三条市に3週間ぶりにまとまった雨がふりました。そんな土砂降りの中、Q値0.94w/m2K程度(熱交換と設備を相殺加味した場合)の超高断熱住宅が上棟中です。
最近の当ブログでは・・・
「て・こあ」という大正6年に建築された、超自然素材住宅で無断熱(断熱材が一切入っていない事)の建物の紹介ばかりしておりますので、オーブルデザインさんは方向転換して、超高断熱住宅を止めたのでは無いかと心配?しておられる方もいらっしゃると思います。
大丈夫です。「緑の家」はこれからも超高断熱住宅を更に性能アップしていきたいと考えているくらいです。これから住宅の基本あくまでも超高断熱住宅であり、それを緩めるような事はしませんが、あの「て・こあ」の良さを何かしら取り入れて行きたいと思っている事も事実です。
この建物コーナーにサッシが取り付くとその特徴がはっきりする。
お昼に伺うと土砂降りのなか1階は既に柱建終了しており、2階は午後からです。
この「荒町2丁目の家」の特徴の一つは・・・
その開口部の位置にあります。コーナー部分を大きな開口部にすることを中心としたリビングダイニング(これを家族の間と呼びます)で、そこに大きなテーブル・・・長さ3.6mで巾90cmが設置されます。オーブルデザインの事務所にお越し頂いた方は見たことがあると思いますが、事務所のテーブルも長さ約4mで巾が100cmあり、これとほぼ同じテーブルとなります。
さてこのコーナーサッシの廻りには135mm角の通し柱が3本取り付き、見た感じもしっかりしているように見えます。これで積雪1.4m耐震等級2相当を確保します。これは積雪1mの耐震等級3に匹敵します。如何に雪の荷重が建物に影響を与えるかがわかります。逆を言えば耐震等級は積雪量によっておおきくかわりますから、家を計画している人は
「うちの設計積雪は何メートルですか?」
と聞くと正確な耐震性能もわかるでしょう。
クレーンの操作員さんは見事な職人さんです。一つ間違えば大きな事故を招くポジションで、上の写真のように足場すれすれでアームを止めワイヤーを緩める動作を、瞬時にしかも同時に行います。これは目が4つあるかのごとしです。
ホイールクレーン車としては中型な部類の10トンつり上げ仕様
ふとクレーン車の足下を見ると・・・
普通はこのように木や鉄板が敷いてあります。木のめり込み耐力って意外と強いなと思いませんか?矢印の○の直径は約30cmです。このクレーンの最大つり上げ荷重は10トンですから10000kg/3本(3本足と見ます)=33000kg/本
と言う事は33000/(πr2)=46kg/cm2と凄いめり込みに耐えると言うことです。この46kg/cm2をm2にすると466トン/m2・・・・地耐力より一桁多い事になります。木ってすごいですね。建築基準法でも堅木であれば10kg/cm2ですからまあまあ同じくらいです。
雨の日の上棟は木にとって大丈夫なのか?と言う問いは、多くの建設会社さんのHPでも説明があるとおり、数日の雨でも木に耐力上の影響が出ることはありません。仕上げ材ですと、色かわりが発生する時がありますから、その点だけ注意が必要です。
コメント
返答ありがとうございます。当方長野県ですが、こちらでは上棟前日に予報を見て延期を決めたりしているようです。その際の金銭的なところはわかりません。土砂降りの中上棟しているのは工期優先の建売くらいで、良くない印象を持ってしまうというのが正直な感想です。
スチロパール様
コメントありがとうございます。
>できることなら濡らしたくないというのが施主の心情だと思います。
おっしゃる通りです。できるなら・・・
全国平均で日本では3日に1日は雨が降っている気候です。ですので軸組工法自体が雨が降っても影響の出にくい家の作り方として進化しました。特に大きい家、神社ほど数日間かけて上棟までを行いますから必ずといって良いほど雨にうたれる事が一度あると言えます。そこで国宝級の建物改築時は、仮屋根をかけて雨にうたれないようにしているようです。
特に新潟県では10月下旬~3月中旬までは、2日に1日は雨(雪)の日です。冬には2週間も晴れないこともあります。ですので新潟では多くの人がその事情に対し寛容です。それは、上棟の時には大勢いの大工さんが他の現場を休み、その上棟に時に集まってくれるからで、、2週間以上前から決まっているその日を前日に雨だから止めるとは中々言えません。多分金額的にもその対価を支払う必要が道義的に発生するかもしれません。
無論、最初から雨の日の上棟は避けてという事でお約束があれば、いたしません。
現在家作りを計画中で、いつも大変興味深く拝見しています。雨の中の上棟、私は抵抗がありますが、施主の理解は得られるのでしょうか。耐力上の影響がないといっても、できることなら濡らしたくないというのが施主の心情だと思います。