5月6日見学会を行います。

連休の最後の日に完成見学会を行います。是非お越しください。予約は不必要です。

この建て主さんとは、当HPをご覧になりご縁となりました。最初は違う建設会社に施工と設計一式でお願いしていたらしいのですが、次の条件で造ってくださいと申し入れたところ、「その仕様では出来ない」といわれ、それを聞いた建て主さんは不信に思い断ったそうです。その条件とは、「基礎に使うコンクリートは、強度30N/mm2でスランプ12cm」といった単純な内容です。コンクリートの強度とは、まさしくコンクリートの強さを示す数値です。この数値が高いほど圧縮強度、せん断強度が高くなり、加えて耐久性が上がります(30N/mm2で100年、21N/mm2では35年)。一般の住宅ではコンクリート強度21N/mm2ですので5割増しですが、中層ビルでは当たり前の強度です。スランプとはコンクリートの柔らかさを示す数値です。スランプが大きいほど柔らかく水が多く混ぜられ低基準です。一般の住宅では18cmですが、今回のご指定は5割増しの12cm。つまり硬くて品質の高いコンクリートです。たったこれだけの事は通常の設計や施工をしている会社では問題ありません。簡単です。しかしお断りされた業者は、そんなコンクリートを使った事がなかったのでしょう。当事務所では通常でもコンクリート強度27N/mm2でスランプ15cmですから、ちょっとランクを上げる程度です。

さて、お分かりだと思いますがこの建て主さんは、建築に明るい方(同業者に近い方)です。こんな建て主さんに選んで頂いて頂いて当方は光栄です。


NEDO補助金に応募多数。

当HPでも紹介しているNEDO補助金が申し込み多数のため、2次募集が打ち切りになりましたとの案内が郵送できました。現在2次募集をお考えの方だった皆様にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ありません。

そもそもこの補助金は、地球温暖化対策として対費用効果のあるものについて国が1/3補助するという事業です。昨年は第3次募集まであったのですで、今年は2次募集くらいまでなら大丈夫だと想像しておりました。思ってた以上に興味を引く補助金になったようです。この補助金は、住宅性能評価申請が必須なので質の高い家が数多く建設されるという副次的効果もあるので、もっと補助金枠を大きくして頂ければ、日本の住宅のレベルアップになるはずです。来期の大幅アップを期待しております。


タンポポを食す

先日の休日、ある団体の主宰する「春の山菜と野草を食べよ」に参加した。この団体は、自然農園と呼ばれる畑の耕作をする団体なのであるが、春だから身近な山菜や野草を食べましょうという趣旨で行われた。この「身近」が重要で、奥山にしかない山菜を食べる事ではない。自然農園のすぐ周りにある山菜、野草を食べる事で、普段接している自然をもっと身近に感じようということ。身近な山菜は、ふき、柿の葉、うど、せり、・・・まだたくさんあったけれど、忘れた(^^; ….。その中でタンポポの花とスギナのてんぷらを食べた。両方ともとてもおいしかたった。特にタンポポは、子供たちに大人気。今は飽食の時代といわれるが、今後世界中で穀物不足となることは必死。それは自給率40%以下の日本にすぐに影響をおよぼすだろう。いまから身近な自然の大切さをこの機会をとおして学びたい。

左写真から、里山風景(この程度の丘)。たら、ふき、こごみなど。タンポポを揚げているところ。


ありがとうございます。

2008.5.01青字加筆

内野で行われた見学会を無事終えました。忙しい中お越し頂いた皆様には感謝申し上げます。また、内覧会をご承知していただいた、建て主さんにお礼申し上げます。今回の見学会は中規模の分譲地内で行われましたが、その分譲地内で他社さんの見学会もありました。時間に余裕があり、当見学会をご覧いなる前にそちらをご覧になったAさんに感想を伺いました。床が松の無塗装(又はそれに近いオイルかワックス)であったにもかかわらず、家の「匂い」が全く違っていたそうです(木の匂いが薄い)。その訳はやはり壁、床にビニールクロスを使っていたからだと思われます。ビニールクロスの材料は、その名のとおり、「塩化ビニール」です。塩化ビニールは、約半分が塩、その他が石油で出来てます。従って同じ石油製品の中では石油を多く使わない優等生石油製品です。しかし塩化ビニールは、その材質特性上とても固いため、壁仕上げ材にするには可塑剤が多量に使われます。その可塑剤は、揮発性があるのであの独特の「ビニール」の匂いになります。新築住宅のほとんどが同じ匂い(所謂新築臭)がするのは、ほぼこの可塑剤だといっても過言ではありません。

ところが、「緑の家」ではビニールクロスを使いません。だから、新築臭がしないのです。これはおこし頂ければわかります。特に「緑の家」では、安価なエマルジョンペイントのため家中の仕上げに使います。これが重要で、一部だけ高価な自然素材の珪藻土などを使い、あるところはコスト削減のためビニールクロスを使うと、やはりその家はビニールの匂いがします。

気になるコストは、壁に使った場合、ビニールクロス1000円/m2、エマルジョンペイント1600円/m2、ホタテの殻壁材2200円/m2、珪藻土(一般品)3500円~/m2、中霧島壁4500円/m2です。30坪の家で壁と天井の面積は約500m2でどのくらいの差額が出るかは、計算してみてください。

写真はエマルジョンペイントの壁、天井、モルタル左官仕上げの床を持つ今回の見学会玄関です。シンプルで凛としてますね。この雰囲気はビニールクロスでは無理です。

エマルジョンペイントとは、50年以上も前から学校や病院などの建物に使われる壁や天井の仕上げ材。つまり50年もずっと使いつづけられるという事は、欠点が少ない材料だと言う証明。


連休中、見学会を行います。

HP上でもご案内しているとおり、26日、27日に新潟市内野駅周辺で完成見学会を行います。連休中の大事な時間ではあると思いますが、お越し頂ければ幸いです。

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/goirai/goirai.html

特徴は、コンパクトではありますが、無駄なく空間をプランニングした密の濃さです。無論緑の家の最大特徴である「質実剛健」が基本です。最近よく見られるようなモダンでビルみたいな四角い箱が流行しております。が、このような屋根の出ていない構造は非常に設計が難しい部類です。ビルのように、10年経ったときに定期メンテナンスできる事が前提なら多少無理な納まりでもよいのですが、住宅はやはりメンテナンスが多少ルーズでも大丈夫な事が良いと思います。緑の家では、多少ルーズでもよい納まりの設計計画になっております。

「緑の家」では、純白の家は今回で3棟目です。特に今回の色決定は、一年前にはじめて真っ白い家を建てたご近所に実家のある方が建て主さんで、強いご要望です。これは一年前に真っ白い家をご覧になっており、汚れや印象が今も当時と変わらないかを判断され、決めた外壁色です。よく巷では、窓の縁から黒い汚れや、通気層不良による、外壁の汚れがある家があります。特に軒の出のない四角い家はこの2つに充分注意する必要があります。「緑の家」は、この2つに充分注意を払い細かい配慮で作っておりますので、汚れが最小限度ですみます。この経過をみてご判断されたようです。

内部は10年前から造っている緑の家と全く変わらず、床はヒノキの縁甲板で、無塗装。壁は水性エマルジョンで揮発性有機化合物がほとんどない素材です。この2つの組み合わせが、昔から日本人に愛された白い壁と素木の床、扉の雰囲気となります。またコストに余裕があれば壁に木を貼ることもしますが、優先順位は低いですね。壁に木を貼る事は、実はあまり行われていないのが日本文化だったからでしょうか。木の面材は、主に天井使われたり、建具に使われてきたからだと思いますが、何でもありの茶室でも壁に多量の木を貼ったものは多く見ることはありません。やはり飽きがない素材である土や白い漆喰がほとんどです。いずれにしても、素地の木(無塗装の木)は時間が経つとなんともいえない趣が出ます。ここ数年は、このようなコーディネイトをする会社も増え、目新しさに掛けますが、なんと言っても10年も変わらず愛される空間の仕様は、建て主さんに誇れる家造り仕様と自負しております。今回は諸事情があり予約となりますが、まだまだ空いておりますので、ご予約お待ち申し上げております。

また次に東新潟駅周辺の見学会が行われる家で使われる中霧島壁という自然素材の外壁や、内壁を多用した家も8年くらい前から行っております。こちらも息の長い仕様です。 こちらはご予約無しでOKですが、5月6日の1日限りですのでご注意ください。下の2枚の写真は内野の見学会の家です。黄色い家は東新潟周辺の見学会です。


春の海の幸 2

先週に引き続いて、春の海の幸と山の幸。今ごろの山菜といえば「たらの芽」ですね。この「たらの芽」は、拙宅の前の山に結構あります。これを朝娘と一緒に採取し、その朝ご飯のおかずとなります。野菜嫌いな娘でも、家の畑で取れる きゅうり、かぼちゃ、オオバ、オクラ、パセリ、芋、ズッキーニ、そして今旬のブロッコリーは大好きです。(スーパーの物はなぜかあまり食べません)更に自分で採取する山菜も食べます。その中で「たらの芽」は好物みたいです。写真は小山有り海有りの拙宅の手摺越しに見た小山ですが、すぐそこにたらの木が30本ほど生えてます。ほとんどはご近所さんのご両親がきて採取してしまうのですが、何とか見過ごした物(最後の一本や、弱った木からとらない)を頂きます。

この間とったワカメのメカブとろろを作りました。刻みは娘の役目で、本当に細かく刻むのがコツです(舌に残らないのコツ)。量が少なく私の分までは廻ってこなくてちょっぴりしか食せなかったのですが、いい味でした。

春はいいですね。拙宅の庭も春満開です。私は庭に関して何もしていないので手入れをしてくれる妻に感謝しております。


色々な話題から エアコン、エコキュート、シートベルト

家造りをお手伝いしている建て主さんのほとんどの方は、この冬灯油暖房からエアコン暖房に切り替えた。特に共同住宅にお住まいの方も備え付けエアコンでも充分効果(暖かく、電気代も少ない)が期待できたようだ。

東北電力さんでは電気温水器の入ったオール電化住宅であると、チラシを配布する場合協賛していただけたのであるが、本年から電気温水器では協賛不可で、エコキュートによる温水システムでないとだめになった。本当は電気温水器の方が電気代が3倍上がり、経営的には有利であるはず。なのにエコキュートとなったのは、やはり温暖化防止の政府の方針である。

環境税導入が政府関係者から聞かれるようになった。この環境税には賛成である。例えばCO2を多量に排出する車。同じ用途の自家用車の中でも燃費のよい車から悪い車までの差は5倍にも達する。(5km/Lから25km/Lくらい)当然燃費の悪い車は、重い大きな車で「ハマー」とか「USA RV車」などである。これらの車が一概に悪いのとうよりも、環境税という形で燃費がわる事で環境に負荷を掛けた分だけ税金を高くし、その税金で木を植えるとかすればよい。車は趣意も兼ねているので、燃費の悪い車を選ぶ自由もあってしかるべき。但し、その分環境を修正する分税金をかけることは合理的だし平等である。それが道路特定財源税に換わりガソリンに負荷されることになってもよいと感じる。

今年の6月からシートベルトが後部座席でも義務化される。高速道路では罰則があるが、一般道ではないことでスタートを切る。という事は、携帯電話規制の時のようにしばらくは有形無実である。いま普通に走っていても、随分前に義務化された罰則のついた助手席でさえも、シートベルトのしていない子供達を多くみる。中にはダッシュボードに座る子供もみたことがある。何とか未来を担う全ての子供達には安全であってほしいと思う。


春の海の幸

4/19加筆

気温が上がると皆いっせいに屋外で活動しますよね。拙宅は海に近い(*^-^*) ので、この時期は「アオサ?」と「ワカメ」を海から分けてもらう。まず写真のアオサは(調べたらアオサ科のヒラ青海苔とボウアオノリと判明!!)どの海岸岩場でも普通に見られるもの。しかし海水浴シーズンに見るあの大きい葉みたいなものではない。それより写真のように細くて柔らかい。これを石付きをいっしょに取らないように上だけ収穫し、水で洗って味噌汁へ。(娘はその場所でそのまま生で味見する。)とても海の風味がしておいしい。2月頃取れる岩のりもおいしいが、アオサの方が簡単に収穫できる。次にワカメ。地域によっては「ワカメ」は漁業組合で採取禁止しているところもある。だからワカメは海岸に打ち上げられた物を採取。それでもおいしいワカメにかわりない。天然のワカメはいつも皆さんが食している「養殖ワカメ」とは歯ごたえや香が違う。歯ごたえは好き嫌いあるが、香はとってもよい。私は乾燥させお味噌汁にしたものが一番よい。多く取れたときは、すぐに洗い、数日陰干し(←これ重要)して完全乾燥させると1年持つ。そして運良くメカブも取れたときは、刻んでゆでてメカブとろろに。春のうみからのご褒美だ。家の娘は、この二つに目がない。写真は石に着いていたワカメ。大事な事は、海の幸に感謝し必要以上に取らない。そうする事が大地のめぐみ、自然を継続できる方法。今回の採集場所は、出雲崎「天領の里」の前の海岸。


深夜の火災

赤字12日12時45分加筆

以前ご紹介したとおり、私は週中は事務所の建物に泊まることが多い。昨日も三条で寝ていたが深夜2時(今朝)にけたたましいサイレンが鳴り響いた。どこかで火事があったと、夢うつつの中で感じたが気にもせずにそのまま寝ていると、今度はきな臭い匂いに目がさめると、なんと窓の外には赤いランプが点滅している。消防車である事はすぐにわかり、窓から見るとポンプ車が水をくみ上げている。しかし、東側の窓から火事現場は見えない。変だなと思い西がわの窓に行ってみると、空が明るい。西側の近所の家が燃えて消火活動の投光で空が明るくなっていたのだ。煙はもう白い色となり、鎮火が近いとわかり一安心。けが人がいないことを願い、火災に遭われた方にはお見舞い申し上げます。

12時のニュースで一人亡くなられた事がわかりました。冥福をお祈りします。


設計事務所と施工会社との違い。

この画像は家の構造図で床伏せ図というものです。この伏せ図が請負金額(契約)の提示前にあり、その図面作成者が設計者であるということが設計事務所の仕事です。 すごく当たり前な事ですが、通常施工会社は契約後見ることになり、伏せ図は設計者でない人が造っています。

一般に設計だけを業とする会社(所謂設計事務所)と設計と施工をする会社(建設会社)の決定的違いは何?との疑問が当事務所におこしになる人にはいつもあると思います。その違いは、設計業務の完成度にあります。設計で仕事をし報酬を得ている会社は、設計が全てです。設計に間違いがあればとんでも無い事になります。というのは設計業務はその報酬額の10倍以上のものを造る事が多いので、大きなまちがったら会社は即無くなります。そして大きな間違いの多くは、小さな間違いの積み重ねで起きます。だから真剣に細かく考えているのです(たまに違う会社もあるけれどそれはイレギュラー)。つまり施工は違う会社が行うので「きっちりと正しく」引き継がなければならないという事で、施工と設計が同じ会社では、互いにかばいあう事(ごまかすとも言う)ができるので少々ルーズであってもよい気持ちが互いにあります。例えば日本という国を考えると、設計(決まり=法律)を造るところは国会で、それを実施(運用)するところは行政です。この2つを同じ機関(人間)が行うと、間違いやごまかしが起こるのできっちりと分けております。また法律を作る国会と実施する警察が同じ機関であったらとても怖い世の中です。自分に都合よく解釈をかえ色々なことをごまかす事さえ出来ます。勿論携わる人間の資質で問題ないとこが多いでしょうが、問題がおきやすいのでわざわざ分けているのです。建物も同じで、公共建物のほとんど全ては、設計と施工を分けます。これは設計と施工が同じになるとごまかしや力関係が対等でなくなるので、よい建物が出来にくいということからです。私どもの建て主さんには多くの公務員さんがいらっしゃいます。その公務員さんの中でも建物や土木行政に携わるひとは口を揃えて言います。「設計と施工が同じ会社なんてプレハブのようなハウスメーカー以外※はいやだ」と。現場で設計と施工が同じ場合の問題点をよく知っているからです。自由設計の注文住宅は、世界にただひとつの設計でなります。だからその設計がきちっとしていないとまず、よい建物が出来ません。だから設計だけを真剣にこまかく考える設計事務所が必要とされるのです。

※ プレハブメーカーの家は自由設計の家ではなく、相当の決まりの中で作っているので、本来の意味の設計業務はありません。設計業務は、本社の商品開発設計部門でおこなっています。


オーブルデザインの家の写真のこだわり。SD10

当ホームページでご紹介している完成した家の写真は、シグマ社の一眼レフSD10で撮影しております。SD10は2005年の夏頃購入したので、それ以前の写真はニコン製クールピクス950です。ニコンは皆さんよくご存知だと思いますが、「シグマ」??だと思います。シグマ社は、主な売上は一眼レフレンズだと思います。年間売上は362億円ですので、世界一のカメラメーカーキャノンの4兆円の1%くらいです。ニコンでも8000億ですからとても小さいカメラメーカーです。ですが、このSD10には、2つの大手カメラメーカーにはない特徴があります。それは光を受け止めるセンサーが垂直RGB受光方式のフォビオンセンサーを使っている事です(他メーカーは水平受光方式ベイヤーセンサー)。この垂直受光センサー詳細は色々検索して頂ければわかりますので省きます。この小さなカメラメーカーの大事にしている事が、「解像感」や「フィルムかめらのような自然画像」です。つまりカメラが一番大事にしなければならない事のためあえて垂直RGB受光センサーを選んだといえます。私は写真は解像力と色が重要で他はその次というこの点でシグマのSD10に共感し購入しました。なんか「緑の家」のコンセプトとダブると勝手に思いました。当時SD10は本体だけで18万ぐらいで安価なカメラではなく、EOS_kissなど既に9万以下で一眼デジカメが買える時代でした。しかしこの小さなメーカーのカメラを迷わずに購入しました。確かに解像力はパソコンの当倍表示では、トップクラスの解像感(当時の価格40万のニコンのD1に勝っていた)があります。またその自然な立体感はどの高級デジカメにも負けていないと思います。いつものブログ画像は安いデジカメで写しておりますが、今回の写真はSD10の高解像画像です。写真をクリックすると大きなります(3.6Mとても重いです)ので、その木の枝や、銅版屋根細部のディティールの自然な立体感に驚いてください。。。


春ですね。

今日は定休日で娘は春休み。ということで娘と2人でデートした。 (#^.^#) 通常なら自転車でサイクリングなのだが、朝から気温が低めなので今日は映画。(先週は出雲崎まで30km近くサイクリングだった)映画というのはやはり雰囲気がよい。集中できる。ちょっと音が大きいけれど・・・・。その後は寺泊へ戻りゆっくりと昼間からアルコール漬け。写真は春の訪れを祝う水仙と窓の外の海。穏やかななぎの海は、冬とは全く違う表情。


最近多いロフト収納の危険性

一昨年、昨年と木造住宅で耐震強度不足問題が大手メーカーで数多く発覚した。その原因の一つにロフト収納問題がある。ロフト収納は非常に重宝されチラシにも最近多く紹介されるロフト収納であるが、収納だからある程度の物が入り、その家の総重量が重くなることは確実。覚えているだろうか?阪神淡路大震災が起きた時に、「瓦屋根は家の重量をアップさせるので不利である」という情報が多く流れた。これは本当である。地震力FはF=mg(m・・・家の重さ、g・・・加速度)のため木造住宅の構造計算する時には、家の重量が大きな決め手なる。瓦屋根と金属屋根を比較すると30坪位の家では、2tくらい瓦屋根の方が重い。ではロフトがありその大きさが2階の半分くらいあるとどのくらいの重さで計算しなければならないか?それは瓦屋根よりはるかに多い5tくらい(地震時の計算)である。つまり普通に家をつくるより15%~10%くらいは余計に耐力壁がいるということである。これは建築基準法施工令46条第4項の規定に基づき告示1351号で明確となっている。この増やす耐力壁を上で案内した大手メーカーは計算しなかったらしい。(忘れやすい項目である)

さて、今の計算は2階の屋根下にロフトが半分くらいある場合。最近のチラシには屋根下と2階床下と1階床下と5層くらいになるものがある。これほどあると耐力壁は2割から3割増しとならなければ建築基準法違反(所謂耐震偽装)となる。はて、実際計算しているのか?もし忘れているとしたらとても危険なことである。もしロフト収納がある場合、割り増した耐力壁計算書(構造計算書)を提示して説明してもらう必要がある。


ちょっとだけ贅沢の道具

インターネットで「キリタ」のボールペンを買った。ちょっと高価だけれどしっかりした造り と、無期限保証という意気込みの姿勢がとても気に入った。このボールペンの本体は真鍮の太管という無垢っぽいもの。だからクロスのボールペンやいつも愛用のパーカーのボールペンとは違い適度な重量感がある。(この重さが良い)そして極めつけはオリジナルの文字やマークを入れることが1本から可能というもの。これは私の職種から言って惹かれるものがある。私はオリジナルにとても拘る。それは私の仕事はいつも全て100%オリジナルのため。「キリタ」さんは、「うちは大手ボールペンメーカーに対して町のボールペン工場だよ」といっていることがまたまた共感。オーブルデザインもアトリエ的存在だから・・・。だから購入は直ぐに決まったが、悩んだのはどのシリーズしようかということだけ。やはりマークがオリジナルでできるという事でケーファーのセットを購入した。(価格も私に相応しい(^.^)  )

パソコン全盛と言っても、私の業(基本設計)は、この筆記用具が全てと言ってもいいほど大事な道具。どうしてもよい物に引かれる。また無期限保証も、自分の造り出す物に誇りと自信があるという事で、「緑の家」の設計の不具合無期限保証と同じで共感できるもの。そして実際手にするとなんともいえない感覚。すばらしい。軽いものが嫌いな私には最適な道具である。そして私自身がもう少し成長したら、この「ケーファー」というボールぺンの7倍近く高い「シルバー925」を購入しようと心に決めた。

「キリタ」のボールペンはhttp://www.kirita-pen.jp/seihinn/index.htmです。本物はやはり良い。興味のある方は1本如何?お勧めです。

書き味の良さを決めるリフィルは大手高級ボールペンメーカーの「クロス」の互換であることもとても合理的。新たな規格のリフィルを単独で作ることは経済的に無意味だから。「緑の家」も汎用品の中でも吟味された素材を主体とする。それでどうしても納得がいかないときに、初めて多額を投資して開発する事になるだろうから。

横の筆記体は私の信条のオリジナルメッセージ。キャップの自社のマーク。


後付け高性能断熱開口補強

  • 青字2008.06.15加筆
  • 今日メンテナンスに伺ったS様の家で大変面白い物を見せて頂きました。なんと簡単に開口部の断熱補強が可能なのです。

緑の家で使用している断熱性が高いペアガラス(空気層12mm)といえども、壁の断熱性と比較すると1/9から1/7しかなく、家の中の熱が逃げる約1/3は、開口部からです。特にその中で大きい面積を占めるガラスの断熱強化は我々技術者には大きな悩みの種です。(真空ガラスという非常に高性能なガラスはあるがとても高価)ところが手軽にガラスの断熱向上できるものがあります。それは写真のとおりポリカーボネート製の厚さ5mmの板。ただトーメイではありますが、ストライプ状となっており使うと下のようになります。目隠しがあってもよい部分のガラスや最初から不トーメイのガラス面に使えば問題ないでしょう。この製品のすごいところは、価格も安く、加工もしやすい、紫外線にも強く、衝撃にも強いため、簡単に貼れる割には、きれいにそして仕上がりもよいことです。特に加工は、DYIショップで切ってもらえばきれいになります。これをSさんは貼ってはがせる両面テープ(←ポイント)で周囲だけを固定。取り外し可能にしています。まさしく衣替えする窓ガラスという感じです。いぜんTVで仮設住宅のガラス面の断熱強化策を見ましたが、ダンボールややわらかい素材(プチプチ)でで造っているので見た目にはちょっと・・・。ところがこれは見た目がよく、価格も91cm×182㎝ で1500~1800くらいだそうです。 2980円です。(6月現在)これで3重ガラス以上の断熱効果があると思われ、とてもよいアイディアと感じました。もし少しでも節電やCO2排出防止を実行を考えるならこの商品はお勧めです。(事務所の窓にも貼ってみよう (^^♪ )


ありがとうございました。

昨日、新津のみずきの分譲地でMs建築設計事務所(大阪)、株式会社大澤材木(西蒲区)主催の住宅完成見学会を見せて頂いた。久しぶりによい家を見た。しっかりした構造と新潟県産材をたくさん使い、特にわざわざ新潟県産材を鳥取県に運びJパネルにして使っていることに感激した。(建てぬしさんのこのご理解とこだわり)

このように同業者に快く説明し、みせて頂く事に感謝である。最近は関係同業者を締め出す見学会も多い中(確かに社名を名乗って頂かない方が多い。こちらも説明するポイントが違うので、やはり名乗るのは礼儀。だから締め出すこともうなずけるが・・・。)、丁寧な説明を頂きありがたかった。この場をお借りしてお礼申しあげます。


ターシャの家と無塗装の木の家

ナチュナルガーデンで世界的に有名なターシャ・テューダさん(91歳)の家は、バーモンド州にある。NHKで一昨年と昨年にターシャ・デューダさんの庭を45分間特集した。ご覧になられた方もいらっしゃると思う。ターシャ・テューダさんは元々絵本作家であるが、その自宅の庭の美しさに感動する。またその素朴な家の雰囲気がたまらない魅力。これについては3月06日のブログにご紹介してあるので是非どうぞ。それを見ていただければなぜ木の外壁なら無塗装を薦めるかがわかる。「ターシャ・テューダ」で検索するともっと色々な写真があるので見たことのない方はどうぞ。


持続可能な社会

左は新月で潮が完全に引いている朝の寺泊。潮の変化が少ない日本海で冬の新月の海の引きはなかなか。(普段は中央の岩場は海のそこ)

住宅は自然素材ブームであり、最近の多くの家に明らかに「木」を使いましたという感じの外観を見ることができる。一昨日前にブログでもコメントしたとおり、外壁に木を使うことは500年も前以上から普通に行われている。但し大昔からつい最近までは、構造材と呼ばれる部材は原則直接雨の当たらない工夫をしてきていた。ところが構造材となる2階のバルコニーを平気で雨ざらし仕様にして平気な業者がいる。特にナチュナルな家造りとかいかにも室内環境に配慮した自然素材で、山にも恩返しとか持続可能な社会とかきれいなことばを羅列している業者に多い。しかしその業者の造られた家の写真には、雨ざらしとなる木でできたバルコニーなどの家があり、15年で朽ちるような「木」の使いかたをしている。この件では2002年に屋外のバルコニーでコラムにある。

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/54.html

自然派住宅雑誌でも平気で「雨ざらしの2階バルコニー」を持つ家を、一言もデメリットコメントなしで掲載していることに不思議さを感じる。「木」は最低でも20年くらい育たないと製材品として家に使うことができない。つまり持続可能な社会を目指そうとするなら、優良代表素材である木は、20年以上持たせる使い方が最低条件である。だから家に木を使うときは、外壁材でもバルコニー構造材でも雨ざらしにならない工夫が必要。最近の当方は取替えが比較的簡単で少量のバルコニーであれば、アイアンウッドを使う。このアイアンウッドの耐久性は屋外使用でメーカー曰く50年である。大事に使えば25年はもつだろうと思う。(輸入実績は15年くらいで、今後実態がわかるとおもう)とにかく使用場所は、素人がメンテナンスできる場所に限定している。


台風時でもサッシから水は入らないの?

=場合により入ります。

拙宅は海沿いのちょっとだけ高いところ(海抜9mくらいを高いと呼んでいいかどうか?でも海岸から25km離れた三条市の事務所付近でも海抜9m程度)にある。従って冬の風雨はすさまじいものがある。雨は下から吹き上げるのが常である。その風の一番強いところには、開き+FIX型の樹脂サッシ窓がある。このサッシの水密性はW-4である。W-4とは、降雨量が240mm/hで風速23m/s時においても室内に水を侵入させない性能。この室内に水を浸入させない性能とは、サッシ下枠等が水に濡れてもその枠を越えて入らない事をさし、決っしてサッシ枠が濡れないことでない。私が住んで間もない頃、風速30m/sの嵐がきて、サッシのペアガラスを止めている押し縁の隙間から水が粒のように室内に侵入してきたのを見たとき、サッシを含む外壁からの雨漏れはよほど気をつけないと大変であると認識した。「緑の家」で使われている多くのサッシの水密性は、このW-4型ではあるが開きタイプによって侵入に強いタイプと弱いタイプがある。吹きさらしの西側には注意が必要である。


このべた基礎ではだめでしょう!!

このブログは、どちらかというと建て主さんより建築関係者が見ていることが多い。きっと「オーブルデザインは今度はどんな事を暴露するのだろう」と思っている人も多くいるのではないかと思う。暴露といえば

1999年の「釘がでたらめ」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/13.html

1999年「ヒノキは白蟻に弱い?」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/19.html

1999年の「冬に室内で洗濯物を干そう」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/09.html

2004年の危険な法律違反

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/61.html

等まだまだたくさんある。どれも今考えると当たり前に守るべき基準であるが、当時は「そんなのどうでもいいじゃない?」という意識ではなかっただろうか?

そんな中でどうしても声を大にして申し上げたいのが、「べた基礎」である。このべた基礎は、最近の新潟県では基礎工法の主流である。しかしまともなべた基礎は少ないと考える。当HPでも昨年指摘している事がこれ!!

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/news2007/08_23.html

べた基礎は、底板と呼ばれる基礎の底全てを使って重量を支える工法のため、特にこの底板の周囲区画(基礎立ち上がり)が重要であるはず。今後業界の標準となるであろう「財団法人 住宅保証機構」の登録住宅では、原則としてべた基礎の場合は構造計算で基礎構造を決める。それ以外は上のリンクで紹介しているところで説明している表によらなければ、登録受理されない。ところがこれが新潟県では著しく守られていないと感じる。なぜなら下のようなべた基礎の写真が、メーカー問わずほとんどチラシに載っているから。べた基礎の周囲は、通常基礎立ち上がりで囲まれていなければならない。例外として人が床下メンテナンスとしてとおるところ(人通口)は、巾50cm以内であればスラブ補強でOKとなる。しかし写真の人通口は、巾160cm近くある。このような人通口の巾のある基礎は、良好な地盤の布基礎の時に行う計画である。加えて短辺の区画距離が360cm程度あるので、通常はダブル配筋がでないといけないのに、メーカー問わずほとんどチラシにはシングル配筋で表記されている。数年後これが発覚したとき、「財団法人 住宅保証機構」はどうするのだろう?とくに昨年から設計図の保持期間は5年から15年と改正された。15年間はもう図面(構造計算書も同様)がもうないという言い訳はない。第二の姉歯事件に進展しなければいいが・・・。

実は、この基礎を検査をする人が一番問題なのだが・・・。これはブログ07年11月01日に記載されている。

写真はあるチラシから。このメーカーだけが悪いのではなく、県内全般にこのようなべた基礎?である。


中越沖地震の結果報告と木の外壁

2008年3月11日写真の入れ替えをしました。

まず中越沖地震の結果報告から

国土交通省所管の研究施設の槌本研究官の報告書によると、「築50年から60年くらいの木造家屋の倒壊が多く、築30年くらいの建築物で倒壊したものは、納屋、車庫、倉庫などの住宅以外だったことがまとめられた。新しい建築物で被害を受けたものは、ほとんど地盤によるもので、地割れ、地すべり、液状化によるもので、地震振動で被害を受けたものは稀であった。つまり震度6強では、建築基準法が定める壁量充足率70%であれば倒壊の被害が無い事がほぼ確認できた。」としている。

この結果は、当初から予測していたとおりであり、建築基準法を楽にクリアーする家であれば、震度7くらいまでは倒壊がないともいえる。但し地盤に問題がある場合は、震度6でも倒壊または全壊する可能性がある。(傾きが大で使用不可になる事での全壊という意味)。また、建築基準法の壁充足率のチェックを行って安全確認が出来ている場合が前提である。(大部分の木造2階建ての建物はしていないのではと思うが)

次は「住宅と木材」という財団法人日本住宅・木材技術センター発刊の月刊誌の記事である。

その同じ号の記事である建築設計事務所代表の書かれた記事で、「先日、築1年の木造住宅を見に行った時、素敵な建物と思ったが1点だけ?と思った。それは、外壁に使われている杉の板が塗装されておらず、黒ずんでいた・・・略。ノルウエーでは木の外壁に塗装は当たり前で・・・略」といった文章を目にした。私がお手伝いする建物も外壁に杉を使う場合、塗装はしない。私の知る限り近隣の寺や神社も木の外壁で塗装していることを見たことがない。外壁の木が黒ずむ事は、カビが生えると共に木自体の色が紫外線で退色したためである。しかし黒ずんだからといって、機能上(風雨をカットする事)の問題があるわけではない。腐朽菌に犯されると木はあっという間にその機能を果たせなくなるが、黒ずむカビは、通常腐朽菌ではない。日本にはノルウェーと違った日本の木の使い方がある。日本は亜熱帯、モンスーンのような梅雨時と、氷点下以下が幾日かある準寒冷地をあわせもった地域が多くを占める。だから何もしなくて(雨が直接あたらなくて)もカビが生えてしまう梅雨の季節が日本にはある。そこで先人達は、屋根を大きく造る事で木の外壁を腐朽菌だけから守リ、木が黒ずむ(一般カビ菌)事は良しとした。一方ノルウェーはどうかというと、下の図のチューリッヒくらいの気候に相当するが、何もしなくてもカビの生える季節は少なくい。よく言われるが日本はある意味カビの文化。味噌、しょうゆ、かつぶしなどカビとうまく付き合ってきた。害のないカビなら特に気にして排除する必要はない文化だったのかもしれない。だから、木の外壁に表れる黒っぽいカビは、全然気にしなかった。世界最古の法隆寺の茶黒い色の柱を見て「汚い」と思う人は少ないと思う。この記事を書かれた人は、文化と気候、自然の関連付けが深くなく木を愛していない人ではないかと思ってしまう。

ターシャ・テューダーという有名な絵本作家がいる。その人の家や庭は世界中から高い評価を受けている。その木の外壁の家は、塗装という人工的な色はない。庭の花、緑達が一番輝くように、そのままのうす黒っぽい色である。私も木はそのまま黒茶っぽくても美しいと思う。塗装などしたら、破棄する時や、再利用が簡単では無くなるし、大自然のカビの前ではむなしい程、無抵抗であるし、実際生きている立ち木の幹の色も同じような色とである。自然を愛するならこの色を塗装する必要があるかな?

左上の図は、日本がいかに湿気が多い夏をであるかの図。新潟より寒いと感じる仙台でも夏には湿性カビ発生範囲に入る。

下はナチュラルガーデンで世界的に有名なターシャの家。一方その下はご近所の木の倉庫。築50年くらい?同じような無塗装木の色をしているが、両者の外壁色は同じにもかかわらずちょっと印象が違う。そう、ターシャの家が雰囲気が良いのは、緑に囲まれるとこの木の色が自然な色だから周囲に溶け込む。よく見ると自然の立ち木の幹と同じ色の木の外壁。だから私は、家の木の色を人工的な色に塗るより、無塗装の木の色で周囲の緑や花を増やす事で環境に配慮した家造りを大事にしたい。(木製サッシだけは別。機会があるとき別話題で)

 


悪体調・・・。

2日朝突然寒気、悪寒、間接の痛みと虚脱感に同時に教われ、その日の夜は幻覚に近い状態の精神状態で、更に昨日から今まで食欲などまるっきり無い状態で寝込んでいた。まるで二日酔いの酷い状態が2日間続いた感じである。原因は、気の緩みと日ごろの運動不足。多分28日に行われた講習会で、インフルエンザ菌をもらい一気に増殖したためか・・・?その講習会には酷く咳き込む人が前後左右にいたため多分・・・。それでも免疫機構が確実に働けば問題ないはずなのに、日ごろの不摂生がたたったため。反省・・・。

さて、平成21年10月から新築住宅の引渡しに、資力確保(保険への加入又は保険金の供託)が義務づけられる。簡単にいうと、「新築を請け負った会社は、保険に入ることで仮に会社が倒産しても、その後にその家に瑕疵が発見されれば保険会社が代わりに保証するよ」というもの。オーブルデザインでお手伝いした家の98%(過去に一件だけ未加入)は、この保険に10年前から加入している。だから姉歯偽装事件の時、なぜ大手なのにこういった保険に入っていなかったのかということが不思議。加えて設計した事務所も同様の保険があり、建築士(設計者)が設計を間違えた時には、それを保証する保険も当然ある。勿論、当事務所も設立後まもなく加入し、年々増える金額に今は億円単位で加入している。皆さんも21年10月以降とは言わずに、家の火災保険のような感覚で直ぐに加入しておいても損は無いと思う。しかし義務になる事から、入っていない請負会社はほとんど無くなる。入らなくても良い条件は、行政から建設会社登録を受けていない、小規模金額の請負会社であるため。


悪天候時に

まずお断りしておきます。確信はないですが、下の2つの家は、暴風雨の悪天候時の対策だ??と思います。ひとつは軒の出の全く無い家での風景。多分西風のあたる方向から雨漏れがしているので、その原因がどこにあるか確かめるために、新築したばかりの綺麗な外壁にテープを貼っている風景です。もうひとつは、ログハウスですが、これも風の強い西側の外壁部分に、メッシュシートを貼り、ログハウスの宿命である丸太の乾燥隙間からの風雨を防いでようです。丸太の乾燥による隙間修繕はセトリングと呼ばれるものですが、数年間に1回、それを何回か行えば終わりとなる行事ですが、間に合わなかったのでしょうか?それとも腐りやすい木の樹種のデッキ床に雪が積もる事を防いでいるのでしょうか?いずれにしてもお住まいの方は大変でしょう。ログハウスは多分お建てになる時に、セトリングの必要性をお聞きになったと思うので、納得していると思いますが、軒の出の全く無い家の方は、雨漏れのリスクが高い(ガルバニュームなら納まりを気をつければ大丈夫)ことと、外壁の耐久性が落ちる説明をお受けになったのでしょうか?最近の流行?の「軒の出」の全く無い納まり(特に片流れ屋根)を安易に建築する建設会社には、注意して頂きたいとおもいます。このお宅には小屋裏換気口も見当たりませんが・・・。

そういえば18年くらい経つ拙宅は、よく開閉する西側の樹脂サッシのパッキンがそろそろ寿命です。風速15m/sを超える日は、どうも窓から冷風が入ってきます。ステンレスレス金具も錆びてきて寿命かな。2年前に外壁張り替えたばかりなのに、また張り替えないとサッシの交換は不可能みたいです。←それが今のサッシの重要問題。

 


講習会から ②

02.29 青字加筆

この講習会は、「今後社会の変化にあった商品を共(建設会社と建材商社)に提供しよう」という目的があったようです。ではその今後の最大の社会変化とは・・・、

最大の変化は、もう巷で何百回も告知されているとおり、未曾有の高齢化社会になる事。新築や建替え住宅の着工棟数は今後急激に減少。しかし、別なニーズが増えるそうです。それは高齢者が快適に住むことの出来る家のリフォームや改築です。

高齢者住宅で肝心な事はよく「バリアーフリー」といわれます。このバリアフリーは床に段差をつけず、手摺が要所あるという物理的事が頭に浮かびます。しかしそれと同じくらい大事な事が、「温度のバリアーフリー=温熱環境が良い」という事です。暖房期間が半年を越える新潟県では、いかに暖房期間を快適に過ご事ができるかが重要です。私には高齢の母がおりますが、昔は寒くても全く問題なかった人でも、今ではほとんどの居住空間(居室からトイレまで)を暖房します。居住空間の全てを暖房しないと、そうしてもヒートショックが起こり体調を崩してしまいがちです。この居住空間全ての暖房するためには暖房費が多くなる傾向があります。それを防ぐため高いQ値(高気密高断熱)の家が必要です。また、コンパクトな家にする改築する、家の内部で断熱区画を造るという方法も有効です。広い家に住みつづけたい人はQ値を1.0W/m2K以下にする事がポイントです。(断熱区画やQ値の事は以前のブログか当HPをご覧ください)

数年前に灯油式のFFストーブや灯油式床暖房を設置された人は、今は少々複雑な気持ちと思います。それは、灯油がここまで値が上がると想像していなかったからですが、このような高価な灯油式であっても、Q値が高ければ燃料代は抑えられます。まずは暖房方式よりQ値の良い家を計画することです。

他の留意事項として、家の内部はメンテンスはあっても良いと思いますが、家の外部はメンテナンスしなくても、家の機能が満たされる事も重要です。このような家造りを私は応援したいと思います。

因みにHP上にある25日に申し込み締め切った一回目の補助金が、一軒(36~40坪)当たり100万を超える申請になりそうな事がわかりました。性能評価にコストがかかりますが、現在計画中の方はこの補助金の利用をお奨めします。但し環境と設備設計の若干の専門知識、そして性能評価申請を設計できる建築士が条件です。


講習会から 200年住宅のコンセプト。

現在NEDO補助金申請関係でとても時間が厳しい中、今日は特異な建材(いい意味で)を販売する業者さんが行う講習会に何とか参加した。そこで講師さんは、

「日本では京都議定書の約束を守るため、CO2が削減可能な住宅設備や住宅構造に益々助成金(9000億?)を用意する方向である。特に洞爺湖サミットの後急激に加速されるであろう」とのこと。また

「国外の情勢は、レアメタル金属を始めとする資源の取り合い(中国やインドの産業拡大)や石油に代表されるエネルギー資源の取り合いも今後続き、長期的に見てもこの2つの資源価格は上がっても下がることは少ない。」と講演していた。

そんな中、200年住宅の促進を国は後押しする。以前もこの情報はブログで取り上げたが、私なりに200年住宅で一番重要なものは、

①枯渇する石油エネルギーに対応するため出来るだけQ値の少ない家、又はコンパクトな断熱区画が出来る家。

②一番機能が劣化しやすい開口部(サッシ)が、外壁を壊さなくても取り替えられる家。

③200年愛しつづけられる事の出来る家。

の3つが今後重要と考えている。家の主構造的を200年もたせる事は難しくない。これは過去の民家が実在しているとおり、雨漏りや結露、白蟻に気をつければ、木の耐久性は急激に落ちない。またメンテナンス性も最近では各段に良くなっている。給水は、ヘッダ方式でサヤ管を使えば、取替えは比較的簡単な樹脂配管が主流になりつつあるし、排水管は床下高さを確保すれば用意に可能だから。

上の3項目の中で①はオーブルデザイン内で解決可能である。②については、高価であるが海外の輸入サッシを使えば比較的簡単に実現できる。これは海外のサッシはリフォームによる取替えが前提の為、規格がしっかり統一されているため。しかし日本のサッシは、その多くがサッシ本体に「つば」が出ており、これが外壁を剥がさないと取れない構造である。この「つば」がサッシだけを変える事を事実上不可能にしている。今後は「つば」のない「内付けサッシ」が規格寸法で発売される事を願う。そのため国はモジュールの統一へ導くことが今後必要である。

③はこれが本当のオーブルデザインの腕の見せ所。私の200年間愛せる家のコンセプトは、「本物(ソリッド)」、「天然素材」の二つ。本当にシンプルなコンセプト。多くの人に長期にわたって愛されている木造の社寺仏閣は、この2つコンセプトがある。また古い洋風木造建築でも、年月が経ったモダン木造建築でもこの2つのコンセプトが必ずある。ソリッドとは、表面を化粧していない素材。代表的なものは「ガラス」や「石膏」、「コンクリート」や「レンガ」、2cmくらいある厚い「タイル」や「金属」等。これらを素のまま使う事で、擦れても,傷がついても味が出る。また天然素材で代表的なものは「木」、「石」、「和紙」等。言われればそのとおりと思う素材である。これに気がついたのは、フランクロイドライトの設計した「帝国ホテル」を見たとき。(現在も愛知県の明治村の一部玄関が実存する。この明治村や法隆寺等再び訪ねたいと思っている。)

http://www.meijimura.com/visit/s67.asp#top

しかしいずれもコストが掛かるものばかり。それを何とか少しでも実現しようと「緑の家」の仕様を考えたが、各性能(メンテ、耐震、特に温熱)も妥協はできない。歯がゆいところである。そして近年の建築の流行は「軽い」であるが、「ソリッド」を多くすると「重い」印象の建築物となる。しかし200年住宅を考えた時に外せないコンセプトである。国内外にある200年も建っている家の多くは、ほとんど「重厚な」イメージを受けるから・・・。


暖房と省エネを考える。⑥ 国の施策は・・・。

暖房と省エネを考える。その⑥は、やはりエアコン暖房がこれからの主流という裏付け情報。これは次世代断熱基準以上の家で超省エネエアコンと省エネエコキュートを使用すると補助金が受けられるという情報。詳しくは、当HPのこの頁

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/nedo/nedo2008.html

にある。補助する機関は勿論、国(NEDO)である。新潟県で暖房というと最近は蓄熱暖房機器が人気が高い。これは蓄熱暖房機器の設置が比較的簡単で、安定しているためである。(安定・・・クレームや問題が少ないこと)蓄熱暖房機器は、東北電力の販売会社さんが機器選定や設置場所をサポートしてくれるので、設備設計の知識がない建設会社や工務店さんが使い勝手が良いため、建て主に「蓄暖はいいよ。」と最初に言いやすいのである。ところがこの蓄熱暖房機器は、ご存知のとおりジュール熱を利用する効率の悪い熱の利用方法である。1kwhの電力は860Kcalにしかならず、効率(COPと呼ぶと)は1となる。因みに超省エネエアコンは2度の外気温で効率4、つまり1kwhの電力で3440Kcalとなる。

蓄熱暖房機は、格安の深夜電力を使うのでランニングコストは超省エネエアコンと同じ位であるが、二酸化炭素(CO2)は4倍多く発生する暖房機になる。(深夜は原子力発電と言われているので4倍多くCO2を発生すると断定できないが・・。)だから地球温暖化防止を推し進めたい国は、暖房機器を超省エネエアコンにしたいのである。今年の国の補助金の総額は19億円。もし日本が地球温暖化防止で取り決められた京都議定書を守れないとペナルティーがある。そうならないように省エネ機器に19億円の補助金をつけることは、理にかなうのだろう。


家造りの科学的理屈。

所員から指摘有り訂正しました。02.18

新潟県の木造住宅では、20年ほど前から、2階のバルコニーにはFRP防水がよく使われる。新潟では不思議な県人で、意外と新しいもの抵抗なく受け入れることができる。たとえばそのひとつは、そのFRP防水である。20年前のバルコニーの防水方法の全国的標準は、シート防水だったのではないだろうか?しかし県内では早くからFRP防水が採用されていた。今ではほとんどがFRP防水のバルコニーである。最近その防水を20年まえから施工している業者さんのピコイさんにお会いした。最初から20年たった今もFRP本体からの漏水は一軒もないこと伺った。すごいことだ。当事務所でも防水はFRP以外使ったことがない。結構広い面積のFRP防水を計画してきたが、今のところ安定している。特に最近は、メンテナンス忘れがないように、非常用排水口をつけて更に安全性を強化している(排水溝のつまりは多く、陸屋根の欠点のひとつであるが、非常用排水溝をつけることで、詰まったことを目視できるようにしている。但し当事務所の家しか見たことがないのほか見ることは少ない)。

もうひとつは、通気工法と高気密高断熱である。北海道で20年前に普及した高気密高断熱は、本州に入ってきた時期も新潟県では東北3県と同じくらい早かった(現ジェベックの社長の吉岡さんの功績は非常におおきい)。特に通気工法は、数年前に住宅金融公庫(住宅金融支援機構)の耐久性をあげる工法の標準として採用される15年も前に、県内では広く普及していた。このように新潟県の施工業者は意外と保守的ではない。但し経験(実績)が重要で、理屈は不明でもOKという人がほとんどということが欠点。高気密高断熱ではあたたかくなる事はわかるけれど、どうして防湿層が必要なのかは、知っている人は少ないし、冬に換気すればするほど乾くということを理屈で知っている人は数少ない。そこが問題。だから時々断熱方法で宇宙技術の輻射断熱だけで家の断熱ができると考える人も出てくる。もしこの技術が本当なら、防寒服のすべてが輻射(表面がアルミ箔のような)素材になるだろう。しかし地上の低温(0~40度)環境では伝導と対流そして輻射を組み合わせた素材が主流である。


JTフーズと販売会社の責任は?

最近世間を騒がせている「中国産冷凍餃子が原因と疑われる健康被害事」については、数年前の建築耐震偽装事件の歪んだ報道システムを思わせる。

この問題は本来輸入業者(=製造物責任者)であるJTフーズが健康被害にあった方への責任と規定以上の薬物混入による販売店が受けた責任をまず全て引き受けなければならない。ところが、厚生省のHPでは、まず「中国産・・・」と消費者から見れば原産国でしかない「中国」という言葉を連呼している。「製造物責任法」によれば、輸入者が自らの意思に基づいて輸入し、国内市場に引き渡した場合、輸入者が製造物責任を負うことになる。

http://www.jetro.go.jp/jpn/regulations/import_09/04A-000917

つまり輸入者が単なる輸入手続代行者でない場合は、自己判断に基づいて輸入し、その結果利益を得ているのだから、自己固有の責任は必ずある。だから製造者となりうるJTフーズは、まずもって中国産だからと言ってはいけない。あくまでも自社の製造した物として考える必要があると感じる。耐震偽装の時も同じであった。ほとんどの物件で姉歯容疑者は、下請けの構造だけの設計担当であった。従って偽装された建物の設計者である元請設計事務所がその責任をまず受け、その後その元請会社と下請け会社で更に責任追及する事が、エンドユーザーに対する責任といえる。ところが全て姉歯容疑者一人の責任であるような言動が報道された。今回も同じように、全て「中国」に問題あるような報道発表資料となっている。厚労省のHPでもひっくるめて「中国産冷凍餃子が原因と疑われる健康被害事例の発生について」となり、法律上の生産者となるJTフーズの名は、印象に残らない。JTフーズは日本たばこ株式会社(JT)という巨大会社の子会社であり、政府もある程度その「JT株」を保有しているし、コネクションも多い。そうした関係上「JTフーズ」の名を薄めるような報道操作をしているのではないかと疑わせる。

http://www-bm.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/china-gyoza/houdou.html

例えばあなたが大手スーパーAで原産国が「インド」で製造者(輸入者)が日本の「あいうえお株式会社」の紅茶のテーパックを買ったとしよう。その紅茶に食べ物でない異物が入っていて、それが元で病気になった場合、その原産国である「インド」が悪いと考えるだろうか?もしインドの小さな工場でティーパック加工されていても、やはり責任の所在は、Aスーパーであり、製造者となる「あいうえお株式会社」であると考えるのが自然だろう。ところが今回の事件は、この道理が通らないらしい。不思議な国である。


足を痛めました。

先日の月曜日にスキーに行ってきました。思いもせぬ小崖からジャンプ、転倒、そこで膝をひねり内側側副(ないそくそくふく)靭帯を損傷してしまいました(カルテにそう書かれた)。骨折は過去に多々(4回ぐらい)ありますが、靭帯損傷は初めて。ひねった時に「ぶち」と音がしたのでまた骨折かと不安になりましたが、1分くらいで立て、足も動くためその後痛みが出ない滑り方で2時間ほど滑りました。(おいおい・・・)でも痛みは酷く、次の日整形外科へ、そして診断は軽度の内側側副靭帯損傷となりました。違和感が取れなければMRIの精密検査します。皆さんもスキー、ボードにはご注意を。・・・但し注意する人は私みたいに運動不足の40台半ば以降の人でしょうが・・・。


暖房と省エネを考える。⑤ 続・私流エアコン暖房の使い方。

2月2日に誤字脱文があり加筆

前のブログでは、下の

①自動運転モードにはしない

②風量を自動風にはしない

③風向き羽をスイングさせない

④風向きを人にあたらないように固定

の内①と②をご案内した。

③、④は・・・、簡単!!エアコンの暖かい風の風向は、最近はスイングと呼ばれる自動羽で左右や上下に動く機能が標準。その機能を使わないでほしいだけ。つまりあるところで固定するのである。ではどこで固定するかというと、「人のあたらない方向で斜め下向き」が基本。更に窓下付近に向けるのが効果的である。

エアコン暖房が嫌いな方の多くは、「風が直接あたるのでいや」というご意見がトップ。だから風を人にむけないように固定する」というのは、エアコン暖房の基本である。しかし、エアコン構造上輻射熱が全く期待できない珍しい暖房器具。このため普通の家で暖かさを感じるためには、唯一温度が高いふき出し温風(40度)を人にあてなければならないから。だから普通の使い方では皆一様に温風を人や人のいる方向に向けるのである。特に最近は人センサーで人のいる方向をわざわざ探し出し、そこに温風を向けるというおせっかい極まりないエアコンが販売されている。これでは、益々エアコン暖房はいやという事になる。
そもそもエアコンの正しい使い方は長時間暖房が基本であるにも関わらず、他の暖房器具同様、即暖器具として使おうとしている。だから「風が直接あたるのでいや」となりだめなのだ。
エアーコンディショナーというエアコンの名前の由来どおり、エアコンは空気温度を調節し、家中長時間暖める事が基本。(←この解説は4月のブログで)すると家中のもの全て(家具や備品、壁、天井)が空気温度と同じくなり、風を直接人が受けなくても快適さを得られるのである。この場合、エアコンから噴出される温風に、人はあたらなくても快適さを得ることができる。
どんなに高断熱仕様の窓ガラスを使ったとしても、窓は壁に比べ断熱性能が1/7から1/10くらい低い性能。家が冷やされる1/3(緑の家の場合。普通の窓が大きくない家は1/4くらい)は、窓面。だから窓下床付近にはコールドドラフトが発生し不快を感じる、そこでこの温風をなるべく窓下付近に広がるように向けると更に快適性が増す。
是非ためしてほしい。特に高気密高断熱の家ではその恩恵が受けられ快適であるが、低気密低断熱の家ではちょっとむずかしい。つまりエアコン暖房の基本は家中暖房できる性能の高気密高断熱住宅であるということ。=省エネ器具(今後期待される)が使える家となる。


暖房と省エネを考える。④ 私流エアコン暖房の使い方。

2010年にエアコンの特性などから台数の設置方法も書きました。こちらをどうぞ

世間広くお勧めにくいのですが、左写真のような「緑の家」のような吹き抜けが大きかったり、窓が広々していたりするプランが多い家では、エアコンの使い方はちょっと違います。どこが違うかというと、

①自動運転モードにはしない

②風量を自動風にはしない。下に加筆あり)

③風向き羽をスイングさせない

④風向きを人にあたらないように固定

です。

①は、エアコンの使い方を見ると運転モードは「自動」「冷房」「暖房」があることがわかりますよね。カタログには「自動」運転を推奨することが多いですね。この自動運転とは、エアコンが外気と室内温度を測定し、暖房運転するか、冷房(除湿)運転するか、またどのくらいの能力でを勝手に判断して運転するモードです。またこの時の設定温度も表示されない機種もあります。高気密高断熱の家中暖房(高気密高断熱でも家中暖房しなければ意味がない)する家では、普通の家の暖房温度より低い温度で快適感が得られます。(理由は4月ブログをご覧ください)自動運転では暖房時高すぎたり、冷房時には低すぎたりするので、「暖房」運転モードにし、温度設定を住人が行います。大体暖房時22度くらいが多いでしょうか?そして就寝する時に20度くらいに設定温度を低くしたりします。住人が時分で温度管理を行う事を基本としているからです。こうする事で無駄な温度上昇を防ぎ、温度が安定し、結果省エネにもなります。

②は、ほとんどエアコンでは、暖房出力(エアコンが発生させる暖かさ)に応じて一番相応しい風を送風するように設定されています。この設定が風量の「自動」モードです。高気密高断熱の家中暖房(高気密高断熱でも家中暖房しなければ意味がない)する家では、一度暖まると小さな暖房出力でOKです。すると「自動風」を選んだエアコンは、風量が微風状態となります。たとえばこの状態で吹き抜け部分に設置されているエアコンが運転していると、窓からのコールドドラフトを微風では撹拌する事が出来ずに、温度ムラが出来やすくなります。一方風量を「中」で固定した場合は、小さな暖房出力となっても、風量は「中」のままなので温風が床付近まで行き届きコールドドラフトを撹拌し、温度ムラをなくします。もし皆さんの家でエアコン暖房されていて、温度ムラを感じる方は、この風量設定を「強」もしくは「中」とし、「自動」としないことを試みてください。温度ムラが改善されますよ。こうする事で無駄な温度上昇をせずに良くなり、結果省エネにもなります。但し最近のエアコンは、強風にしても強風にならないように制御されている機種がほとんど。結果自動風と同じ風量になる!なら強風モードなんてなくせよと言いたい。・・・2009年1月加筆

①から④までは、あくまでも緑の家のような高気密高断熱だけど窓が大きい家や、吹き抜けが大きく取られている家のばあいです。

③はこの次に!


暖房と省エネを考える。③ エアコン暖房の使い方。

まず最初に・・・先週ある現場に向かって車の運転中の事。信号で止まった前の車が青になっても発進が数秒遅れ、更に50km/h制限のところ20km/hとかなり遅い。雪道とはいえなぜそんなにと思いつつ、2車線だったので左の車線からやむ無しに追い抜きざまチラッと見ると、なんと左手に持った携帯でメイルしているではないか?前はほとんど見ていない。もう信じられない行為!イヤー本当にこんな車の後ろで事故に巻き込まれなくて良かった。(せめてメイルは止まって打ってよ!広い道なのに・・・)

さて、題目のエアコンの使い方である。今のほとんどのエアコンは、インバーターという能力可変方式である。その可変巾も広く、6帖用エアコンで0.6kW~6kwという10倍の暖房能力が可変できる機種を当事務所で標準的に使う。では、22度で家中暖房するために5KWの熱が必要な家があるとき、このエアコン1台で良いかというと、「良くない」。まず6kwの能力が出せるといってもこれは外気温が7度の時。通常暖房が最も必要な時とは、外気温が下がっているとき。例えば外気2度の時の最大能力は、4.4kwとなる(必ずカタログに低温時の暖房能力の記載がある)。更に外気温が-2度くらいに下がれば、3.0~3.5kwになると予想される。従ってこの数値からでも2台は必要。6帖エアコンではなく20用エアコンだったら大丈夫でしょう。という突っ込みがあると思うが、通常エアコンは小さな部屋の機種の方がCOPが随分高い。興味のある人は財団法人省エネルギーセンターで調べるとよい。次に1階がワンルームでもない限り、各部屋の扉や壁で仕切られた部屋区画がある。暖かい空気は2階に伝わりやすく、吹き抜けでもあれば、2階は部屋区画で仕切られていっても、戸を開けさえすればそう問題はない。しかし1階が部屋区画仕切られていると、温度ムラが出来、快適性は薄れるばかりか寒く感じる場所まで出来てしまう。そこで暖房能力的に必要も無くても1階にエアコン2台設置し、温度ムラをなるべく造らないようにする。次に、可変能力があるといっても最大能力で使うと2つの問題が生じる。ひとつはその音。能力最大時はエアコンも風量も最大となり音や気流感が不快。だから最大運転をさせないようにする事が重要。2つ目に今のエアコンは定格出力の大体半分程度が一番COPが良い。一番COPが悪くなるのは、最大運転を行っている時。つまり1台で無理にエアコンを運転させるとCOPが下がり、電気代が高くなるのである。この2つの理由でたとえエアコン一台で暖房できる家であっても当事務所はそのように説明しない。家に3台エアコンが設置されていれば、1月2月の厳寒期は、3台とも運転させる方が1台、又は2台で運転するよりも電気代が掛からない。

図は今年度建築学会で発表した時の資料の図で、この機種は赤丸の1がエアコンの定格時を示し、6帖用エアコンなので2.8kwの出力を示す。するとCOPが最も高いのが0.4の表示で2.8×0.4=1.1 kw。つまり1.1kwの暖房出力時(=定格時の約半分)に最も良いCOPを示す実測結果が得られた。 定格時よりも大きくなるにつれてCOPが悪くなるのがわかる。このエアコンを効率よく運転させるには、1~1.5kw付近を使うようにする。具体的は先ほどの家であったら3台運転がベスト。この論文の原本はここにあるので、ご興味のある方はどうぞ。この研究は今後暖房の主流となるエアコン暖房の省エネ選定(運転)方法基礎資料となると自負している。(*^o^*) と手前味噌。

2.5kw→2.8kw 30日に数値を修正しました。


暖房と省エネを考える。②

①から

昨日東北電力さんがお見えになり、「まだ内輪の話として聞いてください。実は来年からヒートポンプ式エアコンに力を入れる事が決まったのです。従来は蓄熱暖房機に重きをおいていたのですが、国の施策です

そうです。とうとう東北地域でもエアコンが暖房機の主流となりそうです。エアコンについては、このブログや当HP上でしつこくその省エネの優位性をあげてきました。勿論当事務所の設立以来10年間エアコン暖房を推奨してきました。CO2を減らす事や原油を効率よく使おうと考えれば、人間の生活に必要なくらいの温度域エネルギーは(100度まで)、ヒートポンプがとても都合が良いのです。結果、家庭の経済性もよく、快適を維持しながらCO2を減らせますし、ランニングコストも現時点で一番低いです。暖房を迷っている人は是非、エアコンで検討してみてください。

蓄熱暖房機は深夜使われていない電力使うため考えられた暖房機です。しかし、2010年に深夜の電力を多く消費する物が普及する可能性があり、その役目は今後必要無いとされそうです。その普及するものとは、「プラグインハイブリッド車」です。プラグインハイブリッド車は、家庭用コンセントで充電し、10km以上をこの電力だけで走る事が出来そうです。すると、ハイブリッド車が深夜に家で一斉に充電すると相当の電力量となり、深夜の電力は余らない事になります。電力会社にとっても非常に都合が良いですね。今まで深夜電力は叩き売り状態で通常の1/4くらいの売価で売ってましたが、今度は通常価格で売れる電力になる可能性があります。そうなると今までの蓄暖を使っていた人はどうなるでしょうか?今までの4倍の支払いをしなければいけなくなります。(まあその分蓄暖はCO2を多く出す暖房機ですので環境に良くなさそうですが・・・)勿論電力会社社員にも多く蓄暖を使っている人ががいるので救済措置はありそうですが。。。

現代の科学を使い快適性は同じようにして省エネする。これが重要です。おっと、重要なことを!!エアコン暖房は、その構造上、「家中暖房」と「24時間暖房」でその効果発揮します。理由が知りたいひとは、2007年4月のブログをご覧ください。

左写真は、雪が深いところでのエアコン室外機設置風景です。雪に埋もれないように、またなるべく屋根の下になるようにすると効率が落ちにくいです。


暖房と省エネを考える。①

家の掃除はどのくらいのペースですか?私の子供時代(今から35年前)は、真冬でも朝一度居間の掃除をしてました。(勿論ほうきで)雪が多少降っていたとしても窓をあけて掃除しますから寒~~い。でもそもそも家の台所では、布巾が凍っている事も多々有る位家は冷えるので我慢できました。家の中でも水道を少し出して凍結防止をしていた事も数回以上あったと思います。凍結し水栓が破裂したところも家の中でみました。今では考えられない事です。こんな寒い中で最も我慢できなかったことは、小学校に行くときにパジャマからジーンズに履き替える時です。ジーンズの冷たさは、冷水に足を入れるような感じで、絶対と言っていいほどコタツで温めました。(年頃になるとモモヒキははけないので)また寝る時には、足元に「電気アンカ」をセットして寝てました。そうでないと布団に入れないくらい足が冷たい~~。このように昔は暖房をしていない家だったのです。勿論コタツはありましたが。。。(コタツは採暖)。当然暖房費はほとんど掛かっていなかったのではないでしょうか?コタツの中は「炭と豆炭」ですから、寝る前に灰を炭に掛けて次のの朝の火種としているところは、現在の薪ストーブの寝る前に木を入れるような感覚です。このような「採暖」生活は省エネと呼べるでしょうか?省エネとは無駄なくエネルギーを使い、快適性を犠牲にせずエネルギーを省ける方法を省エネと呼びたいと私は考えます。「我慢生活」=「省エネ生活」ではありません。ですので心の平和を造る暖房(寒さは死を感じる)は今後も行っていきたいと考えます。

さて、エネルギー削減を突き詰めればこのように我慢生活にならざるを得ないと思いますが、エネルギーの無駄を無くすことは我慢生活でなくともできます。例えば電気ポットを止めましょう。電気ポット多くは、断熱性能のない容器ですから、沸かしたあとからどんどん熱が空気中に逃げます。昔ながらの魔法瓶(電気のないポット)にお湯を入れるのが良いでしょう。次に道にある自動販売機もできる限り利用することを止めたいものです。自動販売機も断熱性能は無いですので無理やり暖めたり冷やしたりしているので、エネルギーの無駄使いです。次に開放型ファンヒーターもできれば購入を止めたですね。(リフェース)この器具は室内の空気を使って燃焼しますから、一時間に一回は5分間は最低空気の入れ替えが必須です。このとき温まった空気も逃げますので無駄です(この開放型ストーブを居室で使うのは、先進国では日本だけらしい)。空気の入れ替えをしない方がいらっしゃいますが、 これは大変危険です。また結露をおこすので建物や寝具衣類などをだめにします。これも無駄です。②に続く・・・

写真は数年前の冬。この年は雪が多く降った。


見学会にお越し頂きありがとうございます。

昨日、一昨日と完成見学会に遠くから起こしいただいた方、急がしい時間に都合をつけていただいた方、どうもありがとうございます。

今回の見学会は、少々反省すべき点がありました。まず、チラシの折込日が適当でなかった事。本来なら前日におり込む所、印刷会社さんの都合で当日になってしまいました。そして「寒い時期の更にとてもゆきの多いところで見学会となった事」です。本来なら寒い時期だからこそこの家の良さがわかるのでしょうが、大学センター試験とも重なり今回の見学会はどの他もいらっしゃらない時間が結構ありました。

また、今回の見学会で感じた複雑な気持ちは、事務所設立当時から10年「緑の家」の仕様は変わっていない事が誇れる事なのに、初めて来て頂いた方は、以前とは違いその仕様にびっくりされないことです。このような「緑の家」仕様が世の中に浸透し、今では無垢材を沢山の皆さんが使っているし、壁も自然素材が多くなったことがあげられるのでしょう。(無塗装はまだまだ少数ですが、オイル仕上げとの違いが靴下を履いている一般の方ではなかなかわからない)10年間で標準となった仕様という事は、10年先を見据えた仕様である事です。となるとこの施工と設計・工事監理を分離するスタイルも10年後にはあたりまえになるのでしょう。最近は一年で仕様が変わるメーカーが多い中、10年も同じ仕様を薦めることは誇れる事ではありますが、感動が与えにくくなった事に複雑な思いです。

さて話が変わりますが、お越し頂いた方で「こんな大きいコーナーサッシがあって地震に弱くないの?」とのご質問があり、戸惑いました。というのは、私どもとしては、今回の家は地震に対しそう対処の難しくない家(柏崎 T邸の古民家の方がもっと難しいのに、今回の地震でもほとんど被害がない)なのです。だけれど、ほとんどの工務店が造る家は構造計算していないため、このようなコーナーのサッシは造らないように建て主に言っているようです。本当に戸惑います。もしコーナーサッシがだめであったら、世の中のガラスで囲まれたビルは姿を消さなくてはなりません。つまり構造計算をしっかり行えば、どんな計画も可能だと言う意識がなくなってしまっているのです。自分の技術力を否定している建設会社が多いのだと思いました。周りより10年先に進むとなかなか認知してもらうまで大変です。最初の無塗装の家を造ったあの10年前の時のように。


ありがたい先送り 壁量(耐震)チェック

ありがたいことです。また真面目に設計している人にお仕事が集まってくるのではないかと思います。

2007年12月19日の国土交通省(の元の制度部会)の発表によると、2008年(今年)予定されていた、木造住宅の行政による壁量(耐震)チェックが来年度以降に先送りされた。↓リンクは2008/02に加筆

http://sumai.nikkei.co.jp/news/latestnews/index.cfm?i=2008021209851p2

そもそもこの壁量チェックは、今から20年ほど前に行われていた行政による耐震チェックである。それが建築の資格がある人が設計すれば、行政は壁量チェックしないというきまりが20年前に出来たのだ。それ以後木造2階建の建築物は設計者にその耐震計画の全てゆだねることになった。ところが3年前に起きた、所謂耐震偽装事件で、木造住宅大手でも壁量チェックにミスや偽装が多数見つかり(当ブログでも紹介)、20年前に行われていた行政による壁量チェックが今年再び復活する事になるはずだった。

しかし昨年の確認申請の改正で、住宅の着工数が減り建築業界が大混乱となった。私の独断ではあるが、こと木造住宅においては確認申請が改正されてもほとんど変わった事はない。改正によって手間隙がかかるようになったのは、非木造や3階建て以上の住宅である。だから普通の住宅が確認申請の改正の影響で着工数が落ちたとは到底思えない。事実当事務所が提出する確認申請は、いつもどおり期間でいつもどおりOKとなる。何も変わっていない。そもそも確認申請が変わったのは、根拠を表す書類が多く必要になったことと、決められた日数に申請書にOKを出さなくても良い理由が多くなったこと。以前の法律のおいて行政は問題なければ木造住宅では7日以内、非木造では21日以内に確認にOKを出さなければならなかった。ところが改正された法律では、それが倍ほどの期間になったり、軽びんなミス以外は確認申請提出直しが必要となった。だから今までいい加減に書類を作成(設計)していた人は、大変な遅れになる。

もう一度言うが、木造住宅2階建では、何も変わっていない。確認申請のせいで着工数が少なくなったのではなく、大手を除く地方企業の景気が不安定だから家が建たなくなったのではないかと思う。建て主の立場に立てば壁量チェックは是非必要な事で、これで耐震性の安心感が得られる。なぜそんな仕組みを先送りするのか?やはり今の行政は消費者の安全よりも企業優先と言う事だろうか?


阪神淡路大震災で学ぶもの。

昨日阪神淡路大震災から13年を経った。NHKでは何度となく現地の模様が報道されていた。その中でインタビューに答える多くの人が、「忘れない。風化させない。」と応えていた。この「忘れない」という主語は何であろう?また風化しては困るのは何だろう?その部分はカットされているのか、それとも応えた方があえて言っていないのかわからない。皆さんは何だとお思うだろうか?夜の10時からNHKで放送された「命のセーフティーネット・・・」ではそんな「主語」をしっかりと報道した。これには国営放送の大切さを感じる。(製作はNHK大阪であった。)

思い返すと阪神淡路大震災で亡くなった5千人以上の方は、圧死である。朝早く起きた地震は、住民を守るはずの家なのに容赦なく就寝中の人への凶器となった。昭和56年以前の基準で建てられた住宅は、震度7クラスの地震で倒壊する。また昭和56年以降の建築であっても、正しく建てられていない建物(大部分の木造住宅が該当)は倒壊又は補修不可能な被害を受ける。どうしてそんな現実があるのにインタビューでは主語が消えてしまうのか?もっと厳しく地震がいつでも起こるという現実を受け止めなければならない。キッチンやお風呂を新しくする前に、耐震補強をする事がとっても重要であるし、我々プロはそれを薦める任務がある。

一週間程前に家を計画している人から、現在相談している工務店は「行政の完成検査が終わってから小屋裏を造ろう」と言っているが問題ないのか?と聞かれた。問題外の工務店だ。小屋裏は法律で禁止はされていない。正々堂々と建てればよいではないか?つまり法律沿わない基準の小屋裏を造ろうとしているのだ。無論こんな家を造る人は、耐震性の計算なんて全く考えないのだろう。建築のプロが違法を薦めるという信じられない現実がこの数年で2回も大きな地震に見舞われた県内でさえも日常的にある。それをおかしいと思わない建築主も問題であるが、建築主の多くは、違法建築でも地震には倒れない家を造ってくれるだろうという「暖かい」?気持ちがあるのと解釈したい。

NHKの放送した「命のセーフティーネット・・・」の中で面白い地震対策を見た。防災ベットというスチールの天蓋で囲われたベットだ。この中で寝ていれば、木造住宅がつぶれても命は助かるという。http://www.houei-k.co.jp/

また耐震補強が充分でなくても補助金を認めると言う自治体もある。これは賛成であるが、あえて一言!!もし低い基準で耐震補強をおこなったら、その旨を玄関の見える部分に掲げてほしい。そうでなければ税金を投入したのに、その家に遊びに来た人や、譲り受けた人にちょっと危険だよと言う事が伝わらない。中越沖地震でよいと感じたことは、被災地建物の玄関に「要注意」と か「危険」とか貼り出された。確かにこういった建物には人は安易に近づかない。だから何とかしようとする。乱暴に見えるがこれが耐震補強をするきっかけとなるはず。法律改正でこんなプレートの義務付けが、耐震改修を加速させるひとつの方法であり、結果として人命を守ることになる。(相当抵抗があるだろうなーー(^_^;   )右は法律で定められた積雪プレート。これを見てその家の屋根に3mの雪があったら中に入ることはしないだろう。


寺泊でも30cmの降雪

昨日のから今朝にかけて寺泊でも30cmの降雪(積雪)があった。特に拙宅は海岸部なので雪は積もらないことが多い。これは海水温が10度以上あるので陸地にふく風より温度が高めで、風があると雪がかんたんに消えるためである。今から12年前に寺泊で一晩で40cm積もった事があった。ことしはそうならなければありがたい。

私は冬生まれなので雪が降るとわくわくするが、家から車で出れなくなるのはちょっと困るし、工事している家の雪が降ってほしくない時に降られるのも困る。(これを自分勝手と呼ぶ (^_^;   )今週の気温は低めと気象庁が発表したそんな中、見学会を行いますのでご興味のある方は是非お越しください。


家の断熱性能を表すQ値の利用法

家を建てようとしている方は、「この家のQ値=2.0W/℃m2」ですよ。とか「断熱性能は次世代基準値ですよ」と聞いた事があると思う。勿論Q値が低いほど良い性能だという事はわかるが、現実味がない数値であると思うだろう。しかしQ値は、我々設計者にはとても実用的な数値である。では皆さんにもわかる使いかたを!!

高気密高断熱住宅は、家中を暖房するための技術(ランニングコストを下げる技術)です。家中暖房でどのくらいの暖房設備が必要かを考える時(所謂設備設計)にこの数値が役立ちます。

例えばQ値2.0W/℃m2で述べ床30坪の家の暖房設備は、次のように考えられます。

30坪(=100m2) 外気2℃ 室内温度22度の時の必要暖房機は

床面積×Q値×温度差=100m2×2.0W/℃m2×(22-2)=4000W=4KW

つまり暖房出力4KWの機器が家に一台あれば22度で家中暖房できることになります。4KWの機器は11帖用のファンヒータークラスです。またエアコンでは6帖用エアコンでも外気温2度の時に4.2KWの出力があるので、一番小さなエアコン1台で家中暖房できる事になります。(実際は最大温度差24度(外気-2度)で計算しますので、4.8KWとなります。)このQ値がわかるから設備機器をオーブルデザイン内で設計できるです。しかし「緑の家」ではあえてエアコン一台で暖房できる家とは宣伝しません。それは普通の家では、ある程度空間が区切られるのでエアコン一台では温度ムラができるので実用的ではないからです。

さてではQ値が次世代省エネルギーⅣ地区クラスをクリヤーする(新潟市)2.7W/℃m2で計算すると、同じ30坪の家でも5.4KW必要となります。この差はランニングコストの差になります。如何ですか?このQ値がいかに重要であるかわかりましたか?皆さんが家をお考えの時には、必ずご自分の家のQ値を設計者に聞いてください。このQ値がわかって家の大きさがわかれば、皆さんも簡単に暖房費が計算できます。

例えば先ほどの4KWの設備機器を必要とする家(Q値2.0)の一日の暖房費は、暖房を高性能エアコン(COP6.7)で行うと、外気2度の時のCOPは大体4くらいですから、4KWh÷4=1KW/hとなり、電気代1KWh=25円ですので24時間で600円。つまり今の時期(1月)の一日あたりの暖房費用は600円となります。すると仮に1ヶ月間同じ条件であると600円×30日=18000円となります。一月の平均気温が2度なら誤差はほとんどありません。これがQ値が2.7では、5.4÷4×25×24×30=24300円となりその差はひと月当たり6300円です。このようにQ値は大変使える数値です。


ちょっと10年を振り返り ②

10年を振り返り今後の事を・・・。「緑の家」について

地球温暖化問題もあるが、なんていっても原油の先行き不安感はこれから本格的始まる。人間の飽くなき欲求は今後も続き、一度覚えた快適性や快楽は早々手放せないのが真理心理。そこで「緑の家」では快適性を維持しながら今の生活よりエネルギー削減が出来やすい家として新に性能をアップした「SSクラス(0.99)」をご提案する。左の図は今年の建築学会で発表された論文であるが、暖房E0=Q値0.99は部分暖房する生活でも、全館暖房でもほとんどエネルギー消費が変わらない(但し地域設定が東京設定なので北陸では増える)。ところがQ値2.7W/m2K(ほとんどのメーカーの断熱基準)であると、やはり全館暖房はエネルギー消費が多くなる。緑の家ではこの10年で一番良いQ値性能の家で1.2W/m2Kである。これを改良する事で達成したい。また、断熱区画によるエネルギー削除の提案やよりコンパクトな住まいのご提案もしたい。コンパクトな家の提案として今度見学会行われる長岡ニュータウンの家はお奨め。居住部分は30坪に満たないが、外部収納として使われる車庫が15坪あり、当然車庫部分は暖房しないので、エネルギー消費量は抑えられる。しかも生活に必要なものをしっかりと使いやすくそろえ、かつ大胆に開口部をとる手法で設計している。今後の家のひとつのあり方だと感じる。(コンパクトがいいとおっしゃったのは建て主さんである。そのよさは拙宅でも分かる。時々妻に友人が遊びに来た時に狭いと言われるがそれを気にしなければ問題ない。と言うかそれしか建てられない経済的現実があったので、私の場合選んだと言うよりは・・・。)


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