2009.02.12加筆
先ずはこちらの当社ホームページのコラムをご覧ください。
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/news_top/85.html
2年ほど前に、新潟県のべた基礎はダブル配筋が通常行われなければならないとしたコラムをご案内しました。このコラムを含め住宅の基礎について検索で「住宅 基礎」で多くの方が訪れました。
最近、「今年から財団法人住宅保証機構の保証住宅基準では、「べた基礎の場合は構造計算によって配筋を決めることが条件」であり、構造計算しないときは、表(上リンク先)の配筋を満たさなければならないとして受付を始めた」と聞きました。そうであれば大きな進歩ですが、ちょっと待って下さい。実はこの決まりは最低でも4年以上前からあるのです。今まではこの確認を受付時点で一切行って降りませんでした、そのほうが問題で、仮に3年前のこの保険にはいっている家に、この基礎上の瑕疵があったせいで家が傾いた。となればどこに問題があったかといえば・・・設計者?住宅保証機構?施工者?
本来なら決まりごとを守らない設計者と施工者が、住宅保証機構に対し責任を負う必要があります。しかしどういう事情でも事故が起こったときその家の保証しなければならないのは「住宅保証機構」であるはずですから、決まりごとを守らない会社(物件)が多くなってしまっては、住宅保証機構が困ったことになります。今までなぜ放置されたかわかりませんが、この6月から施行される瑕疵担保保証。このため受付を今までより厳しくしたのだと考えられます。そうなると、今後難しい構造計算をするべた基礎で造る新築住宅が少なくなるのではないでしょうか?更に今まで「地震に強い」といって宣伝していたり、「接地面積が布基礎の数倍だから強いといって宣伝していた建設会社は、急に布基礎にしました。」では・・・。
べた基礎ですが、
多雪地域である新潟県では、3mを超えるスラブ区画においてダブル配筋となる決まりは4年前からあります(上リンク先表)。この表によらない時は、構造計算しかありません。私どもは構造計算をして決めておりますが、はっきり申し上げますが、今までまじめに一軒一軒構造計算して鉄筋の量を決めている新潟県内の施工会社は、限りなく0です。計算してあると思われるのは、3階建てや地下付建物という、確認申請時に構造計算を必要とする建物だけです。
基礎の構造計算は、上の建物木造部分の重量や応力(地震時の力)がわからないと通常計算できません。性能表示住宅のマニュアルには、一般的な平均接地圧の記載があり、この数値でも計算できますが、あくまでも一般的なものであり、重いサイディングや、ロフト付住宅では問題があるでしょう。
さらに、スラブのシングル配筋だけではなく、その周囲の基礎梁の配筋も計算する必要があるでしょう。当社でもすべての基礎梁の計算を詳細法で計算しておりませんが、最低でも一番スパンがある基礎梁を一般法で計算してます(また、住宅保証機構の定めるスラブ補強ですが、今後これは当社では行わないと思います。それはこの方法ですと性能表示住宅の基準を満たすことができないからです)。下の表は、瑕疵担保保証に申請するときの記載事項です。赤丸のところが今回の問題にしたところです。
建て主さんにとってこのような不思議現象がこの業界には多くあります。是非今すぐ過去の建物がどのように宣伝されていたかHPや過去パンフを見ることをお勧めします。