魔法の床下空間2
ヒートファクトリーの実力

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今回の「緑の家」の床下に設置されたヒートファクトリー(新築時)。

「緑の家」オリジナル設備のヒートファクトリーである。この提案をしてから既に12年経過するが、この「緑の家」で「なるほど」という使い方を伺った。

タンク内の温度分布に注目してほしい。下部は冷やされ水温が低く、緑色の中間層が分離槽となって赤いお湯の層がある。この温度分布が明確に出来る事が大事なポイント。

ヒートファクトリーはお風呂場で使用するお湯の排水の廃熱を奪い、給湯のプレ加熱をしながら排水の熱を吸収する仕組み。詳しくは下のリンク先へ。

新潟の家 高基礎の床下はヒートファクトリー 排温水利用実測①
1月に完成し2月から本格的にお住みになっている「緑の家」SSプランの超高断熱の住まいの実測データーには大変驚かされました...

その使い方とは・・・こちらの「緑の家」では、給湯器がガスのエコジョーズのため、給湯器のスイッチを入れなければ冷たい水がそのまま出てくる。一般的な家ではこの季節水は大変冷たく(通常は7度~10度)てとても手や顔を洗うことは躊躇するが、こちらの「緑の家」では給湯器のスイッチが入っていなくともぬるま湯のような水(予想水温22度以上)が出て来てそのまま使え驚いているとのこと。

2010年の実測。排水を行なったばかりの時の出水温は27度くらい。入水温は7度で使われていないときは床下雰囲気温度で自然に上がる。赤い部分の積分で加温されたエネルギー量がわかる。

確かに2010年に新大さんの協力を得て実測したデータでは、入水温が7度の時に、出水温度が20度を超えている。お風呂に落とし込む大量の水が通過したときだけ13度くらいに下がるが、洗顔、キッチン等の時は22度から25度であり、最も高いときが27度まで水温があがる。

通常ヒートファクトリーを経由した水は加温されるが給湯器がエコキュートのため、給湯器のスイッチを切った使い方をしてもその効果は実感できない。ガス給湯器ならスイッチを切れば水しか出てこないので確かに実感が出来る。背の高い床下空間ができるとこのような魔法のような設備を設置できるのである。

1が土間コン(通常はスラブ)中央の温度で、3が南側外周際の土間コン温度。3の上で真っ青になっている線部分は白アリメンテナンス用のスリットで断熱材が無い部分。

再び上の写真であるが、この写真からも基礎外周部からの熱の逃げが抑えられていることが明確にわかる。1が土間コン(通常はスラブ)中央の温度で28度近くある。一方外周部の3は26.3度とわずかに下がるが、通常の下がり方の半分以下である。昨日の写真では殆ど下がっていないが、この南側の外周部は、地面がこの土間コンレベルより低い位置に有り、それが影響していると思われる。それでもこの程度なら理想的な基礎断熱である。こんな事を簡単に目視できるのも床下が1.4mあることによる。やはり「緑の家」の床下は魔法のようである。

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