水漏れ無しの完全止水の基礎

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
上棟準備で構造材を荷下ろしする。

先日井岡の家の基礎出来あがりをチェックに伺った。ある一本のアンカーボルトが曲がってしまったのでそのチェックと対策である。

基礎出来上がりの俯瞰。上から見ると構造区画の取り方がよくわかる。右下の区画と左上の区画は全て高い立ち上がりで覆われるため水が溜まったままとなる。

アンカーボルトの前に・・・

「緑の家」の標準基礎である「高基礎一発打ち込み」では、中に溜まった水が一滴も滲み出ることない。つまり白アリの入る隙間がないとの証明でもある。

数日たってもまだそのままの状態で残る雨水。

5日前の雨で基礎内スラブ上には深さ60mmにもなるほど雨水が溜まる。伺った日は晴天で当然基礎の外側部分は乾いている。つまり水は完全に遮断されていることになる。

矢印部分が乾燥状態。コンクリート打ちを正しく施工できれば止水性はかなりある。
矢印部分が乾燥状態。2度打ちではありえないこ。

写真のとおり水の滲み出た痕跡は皆無である。これはとても凄いことで、巷で普通に行なわれる何も考えず2度打ち(立ち上がり基礎とスラブ基礎を分けて2度で流し込む事)をすると、必ず打ち継ぎ部分で微細な隙間があり水が滲みでる。その隙間が1mm以上あれば白アリが侵入することが可能になる。

水を掻い出し始めてもまだ長靴がつかる水深。

「緑の家」の基礎では水をわざわざ養生のため貯めることもあるので、このような雨水は、上棟直前までそのままにしておき、上棟前には抜くことになる。水が漏れにくい理由のもう一つに、通常行われるスラブに穴をあけ地面から生活排水用の管を抜かない計画であることが大きい。

基礎出来上がりの俯瞰。一般的に見られる配管貫通サヤ管はないのが「緑の家」の基礎。

さてアンカーボルトであるが、打ち込み中に何らかの原因で曲がり、打ち込み直後のチェックで見落とし曲がったまま硬化した。このため台直し行ってまっすぐにしたが、安全性を増すようにさらに追加で15KN用の引き抜き防止の金物(計算ではこの柱には14.9KNの引き抜き力がかかる)追加することにした。

矢印が曲がったアンカーボルトと同種のM16である耐引き抜き用の大事なアンカーボルト。

アンカーボルト以外は基礎の仕上がりもまずまずで、特に問題はなかった。ヒビ誘発目地も綺麗に仕上がるが、春の打ち込みだからまだ固まっていないころに真夏並みの温度上昇を受けるのでヒビは避けられないと思われる。

表面に艶がでる仕上がりが打ち放し用の樹脂型枠の特徴。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする