関屋の家の模型が完成しました。
関屋の家は古くからある住宅街区に引っ越して家を建築するので所謂・・・
「新参者」・・・ちょっときつい表現ですが・・・
にご町内側からみるとそのようになります。
そこでまず「緑の家」では家の外観は、基礎が高いので全隣地に出来るだけ日射が当たるように寄せ棟(4つ屋根)が基本形です。どうしてもソーラーパネルを載せたい場合は切り妻になりますがその時はリスクも同時にお話しします。長く住むことになるご近所さんですから、建て主さんにデメリットをおよばさない仕様配慮は設計者が考えます。
無論、元より住んでいて建替えの場合は、この配慮はすこししなくても良いのですが、新参者さんにはどうしても厳しくなることが多くの人の感情ではないでしょうか。
縦長の窓と寄せ棟の屋根・・・正統な感じでまとまりました。一見すると3階建のようなイメージの外観が、とても似合います。
所でこの関屋の家は、地域規制が準防火となります。
昨年の暮れ、糸魚川で40年ぶりの大火があり同じような住宅密集地である関屋ではとても気になるところだと思います。
丁度そんなときに、何時もの日経ホームビルダー3月号で特集が有りました。
この中の特集で、
「飛び火・・・火の粉で屋根から燃える原因分析」
があり、何時も私は・・・
「現代の屋根は瓦か金属で燃えるはずがないのになぜ屋根に降った火の粉から燃え移るのだろうか?」
と思っていた疑問が解けました。
簡単にいうと
金属屋根ではまず火の粉から屋根が燃えることはなさそうです」
逆をいえば、瓦屋根なら飛び火の可能性はある・・・
ということです。当たり前ですね。瓦は隙間だらけですから風で煽られると火の粉が瓦の下に入り込んでしまいます。詳しくはこの本をご購入してご確認ください。
また・・・
「関屋の家」のような準防火地域では、防火窓※を使わなければならい事が普通です。この時つかう防火性を高めた樹脂サッシの価格が一般の3~5倍・・・。どんだけメーカーさんが儲けいているの?と言われますが、防火の窓は特に樹脂では規格を取得するのが大変で、100種の1つの窓に100万掛かるとも言われておりますから仕方ないかもしれません。一方価格を下げたいがために価格の安価な手動防火シャッター等を設置して、そのなかの樹脂サッシは普通の無防火窓でも法律はクリアーできますが、実際火災があったときに窓を開けてそのシャッターを閉めなければなりません。また留守中なら誰かご近所さんに頼んで??シャッターを閉めてもらわない限り、防火戸としての役割が果たせません。これは現実ではほぼ役に立たない防火戸となります。ですので「緑の家」ではこちらからこのような手動防火シャッター等をお勧めする事は控えております。建て主さんがこの矛盾を理解してそれでも使いたいなら法律違反ではないので計画しますが・・・。
知っておいてもらいたいのは、この防火の規制は、自身の家のためだけでなく類炎を防ぐためなので、福祉の意味がある団体規制とよばれ、建築基準法のなかでも厳守すべき大事な法律条文です。
※防火窓・・・建築基準法では、防火地域、準防火地域に建設される建物の外壁に設置される開口部のうち、延焼の恐れのある部分には「防火窓等」の設置義務がある。