太陽光発電と階段の階段の角度

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「緑の家」の階段角度は36度~38度が多い。こちらは2018年竣工の伊達の家のスチール階段。

最初の話題は太陽光発電パネルのこと。

日経ビジネスによると、世界の太陽光発電の多結晶シリコンの世界シェアは中国が76%を占めるが、そのうち新疆ウイグル自治区生産の占める割合は54%であるとのこと。昨年から新疆ウイグル自治区での強制労働が先進諸国で大きな問題として取り上げられていることはご存じのとおり。低炭素社会の実現のため太陽光パネルの設置の推進は日本でも行われているし、流行のSDGsの17の目標の中に、「 気候変動に具体的な対策を 」の実質的な機器として太陽光パネルは最有力候補である。そこで日本でも太陽光パネルの推進が行われており、大手住宅メーカーでも標準で太陽光パネルが設置される。当然価格が安価でなければ標準の設置は難しいが中国製は安価で有名(強制労働なら当然の事)。そこで上の記事が本当ならSDGsの17の目標の一つ「人や国の不平等をなくそう」に大きく乖離することの手助けを行っている可能性がある。

ただ、多くの建て主さんはそんな事まで考えて太陽光パネル設置購入を是非を判断する必要は無い。このようなことこそ提供する日本の企業側がその倫理観で考えることだろう。つまりシリコンがどこで造られているか提供する企業は把握する事がSDGsの理念をまじめに守ることになる。元々私はSDGsの内容には反対することはないが、それを胸を張って企業の方針・理念にするならそのような矛盾はなくさなければならないはずである。

「緑の家」の階段は緑字の38度。青字の45度階段からみると結構穏やか。

次は住宅用階段の角度である。一般的な住宅は2階建てが多いので階段があると思う。階段はお風呂の次に家庭内事故が多い場所であり、当然緩やかな階段の方が安全性が高くなるはずであるが、どのくらいが適当(適した値)なのだろうか。

「緑の家」の標準階段は角度にすると約38度である。38度を実際の階段の寸法にすると・・・踏面240mmで蹴上げが188mm程度である。これでも緩やかとはいえないと私は思うのであるが、巷ではこれよりきつい勾配の階段も多い。仮に45度の階段では踏面210mmで蹴上げ210mmの同寸法となる。法律的に最もきつい住宅用階段は踏面150mm以上で蹴上げが230mm以下でこの時の角度は56度となるが、昔古民家で押し入れの中にある階段の勾配くらいであり、現在ではこのような角度の階段はまずない。一方学校、公民館などの階段は法律で35度以下にする必要がある。そんな中、最近設計している「緑の家」で過去最も緩い階段の設計を行っているがこれが約30度である。ここまで緩いと恐怖感はないだろう。

階高(高低差)3.6mで角度36度の階段全景。2018年伊達の家から。

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