます。降る時はたくさん、降らないときはまったくと・・・。
その中で地域にふさわしいと言う事はどういうことでしょうか?
新潟県は人口がある程度集中している地域の中で世界的にも雪が最も降ることで有名です。ですので1m以上降る事が多い場所はそれなりの配慮が必要です。例えば雪下ろしのしやすい屋根もそうですが、最近はとんがり屋根(屋根勾配が急)だけれども、雪下ろし以外に対応できない家などを見かけます。本当にそれで大丈夫なの?と首を傾げたくなります。住宅密集地では、雪下ろしや自己落雪屋根は計画できませんので、耐雪住宅が一番コストもかからない提案です。オーブルデザインは悠々自適なお住まいほどこの提案をまずします(採用見送りもあります)。
まずは三条下田の2mの耐雪住宅
これは3日前の状況ですから今はプラス40cmくらいあるでしょう。雪庇防止もよく機能してます。
雪に埋まる事のないエアコン設置位置やその屋根も考えています。
外壁の無塗装の木は少しずつグレーのカビ(このカビは木にとって問題ありません)も生えだんだんシルバーグレーになって来ました。今が一番気になるところですが、ここを過ぎると穏やかな色になります。
注意して見ていただきたいのは、雪が降っているのに、外壁がほとんど濡れていないことです(気温が低い理由もある)。だから木が長持ちします。
前面のカーポートは融雪装置を計画しました。バッチシ綺麗に溶けてます。
最近はデザインばかり重視して、本来の地域にあった家の計画をおろそかにしている傾向があります。
新潟県は雪が沢山降る地域があるということしっかりと設計者は認識する必要があります。
次は長岡ニュータウンの耐雪2.5m住宅です。
さすが雪国長岡!。この写真の道はニュータウンのメイン道路で普段は片道2車線+αくらいの道幅がありますが、この雪でロータリーラッセル車が間に合わないので1車線の細い道になってます。
道沿いの「あるお宅」ですが既に雪下ろしをされています。
黒い中央の家が耐雪2.5mの緑の家です。あと2mくらい載せる事ができます。余裕で十分ですね。
今のところ雪庇もできる気配がなくよい感じです。
雪国では余計なところにコストをかけるのではなく、風土に合った基本性能がある家となるように設計すると長期間愛せる住宅になります。建てたばかりの若いころは、雪なんてどうにかなるよと言う事で、設備に、インテリアに、広さにお金を掛けますが、30年後を想像してください。子供は独立して高齢の夫婦しかいない時に、雪下ろしや除雪は誰もがしたくないのです。こんなときに耐雪住宅なら心配ご無用ですね。
さて、雪が比較的降らない新潟市では、多雪の代わりに一週間に2日位は強風(平均10m/s)が吹き荒れる地域ですので、新潟市での地域性は超気密C値0.5㎝2/m2前後の住宅でしょうか?この気密性なら外部が風速8~10mまでならほとんど外気が隙間から入らないとされてます(通常のC値2から5程度の高気密住宅では家の中の空気が1時間に2回から1回も入れかわる位の外気が入り隙間風を感じます)。
そのC値が0.17cm2/m2の超気密住宅の見学会を来週行いますので、是非おこしください。
築後8年経過の「緑の家」の無塗装の木の床。全く何も塗っていなのに艶々。
昨日ようやく理由がはっきりとわかりました。
当事務所は、無塗装の無垢の木の床を薦めて12年以上たちます。このことをとても不思議がっていらっしゃる人(同業界)がいました。その人は
「無塗装の床に住んでいる人からクレームありませんか?」
と毎年冬に聞かれるのです。
「えっ・・・。ないですがなぜですか?」と私
「冬になって家の中が乾燥すると、床が『ささくれだつ』と言われるのです」
「特に無塗装の床でなく、天然系オイルやワックスを塗った床でも言われるのです」
「そんな事いわれた事が今まで一度もないし、そもそも年月が経てば光って艶々ですよ。ささくれなんて考えられないです」と私
「全く同じ床を使ってもそれがそうなりません」
・・・すこし間をおいて
「それはスリッパを家の中で使用しているからでしょう!」と私
「そういえばスリッパ使ってますね。確かに裸足ではありません」
ここでようやく理由がはっきりわかりました。元々日本人は家の中で履物(スリッパ)を履く習慣はありません。スリッパは戦後の昭和30年くらいから一般の家で普及が始まったと言われてます。つまりそれまでは旅館、病院、学校など、ヨソで使用、借用するものであり靴下を汚さないために履くような考えでした。
そうですね。スリッパがささくれの原因です。無垢の無塗装の床は数百年の歴史がありますが、それは全て裸足か靴下で歩く歴史です。スリッパの底は、裸足や靴下より無論硬いですね。これが摺ることで木の表面に傷をつけていたのです。だから幾ら油成分を自然に出す針葉樹の木(ヒノキや杉、松)の床であっても表面がささくれてしまうのです。畳の上をスリッパで歩かないように自然素材は・・・。
更にスリッパでは足の裏から「人の油」を供給できないので光らなく磨耗するのです。
居住後の「緑の家」に伺っても「スリッパ」は一切その家に見当たりません。いらないから出さないし、購入しないのです。床はきれいだし冷たくなければ必要ありませんね。
さて、理由がはっきりとしました。ではなぜ当事務所の家以外のでは、スリッパを履くのでしょう。答えは簡単、簡単です。
家の床が冷たくて冬はスリッパなしでは歩けないからです。
目から鱗の理由でしょう。緑の家は家中暖かい性能の家と無垢の無塗装の床が必ずセットですから、あえてその無垢板の気持ちよさが最大限受けられるように「スリッパ」は薦めてません。またスリッパがなくとも冷たくない家を100%提供して来ましたから今までクレームがないばかりか、上の写真ように艶々するのです。しかしただ単に自然素材の無垢床しか薦めていない仕様バランスの悪い会社や設計者の造る家は、床が冷たいのでスリッパがなければとても歩けません。だから感触の悪くなるオイルや蜜蠟ワックス塗りを薦めるのです。オイルなどは汚れ防止だけではなかったのです。
いつも「蜜蝋ワックスを床に塗るのは絶対しないほうがよい」と言ってますが、冬に裸足で歩けない家の性能(構造)であれば表面にロウの膜を造るワックスは仕方なかった事だったのです。本当に今回の関連はびっくりしました。
確かに無塗装の床が数年でピカピカというブログや建設会社の実物写真を見た事がありません。これは家の仕様のバランスが悪いため、本来の木の使い方ができなかった事が原因であるとはっきりとわかりました。スリッパが存在しない寺や銭湯の床が光っているのはこのためです。
当事務所の薦めてきた「緑の家」の性能と自然素材のバランスに間違いはなかったと自負できるお話でした。感謝です、ほんとに久々に鳥肌が立つ時間でした。
この写真は新築時の床。まだ艶は全くない。これが裸足で数年歩くと上のぴかぴかの床になる。
屋根の出があると外壁は少しの雪や雨では濡れません。ケヤキの幹は濡れ色ですが、外壁は乾き色です(花台のみ濡れ色)。
今日の寺泊は未明の4時ごろから突風が吹き荒れました。アメダスによると最大風速は27m/sとサッシ規定値位の風が吹きました。事務所へ通勤道中、寺泊から燕へ入ると風は弱まり、三条に入ったころはほとんど風が強いとは感じませんでした。新潟の冬は地域差があります。そんな厳しい環境にある拙宅は家にいれば冬も家中全く快適です。洗濯物は一晩で乾くし、寝起きも苦ではありません。
ここから本題ですが、拙宅の家族には今年満20歳を迎えるトイプードル犬(ビアンコ)♂もいます。去年から人間で言う認知症が始まり、朝と夜の区別がわからなくなっているようです。今日は深夜2時半から2時間くらいおきて徘徊をしてました。・・・徘徊する・・・そう、お分かりのとおりビアンコはロープでつないでもいないし、サークルも基本的にはありません。これはできる限り自分の足で動けるようにと思っているからです。既に走る事はできず、歩行もよろよろで時々転びます。転ぶと自分で起き上がる事ができないときがあり、この時間が長いと怪我や関節が痛むせいか数日間立ち上がる事ができません。ですので常時24時間付き添いがひつようです。
「そこまでするなら、サークルに入れたほうがよいのでは?」
とおっしゃる方もいらっしゃいますが、徘徊の歩く事はとても重要な事だと思ってます。適度に歩く事で足の筋肉が落ちないようなリハビリになり、バランス感覚も維持できます。この自分の足で動けるということは、介護するほうも非常に楽ですし、何と言っても介護する側される側どちらも楽しく感じます。この「楽しく」が家族には一番重要で、家族が檻に入っているような環境は楽しくありません。
高福祉で有名な北欧の介護の基本はいかに寝たきりの時間を短く(無いように)するかと言われてます。寝たきりは介護するがわに肉体的にも金銭的にも大きな負担を強いるからです。
今日は深夜2時30分から2時間位おきてました。 汚れてしまった床の清掃や座布団の洗濯をその時間にしました。
何がいいたいかと言うと、こんな深夜に起こされても家中寒くないので、そのストレスがないという事が大変ありがたいのです。薄い一枚のパジャマでお風呂場からトイレ、キッチンまで難なく裸足で移動できること(床が冷たくない)。これは実際夜の介護した人にしかわかりません。
故父も、認知症で徘徊がありました。実家は高気密高断熱ではなかったので、家中暖房は無理でした。トイレは10度くらいしかなく、お風呂場は外気とあまり変わりない温度です。そんなところを夜おきて仕事や洗濯をしたり、父に洋服を着せるのは大変ストレスがたまります。寒いと言う感覚がない父が寒い場所に移動したときは、直ぐに上着を着せなければならないし、最初から沢山着ていると今度はトイレのとき脱がす事が大変です。
介護施設はいつ行っても温度一定です。トイレでもお風呂でも暖かいですね。これは介護する側にも大変なメリットです。半そで一枚で介護できる事は、汚れたら直ぐに着替えられ、気温差によるストレスもまるっきりありません。もしかしたら介護を楽にするために、施設内を快適温度にしているのではないかと思わせるくらいです。
家中暖房は、高齢になったときその真価を最大限発揮できる人工環境です。自分ばかりか、介護する人にとても優しい空間なのです。
最近、数十年後はエネルギーが高騰するので・・・と言う理由で超高断熱住宅ををお勧めしてます。「するとそこまで考えてなくともいいよ。」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、ますます自宅で介護される施策が進められるなか、介護者に優しい家は介護される側にも楽しさをもたらします。
「寒い」と顔をしかめる事が介護する人になく、心に余裕を持って接しられます。その余裕が介護者にも伝わりお互いハッピーです。更に家中暖房できる家は、床が冷たくないのでスリッパがありません。これは私がお手伝いした家の99%そうでした。メンテナンスに伺ってもスリッパが玄関にありません。スリッパがないということは、引っかかって転ぶ心配も少なくなりなす。介護施設も入居者のスリッパは原則禁止ですよね。ほとんどがスニーカーですが、たまに裸足の認知症の方もいらっしゃいますが、足が冷たくなければ裸足ほど安全な歩行条件はありません。
自然素材重視の住宅メーカーさんのなかで、超高断熱の家を見ると
「そこまで断熱性能が必要ないよ。性能マニアの家だよ」
といわれる方がいらっしゃいますが、老後は何かと収入源が固定化されると思います。ですので新築後20年くらいたった時、断熱リフォームをされる意欲はないと思います。最初から断熱性は20年後のエネルギー高騰を予測し高い性能で新築すれば、介護する人にもやさしい家中暖房が少しの暖房費で可能です。もちろん、それまでの間でも家中暖房の良さを体の芯から感じることができます。高齢になったときは、家で体を鍛える必要はなく、体やお財布に負担を掛けずに悠々自適に快適な環境で過ごす事ができる住宅・・・超断熱住宅をお勧めする理由です。
自分で設計していいね~というとおかしいですね。でもこの開口部、良くないですか?
12月22日のブログに、「木製サッシには庇か屋根の出が必ず必要」と宣言してます。それは、木製サッシの耐久性に大いに関係しているからです。
この外壁から引っ込んだ木製サッシ。あれっ、どこかで見たような・・・。と思って車にに乗っていたら、「これだ~」と思ったのが、土蔵の窓でした。
土蔵は壁の厚さがやはり30cmくらいあり、窓の位置が外壁から引っ込みます。そしてその窓をかばうように庇が付いているのが普通です。古来日本からあるデザインなのですね。
流行の庇がも屋根もないサッシとは違いますね。庇がないと自然素材の木のサッシの痛みが激しく、また時には「よだれ」を引き起こします。基本は忠実に守りたいところです。
町で見かけた築12年くらいのかっこい良い家。しかし屋根の出や庇がなく、外壁がガルバニュームではないので汚れがひどく目立ち残念。
ちなみに下の外壁はIGサイディングと呼ばれるガルバニューム鋼板。エンボス加工がすっきりしたイメージを与えます。
珍しく「緑の家」になぜサイディング?と思う方もあると思います。
実はこの外壁は外貼り断熱に使っている「高性能フェノールフォーム」という最高性能の断熱材が105mmの厚さで施工されてます。
法律では市街地は燃えにくい外壁構造としなさいという決まりがありますが、その決まりに正しく合致するのが、現在はこのIGサイディングのみです。但し建築主事の判断で今までのガルバニュームをつかえるところがありますが、そこはケースバイケースです。
あっ、ダイケンのダイライト工法では、こんなに厚い外貼り断熱をすることは認可されてません。またダイライト工法では外貼り断熱の上に無垢の木を貼る工法も認可されておらず法律違反です。気をつけたいですね。
「緑の家 SSプラン」この庇ならほとんどの雨は防げます。また枠のようなデザインは、外壁を壊さなくともサッシ交換可能な枠。こんな窓、見たことないでしょう。
この写真は緑の家でよく使うヒノキの床板の8年経過した写真。
こちらは新潟市で竣工当時の松の床板。無塗装ですが、8年たつと上のようにぴかぴかになります。素材は違いますが、針葉樹である松やヒノキ、杉には、木本来が持っている脂(ヤニ)があり、その脂と人間の足の摩擦(分泌類を含む)で表面がピカピカになります。
広葉樹であるカリン、梨、桜、カバ、ナラ、ケヤキ、タモ等では、この脂がないので無塗装ではぴかぴかに成ることはありません。そればかりか、カサカサになり、ざらざらとささくれができます。したがって、床に使う場合は人間が故意に油(オイル)成分を補給します。拙者が小学生だったころ、小中学校では、ナラの床が多かったので、一年に2回以上は油をわざわざ床に塗る日がありました。今の学校はリノリウムやPタイルなのでないでしょうね。40代以上の人は懐かしい油の匂いはまだ記憶にあると思います。
近年は自然素材ブームなので天然木の床を使っている家が多いのではないでしょうか?その多くが間違った使い方や認識をしています。
例えば、針葉樹である松やヒノキの床に蜜蝋ワックス系を塗る行為。これは大変な間違いです。そもそもワックスとはローソクの「蝋」と同じで、常温で固体です。ですので表面に蝋を塗ると薄い膜ができ、「木」本来の吸水性や温かみを阻害します。蝋は蜜蝋であっても床に絶対塗ってはいけません。一度塗ると、2年に一回は塗りなおさないと、表面のうすい蝋が所々はげ、剥げたところだけに汚れが集中して染込み「まだら汚れ」となります。これが一番みっともない汚れ方です。私共事務所では、12年間一度も蜜蝋ワックスをお勧めしたことがありません。今後もないでしょう。これは過去に蜜蝋を塗った木が、不自然で汚れがひどくなる事を経験したからです。欧州で蜜蝋が床のオイルに混入されているのは、彼らは靴や室内履きを使う習慣のため、素足で歩くことがないからです。結果、足からの分泌類は木に補給されず、自然に艶は出にくいし、靴は汚れを持ち込むので汚れやすい蜜蝋でもOKなのです。
針葉樹系の床は間違いなく無塗装が理想的です。木自身の脂でゆっくりと光るその艶は、人工で造ったつやとはちがう品のよいものです。
また温かみがなくなるというのは、無塗装ではどんなにつるっとしても表面がでこぼこしてます。そのため、手や足で触れても密着せず空気が間に挟まります。これが温もりと感じるゆえんです。ですのでその表面のでこぼこをなくす蝋成分を塗ったとたん、冷たく感じます。一度お試しください。目に見えないでこぼこが如何に木の温かみの貢献しているかわかります。
建て主さんが、感覚的に自然素材の木がいいね!という事は問題ありませんが、木のプロである施工会社の人がこういった基本的な木の事も知らずに自然素材がよいと宣伝したりするのは勉強不足としかいいようがありませんね。
さて、今は針葉樹の木のことでしたが、最近は広葉樹の木のほうが多く床に使われていると思います。広葉樹とはカリン、梨、桜、カバ、ナラ、ケヤキ、タモがあります。こちらは脂がないので最初からオイルを塗る必要があります。もともと針葉樹より硬い木がほとんどなので木の温かみが落ちますので、オイルを塗ってもそう印象はかわりません。しかし裸足で歩く場合の床は、ワックスは避けオイルのほうが肌触りやメンテナンスはよいです。スノーボードやスキーをする人なら想像できると思いますが、蝋は水分をはじきます。つまり肌触りにとっては最低な条件です。
エアコンは、今や快適な生活を送る上での必需品です。夏は湿度をとり温度を下げ、冬は温度を上げ暖かくします。エアコンが世の中に出てきたのは1952年。この頃は冷房しかできないためクーラーと呼ばれていました。だからエアコンをクーラーと呼ぶ人は45才以上です。
13年以上故障なしで事務所で稼働中のRAS-255SD東芝(8帖用)稼働率は年間50%くらいになる。
1961年に暖房機能が追加され、またヒートポンプ式エアコンも同時に発売され、エアコンという名称になりました。更に1970年から壁掛け式の現在あるエアコンになりました(余談ですが、車のエアコンはクーラーですね。ほとんどの車種が暖房はエンジン余熱によるものです。電気自動車はこのエンジン余熱がないので、エアコンをONすると暖房もエアコンですので極端に航続距離が下がります)。
ここから既に約半世紀が経ち、当時のエアコンの性能はCOPで2くらいでしょうか?そこから現在は6.7くらいまで3倍以上も性能が上がりました。
私がエアコンを新潟県の暖房器具として使い始めたのは、17年くらい前の以前の職場です。ちょうど高気密高断熱住宅の新しい仕様がほぼ完成し、IBECの気密住宅の評価申請を終えたころです。当時標準で取り付けていたFF式の石油暖房器具(出力6KW)で、40坪位の家が丸ごと暖房できるのがわかってました。そんな中、冷房器具としてのエアコンを考えて調べていたとき、東芝のRAS-255SDという機種が暖房COP4.6を既に出しており衝撃を受けました。
私の学生時代に友人の卒研発表で「理想COP10以上」だったようなヒートポンプに関する発表があり今でも記憶に残っているくらいヒートポンプについては興味がありました。
そんな学生のころ、エネルギー保存の法則で、『ある閉じた系の中のエネルギーの総量は変化しない』と習ってましたから、ヒートポンプを1のエネルギーで10のエネルギーを得ると解釈した私は、凄い機械があるものだと勝手に思ってました。実は閉じた系でなないことがわかったのが相当後になってからです。
熱をある系から系へ移動している機械がヒートポンプエアコンですね。生み出しているわけではありませんし(ここがエコの所以なのです)、環境規模から見ればエネルギー保存の法則のとおりです。お馬鹿でした。ただ、低い温度から高い熱をくみ上げることについては、理屈はわかっていても今でも驚きです。
ということで、COPが4.6ということがわかって、当時東芝さんからいろいろ資料をもらいました。気温別COPや、出力別COP(インバーターだったので)などのグラフももらい、新潟でも充分暖房機として使えることがわかり早速各地域の住宅に取り付けました。
思っていたとおり充分暖房可能でまったく問題ありませんでした。だた当時は灯油が安価でランニングコストが灯油を使うより少し高いことだけでした。
当時のエアコン暖房の利点は、いくつかありましたが、その中でもサーキュレーターの役目も兼用できたことが非常に大きい利点です。この利点が今のエアコンにはなくなってしまいました。これは、最近のエアコンが出力応じて勝手に風量を下げ、コンプレッサーが動いてないときは、室内送風機の風量が限りなく0になるからです。すると高気密高断熱住宅では、数台で少ない出力で運転している時があり、その時サーキュレーター代わりとして使えなくなるのです。こればかりか最近は、機械が人を見つけそこに向かって暖かい風を吹き付ける機種まであり、正しい機能の進化とはいえない気がします。エアコン暖房が嫌いな人は、あのなま温かい風が吹き付けられるのが嫌いという人多いはずです。そのためわざわざ当事務所のエアコン暖房マニュアル(こんなもの渡しているのは当事務所だけかな?)には、
「エアコンの風は、人に向けないように設定してください。」と書かれています。また、説明に当たっては、「エアコン風は窓下に向けると快適性がまします。」と言います。
窓周りの断熱性が壁より大幅に低いので、やはりコールドドラフトは発生し不快になりますが、このようにエアコンを使うと、不快感が軽減されることを経験上わかっていましたので、サーキュレーターとしての機能も期待してました。それが今の機種では不可能になりました。残念です。下の写真の機種は最近の製品ですが、これもサーキュレーター機器となりません。その点上の写真の13年前の255SDはサーキュレーターとなり事務所のような低断熱建物では大変重宝します。今後メーカーには、風量を人が調整できるようにして頂きたいと願っております。
2007年に事務所に追加した設置フリータイプの三洋製エアコン約COP6.4(10帖用)年間稼働率60%以上と大忙し。
デザインも重視する設計事務所なのにビルトインのエアコンにまったく興味がないのは、ただたんにビルトインエアコンや天井カセットエアコンはCOPが低いからです。私が最初に入社した設計事務所では、ビルトインエアコンを多用してましたが、ショートサーキットによく悩まされました。今後も暖房は床下エアコン暖房で、冷房は目立たないところに1台設置だけですから、住宅でビルトインの必要性は今後もないでしょう。
最近当ブログに「薪ストーブ 地球温暖化防止」というキーワードで検索しお見え頂く方が多いです。
他の検索結果を見るとほとんど「薪ストーブ=温暖化防止に一役買う」と書かれたページが多いですね。オーブルでは過去ブログにも書いたように、「薪ストーブは地球温暖化を防止しない。」という立場です。
理由は
「日本中の暖房機を薪ストーブに変えると20年弱で日本から木が一本もなくなる」事です。CO2を酸素に変えたり、幹としてCO2を固定化する木がなくなるのです。
明治維新の頃の140年前、薪は日本では暖を取る唯一といって良い資源でした。そしてその薪だけで日本人はそれ以前の長い年月、暖を採って生活してきました。
薪を山から切っては植樹再生等して、循環社会が築かれていました。だからお考えのとおり「薪=循環可能=カーボンニュートラル=温暖化防止」になったと想像します。
しかし、140年前日本人の人口はどのくらいでしたか?約3500万人です。今は1億2000万人です。
140年前は「暖房」してましたか?いいえほとんど煮焚きのみの燃料でした。一部炭として手あぶり採暖として使われてました。今はほとんどの家庭で暖房します。
140年前でも燃料として木材は都市では貴重でした。
今と140年前は暖房として使うエネルギー量がまったく違うのです。だから一斉にみんなが暖房用に薪を使うと直ぐになくなり山は丸禿状態です。
まずは使う暖房の量を減らさなければ「温暖化防止」ではありません。薪ストーブはよい暖房機で、私も大好きですが、誤った情報で推進されることは残念です。
私のある友人には山の麓で暮らし、日々の生活で伐採する木を燃料として使っている人がおり、彼は言いました。「薪は燃やさないと捨てなければならない。だから家は薪ストーブがぴったりだ」。
また違う友人は、「薪が燃えているのは落ち着く。都市で薪ストーブの薪集めは大変だが、好きなものには苦労はない」
この2人は違った理由で使ってますが、それぞれ楽しんで使っています。それでよいと思います。現代の薪ストーブはその位置づけだと思ってます。
「2020年までに1990年から見てCO2の25%削減しよう」という目標を日本が国連で表明しました。これは現在のCO2を25%削減するのではなく、大体現時点から約40%の削減であるといわれてます。だからすごい反響があるのですね。
いろいろなご意見がありますが、CO2削減は子供たちもためにも重要なことです。できるだけ応援、協力を行っていきたいと思います。
さて、家の設計者ができることは・・・。限られてますね。しかし何か行動します。
新潟の家で一番エネルギー消費(=CO2排出寄与率)が多いものは、暖房と給湯で、それぞれ1/3づつを占め2つで2/3にもなります。節水や節電より暖房と給湯の対処にウエイトを置かなければいけません。
残りの1/3は照明、調理、通信、娯楽です。これは建築屋さんの分野ではないので他の技術者にがんばってもらいましょう。
暖房エネルギーが1/3あると認識すると、高気密高断熱技術は家の熱を逃がさない技術としてCO2削減の良い手法と考えられそうですが、実は誤解があります。
一番取り組みやすい暖房エネルギーを削減するのは、「寒さを我慢する」事です(汗)’’。
19年前に建てた拙邸(高気密高断熱Q値1.9w程度)でもわかりますが、高気密高断熱の家は、既存家一軒あたりの平均暖房エネルギーより多くかかる傾向があります。 えっっ・・・と思われるかたも多いと思いますが事実ですね。いろいろな論文もありますので探して見てください。建築学会では知られた話です。
なぜ多くなるか?
それは、家の各部から逃げるエネルギーは、断熱の悪い家より格段に少ないのですが、家全体を暖めるシステムのため逆に増えるのです。断熱の悪い家は、寒さをがまんして居間とか台所しか暖房しません。寝る前に個室を少し暖房しますが、夜は暖房しません。少しの暖房空間で我慢します。でも高気密高断熱住宅は、24時間暖房が前提ですので、多くの家で家中24時間暖房します。そして24時間家中暖房しても、以前の家より少しだけ多く電気代がかかる程度なので快適さを優先して暖房します。だから暖房エネルギーが増える傾向があります。一度24時間家中暖房の快適を知ってしまいますとなかなか寒さ我慢生活に戻れません。
何か手を打たなければ40%削減は、快適さを犠牲にして「寒さを我慢する」という戦前の暮らししかありません。これは望みませんし、これでは設計者として失格です。そこでご提案しているのが、超暖房のSSプランと「断熱区画のある家」そして「コンパクトな家」です。
今日は「断熱区画のある家」をご紹介します。日本の断熱に関する法律、性能や施工方法は上の写真の「住宅の省エネルギー基準の解説」という本に書かれてます。その中で下の図は、「断熱構造とする部分」として紹介されている図です。これを見ると通常、外気と直接接する壁や天井、床を断熱することになってます。ここがエネルギー浪費のポイントとなります。
家を建てるとき、ほとんどの人は家族が全員いる事?が前提でプランします。つまり子供やご高齢者の部屋も必要として考えることが普通です。しかし、最近のご夫婦の一生を考えると子供と同居していたり、高齢者と同居している期間は、全体の半分にもならない事がよくあります。55才を過ぎた頃には50坪以上の家にご夫婦だけという家も多いのではないでしょうか?そうなると家では普段使わない部屋が半分くらいできることになります。使わない部屋も24時間暖めないと、結露やカビなどの被害が発生するために、人がいなくても暖めることになります。それが大きなエネルギー消費増を招きます。
一方断熱区画は「LDKと寝室と風呂、トイレ」と「子供室、客室、予備室」と断熱的に分ける家です。ひとつの断熱区画は最大30坪(100m2)以内として計画します。もし「LDKと寝室と風呂、トイレ」で30坪を超えるなら、「LDK」と「その他の部屋」に更に分けても良いでしょう。こうすることで、仮にSプランの家を作っても以前より暖房費が上がる事はなくなります。
次次世代断熱基準を作るときには、この断熱区画の計画を盛り込んでほしいと思います。どうでしょうか?東大の坂本雄三先生(次世代基準を取りまとめた先生)・・・。
あっ、、、肝心のCO2の40%削減には、SSプランの断熱性能がまず必要です。残念ながらSプランをもってしても「我慢」しないと40%削減は不可能です。SSプランの家なら暖房用エネルギーは1/4(Qpex試算)です済みますし、この性能であれば、給湯エネルギーを増大させる浴槽のお湯はり入浴が少なくなるでしょう。高性能家では夏と同じようにシャワーだけで冬でも全く問題なく利用できます。つまり浴室も暖かいので、わざわざ浴槽であったまるという行為が減ると思います。
太陽光発電パネルが良いのでは?というご意見があると思いますが、CO2排出=エネルギー消費ですから、まずはエネルギー消費を少なくする事(超省エネ住宅)が王道です。効率よくエネルギーを造ること(太陽光発電パネル)が最初の対策ではありませんよね。
昨日住宅評論家として有名な「南雄三」講師による講演というか勉強会に出席させて頂きました。
主催は上野住宅建材(見附市)です。この会社は県内にR2000を紹介した由緒正しい高気密高断熱建材及び輸入会社です。
さて内容は、南講師が力をこめる「長期高価値住宅とは」です。
皆様ご存知のとおり、最近は長期優良住宅が推進されてます。これは他の先進諸国と比べ日本の家の建て替え寿命が著しく短い「短命住宅」であるからです。ちなみに日本が30年に対し最長のイギリスが80年以上、米国等でも60年以上だそうです。これでは一向に家が社会資産とはなりません。返済が終わると同時にとりこわしですね。
まずジャブとして日本の抱える欠陥(世界との比較)ということで、
日本では先進国の中で特殊な高齢者高貯蓄国家。老後における国の施策が不安なので老人の貯蓄が世界一。この不安(恐怖)がある限り、お金が回らない内政状況・・・。
そのとおりですね。老後の恐怖がなくなれば、もっと心が豊かになりますよね。あの高福祉国家スエーデン?(だったと思う)は、100年位前に「姥捨て谷」があったらしいとの事です。それが今は世界一の高福祉高負担国家で、経済も住まい豊かといわれてます。老人は不安なく日々過ごせるそうです。日本には姥捨て山があったのですが、姥捨て谷とは・・・高齢者を突き落とす谷の事です(絶句)。
次に・・・この本は、南講師が「絶対買いなさい」に脅された(笑)本です。昨日早速アマゾンで中古を購入しました。
さて、日本の住宅はなぜ30年で取り壊されるのか?日本は家を買ったらその家は死ぬまで住む(借金返済)という前提。だから自分だけの家を建てるし、老後不安だからその家でお金のかかるメンテナンスなどしないでお金をためる→その建てた住人が死んだら誰もその痛んだ家には魅力がない→流通に乗らない→売れないで壊される。そして政府の持ち家政策が推奨され、自分だけの家となり、短命ということらしいです。
いつも賛同する南講師のご意見ですが今回は・・・実は私はそう単純ではないと思います。
ここから拙者の主観で書きますので興味のある方だけお読みください。
日本には長い寿命の住宅も多くあります。例えば新潟県の農家の家は、50年以上は当たり前に建っていることが多いです。一方新潟県でも市街地に建てられる家の多くが短命です。また、日本は他の先進国と違い大部分が亜熱帯地方に属するような気候があります。その亜熱帯地方の建物は比較的短命です。
さて、農家の家がどうして長命だったか?それはまず戦後すぐでも家にお金をかけられた。つまりお金もちだったからからです。そして農家には家を継ぐ(あと取り)という習慣があり、農地とともに家ごと引き継いできました。農地は移転はできませんから、家もその周囲になければなりません。ところが農家以外の職種では、この「あと取り」という習慣が薄く、家を引き継ぐ理由がなかったのです。そして戦後お金があった(食料が一番お金になったころ)農家は立派な家(広くて庭がなどしっかりある)が建てることができました。
一方農家以外の家は小さく、家があれば良いという程度の家(国もそう推進していた)なのでどちらかといえば粗末な家が造られました。実は亜熱帯地方の気候である日本は、粗末な家でも耐えられる気候だったのです。ここが他の先進国と違います。亜熱帯地方の普通の家は、ほとんど薄い壁、雨がしのげればよい程度の屋根だけです。一方日本の中でも寒い気候に属する北海道ではそれではなかなかつらい気候ですが、これはほんの日本の一部でしかなので、国の施策は、とにかく安い家でいいからたくさん建てて、人を増やすことに力を注いだのではないでしょうか?日本の人口密度を他の先進諸国と比べると高い事がわかります。人口密度高い国は、気候が亜熱帯以上の国がほとんどです。韓国が日本より高い人口密度ですが、森林を占める面積が多い日本では、実質同じぐらいでしょうか。
そしてこの亜熱帯気候。これがやはり住宅の寿命を大きく左右しているのではないかと思います。
それはカビと腐朽菌です。日本の気候では、家は放って置くだけでカビが蔓延します。特に有機天然素材で作られた家は必ずカビが生えます。一方住宅長寿先進国は気候が北海道並で梅雨などないところがほとんどで、カビが勝手に増殖する気候ではありません。
よく「取り壊された家は構造的に寿命でだめという理由はほとんどない(構造が腐って勝手に家が倒れた)」と言われます。そのとおりですね。でも古い家はほとんどといってよいほどカビ臭がします。また手入れを怠った家も独特のにおいがします。この匂いは、簡単に取れませんし、日本人は強い匂いを生理的に嫌う傾向があります。特にこの匂いはその家々で違うようで、自分の住んでいる家の匂いは問題ないでしょうが、他の家の匂いは受付にくいですよね(体臭でもそうですよね)。ですので真新しい木の匂いにとても価値を感じるのでしょう。
一方カビの生える気候は悪いことばかりではありません。木が生長しやすい気候であるため、木造住宅を50年持たせれば、木の循環が可能となります。だから50年で壊しても良いことにはなりませんが、木材が比較的手に入りやすいので、壊しやすかったともいえます(今は北米、北欧の輸入木材が安価なので大半を占め、少し矛盾してますが)。
さて短命の理由は、好き勝手に建てられる家のため売れない→流通が育たない→取り壊される
ということも無論ありますが、私はこの日本の気候と戦後の貧しさと国の政策の問題が大きいと思います(一極集中施策、非木造推進施策※を含む)。好き勝手に作るのは、そうしないと造れない地代の高さと制限があり、またその制限が町並みに対する制限をまったく含んでいなかったせいでしょう。いろいろなデザイン、新建材が横行したのは、貧しさゆえの表面のごまかし(建材含む)だと思います。お金をかけられた家は、古くてもデザイン的に今も問題ない家が多いですから・・・。
また歴史的背景もありそうです。江戸の庶民の家は火災が多く、結構頻繁に建て替えがあったとされてます。庶民の家(大きな武家や地主の家は別)は、短命でも仕方ないと思って歴史が長かったのでしょうか?
勉強会で賛同する部分というか、「そうか!!」という部分は、「モーゲージ・ローン」と「ノン・リコース・ローン」でした。このローンで「貧しさ=家にお金がかけられない」という部分が解消されるきっかけになりそうです。
米国では、住宅の融資の基本はこのモーゲージ・ローン(且つノン・リコース・ローン)だそうです。これは、家、土地だけの担保でお金を借りれ、もし払えなくなったときはその家と土地を手放せば、それ以上責任を取らなくても良いというローンだそうです。日本では、人にお金を貸しますので、仮に家と土地を手放しても、借金が残っていれば払い続ける必要がありますが、モーゲージノン・リコース・ローンでは、手放せばローンは一切チャラとなり、また出直せるということです。これはすごいシステムで中古住宅が流通に乗る基盤になります。人にお金を貸した場合は、その人が今後稼ぐ以上に融資は無理ですが、このローンなら関係ありません。その人の収入がどうであれ家が社会的資産になりますから・・・。是非このシステムが日本にも定着することを願います。
さて、私の結論ですが、今までの短命住宅は仕方ないというより感謝です。これだけ経済が成長できた政策優先は支持しますし、それを行って頂いた諸先輩には感謝申し上げます。
今後はやはり長期高価値住宅は、子供たちに残す財産として必要です。もっと心が豊かになるように、家の借金が終わった途端壊されるというローン地獄の連鎖を断ち切る必要があります。その長期価値住宅の目標とする対応年数は、木造で平均60~80年くらいではないかと思います。これで地方では約3世代が引き継ぎます。一方都市部ではコンクリートの寿命となる80~100年くらいで、10から20サイクル(転勤や転属で4~8年)の入れ代わりが相応という気がします。
地球環境が激変する可能性の高い今世紀。手塚治氏のような想像力があれば別でしょうが、我々技術者ではどうがんばっても60~80年の目標をたてるだけでも精一杯です。
最後にいろいろなことを考えれる時間があった、講師の南様は無論、このような講演を主宰された上野様にも感謝申し上げます。
※・・・日本建築学会が非木造住宅推進だった昭和34年からの20年間は、木造住宅の構造的進歩が止まりました。このころ建てられた多くの家には耐震性や断熱、耐久性などはまったくといってよいほど考えられてません。このような基本的性能がない家だから取り壊すしかないと考えます。
毎年恒例になってしまった事務所エアコンの水漏れ。過酷に運転しているこのエアコンは24時間可動が多いので、いつもドレン管は湿りっぱなし。そこで湿気取りの最高潮である真夏に水漏れが発生する。
いつものように修理。
そこに簡易ポンプ(灯油タンクのときに使うようなもの)をきっちりと接続。
後は吸い出せば出てくる出てくる。カビ球。これは一回目。
一応これで当分大丈夫。
最近はほとんど断熱ドレイン(内部にでこぼこがないもの)になっているのでこういう「詰まり」は少ないと思いますが、古い機種や蛇腹ドレインの場合は、お試しください。修理を呼びますと約1万円です。
最近地中熱利用の話題を2つ耳にしました。ひとつは、ローカル新聞の記事。もうひとつは見学会にお越しいただいたお客様からです。
地中熱利用は古くから何度も実験や実測されて、実用されています。住宅において地中熱利用は2つに分けられます。一つ目はパッシブ的(受身的)利用です。たとえば当事務所の仕様である基礎断熱がそのひとつでしょう。建設時一年目は、基礎下地面の温度は周囲外部地面と同じ位ですが、一冬過ぎたころから、周囲地面に比べ多い温度で安定します。これは冬室内空間となる基礎下は、外気で冷やされることがないため、周囲地中温度より高くなり、これが結果冬の地中へ奪われえる暖かさが減ります。しかしパッシブ的な利用なので、このことを大きく宣伝する必要はありませんし、極普通の技術です。
次に積極的利用される場合です。ローカル新聞の記事とは違いますが最近は、仙台市の住宅展示場でも設置されているような利用方法があります。地中40mくらいまで直径数十センチの穴を掘り、深い地中の安定した熱を取り出して暖房や冷房に利用します。冷房は今から50年以上も前に井戸水冷房が多くの住宅に設置されていたことを思い出す人もいると思います。しかし井戸水冷房はくみ上げた井戸水を使ったら河に捨ててしまう事が環境によくないと言うことで今では消滅してしまってます。こちらは(仙台市)井戸水の熱だけを使うので井戸水は直接取り出しません(取り出しても地中に戻すと言う方法もある)。地下の地下水中にエアコンの室外機を水没させると思ってください。これについては今年の建築学会で効率の発表があります。結果は暖房COP平均は3.1だそうです。3年前に新潟で実測した当事務所のエアコンの平均COPが4を超えてましたので、特にエコロジー、または経済的とはいえません。
ローカル新聞で発表された地中熱利用は、
現在の地中熱冷房方法は、ドイツで多く設置されているクールチューブと言われるもので、地下に40mくらいの穴を設けそこに空気を通して家の中に取り入れれば天然冷房(暖房)となるという原理で設置されています。一見よさそうなクールチューブですが、日本(新潟)にはあまり効果はありませんし、不衛生になりがちです。それは
①日本は梅雨と言う雨季があり、地中の大気に開放された穴は、この雨季に水没する危険性がいつもあり、実用されているドイツと違う環境と言うことです。(密閉回路で水没回避可能です。)
②クールチューブ内夏季はいつも湿度100%状態です。つまりカビ菌に最適な環境で、仮にいつも通風状態であっても、カビは多量に発性します。この中を新鮮な外気が通って来た場合、家に入ってくる空気は多量のカビ胞子が混入します。(これが健康によい空気でしょうか?)エアコンのドレン管も同じような状態ですが、カビ球ができるくらいの環境です。クールチューブ内は当初綺麗ですが、数年すると間違いなくカビに汚染されると論文発表があります。また物理的に掃除はできません。
③地面は断熱性が高いので安定した土温になります。逆を言えば最初クールチューブを通って来た空気は効果的に冷やされておりますが、土の断熱性が高いため、あっという間にクールチューブ内は温度が上がり(地下水であれば回避可能)冷やされた空気が入ってきにくくなります。本当に50%削減もできるのでしょうか?
この3点でクールチューブは実用が難しいと建築学会で何度なく発表されております。特に今回は地下5mくらいで地下水利用ではなさそうです。
建築学会とは、日本では唯一の権威ある学会で、こちらで査読された論文でなければ大学の最高学位(博士)の取得ができないとされている学会ですので、その信憑性は国際的に有効です。
このような建築の学会では既に多くの発表がありますので、このシステムは国交省からの受賞暦はなく、環境省や土木工学会、通産産業省となってますね。地中熱利用に将来性はあると思いますが、ローカル新聞の記事には「冷暖房費50%削減」となってます。本当ですか?その根拠を知りたいです。これに惑わされ裏づけの少ない実験住宅を購入されないことを願います。
新潟においてエコで快適な家は何よりも先に「超断熱」からです。
「緑の家」の床や枠は基本的に無塗装が多い。それは年月と共に味が出てくるため、ゆっくりと天然素材を楽しむところから来ている。決して急がないことを大事としているが、時には建て主さんのご依頼で急ぐこともある(つまり時間が経過したような色をつけること)。
写真は木にブラウン系の色をつけたインテリアとするために、染色と呼ばれる作業をしている現在進行中の家内部。一般的には「塗装」と表現されているが、あえて染色と呼ぶ。それはこの色をつける工程が「染物」の工程に似ているから。
上の写真の黄色い丸の中の色は明らかに違うことがわかる。ところがこれが7日くらいたつとほぼ同じくなる。というのは、最初に塗った染料が、仕上げに塗る渋の力で酸化促進され、色が変化するから。まるで染物と同じ。染料の中に布ををいれて引き上げると最初は「ぱっと」しない色。なんか変と思いながら乾かし数日経つと鮮やかな色に変わる。染物をしたことがある人なら経験があるあるはず。また布の素材でも変わる。木もまったく同じで、木の繊維の性質によって、また樹脂によって色が変わるのである。
昨日、職人さんが驚いて事務所に染色したばかりのサンプルをもってこられ「色がぜんぜん違う」と言って心配されてきた。あまりにも波動が強かったため、心配がこちらにも移り、染料メーカーに急いで確認。するとその心配がメーカーにも影響しいまいち歯切れが悪い返答。しかし次に対応した責任者らしき人が「大丈夫。渋を塗り時間が経てば色は変わる」というものだから、トーメイな渋を塗りサンプル見ながら事務所で議論しながら30分位。すると、どんどんサンプルの色が変わってくるのがわかった。みんな絶句「・・・」。そこで思い出した。そういえば、数年前にも使ったときそうだった・・・。
さてこの染料は「久米蔵」というものである。詳しくは下の写真をアップして読んで頂きたい。完全水性系で、渋を最後に使うので最初は少し「すっぱい」匂いがするが、7日経てばなくなる。染料なので乾く前に手につくと、なかなか落ちない(落ちたら困る)。価格は自然塗料(アウロやリボス、オスも)より50%増しであるが、日本古来の染色方法であり、その染色後の触感もほとんど無塗装時と比べ遜色ない優れもの。但し艶は光沢は一切ないのでピカピカが好きな方には向かない。蛇足であるがよく無垢床用に販売されている「蜜蝋」が入ったワックスは絶対塗らないほうがよい。私は以前とても懲りているし、塗った人の経験談でもそのように言う人が多い。これは「蝋」と言うものが常温で固体であるがゆえに悪さをする。つまり蝋を塗った木の表面が気持ちいいかどうか想像していただければわかるはず。蝋は皮膚呼吸を止めるくらいの強い作用がある。人の肌には合わない。蜜蝋ワックスを勧める人は、木の気持ちよさをわかっていない。
この染料と出会えたのは、柏崎Tさんのおかげ。ありがとうございます。
また次の日は外壁がやはり天然素材だったのので驚くことになる。この続きはまたこの次に。
とってもセンスがよくて拘りの家作りのお手伝い(設計工事監理)をする新潟市内の建築士Jさん(設計事務所)のご紹介。何で同業者をご紹介?と思われるかも知れませんが、設計者と建て主さんは呼吸や感性が合わないと「縁」がないことが多いと思います。従ってオーブルデザインでは感性がだめだ(汗)と思われる方はJさんがぴったりと言う場合が多いでしょう。(・_・)エッ….?
Jさんとはもう15年くらい前からのお付き合いです。2年くらい前に独立して設計事務所をされてます。なんと言ってもそのセンスの良さは脱帽です。それを裏付けるかのようにJさんの周りのものはすべて拘りの「物」だらけ。特に愛車のMiniのイングランドのスコットヤード仕様(違っていたらごめんなさい)は、これ一台だけと言うほど珍しい車でかつ洗練されています。そのほかミニ(BMWではない旧式)を所有してます。たしか一番最初の車こそトヨタの初代ミッドシップMR2だったと聞いてますが、それ以後ずーとミニとか・・・。既に顔が「ミニ」になっていると思います。(^-^;
Jさんのホームページはこちらです。
つい最近頂いたコメントの中に「家造りはわくわく」というお言葉を頂いた。全くその通りと思う。子供のころから、楽しいときは「ワクワク」する。遠足の前の日や、修学旅行の前の日。初めてのデート。「ワクワク」「どきどき」で眠れない。この気持ちは大人になってからもとても大切と感じる。「ワクワク」するときには間違いがないし、文句なく楽しい。大人になると経験豊富になり「ワクワク」が少なくなってしまうが、それでも娘とデートするときには「ワクワク」した。この気持ちをいつまでも持てるようにしたい。そして一緒に共有できるサポートを業としたい。建築士として。
さて、
昨日、以前お手伝いした家のご相談とメンテナンスに伺った。変わりないお住まいのため、私は4年くらいしか経っていないのかなと思ったけれど、既に5年であると気づかされた。中越地震を体験したその家は、それが遠い出来事のように新築時と変わらずに大切にされていた。ありがたい。家が大切にされているということは、その家族も輝いているということ。床は「あめ色」になっており、ピカピカしている。いまこの家は新築時の「ワクワク」から「癒される、ほっとする」空間としてこれからも大切にされることと確信している。感謝! そしてありがとうございます。
外構も完成寸前です。今週の土日に間に合いますね。
今回の「木の外壁に塗装なんかしない家」のシンボルツリーは山帽子です。この「木の外壁に塗装なんかしない家」の重要ポイントは、樹との調和で年月を重ねる家です。
木の外壁を塗装しないには、好き嫌いがありますが、周囲の緑が美しい中で、シルバーグレーの家は映えます。周囲に緑がないときには寂しくなりますので、それだけ自然樹(花等)が重要なポイントです。私がオーブルデザインという会社名にしたのは、「木をデザインする」という意味を持たせたかったのです(フランス語でオーブルとは「樹」を意味します)。12年経ったいま、「樹々に調和する家のデザイン」に変わりそうです。木で造る事がなくても、周囲の木になじみ調和すればそれでよいという気持ちにもなっています。だから決して奇抜な外観ではなく、家自体は目立つことなく、とはいっても端正な外観でなければなりません。現在の「環境」を大事にして緑に感謝する気持ちを家造りに活かせれば幸いです。
建て主さんから、施工途中にオリジナル家具の依頼も受けました。基本デザインは建て主さんで、実施デザインはオーブルです。シンプルなキューブデザインの家具ですが、素材はテーブルが「米ヒバ」、そのほかの家具がヒノキ、ベットのみ杉です。天板はヒノキを3層に加工したJパネルを利用しました。変形が少なく、無垢らしい感じを残しているやわらかい家具です。設計事務所に依頼するよい点は、今回の家具追加注文のように、施工途中でも「家具だけの相見積もりが可能」ということにも現れます。普通請負契約すると、その後は価格もお任せが多いと思いますが、最後まで色々比較できる家造りができます。家具の詳細はここにアップします。
最初にこの論文から・・・。
これは、昨年の精査された建築学会の論文文集から松鵜、石松、龍氏らの論文からの抜粋である。この論文は「省エネルギーを目的とした地中熱利用ピットや自然換気装置が採用されている建物の微生物による空気汚染を調査したものである。結果は、戸外と比べ室内環境が高濃度になりやすく、維持管理基準をクリヤーできなかったとされている。地中熱利用ピットとは、少し半地下のような住宅の床下のようなところで、その空間に屋外空気を流して室内に取り入れ、地中熱を利用しようというシステム。結果の図のとおり、確かに室内のほうが微生物の出現数が数倍高い。確か当ブログでは、微生物濃度は、森のほうが大きいときがあったと報告した論文をご紹介した。そこから考えるとこの程度あればそう問題ないが、この建物はまだ築3年程度であり、塵や汚れがピットに多くあると考えにくく、15~20年後はどうなっているか今後の調査が待たれる。
話題を題名に戻すと、事務所設立当時から、一戸建て住宅で床下から暖を取る「床下暖房」については2つの問題があると指摘してきた。この4~5年間で当事務所も2棟ほど採用し、巷でも最近多くの住宅で採用されているがもう一度問題点を整理して見ると・・・、
①ある特殊工法(屋根で空気を暖めそれを強制的に床下に入れる)では、外壁の中や土台付近には、シロアリ防蟻予防材や、防腐材が塗布、注入されている。その中を循環してくる空気は綺麗とはいえない。
②床下を暖める床下暖房は、床裏から直接伝熱してくる熱だけでは不足なので、床下の温まった空気を1階居室に入れ、空気対流で暖める。この時、床下の空気が清潔とはいえない。
である。①は、新潟県では採用事例が少ない。仮に採用例があったときでも現在は防腐剤を使わなくてもよい通気工法を採用している会社が多い。そのため防腐防蟻剤の点では問題はなくなりつつある。但し、壁内は薬による害はなくても、10年くらいたつとごみや虫の屍骸がたまり衛生的とはいえない点は未解決。
②は、解決できる問題もある。②の最大の問題は、壁の中と同じように床下がゴミや虫の屍骸で衛生的とはいえないことである。新築時は確かに綺麗である。しかし掃除ができない床下はいつかはゴミ、虫の屍骸、もしかしたらねずみやゴキブリの屍骸があるかも知れない。そんなところの空気を居室に取り入れ暖房に使っていて平気か?私は抵抗がある。
「でも御社でも採用しているのはどうしてですか?」という問い合わせを頂く事もある。その時は、「当社の「緑の家」は床下内に人が簡単に入ることができ、自由自在に活動できる最低の高さを確保してある(基礎高1m)。勿論床下を掃除することも可能。だから建て主さんがそれを了解して床下暖房望めば、床下暖房にしている。」という返答になる。また基礎から発せられるコンクリート臭は、積極的に空気が入れ替わる床下暖房ではそう問題ではないことがわかった。確かに集合住宅ではコンクリート住宅が多い。コンクリート特有の「灰汁臭」が強烈だったらすめないであろう。積極的な床下利用で空気が換気されれば、灰汁臭は問題にならない可能性が高い。
よい点は床暖房のような快適性が最低レベルのランニングコストで可能ということ。これに尽きます。またイニシャルコストもエアコンと基礎高アップだけなので経済的。
そこでこれからオーブルデザインの勧める家は「床下暖房+床高1.4m」が多くなるであろう。勿論その熱源は以前と変わらず「エアコン」である。最近のエアコンはフィルター掃除が10年間いらないため、益々便利に使える。エアコンによる床下暖房万歳!!になるはず。 下写真は1.4mの床下内に設置されたエアコン。床は綺麗に塗装されている。
現在三条市栄地区で建築中の「緑の家」の外壁工事が始まった。この外壁は、職人の手塗りによるモルタル塗りの外壁。昔はどの家でも左官工事は必ずあり、写真左端に写っているような電動ミキサーが工事現場においてあった。最近は「現場作業が無い、早い、ノン職人」がもてはやされ、職人中の職人芸の左官工事は殆どなくなった。
モルタル塗りの外壁の歴史は古く、戦後(60年以上前の第二次世界大戦のこと)の復興住宅から関東でたくさん造られた外壁。シンプルな外壁で所謂モルタルを厚さ20mmで塗って仕上げるもの。現在も根強く残っている数少ない外壁工法。
最近は厚さ14mmの工場で作られた外壁版を釘で貼って仕上げるようだが、やはりこだわりの建て主さん。本物の左官壁(モルタル)が好みということで、コストはかかるが、モルタルの外壁をチョイスされた。
現代のモルタル外壁は通気工法で作る。昔は通気工法がなく、壁が黒くかびる事があった。通気工法は通気胴ぶち(貫材)を455ピッチで縦に入れる。このとき外断熱工法では、ビス数が通常の倍になる。更にオーブルでは通常の倍以上の幅105の通気板を使う。その上にザラ板を釘3本で打ち、タイベック(通気工法でない場合は必ずアスファルトフェルト)をタッカーでしっかりと止める。
その上からラスを入れる。ラスとは針金をネット状にし(針金ではないのだがそう見える)、メッキ施してある。ラスも安い物だと厚さはまるっきりないが、オーブルでは山高10mmの物を使う。これを使わないと20mmの厚さまで塗ることは難しく、剥離しやすい。決められた重ねや、開口部補強を施し、モルタルを11mm前後木ごてで塗る(下塗り)。
何気なくすばやく塗っても職人さんが塗ると平らになる。すごいね!!
この後中塗りを施し、仕上げに今回は珪藻土入りの樹脂モルタルで真っ白に仕上げる。この時こてムラはわざと残すが、汚れが上にたまるようなことはしない。あくまでもムラ程度で仕上げる。写真は下塗り後のもの。中塗り仕上げは又後日ご紹介する。今が面白いところ。この施工をご覧になりたい方はご案内します。
バルコニー部分の下塗りが終わったところ。
さてこの家の内部は・・・
2階は 木組みが露出する緑の家。
無塗装の木の外壁の家がとうとうお披露目になった。とは言っても足場が外れただけ。しかし木の雰囲気はばっちりと伝わる。
Q値はまだ正確に算出していないが、1.9W/km2くらいだ。その割には窓が大きく開放的。5月下旬には完成する。
このY邸は、プランはほとんど建て主さんがお考えになり、その裏付けを当事務所でしっかりととり、耐雪2m住宅としてご提案した。
Yさんは、ウェブで当事務所を探し当てて頂き、お選びになった。当HPは探しにくく、検索でもなかなか上位に来ない。そんな中お選び頂いたことについては改めてお礼申し上げます。
耐雪2m住宅なので外観はいたってシンプル。これは箱形にすることで、屋根の上に2mの雪をバランスよく載せることができる。加えて耐力壁が通常の約
1.3倍程度割増しでに入らないと、地震時の安全性を確保できない。これで等級2相当で、積雪1mであれば等級3相当になる。それとともに地盤面2mから固い土となる適所地に表層地盤改良、オーバースペックのよう壁、ダブル配筋の高さ1mのべた基礎など自然災害に対し極力被害が少なくなるように考えた高性能住宅。長持ち仕様だ。
玄関が奥に引っ込んでいるのは、季節風の様子によって、風除室を設置できるスペースを残したから・・・。
後は仕上げとなる「対のシンボルツリー」。これが植えられると木の無塗装の外壁がピシッと決まる。
三条で建築中である無塗装の木の外壁が、着々と完成に向かっている。外壁は上の写真のとおり杉の無塗装の羽目板。いい感じですね~。
完成は、写真(模型)のように非常にシンプルなBOXの形。これは地域柄、2mの耐雪住宅のため。木の外壁の時は、軒の出は大きいほどよい。軒の出がない建物に、木の外壁を使っているところをたまに見るが、腐食が早期に始まり見るも無残なことになる可能性が高い。昔からの大工さんはそのことを親方からよく聞いているので、屋根のないところに「普通の木」を使うことはしない。木の塀でも屋根があることは見慣れた光景である。
木は無塗装でも意外と耐久性はある。上の写真は築50年は経過したと思われる木の外壁の建物。道路に近いところは、緑色の藻が生えているがいまだ現役(藻は木を腐らせる腐朽菌ではない)。これを汚いと感じる人にはお勧めできないが、私にはとてもエコに見える。無論こういった建物から連想するのは、かび臭く寒い家となるので、なんとなく印象が悪いのであるが、中が暖かく清潔ならどうだろう。そのままの木はエコ住宅の代表である。
下の写真は田舎でよく見る「雨板貼り」の家。築30年位だろうか?無塗装の木の外壁はこのような色で落ち着く。ここに緑(木に葉)があるととても感じがよい。無塗装の木の外壁には必ず「シンボルツリー」や、花等の緑と共にある必要がある。まさしく「緑の家」である。