高基礎時の構造計算と床下収納の汚れ

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高さ1400mmの清潔な床下空間は「緑の家」のトレードマークのよう。電線や配管など綺麗に施工されている。

「緑の家」が最も自慢できる事に、25年間全棟に採用している高基礎がある。

先回もオンライン講習会の録画をみていて、まさしくそう思った。

玄関から矢印へ直接入る事が可能な床下収納。

高基礎の理由は下のリンクであるように昨年の2020年にきっちりとまとめ上げたのでそれ以外に追記する理由はないが・・・

何故高基礎なのか?その1
明るく清潔な床下に収納される数々の物。ここは家のメイン収納である。 なぜ高基礎なのかについて改めて話しておきたい...
何故高基礎なのか?その2
上の図は建築関係者なら良く目にする建物の模式図である。2階建てならこのようなイメージを持つように建築士は学んで...

このブログでは床下空間を取るために高基礎時の構造計算と汚れについて少しだけ説明したい。

高基礎による床下空間(収納等※)は1階床レベルを地面から1500mm上げる事で床下1400mmを通常確保する。他の地方では地面を掘って床下空間を確保することがあるようだが、「緑の家」は建物の居住部分の床レベルは基本中の基本で周囲地面より必ず上として考えるので、掘り下げることはまずない。理由は地盤水位や降雨量に大きく関連しており、「水は低きに流れる」ということわざがあるくらい自然現象に逆らわない家の造りが無難と考えるから。
地上の水が重力によって低いところにあつまることは周知の通り。豪雨により一時的に家の周りの地面が水盤のようになったとき、もし住宅内の基礎スラブの位置がその水面より低い位置にあれば、水の侵入を許すことになる。これは大きな欠陥となる。地面より低いところに室内空間を作るときには、ビルなどのように2重壁と窯場に揚水ポンプが必要になる。このように設備で配慮すれば地下深くまで居室はできるがコストがかかる。

次に高基礎と言っても通常基礎のコンクリート高さは地上(GL)から1.05mしかなく(それでも一般の2倍以上)、その上に45cmの木造で1階床をつくる。このようにすると基礎の荷重アップが最小となるので、接地圧算定時では有利になるし、基礎コストも抑えられる。

一方土台より1階床が上がるため、許容応力度設計ではその算定が追加で必要となる。当然仕様規定の壁量計算では不可となるのでこの1mの基礎高ではNG。よって構造計算しない場合は基礎を1階床に合せGLから1.4mにする必要がある。
追加算定は簡単で、最大の水平力がかかった時に1階の床から伝わる応力を2階と1階に柱の反力(せん断力)によって按分し、地震力に加算する。当然通常より1階の壁量を少し増やさないとOKとはならない。次に柱への曲げモーメントの追加があるためその算定をおこなう。こちらは柱への一番負荷の高いところで座屈等が許容応力以下ならOKである。この2つを計算で確認すればこのように1階の床と基礎が45cm離れていても、許容応力度設計に合致する。ただし構造計算ソフトでは入力出来ないので工夫して計算中に折り込む。これを10年以上1.4mの床下空間を確保した全棟で行っている。

こんなことを何時も行っているので超断熱より構造が優先されると思っている。万が一超高断熱のUA値算定にミスがあってもそれがわずかであれば、建築後でも他の部分の断熱材追加で問題はない(そのような法規定となっている)。しかし構造は1箇所でもNGならそれでアウト。現場で架構が組み上がった後に他の部分で増やしなんとかOKになることはほとんどない。その部分の是正をしなければOKにはならないくらいシビアである。

話を元に戻して・・・

冒頭のオンライン講習では講習者(建設会社さん)から次の質問があった。

最近床下を基礎断熱の床下エアコンを使っている。住んだ居住者から「床下が汚れてくるのが見てわかる」それを聞いて私はメンテナンスをしやすくする工夫は必要だと思うが、講師さんもそのような主旨なのですね・・・

私は「そうそう、照明で床下がいつでも見回ることができようになると気がつくの」と思って聞いていた。

床下暖房で特にエアコンによる場合は、積極的な気流を起こしているので汚れは溜りやすい(下のリンク先)。それを掃除するかしないかは住む方の意思であるが、汚れることはどの地域でも同じだと感じた。それとは別に床下のカビの問題は地域、工法、住まい方によって違いがある。

最新写真による事実 床下エアコン使用住宅内の床下の汚れ
年末の大掃除時期だからこのような写真のアップをお許しください。

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