今日の午前中は山形県の河北町で打ち合わせをして、午後からルート287からルート113で新潟に戻って来ました。その帰る途中に関川村があります。その関川村に豪商で有名だった渡辺邸があり現在4年掛けて平成の大普請をしております。昨年の春に訪れてからどうなったかなと思い、途中寄り道しました。
色は塗ってあっても木と違って異様な反射があるので直ぐにこの建物にとって異物とわかる。
この真ん中の異様な光を反射しているもの・・・角形鋼管です。
げっ・・・鋼管で修繕・・・
ショックでした。この150年以上経ている建物に鋼管で補修とは・・・。
とうとうハリボテに一歩近づきました。それとも今回の改修では予算が足りず、一時的に鉄骨で補強しておき、次の大改修時に取り去るのでしょうか?そうであれば仕方のないところです。もし一時的ではなく恒久的な措置として鋼管柱を入れたなら・・・
この建物を補修している大工さんも悲しいでしょう。きっと耐震性がどうやっても確保できなかったのでしょうか?なら鋼管を止めて一般公開に条件をつけて公開しても良いのではないかと思います。例えば・・・
「この歴史的建物は現在の法律の耐震性を満たしておりませんが、歴史的な価値を優先してそのままの形で一般観覧できる事にしました。但し万一の大きな地震が来た時の安全性は保証できませんから、自己判断でご入場ください」・・・と
自己責任・・・日本の良さと悪さの両方ですが、何か事故があると全て行政のせいにする事があります。だから今の法律上の耐震性を担保しようと、こんな鋼管まで入れるのではないでしょうか?鋼管で補強された渡辺邸はとても残念です。最近の他の建物だって現在の法律を満たしていない「既存不適格建築物」は沢山あります。だから許されるとは思いませんが、その事をオープンにして後は自己責任ではダメでしょうか?普通に建っている平成11年以前の建築(住宅も)だって現在の耐震性を満たしていないはずです。
特に2010年に絶賛していた和室の小屋組にも鉄骨が入っているのです。下は2010年の同じ部分の写真で上は今日の写真。
2010年の時には上には鉄骨の梁はないのです。
残念です・・・。