高基礎1mのコンクリート一体(一回)打ち込みとシロアリ

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基礎コンクリートの一体打ち込みとは基礎の立ち上がりとベースと呼ばれるスラブを一回でコンクリートを流し込む事です。

 通常大手住宅メーカーを含めこのようにスラブという平らな部分を先に造り、その後立ち上がりを造ります。しかし一体打ち込みはこの2つを一緒造るため、コンクリートが一体化しやすいと言われてます。オーブルデザインでは、一体化するメリットはシロアリ侵入防止(赤矢印)に役立つと常日頃申し上げております。しかしここだけ注意してもあまり意味はありません。配管が土の中で貫通し、ここからシロアリが入って来る方が大きいからです。

これだけ情報が行き来しているネットですが、そんなかでも白アリの被害についてはなぜか白アリ駆除屋さんのHPやブログしかありません。不思議ですね?これだけ白アリ駆除屋さんのHPやブログに駆除している事例があれば、建築会社や工務店さんのブログにも「被害に遭った」とか「やられた」との情報が出てきて不思議ではありません。

建設会社の多くはそういったマイナス情報を外部に発信しませんね。これから建てようとする人は本当はここが一番知りたい所だと私は思うのですが・・・。オープンにしてこそ正しい対策がとれる事になると私は思います。隠蔽は正しい対策がいつまで経ってもできません。因みに白アリ駆除業者さんがその家の情報(建てたメーカーや工法)をオープンにしないのは、建築業界(工務店等)がお客さんであるためで、建て主さんはお客さんとしては建築業界の次ぎの順位(シロアリ駆除屋さんは業界の味方?)だからなのです。

当事務所は・・・9年前に発信してます。9年前に一度だけ白アリが家の中で発生しておりました。それ以後当事務所はこのヤマト白アリなどの土壌型白アリの対策に奔走し、計画、進化しております。

一体打ち込みは「白アリ防止のため」と先回申し上げました。構造的にも一体化しやすいとの説明をしているところがありますが、しっかり監理、施工すればそこはあまり重要ではありません。もし重要でしたら高層コンクリート建造物は不可能だからです。

さて、白アリ防止はこの一体打ち込みだけをすれば良いのでしょうか?これだけでは不十分です。というのは当HPをご覧になっている方ならわかりますが、排水、給水の配管、電気の配管が地中から建物に入っていると大変危険です(外周断熱部)。一体打ち込みだけでは不十分なのです。

この図は国で監修している性能表示住宅の維持管理の基準を示した図です。

長期優良住宅を設計、施工された方には当たり前の決まりごとですが、排水管等を基礎やコンクリートの中に埋め込まないようにしなければなりません(上図)。

普通の建設会社さんは上図の下の方法を採用される方が圧倒的です。でも本当は「やむ得ない場合のみにこの方法でもOK」なのですが・・・。まあそれはよしとして、この方法を採用するに既製品が販売されております。それが下図。

スリーブというサヤ管を基礎内部に設置し、その中に配管を通してメンテナンスの時に配管の交換を可能にするという方法です。ですのでスリーブと配管は固定できません。固定すると目的である交換ができないからです。と言うことはこの配管とスリーブには地下道(赤く塗られた所)となり、最初から外の地面と基礎内部がつながれているのです。コーキングなどの柔らかい樹脂程度では10年もすれば穴があきます。これでは最初から

「シロアリさんいらっしゃいませ!」

という工事です。幾らべた基礎を一体打ち込みしたところで全く意味がありません。スリーブがない状態で基礎下を配管が貫通していればこれはメンテナンスを無視したもっと低レベルな施工です。電気の細い配管(CD管)も同様です。耐蟻剤入りコーキングでもこのように土の中ではメンテナンス不可ですから対策として不十分です。

どうですか?

物事には筋道が通ってなければ説得力はありません。9年前からオーブルデザインの標準施工である高基礎の真ん中貫通配管はとても理にかなって一貫性がある設計です。将来の配管の替えしやすさ、メンテナンスどちらも良好です。是非まねをしていただければと思います。その時は一言「なるほど!」と言って頂きたいです。

約9年前から緑の家の標準工事。高基礎途中貫通配管。この仕様がシロアリメンテナンスを楽にする。

いつから理にかなったシロアリの対策をしっかりしているか・・・それは施工した建物を見ることでわかります。建物外観(通常は後ろ側)に配管が露出していなければ地下貫通配管と思ってもよいでしょう。

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コメント

  1. オーブルデザイン浅間 より:

    こんにちは。「家好き」さん。
    うれしいですね。無塗装の木の良さを感じて頂けるその感性。
    人は指先と足がいつも他の物に接触してますから、一番大事な素材が床材と思います。
    無塗装の木でも特に針葉樹は、子供の肌のようになめらかでシルクのような光沢です。繊細が故に普通の方は見落としがちで、この無塗装の肌=子供の肌と感じられる方は少ないです。
    よく手入れされた「かんな」で仕上げられた木は、それはそれはほれぼれする表面です。だからこそ何も塗りたくなくなったしまいます。ここに何か塗ると言うことは子供の顔にお化粧をするようなそんな気持ちになります。
    さて、ご質問ですが・・・
    キッチンの流し前とコンロ前は塗った方が安心かもしれません。これは自分ががさつな性格だからかもしれませんが、水を良く垂らし、拭きませんので(汗)。トイレや洗面所は必要無いと思ってます(自邸のトイレも塗ってませんが、ピカピカです)。
    写真の家のキッチンは「ナラ」です。ナラは堅木(広葉樹)ですからオイル拭き取りでした。新築時一回だけ拭き取りその後何もしておりませんが、檜と同じように淡い光沢を放ってます。
    それもこれもきっと常時裸足がもたらす効果だと実感しております。スリッパが悪さをする事を書いたブログをお読み頂いていると思いますが、人が常時肌で触れる部分は、勝手に艶が出ます。手摺りや階段も・・・。だからこそ古いお寺の床はピカピカです。オイルなど全く塗っていないのに・・・。
    また一人無塗装の信者が生まれたことうれしく思います。無塗装の床とお付き合いすると物を大事にします。手荒く扱うと直ぐに傷となるからです。でもそれは物を大事にする基本であり、室内は素足生活である日本人の気質となっていました。そんな人が増えればきっと未来は明るいと勝手に解釈しております。長文失礼しました。
    スリッパが悪さをするは・・・↓
    http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-955f.html

  2. 家好き より:

     早速のご回答、大変ありがとうございます。参考にさせて頂きます。
     重ねて質問で申し訳ありません…先に申し上げた写真、10年前のピカピカの無塗装ヒノキ無垢床ですが、水回り(洗面・脱衣所、キッチン等)でも同じ状態だったのでしょうか?もし同じくピカピカだった様なら、私も是非、水回りも含め全て無塗装でいきたいなと思ってきました。
     というのも、いつもおっしゃられている様に、無塗装の無垢床の触感が素晴らしいと私も感じたからです。HPを読ませて頂いているだけの時は、なぜ触感にそこまでこだわるのか分かりませんでした。しかし自宅新築をもってその素晴らしさを実感・共感出来ました!
     なので、水回りも無塗装で痛む心配が無い様なら、無塗装で触感を是非残したいです。(しかしながら痛まない事を優先で考えています)
     もちろん環境・手入れにもより、一概には言えない事は承知しております。そのあたりは常識の範囲前提で、ご教授頂けたら幸いです。(一応、高断熱高気密です)

  3. オーブルの浅間です。 より:

    家好き 様
    最初に新築おめでとうございます。
    コメント、またいつもお立ち寄り頂き重ねてお礼申し上げます。
    ご質問ですが・・・
    浸透性のオイルなら問題はありません。常温で液体であれば
    変なオイルの取れ方や汚れ方はまずありません。
    「キヌカ」や「オイル」なら問題ありません。当事務所では水回りにご希望があれば「リボスのカルデット」か「アウロ Nr-129 」を塗ります。アウロはアロマ系の香りが好のまれます。
    水回りは仕方無いのですが、無塗装の床と比べるとその触感は全く違います。最小限度にオイル拭き取りとする(塗るところは2度塗)事が良さそうです。
    最後の仕上げをお楽しみ下さい。

  4. 家好き より:

     はじめまして、いつも拝見し参考にさせて頂いています。貴重な情報をいつもありがとうございます。
     突然の失礼を承知で質問いたします。実は新築が完成し、もうすぐ引っ越しです。床材についてですが、無塗装が良いといつもおっしゃられていますよね。10年前の無塗装のヒノキの床材がきれいに光っている写真を見て、自分もそうしたいと思っています。うちもヒノキです。逆に、へたに蜜蝋の様な皮膜タイプのものを塗って悲惨な結果になった写真も見ましたが、それは「きぬか」や「植物系の油」の様な「浸透性」のものでも同じ結果になってしまうのでしょうか?もし蜜蝋等の皮膜タイプの様な悲惨な結果になる心配が無いようでしたら「きぬか」などを水回りだけでも塗ってみようと思うのですが、、、いかがでしょうか?ご教授頂けたらさいわいです。