超高断熱住宅
Bグレード+UFでも断熱等級7を超える井岡の家 完成3

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井岡の家では杉材がいい感じで使われている。上はコーナーサッシの杉枠。

長期優良住宅認定
耐雪1.7m
耐震等級3
UA値0.24w/m2k(当初0.27と間違って表記)
完成気密C値0.26cm2/m2

杉の枠の存在は大きい。赤い木目のつやがよい杉の笠木。

今から50年以上前は、新潟県で家に使われる木といえば「杉」と決まっていた。杉はその杢目がはっきりとしており、ゆっくり育った木の杢目や笹杢などは珍重され高値で取引されるのが普通で、当時の官木の床柱は3mで100万円以上するものもあったが、現在ではごく一部の愛好者らだけにありがたがれる。でもその気持ちもちょっとだけわかるようになった。住宅に使われる木は様々な種類があるが、価格、香り、手触りからやはり杉の無塗装無垢材はよい。

赤みの杉材で構成されたコーナーサッシ枠。きれいな仕事である。

その杉無垢材は、近年の洋風(南洋材でチークが代表する茶色の色合い)色が好まれているので、明るめの杉材は使われることがなくなっている。

しかし「緑の家」では25年変わらず無地の木とAEPの壁を標準としているので、杉材は家の中の主役である。これは超高気密高断熱の住宅になると、真壁構造の家が理屈に合わなくなり、露出していた柱がすべて壁内に収まり見えなくなる。このときに木の枠の存在が大きくなり、家のインテリアの主役になるはずだったが、昨今木の枠を嫌う人が多くなりこのように杢がしっかりと主張されることはない。

杉材で合わせ覆った化粧方立柱。サッシを支え、耐風の方立としている。大工さんの丁寧さが伝わる。

杉材を引き立てるのがAEPの壁、天井である。時にこのAEP壁が主役の場合があり、そのれが下の部分。この壁にはめ込まれたガラスは建て主さんの指定で海外のガラスとなり壁をさらに強調する。このすてきなガラスであるが、国内ではこのような昭和のガラスは生産されていない。

この窓の寸法はいわゆる「黄金比」で決めている。あえて角当てをつけず白い壁として存在させる。ちなみに右端に写っている木が角当てを兼ねる笠木。

そんなガラスや壁を引き立てるためにあえていつも使用している「角当て」は取りやめている。これは担当だった設計スタッフNの視点であり正解だった。

内側は洗面手洗いとなる。
この艶が檜や檜葉とまた違って優しい絹のような光沢と手触り。

そして井岡の家では床に杉を使う。これは建て主さんのたっての希望。このため最近の木材屋さんのルートでは手に入りにくい「超仕上げ」の杉の縁甲板を探すことになる。無節赤みのみ杉板はとても高価であるが、白がちなら無節でも比較的安価に入手可能で、杉は無節の床となった。そして和風にならぬように165mmもの幅広を選んでいる。

タモの正目使いで天板を構成。

足の触れるところは肌触りのよい「針葉樹」であるが、食卓は傷がつきにくい堅木の「タモ」としている。米ヒバと並んで「緑の家」の定番の食卓素材。天板の厚さは30mmとして足サイズは75mm角とこのバランスが安定感を生む。重量は40kgを超える重い机となり、この上で子供が遊んでもびくともしない一生もの。楢のいすなどと併せてもらえばと思っているが、実はカウンターの一部が可能式でベンチとして使うことができる。

窓際にあるカウンターが独立してベンチとして使うことができる。
時代に左右されない白木と白壁が「緑の家」の原点である。

無垢の木と白い壁の優しいインテリアが「緑の家」である。

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