「 家の論評、業界裏話 」一覧

建築士を震撼させる事故

何時も気になる記事、建て主さんにもためになる記事がある

日経ホームビルダーの最新3月号の紹介です。

一般の人も買える業界紙ですので興味ある方はネット購入して下さい。

結構業界の事が書いてあり面白いですよ。ネット検索すれば直ぐわかります。

さて、今月号は

建築士を震撼させる事故の記事がありました。

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阪神淡路大震災と断熱義務化の遅れ

また今年も1月17日がきます。6000人以上が建物の圧死で亡くなった阪神淡路大震災から早16年です。そしてこの寒い時期だからこそ身にしみる「断熱の話題」を絡めて読み解きます。

建て主さんがお読みになると大変ショックかもしれませんが、多分本当の話です。

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新潟の家 屋根の拘り・・・③ 重い屋根を支える柱の工夫

表玄関 町家であるため玄関や門は武家屋敷とは別物。玄関上部左右に神棚?があり写真のとおり土間は巨大である

最近はあまり他の建物を見に行かないのですが、先回お話ししたとおり「ワクワク」するもがあり渡辺邸の改築現場を見に行きました。そのまとめです。

時間の都合上、30分程度しかいられなかったのですがその時の興奮は建築士としての心がざわめくような「ドキドキ」で、大変興奮した一時でした。
因みにこの大変暗い工事現場内を撮影するため新たにコンデジを購入するほどの入れ込みです。これは後日紹介します。

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最近の事務所・・・②

 事務所が入っている築33年の建物。こんな古い建物でも足元には緑が建設当初から植えられております。
ようやくリフォームの足場も取れようやく普通な外観に・・・。工事中足場の悪い中ご来店頂きました皆様ご迷惑をおかけしました。

さすがに綺麗になりました。色も以前の薄い茶色ピンクからアイボリーベージュに変更。できるだけ明るい色で夏の日射を吸収しないようにとチョイスしました。

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とうとう長期優良住宅で偽装が・・・

業界ニュース最大手のウエブページには木造軸組最大手のハウスメーカーが長期優良住宅を偽装し、それに関わった建築士が行政処分(業務停止11ヶ月)されたと紹介しています。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20101214/544714/
↑閲覧には無料登録が必要です。また一定期間が過ぎると無料では閲覧不可になります。

これだけの情報では支店全体で関わっていたかどうかはっきり記載がありませんが、「個人で16棟も偽装する経費(一棟あたり申請代6万+申請代行料20万=26万/棟・・・16×26=416万)を支出していたのかのように会社をごまかせたのか」にはとても疑問が残ります。大きい会社とはいえ会社に請求し着服していたとすればわかりますが、そうでなければ経理でわかりそうな事でしょう。その会社にとって400万位たいした金額ではなかったということでしょうか?横領があったとの報道もありませんし、発覚したのは内部調査ではなく行政が見つけたらしいし・・・。

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なぜなくなった?積雪表示プレート注意用紙  新潟県の行政・・・

この写真は当HP(ブログでも)で過去お伝えしていた積雪表示プレートです。確か昨年の確認申請書類には必ず「取り付けてください」と行政から注意用紙として確認申請書に付記されていたものが、最近見なくなりました。

建て主さんにはとても重要な表示プレートのような気がするのですが、なぜか最近の確認申請を出すところには付いてません。  と言うことで県の土木事務所に電話で伺ってみました。すると・・・

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拍手です。3 日経ホームビルダーの記事 「屋根の劣化」

2010.10.23緑字加筆 2010.10.29茶色字加筆

今度編集者さんと一緒に飲みに行きたいくらい・・・(いやがられるでしょうが)

またまた素晴らしい情報提供です。勿論これは日経ホームビルダー(日経BP社)11月号。取り上げた話題は「気付かない屋根の悲鳴」

いいですね。素晴らしい内容です。写真は荒く加工してあるのでぜひ本を購入してお読みください。

当事務所も何回も屋根のテーマをこのブログで書いています。

そしてその結論は、

屋根の防水の耐久性(屋根素材の耐久性ではない)は、屋根素材の耐久性ではなく、下葺き材でほぼ決まるので使用する屋根素材、例えば瓦、金属、スレート、木などで大きく左右されないと申し上げて来ましたが、それを裏付ける一部ではないかと思います

過去の記事

http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-29bf.html

http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-a943.html

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長期優良住宅と木構造 接合部

先日建て主さんとお話しを伺ってびっくりしました。

「緑の家」で家を造る人の殆どが、他社もいろいろご覧になり研究されております。すると色々なお話を聞くそうです。その中で最近驚いたのが

「当社では無垢材に拘り天然材で構造や内部を造るので、長期優良住宅認定はとれません。それは・・・」
「木と木の接合部は、補強金物を使わなくいで昔ながらの大工の接合方法で行ってますから長期優良住宅認定がとれないのです

と聞いて

「はぁー。」と唸ってしまいました。

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拍手です。2 日経ホームビルダーの記事 「JAS製材品」

7月に「日経ホームビルダー」という住宅の業界紙をお伝えしました。その10月号がまたまた凄いです。この記事の続きが載ってます。なんかまるで察してくれているような・・・

詳しくは是非購入して読んで下さい。かたよりのあるネット情報をしっかりとした目で見られるようになります。 さてここから先は浅間個人が記事を勝手に解釈していますから、変と思った人や、?と思ったら本を購入して自分で確認・・・

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建築士による堂々と行われる法律違反・・・

どんなに素敵なデザインであろうと、作った当時の法律に違反していればそれは評価されない建物になる・・・

先週、家を紹介するある番組でのワンカット。

もう何年も前からこれは法律違反だよ。とお伝えしてきた階段の手摺り。いちいち目くじらを立てるつもりはないが、この家のオーナーが建築士である言うことであえて取り上げます。

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屋根に使う遮熱材(輻射熱反射材)の偽科学は×! 2010年の建築学会論文から 

さて暑い日が続きますので、又その関連の話題です。情報は2010年 建築学会の大会で発表される論文からです。

「屋根下に遮熱材を使った時の効果」を東京都市大学の近藤研究室(近藤靖史教授)で実測を交えた研究をされたようです。

以前から当ブログで、
住宅では遮熱材(輻射熱を高効率で反射する材料)を断熱材の代わりに使っても殆ど意味がなく、断熱材と一緒に使って効果が多少ある。昔からそんな事はわかっているので、国のマニュアル本である「住宅の省エネルギー基準の解説」本にもそれなりの事で記されている。
と言ってきましたが、その事を裏付けるような論文を見つけました。

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木の家  木の産地と品質の表示

2010/08/26 12時30分加筆修正。生鮮食品でも現在は産地等を表示しなければなりません。朝市でも表示しているのかな?

JAS法違反・・・といえばウナギの産地偽装とか、お米の産地(銘柄)偽装とかが直ぐに浮かびますよね。このように食品の産地や品質に対しては消費者はとても厳しく考えてます。

そのJAS法とは

農林物資の規格化及び品質表示適正化に関する法律

であり、大雑把に表現すると、物の嘘表示(不正評価)をさせない法律ということです。

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正しい家造りの権利。それが第三者工事監理!!

工事監理者とは図面と現場が同じかチェックする人のこと。所謂現場監督ではありません。

建築基準法では「建て主が工事監理者を決めなさい!」という強い表現になっている。つまり建て主さんがその決定権を持っている事を法律が認めている、しかしこの決定できる素晴らしい権利を手放す建て主さんが多いし、工事監理者を建て主さんの自由にさせない工務店が多い。

工務店さんや建設会社を始めとする住宅業界は、どうしても人の評価を受けたがらない閉鎖された業界です。ましてや法律で守られている建て主さんの権利と義務の「工事監理者の選定」、これさえも認めないこの業界は、まるで無法地帯の魔界のよう・・・

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低価格な家と高価格な家の違いは・・・ 

最初に・・・
当ブログでは基礎の話題が最近多くありました。それは世の中も同じで「長期優良住宅、基礎、新潟県 」とかで検索すると色々なHPやブログがあります。そこで基礎に対する施工側の意見はやはり「ここまでやるか?」とか「今まで造った事のない基礎」とかという発言が多いです。でも長期優良住宅だから特別な基礎が必要ではありません。基礎の構造は主に家の重さが一番で次に地震時の強さで決定されますが、家の重さなんて長期優良住宅でも普通の家でも変わりせん。なのに一様に
「今まで造ったことのない地中梁(土の中にある梁)」だとか、
「D16という太い鉄筋で造る事になり大変」
とあります。

それをみて私は大変青くなります。

やっぱり今まで基礎の計算や構造を考えずに設計していたんだと。

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良い家と長期優良住宅

長期優良住宅の認定を受けるためには、

1.地震に強い家の証明

2.断熱性能が高い家の証明

3.耐久性が高い家の証

4.メンテナンス性が良好な家の証明

が必要です。これを行政が確認評価できると、めでたく長期優良住宅として認定して頂けます。申請コストを考えなければ建て主さんにとってすばらしい制度ですが、造る側(工務店、建設会社)はなぜかおよび腰です。

それは・・・

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新潟での高気密高断熱の自然素材の家 10年目のメンテナンス

「緑の家」では既にお住まいになられてから10年経過した家が数件あります。その中の一件を数日前に10年目の点検に行って来ました。外装デザインは本物の焼き物タイルにあわせて少し洋風、サッシはこの当時から樹脂サッシ(LOW-Eガラス)仕様で今の高気密高断熱S仕様と同じです。これが10年経っても通用する「緑の家」の性能コンセプトです。

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業界紙 日経ホームビルダーの勧めと超高断熱はスタンダートに


工務店さん向けに出版されている業界誌に「日経ホームビルダー」という月刊誌があります。いつもおもしろい記事で感心しておりますが、今月号は特に住友不動産が1億7千万円の不正受給という興味深い記事内容です。
実はこのように業界の裏事情も記載されており、家造りに興味あるある建て主さんも一読をしても良いと思います。一般の方にも販売自由(バックナンバーなら1冊単位で購入可)なはずですので是非どうぞ。
さて今週のびっくり事件は・・・

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新潟超高断熱高気密の家  アルミサッシの終焉 説明編

先日、「アルミサッシの終焉」と記事にしたら、数件のお問い合わせがありましたのでちょっと業界の事を補足説明いたします(良いんでしょうかこんな事説明して・・・ちょっと過激ですね)。

まず殆どの方が「YKK」や「トステム」と言えばアルミサッシメーカーだとお思いでしょう。でも住宅用アルミサッシに至っては「YKK」や「トステム」はアルミサッシの単なる「部品メーカー」です。

上の図のように、従来はアルミサッシは次のような流れです。YKKさんやトステムさんはアルミの枠部品を主に都市のガラス屋さんに売っているだけです。ところが省エネ法などでサッシ性能が重要視され始めると、ガラス自体もYKKさんやトステムさんが指定するのでアルミサッシメーカーから買う事になってきました。しかし依然、アルミサッシでは組み立ては町のガラス屋さんなのです。ですのでアルミサッシの窓としての保証はYKKさんやトステムさんではありません。ガラス屋さんです。「えっ」とお思いでしょうが、これが今までの流れです。なぜこんな流れになったのかと言う事は説明を省きます。

さて今までガラス屋さんは組み立てから配送、メンテナンス、また時にはアルミサッシのカットなど多くの工程があります。

下の図をご覧下さい。これが樹脂サッシになるとガラス屋さんは殆ど工程が無くなるのです。主に網戸と調整メンテナンスくらいです。つまり
「工程がなくなる事=利益巾が減る」
と言う事になりガラス屋さんがとても困ります。

だからガラス屋さんはできるだけアルミサッシが多い方が良いのです。従って工務店さんから発注を受けるガラス屋さんは、意図的にアルミサッシの方を樹脂サッシより安く価格設定します。ガラス屋さんは樹脂サッシにしたくないのです。サッシメーカーもアルミ精錬工場を持っているのでできればアルミが多い方が良いですのでお互いの利益が合致して建築現場では樹脂サッシの価格が下がらなかったのです。

しかし省エネ法が厳しくなり関東から東地区は樹脂サッシの断熱性がないと次の断熱基準をクリヤーできないので、行政がアルミサッシメーカーを説得したのでしょう。そうなると数社あるアルミサッシメーカーはやはりパイを大きくしたいので、樹脂サッシ拡販に舵を切り始めました。そして直接のお客様であるガラス屋さんの意図に反して樹脂サッシを売り込み始めたのです。

そもそも先進国ではアルミサッシより樹脂サッシが高い事はありません。アルミサッシはアルミの精錬に超大量の電気を使う事は有名です。そして今後はこの電気を発電する燃料が高騰することは目に見えていますので、電気を多く使わない塩ビ(樹脂サッシ原料)に将来性があると決断したのでしょう。

今まで国内の樹脂サッシはほぼエクセルシャノンさんしか販売しておりません。エクセルシャノンさの樹脂サッシは「ガラス屋さん」を基本的に通らないため、樹脂サッシより性能の低いアルミ樹脂複合サッシと同じ価格(白のみ)で販売して営業を始めております。ここから推測ですが・・・そこで危機感を抱いたアルミサッシメーカーが自社で樹脂サッシ販売拡販を始めました。その発注システムもガラス屋さんを飛ばしてネット発注を受けます(伝票はガラス屋さんをとおります)。

ですのでガラス屋さんにしがらみを多く持つ工務店さんは樹脂サッシの価格は下がりませんが、エクセルシャノンさんとお付き合いのある工務店さんなら樹脂サッシの価格は下がります(YKKさんやトステムさんと競争させれば白色以外も下がる可能性あり)。


自然素材の家新潟から アルミサッシの終焉です。その2

アルミサッシ(アルミ樹脂の複合サッシ)がいよいよ終焉。(その1)と3月のブログに書いております。それを裏付ける情報が入りました。

今日ある大手サッシメーカーがいらっしゃって
「新しく樹脂サッシが発売されました。是非!!」
「価格はアルミと樹脂複合サッシと同じです」
と伝えてきました。

 当事務所は昨年から全て樹脂サッシに切り替えております。それは樹脂サッシがアルミと樹脂複合サッシと同じ価格になったからです。とは言ってもアルミメーカーの樹脂サッシではなく、樹脂専用メーカー「エクセルシャノン」さんの白サッシ(他カラーは高い)でした。
ところが今日からアルミメーカーが、樹脂サッシも同じ価格で売ります。おまけに白以外も同価格で!と宣言してきたのです。そこで

オーブル
「アルミサッシメーカーは、巨大投資した本業のアルミサッシを売らなくてよいのですか?」

アルミサッシメーカー
「勿論です。樹脂工場も完成しますので、今後は樹脂サッシに力を入れます」
「内緒ですが樹脂トリプルガラスサッシも視野に入れております」

との事です。

いよいよアルミサッシ(アルミ樹脂複合)の終焉です。
さて、現在もし家造りを計画されているなら、そのサッシが樹脂サッシ(オール樹脂サッシのことでアルミと樹脂の複合サッシではない)か確認された方が良いですよ。もしアルミと樹脂の複合サッシを奨めているなら、その家の「高気密高断熱の将来性」は本物ではない(もっと平たく言うと偽物)でしょう。

アルミサッシメーカー曰く
「新潟地域は2年後に住宅の断熱基準が引き上げられ、樹脂サッシでないと基準をクリヤーできなくなるので樹脂サッシがこれからの本命!環境負荷もアルミサッシより低い。」
と宣言していたので、完全な方向転換です。

いまアルミと樹脂の複合サッシを使うと言う事は、賞味期限品のサッシを買うようなものです。いよいよSSプランの断熱仕様がやっぱり良いね!と世の中が動き始めてます。


はてな?湿気と結露・・・お風呂場の勘違い。

その日の最後、お風呂からでるときに、壁に飛んだ石けん泡を「水で流しますか?」それとも「お湯で流しますか?」

これから新潟県ではカビの生えやすい第二時期=梅雨になります(第一時期は冬ですね)。
そこでネットのニュースを見ていたらある建築士が「お風呂からでる最後の人は、壁に冷水をかけ石けんかすを流すと同時に壁を冷やしてください。湿気が減りカビ防止になります。」・・・

はぁ?
全く反対!カビ防止なら壁の水分を早く飛ばさなければなりません。つまり乾かさなければなりません。その時水をかけると、水分が気化するのに必要な熱がなくなります。正しくは「熱いお湯をかけて石けんかすを流し、換気扇をON!」が一番早く壁が乾きカビ防止です。

当たり前ですね。お茶碗をお湯で洗った方が水で洗うより早く乾きます。
食洗機で洗い終わったら、扉半開きで(換気のこと)直ぐ乾きます。これは食器が熱湯で暖まっていて、水滴に直ぐに気化熱を与えることが可能だからなのです。すごく単純な科学です。乾くには基本的に「熱」が必要なのです。折角熱気で暖まっている壁をわざわざ冷やすなんて「・・・・・」ですよ。

建築士が湿気と結露のことわかっていないのです。お風呂場の壁が入浴中にびしょびしょになるのは、壁が冷たいから結露するのであって、壁が暖かかったなら水蒸気でかすんでいる風呂場の壁でも結露はしません。どうも「暖かい部屋」=「結露する」と勘違いしているようです。
だから「壁を冷やす」=「温度がさがり湿気がなくなる」と間違って思い込んでいるのでしょう。
その発想だから冬でも風呂場の窓を開け冷たい空気を入れたがるのでしょう。
冬は窓を開けるより、室内の暖かい空気で気化熱を与えながら換気をする方が早く乾燥します。


朱鷺の死亡で思う その② 

朱鷺の死亡で思う事その①はここ

今日、3月の朱鷺のゲージに小動物が侵入し、9羽が死んだ原因と対策をその特別検証チームがまとめ知事に報告しましたとのニュースがありました。

主な原因は

朱鷺の天敵に対し認識不十分だった。

緊急事態時に対応ができなかった。

各関係部者の責任の所在が曖昧な点があった。

とニュースでアナウンスしていました。詳しい報告はこのブログで紹介されています。このブログでも全く稚拙な事と言及してますし、私もその通りだと思います。

しかし全く不可解な報告です。
なぜなら死んだ原因は小動物が朱鷺のゲージに入ったからでしょう。天敵に対し認識不十分って、では何で「2.5cmのメッシュでゲージ」を造ったの?逃げないようにするためだけ?違うでしょう。それだけなら倍の5cmでも充分。2.5cmは天敵から守るためもあるって子供でもわかりそうです。責任が特定されていな事は、とても今の行政がおかしい現れです。ゲージを造ったからにはその発注者が必ずいるでしょう?そしてこのゲージの完成チェックをする部署(人)は誰だったのかはっきりとさせ、原因はそこにあるとしない限り、税金と朱鷺の死が無駄になる事は間違い無いでしょう。一個人を攻めない事が正義のような事とされがちですが、それは時と場合によります。あまりにも酷すぎます。調査チームって何?

どの物作りでも必ず同じです。誰かがそのゲージが正しく造られたかチェックしなければならいはずですし、そのように決まっているはずですがどうしてここを曖昧にするのでしょうか?

もしこれが民間で例えば住宅にたとえると、

設計図に「2階バルコニーの手摺りは子供が落ちないように、12cm以下に施工する」と記載があったのに、実際は26カ所も15cmの箇所があった。その一カ所から子供が不運にも落ちて亡くなった。
調査チームが調査したらその原因は
「子供の行動に対し認識不十分だった」
「緊急事態時に下で受け取る対応ができていなかった」
「バルコニーへでれる窓を監視していなかった(親のせい)」
「工事のできあがりをチェックする連携ができていなかった」

となるのでしょうか?それで親が納得するのでしょうか?絶対に親は「手摺りが設計図通り施工いていない施工者とそれを完成チェックしていない監理者が原因」と訴えるであろうし、それが事実です。

住宅も工事監理者が事実上不在なら同じ事が起きてます。そして名義上の監理者はこう言うでしょう。「私はあなたと直接工事監理契約をしていない。だから責任はない」と。


最近多い 梁の室内表し(露出)で法律違反か?

この写真のように、最近吹き抜けや梁材が室内に露出する事が多いですね。

この写真の矢印部分等が梁材の端部であれば、平成12年の法律改正で金物によって緊結(しっかりと固定)が実質義務づけられています。そのため一般的な梁の緊結は下の写真のように補強ボルトによる金物(羽子板ボルト)で行います。

ところが最近、見た目を優先してこのような金物を取り付けていない建物を多く見ます。この補強ボルトの見栄えが悪いので敢えてつけないのでしょう。それとも法律上でもここに補強ボルトが必要なことを知らないのかもしれません(法律義務でなくとも、耐力上必要ならつけなければならない)。

しかし法文では

令第47条

 構造耐力上主要な部分※である継手又は仕口は、ボルト締、かすがい打、込み栓打その他国土交通大臣が定める構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない。・・・以下省略

具体的には基礎基礎ぐい、壁、柱、小屋組土台、斜材(筋交いや方づえ、火打材等)、床版、屋根版、横架材(梁や桁)を指す。

とあり、その具体例として許容応力度設計の解説本では「全ての梁の端部は最低羽子板ボルト以上を取り付けなければならない」とされています。しかし、どうもこの事が守られていないようです。

建物の最優先は絶対に「安全性」です。これを度外視してのデザインや見た目重視は許されないのではないでしょうか?

もし見学会やカタログで見る機会があれば是非建物をチェックしてみてください。きっとありますよ。
その時金物がなくても大丈夫!」と即答する営業マンは一番タチが悪いと思ってください。法律を故意に違反することは偽造事件と同じですし、決められていることと違うことをする場合は、それ相応の根拠が必要です。

この件では住宅コラムに詳しく解説しているのでご覧頂ければと思います。
ちなみに「緑の家」では標準でクレテック金物を使っているので羽子板ボルトは必要ありません(そのためクレテック金物+集成材を13年前から採用しているのです)。


新潟の家 超高断熱高気密の家 過去を熱く語る。

今日の朝は寺泊海岸清掃のボランティアです。昨年の嵐とは違い快晴で気持ちよく参加しました。

美しい海岸を次の世代にきちっと引き継ぎたいですね。皆さんお疲れ様でした。

さて、昨日も建て主さんにある事を熱く語ってしまい少々反省です。
それは・・・

以前からご紹介しているとおり

「家造りの過去を消去するな」

です。
製品寿命が10年から20年の家電製品や車でも、誠意があるメーカーのホームページに行けば普通は過去の製品のスペックや取り扱い説明書などが閲覧できます。
ところがなぜか家を提供するハウスメーカーや建設会社、工務店のホームページにはありません。まず間違いなく消去されています。

家の寿命は短くても30年。そしてこれからは50年以上、もしくは100年くらいは使い続けたいと願っている人が多いと思います。
だからこそ過去の家のスペックや考え方の保存期間は20年以上はほしいと思いませんか?しかし、現在の住宅業界ではたった2年間まえの家造りの姿勢やスペックでさえ残っていません。完全に故意に消し去っています(当事務所では13年間まえのお勧めスペックなどほとんど残ってます)。新しい現在お勧めの性能やデザイン、仕様だけ大きく掲げ過去の家はほとんどありません。

いくら完全注文住宅でもその当時建て主さんは、工務店さんが勧めるあるスペック(例えばこの家は檜で全てつくられているとか、地震に対してはこのように考えているとか、気密断熱性はこう考えているとか、基礎はこのように考えている、内装仕上げはこれが良い)を聴いて、そしてそれを信じて購入しています。
だからその頃の情報を削除する事は、その当時の建て主さんを削除しているような気がしてなりません。

ではなぜ消し去るのでしょうか?

「過去お勧めした家造りのスペックに自信がない」
からでしょうか?

「その時だけよければ10年後はどうでも良い家」
だからでしょうか?

性能が高ければコストが掛かります。だからコストと性能のバランスを考え、この家なら20年後も性能的に問題無く使えるよ。とか10年は大丈夫とかと決めてお勧めしているのではないでしょうか?そうであれば自信をもって過去を紹介すれば良いと思います。それが国民の生命と財産を守る建築士という国家資格をもつ「プロ」といえる仕事だと私は考えます。


築20年の今日の拙宅。シンボルツリーの幹の陰がシルバーグレー色の無塗装の外壁に。この陰がつくるデザインはどんな有名な画家でも描けない一瞬一品もの。しばし見とれる・・・。

ちなみに拙宅は築20年経ちます。その性能はQ値で1.9、C値で0.9です。今も上位クラスの家の性能で、勿論快適です。そして、20年前から無塗装の木を全ての壁天井に使っています。だからこそ今でも自信をもって緑の家を勧めていますし、これからも過去を消す事はありません。


「自然共生建築を求めて」を読んで。

先週、「自然共生建築を求めて」という本を購入し、読み始めましたとご案内しました。ようやく読み終えて感想を・・・。

「すばらしい!その通り・・・ただ難しくしすぎて私では読み飛ばしてしまう」の一言です。きっとその分野では凄い事が書いてあると思いますし、私がよく助言を頂く環境系先生も「その分野では第一人者」とおっしゃっていました。興味がある方はどうぞお読みください。

この本ではエントロピーエクセルギーという概念で様々な現象を解いています。これが意外と頭に入らなくて、この概念に置き換えなくとも普段の生活の表現(経験則)のままの方が良いと私みたいな老化が始まった人はそう思いました(温房概念は理解が容易)。

ある物質を人が使用すれば(エネルギーを使えば)、廃棄物(熱も含)は必ず発生する事は日々の生活で身にしみてます。またこの廃棄物は、人間以外の他の生物がまた使用して、それを繰り返すことで再び人間が使用できる状態になります。これは大地と共に暮らしていれば当たり前に実体験でわかることです。これをあえて建築関連ではエントロピーとかエクセルギー等という机上の言葉にするとわかりにくくなり、とてもついていけませんでした。
また開かれた系においてエクセルギーの使用には必ず熱などを捨てなければ使えないという発想は少し理解が・・・できませんでした。循環に順番はなく、あるのはバランスのみでは無いかと思ってましたから・・・。逆を言えばバランスがとれていなければ循環はあり得ないと言うことだと思っていました。近年の地球の気温が上がる現象はバランスをとるために温度修正をしているだけで気温が上がれば、宇宙へ逃げる熱は増え、また太陽の熱を空気中の多量になった水蒸気で遮る等しながら数十億年過ぎたのだと思ってます。
エネルギーの概念では必ずこういう定義(エントロピー等)が無ければいけないのですが、私みたいに実践だけの設計者は非常に頭に入りにくかったです。つらい・・・まさしく老化です。

もし「自然と共生する建築」と問われたら私の率直な意見は、

「自然共生建築」や「環境共生住宅」などは出来ない。多分その言葉を使うなら
「自然共生の文明の建物」や「環境共生文化の住まい」になるだろうと思うからです。文化や文明の中の住まい方の一つに建物があるだけかな?

私は今の社会で一住まい(いちすまい)の単位で自然と共生するなんてとてもいえないと思っています。仮に一都市の単位でも同じで日本のほとんどが同じ意識(つまり文化)にならなければほとんど意味の無いことで自己満足(趣味)にしかなりません。本気で考えならまずは東京一極集中の施策を最初にやめなければ到底無理でしょう。

田舎である「寺泊」に住み、趣味で自然農等に関わっていても、自給自足、自然のサイクルに寄り添う事などできないと日々知らされているからです。多分大都市に住むんでいると感覚が麻痺し、日本でも田舎に行けば、自然と共生できる建物が出来ると勘違いするのでは無いかと思いますが、日本において現代の文化では無理といえるでしょう。

仮に一個人レベルでも山に籠もった仙人のように生活すれば自然と共生しているのでは?等と問う方もいらっしゃると思いますが、その人が暮らして行くためにどのくらいの縄張り(テリトリー)が必要でしょうか?せめて1km四方の土地は最低いるでしょうね。すると日本の国土が377,835km2ですからたった37万人しか仙人になれません。それを裏付けるように縄文時代はこのくらいの人口でした。これ以上の人数では食料やエネルギーで争いが絶えないでしょう。山でとれる食べられる物は思っているほど多くありませんし、木だって一度切れば30年後でないと使えません。
余談ですが実は稲作が最初に人を自然環境との共生文化から決別させたのです。稲作により、飛躍的に人口が増え、分業が進み文化(生活方法)が変わって急に人口密度が増え始めたのです。さらに18世紀の産業革命で今まで地球が経験したことのない未曾有の急激な人口増となります。

さて、ここまで来ると話があまりにも飛躍してしまいますので、少し戻して・・・

田舎に住み、自分のテリトリー内である程度循環させる事を考えると、その時の基本は

「大切にする、使う」

につきます。自然農の行われている畑では、勿論水道なんてものはありません。山に降る雨水がメインですから、これを貯める事から始まります。雨水でも一度土に染みこんだわき水を使いますが、あふれる程あるわけでもありません。乾期には枯れますし・・・だからその使用には順番があります。飲めるような浄化装置はありません。飲み水だけは自宅から容器で持って行きます。
まず一番きれいな水は食器荒い等に使います。次に野菜の下洗い、最後に畑へ・・・。大切に大切に使います。大切にすれば、何とか貯め水だけでやりくり出来ます。

このわき水はこの自然農のガーデンの持ち主が水のかすかな音を頼りに掘り当てた(40cmくらい地中の水脈)

煮炊きも山の枯れ木を使いますが、釜などを造って効率を考えます。野炊きではあっという間に多くの木を燃やしてしまいますから、釜を作り枯れ木でさえ大事に燃料にします。でないと木は直ぐに無くなります。例えば以前から申し上げておりますが、断熱性能ない家での薪ストーブは地球温暖化防止に貢献してません。大事に資源を使う工夫を今の技術を使って最大限努力するのです。釜の中であれば小枝だけでも煮炊き可能。

こういうことが自然と共になるべく過ごす基本です。自家発電装置だって畑にはありますが、全く人工的な物を排除するすのではなく、大切に使わないとあっという間に資源は無くなる事を学ぶのです。そして「足を知る」事です。それが今の日本人が自然と共生する第一歩です。広大な土地と資源を持つ米国のまねをしすぎたところを直す事から始めることが重要だと考えてます。

しかし縄文時代のような生活を目指す事では無く、せっかく祖先が造った文明の利器を使い、今の技術にあった自然と共生する文化を目指すのですね。たとえば寒いときには暖房を・・・、移動運搬には車を・・・またソーラーパネルから電力を・・・。
そして暖房が手放すことが出来ない文化なら、その暖房のエクセルギーを浪費しないように大事に使わなければなりません。太平洋側では、日射が多く利用できるのである程度の高断熱と蓄熱などと組み合わせれば良いのでしょうが、お日様がでない日本海側の住宅では「超高断熱仕様」が必須となるのです。


換気扇フードの欠陥。換気不良の原因で結露やシックハウス!

オーブルデザインでは換気扇フードは決まった物を使用しております。ですがあるお宅で指定品番と違う物が付いているのに数ヶ月のアフター点検で気づきました。
完成の竣工検査で気づく事ができず建て主様にはご迷惑をかけ申し訳ありませんでした。この場で改めてお詫びいたします。

 さて、取り付けられていた換気扇はフードは上の写真のように網が付いてます。これが問題なのですね。当事務所は設立以来このように網が付いているフードを一度も指定(取り付けた)した事はありません。それは下の写真のように直ぐ埃で詰まるからです。特に排気用換気扇は、室内の埃が付きやすく早い時は1年で、遅くても数年でつまります。詰まると殆ど排気されず換気量不足に陥り、冬は結露が発生し、夏はシックハウスになる可能性が高くなります。この写真のような位置に網があるとメンテナンスはまず不可能です。更に高いところにあれば、専門家に頼んで外すしかありません。

 上の換気扇をひっくり返した所。表からでは埃で詰まっている事に気づかないからとてもやっかい。

実は換気扇フードカタログでも末尾の品番1文字違いで普通に網付きのフードが売らてます。何となくあると虫が入らないような安心という錯覚に陥ります。だから専門家でも間違った知識で取り付けられている可能性は高いとおもいます(今回も電気屋さんが勝手に気を利かせたつもりで付けていた)。
もし皆様の家にこのような換気扇フードが取り付いていたなら、直ぐに交換してもらいましょう。これは換気扇のシステム欠陥です。24時間換気が法律で定められた10年以内の建物なら無料交換となるはずです。

因みに「緑の家」にお住まいの皆さまは大丈夫です。網はありません。


ちょっとだけ急がないと補助金100万が・・・。

「平成22年度 木のいえ整備促進事業(長期優良住宅普及促進事業)の募集開始について」が先日ようやく発表されました。が・・・
なっなんと、今回の補助金100万(120万)の申し込み期限が
10月1日必着となっています。ということは・・・
8月31日までに設計図を全てそろえないと間に合いません。ここから逆算すると当事務所の場合は・・・

4月 設計ご相談
5月 基本設計終了
6月 実施設計開始
7月 実施設計終了
8月 長期優良住宅申請、確認申請手続き
9月 見積もり後(入札) 請負会社決定 契約 補助金申請

となります。
4月5日頃にようやく発表されたこの補助金ですが、実質8月くらいには殆ど終了していないと申請できません。あまりにも早すぎますが、なぜこんな急ぎ足になったのでしょうか?
   
その平成22年度 木のいえ整備促進事業(長期優良住宅普及促進事業)の募集開始についてはこちらに詳しくあります。
もしこの補助金を目当てにされている方はちょっとだけ急いで行動した方がよろしいかと思います。
こちらの補助金を逃すと次はエコポイント(30万)になりますから70万も違う事になります。

超断熱住宅における冬の洗濯物④ 新潟の自然素材の家から

超高断熱住宅における冬(夏)の洗濯物のお話も最後です。その4は・・・

まず最初に・・・超高断熱で夏の冷房のお話をすると、

「この工法は○×といって夏でも昔の民家みたいに涼しいよ」

と胸を張っておっしゃっている建設会社や工務店さんがいらっしゃいます。

???です。昔の民家はその工法だけで涼しいわけではありません。周囲の環境もとても重要です。昔の民家の周りには近所はなく裏に山や田んぼがあったりします。その山や田んぼの緑で冷やされた(ご存じ気化熱です)空気が、家中に呼び込める環境があったからこそ涼しく過ごせる事も可能でした。むろん住んでいる人もステテコにランニングシャツと軽装で通風の抵抗となる網戸も皆無でしたし・・・。それを無視して工法だけ工夫すれば涼しい家ができるなんて都合の良い解釈は、家の設計者、提供者として失格です。襟元の閉まった服装や長ズボンを身につけるような現代の生活では、仮に昔と同じ室温、湿度でも不快に感じてしまいます。
都市部では特に暑い日ほど夜も温度が下がりにくいので夜間通風さえも期待できません。←その論文です(たった2%の効果)。

さて昨日の続きです。

おさらい・・・

エアコンは空気だけを冷やしているのではなく湿気を除去するのに半分もの電気エネルギーを使用しているのですね。

それが前提でようやく換気扇の話になります。
顕熱交換型換気扇は温度だけを交換します。つまり折角全エネルギーの半分ものエネルギーを使って除湿した空気をそのまま捨てているのです。数値で表すと

顕熱交換率80%の顕熱交換換気扇は、実際には80%×0.5=全熱回収率40%
↑一昨日のエアコンは半分は除湿(潜熱)負荷なので0.5とした。

顕熱交換率70%、潜熱交換率50%の全熱交換換気扇は
70%×0.5=35% + 50%×0.5=25% →全熱回収率60%

全熱交換型換気扇の方が1.5倍も熱回収効率がよいのですね。

更に全熱交換換気扇の方が湿度を空気を冷やしすぎること無く下げる事ができます。つまり温度が高くてもカラッとした空気になりやすいのです。

夏にありがちな冷房病は低温高湿で起きやすく高温低湿の環境では起きにくいと言われてます。確かに夏に湿度が高い日本(新潟)より、湿度が低い中東(カイロ等)の夏の方が過ごしやすいですね。

さて、冷房中の家でどこに洗濯物を干すか?
ここまで連続第四回にお付き合いして頂いた方なら何となくわかりますよね。それは・・・

「排気用換気扇の近くで干す」事です。

例えば換気扇が動いている浴室内とか・・・夏は浴室換気扇を連続or4時間以上ON。

洗濯物が乾く時、空気から熱を奪います。これで冷やされた空気は下へゆっくり下がります。一方気化した水は湿気(潜熱)となって均一に広がろうとしますから、これを排気用換気扇で広がる前にできるだけ排出するのです。すると顕熱は冷やされ潜熱だけ排出されやすく、家の冷房効果が上がります。大きな効果は無いですが理屈ではこの方法が良いですね。普段も何となく排気用換気扇の近くで干しますが、これは夏が効果的で冬はあまり関係ないと言うより、逆効果になります(家中暖房する前提・開放型ストーブは論外)。

さて、ここまで4回で「超断熱住宅における冬の洗濯物」についてお話ししました。こんな理論的な話はつまらないと思いますが、設計者にとって理論は設計の拠り所となります。

最後にネットで見つけた個人ブログで、ある有名な工務店さんで家を建てた日記がありました。スラブヒーター(床下暖房)というキーワードで入ったのでそのページを見ると、
「新築後直ぐにスラブヒーターが工務店の説明とは違い、冬暖かくならなかった。メーカーにも来てもらったが機器は正常だがやはり家は暖かくない。そこで工務店さんは薪ストーブを代わりに用意してくださった。とてもありがたかった。」とありました。
普通は「いい工務店だね」となるのですが、技術者の私から見れば「建て主に原因を不明にして、追加で暖房機をもらってっも、この先暖房費を払うのは建て主さん。仮に暖房費を負担してくれてもあたりまえ。多分原因は、高断熱高気密性能がしっかり出ていなかったので、想定したヒーター容量では暖まらなかったのだろう。これは設計と施工のミス。」となります。ここから見ても・・・
まず理論、次に実践(施工)、検証という事がわかります


超断熱住宅における冬の洗濯物② 新潟の自然素材の家から

昨日も前文で

設計事務所では特に理論と実践を大事にします。設計はそもそもこの世に同じ物が無いので設計する事になります(あれば前の設計図をそのまま造れば良いので設計図の必要がない)。だから今まで一度も造くられた事が無いので「理論」を頼りにし、設計段階で「理論」が成り立たなければ「実現」は困難と言う事を知っているからです。←当たりまえですね。

と書きましたが、ようやくその理論の方へ今日は話が移ります。

冬は家の中で積極的に洗濯物を干そう!と勧めて12年。その理論は今も変わりません。で、おさらいですが・・・

洗濯物が仮に10~12kg(5人家族の一日の量)とした時、その濡れている水の量は6kgありますから洗濯物からでる水蒸気の量も5~6Kgにもなります。この時濡れているこの水が気体の水蒸気になるための気化熱は586cal/g=586Kcal/kg=0.681Kw/kgです。つまり最低4kwhのエネルギーを必要とします。・・・とここまでは昨日と同じ。

この乾燥に必要な気化熱が超断熱住宅では結構な熱消費となります。

超高断熱ではQ値0.9w/m2k以下なので30坪くらいの家では真冬に一日あたり

0.9×18℃(平均温度差)×100m2(30坪)×24時間=38880wh=39kwh

あれば家中を22度で維持できます。これに対し

気化熱に対する全体の熱は4/39=0.1となり10%にあたります。洗濯物を乾かす行為は意外と結構大きな熱が室内から奪われます(超高断熱の場合は分母が小さいため)。

ところがこの奪われた熱は潜熱と呼ばれ室温から奪われたように見えますが、室内にある限り無駄にはなっていません。それは・・・
快適な湿度を維持する事になっているからです。快適な湿度とは約50%であり、湿度が低すぎると室温が22度あっても快適ではありません。ここから計算です。難しく考えないでさらっと流しても結果だけ見てもOKです。

では・・・

仮に延べ床面積で30坪家の気積(家全体の空気の量)が240m3ある家とすると

240/0.5回=120m3/h以上が換気されるように法律で最低設定されています。

この換気により外の空気が室内に入ります。
外の条件を冬のみぞれが降っている時とすると

単純に2℃の湿度100%の空気の水蒸気量5.6g/m3←外気

部屋22℃の湿度50%の空気の水蒸気量10g/m3←室内空気

法律で決められた24時間連続換気するすると考えると

一日で室内に放出される水蒸気16kg(洗濯物も含む1家族あたり)

結構多いでしょう!このくらいでてますよ。

120m3/h×24h=2880m3
120m3×5.6g×24h+16kg×1000=32128g

湿気が完全拡散であると考えると
当初部屋にあった空気の水蒸気量
120m3×10g=1200g
と発生する水蒸気の量の合計を総空気の量で割るとm3あたりの湿気となる。

(1200+32128)/2880=11.6g/m3・・・空気約1kgに含まれる水蒸気量

するとこの11.6gの飽和素蒸気量である空気が22℃の時は
湿度51.6%であり、当初の空気の湿度とほぼ変わりない。
と言う事は

結果

洗濯物を室内で干すと・・・

22℃の室内の空気は湿度約50%で安定する事になる。

実際は水蒸気の発生場所は排気用換気扇に近いので、湿気の完全拡散は無く湿気の多い空気は早めの排出されるので乾燥方向になります。そこで第三種換気システム(排気のみファンを使ったシステム)や第一種熱交換型換気扇(顕熱タイプ)を使った家では洗濯物を室内に干しても湿度40%くらいになります。 数日前にご紹介した全熱交換の換気扇を使用したA邸の室内の湿度。人間の活動と室温の変化で湿度も数パーセント変わる事が見て取れる。

一方、第一種換気システムでも潜熱交換をする熱交換型換気扇タイプでは、湿度50~55%になる傾向があります。インフルエンザのビールスはこの50%以上の湿度では長く存在できないとされていると言うことと、体力の衰えた時には湿度を高めにする事で体内の無駄なエネルギー消耗(呼吸による気化熱)が少なく、だから湿度50%がよいとされてます。

 熱交換型換気扇  この画像は三菱電機さんから※外気温度 0℃、室内温度 20℃、温度交換効率75%の場合。

オーブルデザインのSSプランではこの第一種換気システムでも潜熱交換をする全熱交換型換気扇(ダクトレス)を現在使っています。理由は、冒頭の洗濯物乾燥に使った熱を捨てない事による冬期の高湿度維持と、夏期のエアコン除湿の時、非常に効率が良いからです。この理由は次の③でお伝えします。

ここから先は追加事項ですが実は・・・

寒冷地の超高断熱住宅やパッシブハウス等では結露対策をした顕熱タイプの換気システムが推奨されています。これは全熱交換型換気システムでは、

1.湿気交換時に臭気等まで移動する←トイレは別系統になる

2.お風呂排気は高湿度でふさわしくない←風呂は別系統になる

3.高断熱先進国では顕熱タイプが当たり前

であるからです。

これについて私は

1.別系統で問題なし。(3分でOFF。消し遅れスイッチだけでOK)

2.床下暖房の家は2時間で浴室は乾く。(タイマースイッチでOK)

3.高断熱先進国(欧米)は日本みたいに冷房期間がない

と考えてます。

実は20年ほど前(1991年)、以前の職場で新大と一緒にこの全熱タイプ換気扇が浴室に使えるかどうか実験をしています。すると結果は、瞬間的には湿度が高くなるが全体的に考えると影響はないという結果となりました。よくよく考えると欧米では浴室は部屋の片隅にあったりして、殆ど換気扇が無い状態もあります。拙宅浴室でも冬期は換気扇は2時間でOFFで問題なく乾きます(床一部除く)。20年間実績もあり、湿度が50~55%で安定する全熱交換型換気扇でも支障は無いと私は現時点では結論付けています。

全熱交換型換気扇の夏の優位性とは・・・次の日に!


新潟の家 責任不在の情報過多の時代

先月あるサイトから当サイトにリンクされてくるゲストさんがよくいらっしゃるので、そのリンク元サイトへ行ってみると・・・

そこは日本最大と謳った家の情報を集めたサイトで掲示板が多数有り、大手メーカーからローカルな新潟県のメーカーや建設会社さんを題材にしてコメントもされてました。そのコメントを多さは一ヶ月で1000以上となっています。
だいたいが一つの質問に複数で答える「スレッド」記事になっいて、例えばこんな質問があるとします。

話題提供者 「基礎断熱っていいの」

とすると

匿名A 「うちは選択肢の中にあったけれど床断熱にした」

匿名B 「基礎断熱ってよくないよ。だって(略)・・・」

匿名C 「○×メーカーのこれがよいよ」

などなどです。

殆ど全てが匿名の情報です。これはとても、とても不思議な事です。匿名だから同じ人が別の人になりすまして答える事も可能です。また思い込み情報でも可能で、私からみると平気でまちがい(法律に添わない)を答えたり、勧めたりしている発言もありました。仕方無いのでしょうか?プロが造る家でも未だに「手摺りのない階段」が堂々とチラシに載ってたりしますから、プロで無い方がどのようにコメントしても問題にならないのでしょう。

これも時代なのでしょうか?どの情報が正しいかと間違っているかよりも、そのやりとりを楽しんでいるコメント者も多く、何ともいえない気持ちになります。
コメントも「だと思う・・・」だったり、逆に根拠無し言い切り捨て型だったりしてます。

またそのようなサイトをよくご覧になり、あたかも「家に正しい知識を知ったかように」なってしまっている人も多いと思います。家は家電製品とは違い巨大な物です。ある小さな部位や一つの仕様などの特定情報だけでは判断できないところが沢山あります。だから国が専門職として「建築士」などの免許を与えるのですね。

随分前から申し上げているとおり当ブログやHPでは、できるだけ実測、実物、法律、または国が定めた仕様や規律、基準で表現するようにしてます。また間違った情報の時は訂正線等で後で見てもわかるように記述します。私が趣味で情報収集に訪れる他のHPやブログは殆どそのようになっています。それが責任ある情報発信と思いますが、不思議と建設業界のホームページやブログに「訂正線」があるのをあまり見た事がありません。

絶対間違っていない情報だからそうなっていると思いたいのですが、なんとなく違う気がします。建築業界は一度お客様になったらリピートが30年無いので、情報が毎年変わっても気にならない人が多いのでしょう。だから、造る側もその時よければそれでよし。となる習慣ができあがったと思います。また詳細な図面がないという習慣が拍車をかけたのでしょう。何事も図面が無ければ始まりません。 最低でも50枚以上ある図面。図面は大事な建物の履歴。増改築の時もこれが無いと始まらない。

10年の寿命の家電製品でも、品番検索すれば10年前の製品の仕様が残っていますが、家の情報は3年前でも全く残っていません。新しく建築しようとする方は、わざわざ3年前の情報を探す人はいません。ですが、家は他のMONOと違い、一度建てたら最低30年は使い続けます。ですので3年前の情報も大事なのです。・・・とオーブルでは考えてます。だからHPの情報は消さないし、間違った時は訂正線で書き直します。それが責任ある情報発信者だと思ってます。過去を消せない(消さない)から慎重になるし、吟味した情報と家の仕様を発信できるのだと思います。訂正線もなく、いつの間にか消えているページが多々あったり、数年前のページが全く無かったりすれば、間違った物を簡単に消して忘れられる気持ちになります。私は多分設計図を多く造るので、必ず手元に記録が残る事が当たり前=間違った履歴は残せない  と考えるようになったのでしょう。

あっ・・・誤字脱字は例外で、そこだけは消して修正します。(笑)


新潟の家 基礎断熱の欠点 朱鷺の死亡で思う事・・・。 

昨日朱鷺がネットで完全保護された飼育場内でテン等の小動物に襲われ死亡したニュースを聞きました。この飼育場はネットで完全保護されており、土などを掘ってもネットは地面下50cmは埋めてあるのでどこから入ったかは、現時点ではわからないそうです。

国が完全管理する保護場でも、「対」野生生物では予想しない事や、人間の不完全さから防護上の落とし穴ができるという事がわかります。ここから学べる事は・・・

基礎外断熱をするときは対白アリのためステンレスメッシュ(ターミメッシュ)を周囲にぐるっと施し白アリ対策する方法があります。このステンレスメッシュとは、白アリが通れないような細かい網の目のメッシュで土に埋め込まれる断熱への侵入を防ぐと言う理屈です。
しかし朱鷺と同じ事が起こる事が想像されます。朱鷺の保護場のように2.5cmのメッシュに対しし、白アリのメッシュは0.5mm程度でしょう。0.5mmの精度の施工が、建築現場でできると思う事自体無理があります。2.5cmの穴でさえどこかに見落としがあるのに、0.5mmの見落としがないという事は考えにくいです。私は基礎断熱推進派ですが、そのメッシュにコストをかけるより、基礎内断熱や、高基礎などを選んでます。この施工のほうが仮に白アリ被害があったときメンテナンスが格段に楽です。勿論基礎コンクリート一発打ち込みや玄関部分の配慮も必要です。生物から完全に防ぐ方法を考えるより、侵入されにくい予防と万一侵入された時に直ぐ対処できる仕組みが現実的で理にかなってます。

PS
地元の方の努力には敬意を払います。が、人の手によって保護されなければ生きていけない朱鷺ならば、現在の日本の自然環境がそうなのですから絶滅はこれこそ自然の事です(実際絶滅しました)。環境の変化に対応できない種は、いつの時代でも滅亡してます。「昔、朱鷺というそれはそれは綺麗な鳥がいたの。でも人間が人の住みやすい環境に変えたので朱鷺は対応できずに絶滅したの。だから人はいつでも未来へ繋ぐ責任がある事自覚し生きていかなければならないのだよ」と強く学ぶ事も重要と私は感じます。取り返しがつかないこともあるのです。なぜか「獣の躁者」の物語が頭をよぎります。


新潟市 雪のトラブルを防ぐ 家編

今年は新潟市では26年?ぶりに積雪80cmを超えました。最近の新潟市は一番多く降っても30~40cm。その倍の積雪が2日間で降ったので交通は大混乱との報道もありました。

長岡市で一晩40cm積もっても交通が壊滅するほどの影響は受けません。ところが新潟市では一晩に40cm降ると交通は壊滅的な影響を受けます。新潟市は融雪道路ではないため除雪車が頼りですが、除雪車が通ると道幅は半分くらいになり、また4m道路など狭い道や坂道も多いのでとても大変な状況になります。こんな時は無理をせず素直に会社や学校を臨時休業したほうが良さそうです(やむ得ない業務を除く)。

さて本題ですが、
雪のトラブルで一番多いのが、屋根からの落雪で怪我や車などが壊れてしまう事です。特に最近流行の「太陽光発電パネル」は表面が強化ガラスでとても滑りやすい素材です。ですので何らかの対応がされていない屋根に設置すると雪はおもしろいように落下します。先般このブログで注意喚起してましたが、やはり多くのところで問題が起きたそうです。
新築時ならそれ相応に設計者が気をつけるようですが、後付け施工された太陽光パネルから落雪でカーポートの屋根を壊した等の被害を聞きました。
実は当事務所のある家もお隣からの落雪が敷地内に飛び込んできて、設置されていたエアコンが雪で埋まり運転が不調になった事を聞きました(掘り出すのも堅い雪のため大変だったらしい)。

我々設計者は「新潟市では1mの雪が降る」事を前提に家を設計します。これは法律で決まっている事で、もし1m以上の雪なら「想定外」といえますが、1m以内の雪で建物の不具合が生じてはいけないですね(自戒をこめて)。

 7年前に建築した新潟市のある家。建物平面形状が△であるため屋根に曲面を持つ急勾配部分がある。そこで雪止めが鱗のように細かく設置されている。見た目はイマイチ(勿論ファサード側ではないので許せるはず)であるが近隣敷地へ雪がなだれ込まないような配慮で設計してある。外壁はガルバニューム。


家のネット情報・・・大手メーカーの力

ふとある事から立ち寄った個人HPには家の裁判になった事が書かれていました。たまたま基礎の件や建築基準法の件で関心があったのでしばし閲覧。

厳しい現実ですね。読んであると息が詰まりそうです。相手は大手ハウスメーカーでした。裁判になるとお互いの論理のぶつけ合いは仕方無いとしても、建築基準法の書かれている事を守らなくても、「力」で論理が通ればそれは瑕疵はないという裁判所の判断には大変驚きました。

例えば・・・基礎が鉄筋コンクリート造の場合、その鉄筋のかぶり厚さ(コンクリートに埋め込まれる鉄筋の外気から最低距離)が6cm以上(土に接するところ)と建築基準法に明記されているのに、裁判になると「4cmでも基準を満たす」との判断が判事から出る不思議??

大手のハウスメーカーは、その財力を生かし、一般人には理解しがたい論理をその筋の技術者に証言させ、「図面や基準法どおりでは無いが、瑕疵はない」事を立証するようです。この「互いに納得した図面と違うが施工に瑕疵はない」という言葉が私にはとても理解しがたいですね。でも裁判になるとこれが普通に行われるそうです。家の発注者である個人は、財力が企業ほどある人はまれですからなかなかこれを覆す証人(技術者)を立てる事ができないそうです。勿論大手企業には息が掛かった技術者がたくさんいますし、行政や業界、調停員※への影響も大きいですからあえて反論証言しない技術者も多くいると思います。
※・・・元々建築訴訟の調停員は「業界で飯を食う建築士」が殆どで、調停員なるくらいだからいろいろなコネやしがらみが多く公正な調停ができるか疑問。

もともと建築基準法は明治大正のころに造られたので、施工者(大工さん)を守る意識も盛り込まれているらしいのです。当時はお金持ちも人しか家を発注しなかったので(大家)、受けた大工さんをお金持ちのパワーハラスメントから守る事も考えられていたらしいのです。しかし時代はかわり今や全く反対の力関係が多くなりました。いつも建て主さんには、「大手は基準がしっかりしてます」と言っていましたが、いざとなった時は、一番大手が怖いですね。

このHPの最後の方には

「欠陥住宅を防止する第一歩は【工事監理者】をしっかり自分で選んで契約する事」と結んでいます。ご自宅はハウスメーカーが勝手に指定した(委任状も勝手に造ったらしい)一度も面識がない「工事監理者」で工事が行われたそうです。

このHPは検索エンジンGoogleで「基礎 欠陥 大手 多摩 パ」で検索すると最初の方に出てきます。心臓が弱い方は見ない方が良い(特に調停の部分)と思いますし、建て主さんのブログやHPなので少々感傷的な事例もある事をご承知ください。


新潟の家 広告、営業話術に惑わされるな。

ブログでもよく申し上げますが、広告(チラシ、HP)がすべて正しい情報とは限りません。どちらかというと誇大広告が殆どです。これは表現の自由という憲法により、故意に人を惑わす事が書かれて限り自由表現OKということです。

例えば、
TV通販でも「○×を食べたらで目がすっきりした」という体験談ならOKで、「○×を食べたら目の視力が直ります」と販売会社が宣伝すると薬事法?に触れます。「目がすっきりするのは個人差があります」とトドメにテロップで流せば、目がすっきりしなくて責任はありません。

同じように住宅でも社長の思い込みで、この家は「地震に強い家」と宣伝してもそう大きな問題になりません。が、もし裁判にでもなれば思い込みだけ(裏付けなし)で「地震に強い家」と言って販売し、それが購入に大きな影響を与えたとなると、たぶん耐震等級2以上の基準を満たしていなければ詐欺か等級1を満たしていなければ建築基準法違反になります。

広告会社はこれを回避するため、小さい字で「プランにより替わります」とか「オプションです」とか記載されてます。が、それを読む人はあまり多くありませんし、重要なことと思って気にとめる人もいません。その後すぐに説明があれば仕方無いことですが、契約まで無いとすると問題です。そのあたりの解説が詳しく載っているHPは下のところです。

http://www.ads-network.co.jp/mitumori-zumen/koukoku-01.htm

耐震性では、特に私は許容応力度設計で構造計算しますから、通常の会社で行う壁量計算はあまり眼中になく気にしていなかったので、

建築基準法の壁量×1.25=耐震等級2ではない!
は考えたことがありませんでした。 

http://www.ads-network.co.jp/mitumori-zumen/zumen-11-jiku.htm

のサイトで数値で説明してます。なぜそうなるかは、建築基準法は雑壁を耐力壁として算定していな事と、多雪地域の雪加重の考慮がないことが原因と思います(雑壁ってなに?はおいといて・・・)。
同じように断熱性能表示Q値=1.9といって広告していた建物が、しっかり計算すると遙かに悪いQ値2.5だったりします。これは建て主さんにとって殆ど詐欺ですよね。
とにかく大事なことは、世界に一棟しかない注文住宅なら個別にみんな計算して数値で表示してもらうことですね。数値は後で残りますが、「高気密高断熱ですよ」とか「地震に強い」という曖昧な表現では、建設会社に逃げを許した事になり・・・×です。

上のリンクはおもしろいサイトなのでいちど立ち寄る事をおすすめします。ただ開設者が太平洋側の人なので、温熱環境については参考にならないところもありますが、その他は頷くことが多いサイトです。[E:shine]


ネットは簡単に削除可能。その① これが一番の問題。

よい家を建てるには、正しく情報を処理できる人、企業、会社をパートナーにすることが一番重要であると思います。既に商品が完成している建売住宅は、他の購入品と同じようにそれだけを評価すればよい家を手に入れることが比較的簡単に可能です。
しかし、まだ世の中に存在していない注文住宅の場合、設計図さえも世の中にまだ存在していないわけですから、その設計図からスタートです。設計図とはどの世界でも最も重要な行為成果物で、ここで間違っている情報で設計すると、完成した家も数年で価値のないものが出来上がります。

さて、ここから本題ですが今はインターネット全盛で、ほぼ全ての製品の仕様説明がネット上から見れますが、これをいちいちペーパーにダウンロードしてみている人は少ないですね。ここが問題です。
建設会社のHPへ行くとめまぐるしく商品が更新がされていて、一ヶ月前に見た仕様やデーターがきれいさっぱり削除されております。一ヶ月間には
「私の過去の経験やいろいろを調べた結果、基礎は○×という基準、施工にしましました」

と書かれていたはずなのに、もうそのページが削除されています。多分間違いにきづいたのでしょう。
人間ですから間違いはあります。その間違いを誤魔化さず訂正線などで直し、理由や場合によってはお詫びすればよいかと思います。まるっきり削除では、誠意のかけらもありません。勉強が足りません。そんな会社に、50年も維持する家を頼むことができますか?

ここに大きなインターネットの問題があります。簡単に今まで主張が削除できるのです。全く反対のことが書いてあっても証拠はありません。
過去のHPを違うサーバーにコピーでもしてあれば、ITの最大長所「コピーの無限可」がいかされますが、よほど問題(裁判や犯罪)でもなければそんなこといちいちしている人はいません。

とにかく、家造りでよいパートナー(企業や人)を見つけるには、書物(パンフレットではない)を出版し容易に削除できないようなっている仕組みか、過去のホームページやブログを一切削除しないで、公開している人や企業がよいですね。
住宅産業だけです。過去の家造りや、新商品(新仕様)が出ると前の仕様を削除する企業は・・・。
出版物は簡単には訂正できませんから慎重によく調べ、時には第三者から精査してもらいます。ですのでネット情報とは違い、ある程度正しい情報が発信されます。
正当な理由もなしに今日から家の仕様が急に変わりますといわれたら、それ以前に建てた人はどう思うのでしょうか?
正当な理由とは法律が変わったとか等で、その理由を明確にする必要があります。特に構造や断熱に関わる数値(基礎、コンクリート、木軸組、性能評価)などです。


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