2013年前半のお勧めエアコン

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2016年加筆 ダイキンさんのエアコンは室内温湿度センサーが不思議な場所にあり床下用エアコンとしても壁掛でもお勧めし出来ません。この記事に関してはNGで本当に申し訳ありませんでした。

今年はダイキンが良い

今年は大きな変化があります。
先に松尾さん良い情報をありがとうございます。

過去5年くらいパナソニックのエアコンがお勧めの主力だったのですが、今年からダイキンのエアコンが主力(床下用)になりそうです。

きっかけはパッシブハウスで有名な兵庫県の松尾設計さんのブログに訪れた時、偶然に車の設計者が「モーターは電圧が上がると効率が良くなる」とのお話しを松尾さんが聞いたとの事が載っていました。そこで紹介されていたダイキンの機種では同じ14帖のエアコンで、電圧100Vの方がAPFが6.2で200Vの方が7.0となっておりました。

確かに・・・。

そこでカタログをよく見ると、なんと最小運転時のCOPが両方とも6以上もでている事がわかりました。これは驚きです。あの最小能力運転時に性能が高くなるツインコンプレッサーの東芝機種でさえ、4.4と遠く及びません。この機種は良いかも・・・調べよう・・・と言う事で少しだけ他のメーカーや以前の機種を電圧なども含めて比較しました。

色部分がダイキンの同じ帖数対象の100Vと200V機器の比較。また2010年のエアコンのHが今だに優れている事がわかる。

このようになります。今やエアコンは暖房時の消費エネルギー量が数倍冷房時より大きいので、暖房時の性能を比較すれば事足ります。

すると・・・

今回のダイキンのエアコンでさえ2010年に発売されていたパナソニックの機種H、I、Jには及ばないことがわかります。特に電圧100VのHと200VのCを比べると100VのHの方がトータルでも、部分的評価(私にとってAPFの方が部分的評価)でも良いことになります(帖数が違うところはさておき)。
そして同メーカーの同シリーズ内で比較するとその傾向がわかります。例えば、ダイキンの14帖用と同じシリーズの23帖用までは帖数が上がる毎に定格COPもAPFも下がります。この傾向はパナソニックのH~Jでも同じで、定格COPもAPFも下がります。そしてもう一つこの両メーカーの機種共通で最小時運転のCOPは同じシリーズならほぼ同じCOPです。

ここからわかる事は、エアコンのような量販機種で毎年新機種が出るくらい競り合うものは、そのハード技術が既に飽和状態で100V又は200Vの電圧の差で大きな効率変化はなく、それよりもどの部分で最適化(チューニング)されているかでCOPが変わると考えられます。例えばダイキンでもこのRXシリーズは6帖用から26帖用まで9機種あります。毎年この9機種の中身が全部違っていたら投資効率が悪いので2つのハードしか分けていないと思われます。それはC、Dの14帖から上の帖数とA、Bの6帖14帖用で2パターンです。そのおのおののハードのチューニング(熱交換器や送風ファン、圧縮機回転数)によって更に細分化され、各帖数に分かれております。つまり6帖用~14帖(100V)までは6帖用に最適化されたハードであり、そのため14帖(100V)はこのハードの中では一番性能がおとります。一方14帖(200V)から26帖用までハードは14帖に最適化された機器であるため、この14帖に最適化された電圧200V機器と6帖用に最適化された100V用14帖機器を比較すれば、確かに200Vである機器の方が最適化されたものなので良い性能を示す訳です。

さて、エアコンは毎年進歩しているように感じられますが、2010年に発売されたH、I、Jよりもまだ性能値が高い機種はありません。つまり性能は進歩しているように見せかけているだけです。その見せかけ数値が数年前に正式な省エネ指標となったAPFであり、定格COPは数年前のままです。もしかしたら数年前より悪い定格COPがあるかもしれません。定格COPが指標だった5年前頃は、定格COP近辺が一番良くなるように機器がチューニングされており、今のAPF指標では定格より低くなるところ(半分くらい)でCOPが一番良くなるようにチューニングされる方向に変わっただけのようです。

さて、なぜH、I、Jの機種が高いCOPだったのでしょうか?それは現在のヒートポンプ技術は、15年くらい前に起きたPAMやDCモーターインバーター変換のような劇的な性能改善技術はなく、一番オーソドックスな熱交換器と送風量を大きくすることで、性能を引き上げてきたと言えます。なぜか・・・表の一番右に書いたとおり、この機種だけが規格外寸法で他の機種より10cmくらい巾が大きいのです。しかしこの巾の大きさだと住宅の910ピッチのモジュールに入らないので販売店から嫌われ、消えていきました。

そして現在は規格内のエアコンであっても、20年前のエアコン室内機の倍の大きさに現在の室内機はなっています。巾は大きくできませんので、どこを大きくしたか?それは奥行きです。今のエアコンはみんな下のような形です。その理由は熱交換器を大きくしたい・・・機能(お掃除、再熱加熱)を詰め込みたい・・・から奥行きを大きくするしかありません。いまも基本通り熱交換器と送風量アップが効率を上げる王道ですが、今のガスの理論値は確かCOP10以上だったので、更なるヒートポンプの革新的技術を日本の技術者に期待しています。

エアコン室内機を横から見た図。奥行きが驚異の372mm・・・。10年くらい前はこの半分の奥行き。

さて、ようやくまとめですが、

今年の一押しはどれか?

1はCのダイキンのS40PTRXP(200V機器の機種)です。最大出力が大きく、幅広い範囲でCOPが高いので床下エアコンとしてはうってつけです。販売価格も現時点で14万以下と6帖を2台買うより安価でトータル的に優れております。特に新しい冷媒ガスR32を使っている唯一のメーカーです。今後はR32に向かうと思いますから、先取りで良いと思います。

2はやはりGのパナのCS-X223Cです。ただし最小時のCOPの悪いところがあり、できるだけ半分くらいの出力で動くところに使いたい機種(2階のメイン冷房用)です。

3はAのダイキンの6帖用です。最小運転時の性能があの東芝より大きいことが理由です。価格もZの東芝より安く推移しています。

さてランクを付けましたが、ダイキンは最近使っておらず、快適性に影響を与える冷房時の運転特性も体験しておりませんが、ダイキンが湿度に拘るメーカーな為問題ないかと思いたいです。

PS
ダイキン製を使うときは、うるるとさららを使わないようにしてください。これを使うとCOPは3以下で2くらいになるときもあります。このため、過去13年くらいダイキン製のエアコンはランク外でした。加湿や除湿は純粋にエアコン(加湿は水盤、植物、洗濯物)で行ってください。なお現在ダイキンさんに質問を送っていますので、返答によっては変わるかもしれません。あしからず。

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コメント

  1. 北関東 より:

    お忙しいところありがとうございます。
    地域柄か今までエアコンを使用して無かったせいか、冬以外の使い方は適当でした。。
    >我慢はストレスです。
    もっともですね。

  2. オーブルデザインの浅間 より:

    北関東さん
    早速ですが、
    >この時期(梅雨、初夏)のエアコン除湿(冷房)は数年前と同様に冷房での運転の方が効率がよろしいでしょうか?
    お使いの機種がやはり数年前の機種ならば間違いなくそうです。仮に最新機種に買い換えても冷房の方が効率だけを見れば良いでしょう。
    今年の機種などでは、除湿時の効率改善がされていますが、効率比較では熱交換器を全て使える冷房運転がやはり効率が良いでしょう。
    ただ、負荷が少なく湿度が思ったように下がらないときは、再加熱除湿を使いましょう。我慢はストレスです。

  3. 北関東 より:

    記事の内容と関係ないかもしれませんがご教授ください。
    この時期(梅雨、初夏)のエアコン除湿(冷房)は数年前と同様に冷房での運転の方が効率がよろしいでしょうか?

  4. 新田哲正 より:

    浅間様 ありがとうございました。
    本当に驚きました、弊社エアコン業者とのやり取りでは、断然RXの方が高かったのですが、価格コムではこのようになっているのですね、失礼いたしました。
    それにしても勿体ないというか、何というか、ですね[E:happy01]

  5. オーブル浅間です。 より:

    新田哲正様 
    コメントありがとうございます。
    マニアな人が増えて大変ありがたいですね。
    実は・・・
    >RXとAXは冷暖房性能はカタログで見る限り同じです。
    うるる機能が必要なければ、本体価格も配管施工費も安いAXがお勧めという考えなのですが、いかがなものでしょうか
    私もそう思って最初そのようにしました。ところが・・・
    価格コムで調べると
    RXの方が13.2万~13.7万(上位10社)
    AXの方が17万(上位10社)
    約3.5万RXの方が安いのです。
    10社あるので大体このくらいで買えるでしょう。
    http://kakaku.com/item/K0000438752/
    http://kakaku.com/item/K0000438722/
    うるる機能の配管は確かに嵩み、また制限がありますが、使わないとすれば良いと考えております。また配管をしても3.5万あればおつりが来るとの判断です。
    「うるるは使わないで下さい」と最後で申しているので、おっしゃるとおり本当はAXの方が良いのかもしれません。
    ご指摘ありがとうございます。

  6. 新田哲正 より:

    浅間様、恐れ入りますがコメントさせて下さい。
    ダイキンのRXシリーズは最上位機種であり、性能も機能も充実しています。但し一番価格の高い機種です。また、うるる機能のために配管施工費も他機種より高くなります。
    そこで、私はAXシリーズがお勧めと考えています。
    AXはRXの一つ下の機種になりますが大きな違いは、うるる機能がついていないという事だと思います。
    RXとAXは冷暖房性能はカタログで見る限り同じです。
    うるる機能が必要なければ、本体価格も配管施工費も安いAXがお勧めという考えなのですが、いかがなものでしょうか?

  7. オーブル浅間です。 より:

    松尾様
     コメントありがとうございます。
    >爆風モードのようなものが「おそらく」なくなったのであろうだけでも随分ましになったんでしょうね。
    そのとおりですね。
    ここで紹介したパナのH等は2010年製なので既に爆風モード事件が公になったあとの機種なので問題はないと思っていますが、どうもこの業界、サッシの防火事件も含め今も大手メーカーさんの信用性(最小運転時のCOPがホントなら嬉しい)が疑われます。
    PS 何時も有意義な情報発信・・・楽しみにしております。

  8. 松尾和也 より:

    ご紹介ありがとうございます。確かにおっしゃるとおりエアコンは数種類のベースを元に10種近いサイズのものを作っているとは聞いていました。しかし、それが2種類まで限定されるとは驚きでした。しかし、なぜダイキンの機種は最低時のCOPがここまで良くなっているんでしょうね?あとおっしゃるとおり、基準が変わるとそこに最適化するゴールが変わるのは仕方がないですね。車でも10モードを狙うのかJC08を狙うのかで違いますし・・・。その結果日本車ならありえないことですが、ドイツ車なんかではJC08のほうが10モードを上回っていることもあります。爆風モードのようなものが「おそらく」なくなったのであろうだけでも随分ましになったんでしょうね。