日射遮蔽係数・・・聞き慣れない言葉ですね。
でも超高断熱住宅ではとても大事な数値(性能)なのです。
Ⅲ地区以南(新潟など)の超高断熱住宅になると、暖房費より冷房費がかかるようになります。参考にごく普通の家の暖房費と冷房費の比率は10:1くらいですが、これは快適性を無視しているの比較できません。
超高断熱住宅は、家を閉め切ったときには大変少ない熱でも室温が上がります。この一番の熱上昇原因は太陽の日射です。とにかく家の中に日射をいれなければ良いのです。そこでその指標となるのが「日射遮蔽係数」です。
日射遮蔽係数は、前日の熱損失係数とセットの評価項目です。この算出も意外とむずかしくて普通の工務店さんはこの評価を避けて簡単な開口部ごとの日射遮蔽チェックですませますが、オーブルデザインでは計算します。
今回の評価機関の査定では新潟の基準値0.070以下に対して0.036と約半分の数値(性能は2倍)となりました。つまり普通の高気密高断熱住宅の日射進入より倍も高い基準ということです。
この評価住宅では「すだれ」を標準でかけたりできる装置や、カーテンもあるのですが、こういった付属品は計算外として考えているにもかかわらず、0.036という数値は大変良い日射遮蔽性能です。
家を宣伝するときに、
「この家は夏の日射が入りにくい家です」
と説明していたら、
「日射遮蔽係数はいくらですか?」
と聞いてみましょう。言葉では如何様にでも(極端な事でも)いえますが、数値ははっきりとわかる指標です。是非数値で比較し、説明してもらいましょう。
コメント
saccho様
コメントありがとうございます。
最初に・・・
記事の補足説明すると、冷房費の方が暖房費よりコストが掛るとかきましたが、その根拠は
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/zero_ene1.html
の消費エネルギー部分を暖房と冷房で比較して頂ければ、当事務所SSプランにおいてでさえも(ドイツや北欧の高性能の家より1段劣る性能)冷房に掛る消費エネルギーの方が暖房に掛る消費エネルギーより多くなっていることです。つまり機械的にある気温を超えたとき冷房するというシミュレーションでは(Qペックスソフトを使用)明らかに冷房の方が暖房よりエネルギーが必要と言うことになります。
しかしご存じのとおり、冷房は使用しなくても我慢出来る行為なので電気代算出では、50%の使用率でと私は考えます。すると暖房費の70%くらいになりますが、双方100%の使用率で考えると上の記事の文言となります。
さて、この激夏においてSSプランの家で過ごした人の体験談では、冷房費が多く掛ったと言う感覚はない、そんなに暑くないし、暑くてももそう問題ではないとおっしゃってましたので、超高断熱でも日射遮蔽を行えば大丈夫でしょう。
ドイツや北欧でも夏の超高断熱住宅内は温度が上がりやすいですので、きっちりと日射遮蔽が考えられております(パッシブハウスなど)。なにしろ外気湿度が低いので日射を遮蔽すれば通風があるだけで快適なのでしょう。
一方日本の夏はモンスーン気候ですので高湿な空気に支配されます。この空気から快適さを得るにはどうしても除湿できるエアコンが必要です。その場合でも日射遮蔽をきっちりした超高断熱住宅とすれば少ないエネルギーで快適さが得られます。ですので、saccho様がおっしゃっているとおり・・・
「この日射遮蔽をしっかりと計画したならば、日本でもやはり断熱性能はより高い方が夏、冬ともに冷暖房費が抑制できて快適な住宅になる・・・」が目指す家ではないでしょうか?
いつも拝見しております。
一つ教えてください。
住宅に求められる断熱性能は年々ドンドンと高くなり、将来的には北欧やドイツにならっていく流れのように聞きます。
一方、超高断熱住宅では暖房費よりも冷房費が掛かるようになるということですが、そうすると夏暑い日本の多くの地域では住宅のQ値等はパッシブハウスや北欧クラスより幾分高い方が良いのでしょうか?
夏は亜熱帯?の日本(新潟など)に適した住宅は北欧とは違った断熱性能が最適なのかもしれませんよね?
それとも、この日射遮蔽をしっかりと計画したならば、日本でもやはり断熱性能はより高い方が夏、冬ともに冷暖房費が抑制できて快適な住宅になるのでしょうか?
coo様
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり「明るい家」のご要望は大変多いです。その明るい家で最も重要なのが、実は窓の外なのです・・・。
大きな窓があるより、窓を開けた(カーテンですが)ままで過ごせる家の方が何となく明るかったりします。
いつも参考になるブログをありがとうございます。
家を建てるときにたくさんのモデルハウスに行きましたが、
日射遮蔽の必要を話してくれた会社は、たった一軒きりでした。
あとは皆さん、いかに明るい(日が射し込む)家であるか、を熱弁でした。
これだけをみてもいかに営業さんが今の家造りを理解していないかの証明になるな〜、と思ったものです。
いや、とにかく明るい家を求める消費者もいけないんだとは感じますが。