「緑の家」らしい・・・低い位置から始まる玄関。これはいつものことだが今回は天井高まで極限まで低くして、これ以上下げると戸に当たってしまうギリギリの高さに設定した。その理由は・・・
道路からこの戸までわずか1.7mと普通では考えられないくらい近い距離。これは敷地36坪の中に2台のカーポートとシンボルツリーを設けて且つ延べ床面積29坪を納めるための結果である。このように天井が低い(屋根が低い)と道路からみて圧迫感が無いので自然に見える。・・・そこをねらった。
外壁は白いガルバニューム鋼板で、こちらは建て主さんが最後まで木の外壁と迷われた。その結果、人の触れるようなところにだけ木の外壁とした。この時の木はいつもの節有りの杉板ではガルバニュームに似合わないので、無節の米杉としている。
笹越橋の家では現在2階の開口部枠と巾木を加工している。その作業のためノミを多用する。「緑の家」であってもノミを多用する場面は今や造作加工の時だけである。真壁が主流だった60年前は、墨付け後の構造材加工時にもノミを多用する仕口や継ぎ手があったが、今やそれは機械で全て行ってしまう。上棟時にノミが必要とされるのは上棟時の屋根一部のラフ加工だけ。だから刃研ぎですり減って短くなったノミを見かけない。残念なことである。