清五郎の家は、基本プランをオーナーさんが90%自分で描いた。それを設計担当Mが構造との整合性をとり、細部納まりを考えて実施設計としている。このような設計手法は次の施工を控えている原村の家でも同様である。
建て主さん自身がプランを考えたときに、問題となるのが基礎計画との整合性である。一階二階の壁、柱の整合性は問題ないことが多いが、基礎計画まで考慮されないことが多くきれいな基礎区画ができない。布基礎の時はまだ何とかなるのだが、べた基礎の場合は区画がキチっと考えていないと難しい。私たち建築士が基本設計を考える場合は、基礎のことまで考えて上部の構造を考えるのが癖になっている。よってスタッフMが苦労したのはその基礎と一階の柱の配置であった。
清五郎の家の吹き抜けは大変大きいが、火打ち梁は逆に少ない。これは大きな4枚のFIXで構成される窓外風景をできるだけ生かすためであり、メンテナンスのためのキャットウォークさえいらないとのご要望に対する回答である。
そのため吹き抜けを囲む2階の床は剛性を高めている。
次に難しかったのが、低い階高である。階段の段数にするといつもより1段少ない14段。このため一階にある320mm上がる小上がりの和空間の天井を支える梁が大きいと頭がぶつかることになる。
このため構造的に工夫をし、通常梁は910ピッチでかけるところ、その半分の455ピッチとすることで梁のせいを60mm小さくしてさらに天井を彫り上げ梁を露出することで圧迫感をなくしている。
また梁が天井に露出し、木とAEPのバランスがざわつかないように障子戸枠も縦をなくしあっさりとまとめた。
また南側には居室ではなく廊下兼クロークと洗面台を設けているが、この辺りも一般の南側に居室をとは違う感覚の配置でとても自由であると思っている。
コメント
よしこ様
コメントありがとうございます。
>施主さんからどんな要望があって天井が低くなったのでしょうか?
たしか・・・木々の多い公園の前に建つ家として当初は平屋くらいの存在感がよいとのことでしたが、諸事情で2階建てとなり基礎が上がる分、なにか少しでも低くしたいとのお話だったと思います。ただしこれは理由の一つで、他にも理由があったと思います。また当然私より随分背の高いオーナーさんです。
こちらのおうちは、施主さんからどんな要望があって天井が低くなったのでしょうか?
施主さんが、小柄な方だからでしょうか?
あるいは低いほうが落ち着く気がするなど。。